2006年10月31日完全独習統計学入門 ~ 小島寛之 + 予防接種体感する数学 書籍情報本のひらめき統計と聞くと、なにやら気持ちが悪い人もいるはず。平均値まではいいとしよう。 本書は、そういった統計落ちこぼれ、統計学初めて、統計落ちこぼれつつある人を対象に、統計学を優しく解説した入門書である。恥ずかしながら、僕は、長年疑問だったことがひとつ感覚的にクリアになった。(これでも一応理系なんだけど・・汗) 標準偏差は、統計のキモの部分である。本書もかなり手厚く解説している。著者はこれ以上ないくらいしつこく書いたといっている。 さて標準偏差。体感的にそれを感じる面白い引用がある。±1分で運航しているバスと±10分で運航しているバスは、どちらも平均的な運航タイムは同じになる。しかし、乗るほうとしては±1分のずれのほうが助かる。バラツキ具合(偏差)が大事だということだ。 平均と個別の値の差(偏差)は、プラスマイナスあって、それを合計するとゼロになってしまう。そこで二乗すると±が消える。しかし単位も二乗(分^2)となるので不都合だから、ルートして元に戻し平均をとる。これが標準偏差っていうやつだ。要するに 大きいほうに離れようが、小さいほうに離れようが、どちらも正の数として へぇー、そうだったの! といたく合点。 こんな調子で、分かりやすく解説してくれる。 統計嫌いな方、おひとつどうぞ。
僕の思いつきものごとを分り易く優しく伝える・・というのは、本質を理解していないとなかなかできない。 これまで挫折した分野とか、仕事上でここはどうもわからないけど、まーいいやといったことがらがあれば、これを克服して誰でもわかるような解説を作ってみるのはどうだろう。 分らない分野はちょっと心理的な壁があるので、すでによく知った分野で、素人に説明がちょっと難しい・・・というテーマがいいかも。 アウトプットのいい練習になる。 オススメ度★★★★★+統計は嫌いだ 読んで欲しい方・統計をモノにしたい方 2006年08月20日宇宙授業 ~ 中川人司 + 熱闘甲子園宇宙に生きている私たち・・ 書籍情報
本のひらめきこの本は、元JAXA職員で、現在大阪府立住吉高校の教諭である中川人司さんの作品。いろんな宇宙に関することがわかりやすく書かれている。 その中で、ジュール・ベルヌやH・G・ウエルズの話が登場する。 宇宙というのは、宇という「すべての空間」と、宙という「古往今来、すべての時間」という文字から成っている。時間という不思議な軸があるのが宇宙だ。北極星は、地球から約430光年離れているという。いま見ている北極星の光は、安土桃山時代に発せられた光だという。ぉお~。 こんな宇宙のエピソードが優しく書かれている。 ほかに、宇宙のゴミ、星の数、空が青いわけ、宇宙ステーションを見よう・・など楽しい授業が44話。 ちなみに宇宙授業とは、こんな感じ: http://www.universe-t.com/
僕の思いつきちなみに本書は、100冊倶楽部の第二回Moso会議で「いーわんさん」が紹介してくださった本である。宇宙の中で、あの場面がなければ出会わなかったかもしれない一冊。これも宇宙の不思議ないとなみの帰結・・・。 現在、宇宙の年齢は137億歳だという。 宇宙のことを考えると、なんだかおおらかな気持ちになれる。 っていうことで、僕たちも宇宙人らしく生きよう!
オススメ度★★★★+宇宙の意味 読んで欲しい方・宇宙旅行をしたい方 ●今日のおまけ:( 熱闘甲子園 )早稲田実業高校と駒大苫小牧高校の一戦は、15回まで延長し、1対1の ひきわけ。なかなか見せてくれました。 王監督もTVで手に汗を握られたことでしょう。 あすの再試合が楽しみ・・・。2006年08月10日複雑系の知 ~ 田坂広志 + 素敵なレジの人読んで分ったその知恵の、その奥に感じるものこそ・・・ 書籍情報複雑系の知―二十一世紀に求められる七つの知 posted with amazlet on 06.08.12 田坂 広志 講談社 (1997/09) 売り上げランキング: 51,205
本のひらめき田坂広志さんの1997年の作品である。ほぼ9年ほど前に書かれた複雑系の本である。サンタフェ研究所などで研究された複雑系とはなにか・・・それを説明するための解説書ではない。そこには深い思想と哲学の世界がある。 今、私たちが生きているこの世界、宇宙、地球、日本、社会、会社、家族、自分・・それは宇宙の進化と複雑化の中で絶妙なバランスをもって存在している。 それは、人間が「科学」と称して分析や統合してきたごくわずかな智慧では、はかりきれない複雑な系として存在する。 複雑系の中にあって、私たちは今、インターネット革命という新たな進化のプロセスを体験している。その深層を7人の賢人(ポエット、インキュベーター、ストーリーテラー、アントレプレナー、セラピスト、ゲームプレイヤー、アーティストの7人)にたとえて解説したのが本書である。 今回、僕の心に響いた智慧はこれ。田坂さんのレジュメを真似てキーワードを拾い出してみた。 ◎インキュベーターの知 ◎ストーリーテラーの知 ◎アントレプレナーの知 本書には「なるほど!」という知恵のエッセンスがいっぱい。しかし、それを理解することはさほど重要ではない。それを理解し、心の奥で感じたもの、自分の経験と知識の総てに照らして浮かび上がってきたものこそが、本書で得られる「素敵な何か」だと思う。 そういうひらめきがたくさんある本だ。
僕の思いつき本書には1977年の田坂さんの素敵な横顔(写真)がある。その見つめる目線の先に、エネルギーに満ちあふれるものを感じるのは僕だけだろうか・・。 あなたは世界であり、世界はあなたである。 この言葉の静けさのなかに、複雑系としての世界は、 と結ばれている。うーん・・・・深い。 今日の本と、きのうの本は、あすの100冊倶楽部で、誰かの手に渡り、そこでまたちいさなゆらぎのもとになる予定。 その先の未来はわからない。でもとっても素敵な未来に違いない。 オススメ度★★★★★+ゆらぎ 読んで欲しい方・複雑系に目覚めたい方 2006年07月23日アドバンシング物理 ~ J.オグボーン他 + 今村道子さんの素敵な講座物理は楽し! 書籍情報margin-left:30pxアドバンシング物理―新しい物理入門 posted with amazlet on 06.08.05 J.オグボーン M.ホワイトハウス 笠 耐 西川 恭治 覧具 博義 シュプリンガーフェアラーク東京 (2004/06) 売り上げランキング: 112,565
本のひらめき本書は、英国で開発された高校生向けの物理の教科書の邦訳である。 ニュートンは、イギリス生まれ。ファラデーもそう。自然科学の発展に大きく貢献した科学者を輩出してきたイギリスは、教育の分野でも先駆的な試みをしているという。 この教科書は2000年から今日まで16