2009年01月26日

HOPE!おばちゃんとぼく ~ 阪本啓一 + オバマ大統領に会う


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書籍情報

HOPE!おばちゃんとぼく
HOPE!おばちゃんとぼく
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阪本啓一
メディアファクトリー
売り上げランキング: 83542

本のひらめき

本書は、阪本さんのはじめての小説。とても面白く、さくっと読めて、なおか
つ、生き方、働き方などを感じさせてくれる素敵な物語である。

新幹線を乗り継ぎながら、恋愛のこと、仕事のこと、家族のこと、いろんな糸
が織りこまれている。

主人公のぼくは、トイ・ファクトリーというおもちゃ業界の会社に勤める27
歳の独身サラリーマン。ハロちゃん人形の売り出しのとき、上司の品川部長の
ミスである事件がおきる。
こともあろうに、ぼくはその濡れ衣を着せられるハメに・・・。

会社での理不尽に嫌気がさして、かってに会社を休み、旅にでたぼく。

新幹線の旅で出あうコテコテの大阪弁をしゃべる不思議なおばちゃんとのかけ
あいが面白い。

途中で出会うカリスマ添乗員の平田さんは実在の人(日本旅行の平田信也さん)
だ。そのエピソードも楽しい。

ビジネス、マーケティングなどのエッセンスや、人生の機微など、さまざまな
ものが織りなされている。

阪本さん自身や、お母さんの生き方が投影されている自伝的な小説。とっても
おすすめ!


僕の思いつき

阪本さんのお母さんをモデルにしたこの小説。楽しく読めて、そしてどこかほ
ろりとし、また勉強にもなる。

我が家の子供たちも、こっそりよんで気に入ったらしい。どこが気に入ったか
微妙なところだが、「大阪弁は可笑しい」というのが彼らの気に入り方だった。
まー、それはそれでよいことに・・・。

自分の人生だけだと、なかなか小説のようには面白くならないけれど、そこに
これまで見聞きしたり、本で読んだりした人物を登場させてみると、けっこう
面白い小説が書けるかもしれない・・・。

いつか、小説を書こう(ね)


オススメ度

★★★★★+おばちゃん

読んで欲しい方

・仕事についてちょっと考えたい方
・人生の機微を感じたい方
・お世話になってる方を思いたい方

Posted by webook at 15:25 | Comments (0) | TrackBack

2009年01月19日

奇跡のリンゴ ~ 石川拓治 + 招き猫

命。それは奇跡の営み・・・

書籍情報

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
石川 拓治 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
幻冬舎
売り上げランキング: 31


本のひらめき

前々から読みたかった本がやってきた。表紙で笑っている木村秋則さんは、ほ
とんど歯がばい。リンゴの葉っぱと取り換えちゃったとおどけて言う木村さん
だが、さまざまな困難と苦労の跡でもある。

誰もが不可能といった、無農薬のリンゴ栽培という無謀なチャレンジを9年も
の長い間続け、ついにそれを実現してしまった不屈の人の物語である。

この本を読むにあたって、ひとつ知っておくとよいことがある。お店で買うリ
ンゴがどのようにできてきたのか・・・というリンゴの歴史。お米や牛肉など
ほとんどの食材が工業化されてきた歴史でもある。

キーワードは、「品種改良」と「農薬」である。人間の都合(生産効率、ビジ
ネス)のためだけを考えて、リンゴは、19世紀盛んに品種改良が加えられた。
アメリカが特に盛んであったらしい。その後、「農薬」が発明され、さらにリ
ンゴは人の手が加えられていく。

人に都合のいい品種改良と、これまた人(ビジネス)に都合のいい農薬が発明
され、自然の中の営みとしてのリンゴは、どんどん進化(たぶん、この言葉は
不適切であろう)してきた。こうして、リンゴの木そのものが体質的に変わっ
てしまった今、農薬なしの生産はあり得ない状況なのだ。なぜなら、今の品種
は、農薬を前提に品種改良されたリンゴだからだ。

 リンゴという果物は、農薬に深く依存した、現代農業の象徴的存在なのだ。

そんな中で、木村さんを「誰もが不可能といったリンゴの無農薬栽培」という
Mosoに向かわせたのは、福岡正信の書いた一冊の本だった。
「何もやらない、農薬も肥料もなにも使わない農業」という題名。

木村さんの9年の努力は、貧困、誹謗中傷、家族への心配、自分の中の苦悩、
などさまざまな困難の道程だった。最後は、岩木山で首をつって死のうと思
うまでに至る。しかし、そこで見たものは、山に生えていたリンゴの木。(
実はそれはドングリの木だったのだが、それは問題ではなかった)

稲妻のように木村さんの脳裏を走ったのは

 自然の植物が、農薬の助けなどかりずに育つことを
 なぜ不思議に思わなかったのだろう。

ということだった。

本書は、9年という歳月をかけ苦労の末に奇跡を起こした物語というだけでは
ない。私たちがこの地球上で生きている本当の意味や、毎日食べている食べ物
を工業製品にしてしまったことの功罪、自然と人間のかかわりなど、とても深
い問いを私たちに投げかけている。

その問いとは、人間と自然との折り合いの付け方である。自然を征服するので
はない。人間も自然の生み出した一つの生き物である以上、自然との調和が必
要なのだ。

木村さんは、リンゴと向き合った壮絶な過程の中で、自分の仕事の意味を悟る。

 自然が織りなす生態系という織物と、リンゴの木の命を調和させることが
 自分の仕事なのだ、と。

涙なしには読めない本書から、いくつかの啓示を受けたように思う。


僕の思いつき

木村さんのやったことは、ただ無農薬のリンゴを作ったということだけではな
い。自然と人間、その歴史の中で、忘れ去られようとしていた大切なことを人
々に教えてくれたことではないだろうか。

木村さんの言葉が、深い。

 人間にできることなんて、そんなたいしたことじゃないんだよ。みんなは
 木村はよく頑張ったって言うけどさ、私じゃない。リンゴの木が頑張ったん
 だよ。私にできることは、リンゴの木の手伝いでしかないんだよ。

 自然の手伝いをして、その恵みを分けてもらう。それが農業の本当の姿
 なんだよ。

そして、木村さんのインタビューから深い洞察を引き出した著者、石川さんも
すごい。石川さんが、はじめてこの奇跡のリンゴを口にしたとき、不覚にも涙
を流しそうになったという。すごく美味しかったのだけれど、それ以上の何か
がリンゴに満ち満ちていたらしい。石川さんの次の言葉が印象的だ。

 その何かを言葉で説明するのは難しい。
 無理やり言葉にするのなら、生命とでも表現するしかないもの。

命。リンゴにも、バッタにも、細菌にも・・・私たちにも宿っている「命」。
木村さんが向き合ったのは、命という宇宙の摂理だったのかもしれない。
 
よし、木村さんに会いに行こう。本書を読んでの最初の思いはこれだった。
帰国するときは、ちょっと弘前市により道をたくらんでみよう。一緒に行きた
い人がいたらご連絡を!


オススメ度

★★★★★+内なる生命力

読んで欲しい方

・おいしいリンゴが好きな方
・命の不思議を感じたい方
・奇跡は起こると思う方

Posted by webook at 15:28 | Comments (0) | TrackBack

2009年01月12日

幸福の迷宮 ~ A・ロビラ/F・ミラージェス + 4つの贈り物

幸せというのは、選ぶことなんですな。

書籍情報

幸福の迷宮
幸福の迷宮
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アレックス・ロビラ フランセスク・ミラージェス
ゴマブックス
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本のひらめき

Good Luckをお読みになった方はたくさんいることだろう。
 http://www.webook.tv/bn/2004/10/post_584.html
幸運を自ら引き寄せるための生き方を「物語」として教えてくれる本だった。

同じ著者のアレックス・ロビラが、今度は、魅惑の森ではなく、迷宮の森に誘
ってくれる。
本書は、日常の中に幸福があり、どんなときにも「自ら選ぶ」という選択肢が
あることを教えてくれる。

主人公は33歳のアリアドナ(女性)。彼女は、合成繊維工場を解雇され、絶
望のどん底にあるとき、ふとみつけた森の奥へ続く小道に迷い込むストーリー。

虫取り網をもった探検家、愛の銀行の銀行員、迷宮カフェの掃除婦などに出会
いながら、アリアドナが、迷宮の出口、つまり迷宮の真ん中、そして幸せの真
実を見つける旅をする。

自分自身との対話、心の中の問いという迷宮の旅を一緒に歩くことができる。

メルヘンのような物語の中で、想像力を膨らませ、何かを感じ・・・私たちも
アリアドナと同じく、素敵なものを発見できる。

迷える羊に、よく効く薬となる一冊。あなたも是非。


僕の思いつき

迷宮の真ん中への道を見つけたアリアドナに、探検家が言う。

  「幸せというのは、選ぶことなんですな」

私たちは、どんな瞬間も選ぶことができる。自分自身で選ぶことをやめてしま
うとき、人は迷宮に迷い込むのだという。

迷宮カフェのウエイターが語る短い話は、この選ぶという行為の意味を僕たち
に感じさせてくれる。
 
   コーヒーを注文するお客様とウエイターがやりとりするのは、ほんの
   1分足らずです。いらしゃいませ、ご注文は?、ありがとうございます
   など。
   この1分でウエイターは、3つの選択肢があるんです。
   どんな振る舞いをするかによって、3つの可能性があるんです。
   もし粗野な態度をとっていたら・・・
   普通に接すれば・・・
   もしちょっと親切に接したなら・・・・
   人生の意味と同じです。

なるほど、僕たちはいつもこの3つから選んでいる。いつも3番目を選んでい
れば、いろんなことが幸せにつながっていきそうだ。「誰かと接するたびに、
人生をよくするチャンスがある」ということだ。

探検家は他にもたくさんのいい言葉をアリアドネに伝える。

  「幸福というものはゴールではないのですからな。
   ゴールではなく、香りなのですよ。」

香りなのですよ・・・というところが、素敵だ。時折出会う、生きる香りのあ
る人は、ほんとに爽やかだ。

香りのある人をめざして、選択、選択、っと。



オススメ度

★★★★★+人生は選択だ。

読んで欲しい方

・幸福な人生を送りたい方
・人生の意味を考えたい方
・幸せな時間を感じたい方

Posted by webook at 15:31 | Comments (0) | TrackBack

2009年01月05日

脳が悦ぶと人は必ず成功する ~ 佐藤富雄 + 新年のご挨拶

こいつぁ、春から縁起がいい~♪

書籍情報

脳が悦ぶと人は必ず成功する (Nanaブックス (0072)) (Nanaブックス)
佐藤富雄
ナナ・コーポレート・コミュニケーション
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本のひらめき

いつでも新年は、新しい(笑)。

当然なことだけど、言ってみるとまた不思議な気分になる。

で、この微妙な瞬間、僕もあなたも、脳の中でちょっとだけ「快」の状態が生
まれる。今日の本は、そんな快の状態で読んでほしい「ひらめき脳」の話。

アイデアがばんばんでてきたり、楽しい企画にうきうきしたり・・・僕たちは
わくわくするためにこの星にやってきた。そういうとき「ひらめき脳」はとて
も活性化している。
もちろん、たいそうな発明とか企画とかじゃなくてもいい。誰かにちょっとし
たいいことをするのも「ひらめき」の力だ。

さて、ひらめき脳とは何か。
それは、大脳生理学的にいえば視床下部のことらしい。最も原始的な脳の部分
で、爬虫類脳とも言われている。ここは「海馬」や「扁桃体」などとつながっ
て、「大脳辺縁系」というまとまりになっている。これが神経とつながって、
自律神経系というネットワークになるという。例の「自分と他人の区別ができ
ない」とか「現実と空想の区別がつかない」という、あの自律神経系である。

一方の大脳は、ロジカルにものごとを考えたりできるが、一方で、ひらめき脳
にブレーキをかけたりもする。「そんなこどできっこない」とか「それは俺に
は無理だ」とか。

本書は、そんな脳みそのパワーバランスを理解しつつ、ひらめき脳を活性化さ
せるコツを伝授する。

かしこい大脳を使って、原始的なひらめき脳(視床下部)をだましちゃおう、
というのがそのコツである。

言葉、イメージ、歩くこと、遊ぶこと、好奇心・・・さまざななヒントがある。

一方、ひらめくといっても、ひらめく土台になるのが大脳にしまわれている無
尽蔵ともいえる記憶、経験。知らないことは、閃きようがない。だから、学習
も経験も大事なのだ。

ちなみに海馬というのは、Googleみたいな役割のようで、大脳にしまわ
れている無限にも近い記憶からいろんなものを検索するようだ。無意識のうち
に。

大脳生理学を深く知らない僕たちも、視床下部とかドーパミンとかちょっと専
門的な用語に刺激されながら、ひらめく楽しさを味わえる本である。


僕の思いつき

友達と話しをしていて、「あっ、それ面白いねー!」って閃くのは、たぶん、
楽しい時だと思う。ケンカしているときは、おそらくそういう瞬間は来ないだ
ろう。

やはり、閃くのは、楽しいとき。脳みそが「快」の状態のとき。
だから、会議でもブレストでも楽しい場所、愉快な雰囲気、いい言葉でやるの
がいいようだ。

 わくわくの面白い企画を考えるときにいい言葉
   あっ、それいいね。
   なるほど、そっかー。
   やってみようよ。
   すごいね、それ。

 何か問題発生で、対策を練る時にいい言葉
   大丈夫だよ!
   なんとかなる!
   あきらめる必要はない!
   だめだとぽもった時がスタート!

また、脳内ホルモン(ドーパミン、エンドルフィンなど)がでる快の状態にす
るには、「感動」「感謝」「貢献」がキーワードかもしれない。ひらめき脳が
活発に動くような職場をつくるのも大事だねー。

つぎのジェイカレッジLAは、『ひらめき力講座』ってのもいいなー。
(うほっ、正月から脳内ホルモンが満ちてきた・・・調子いいねぇ♪)



オススメ度

★★★★★+快の状態

読んで欲しい方

・夢を実現したい方
・アイデアをいっぱい出したい方
・脳がわくわくするのを感じたい方

Posted by webook at 16:24 | Comments (0) | TrackBack

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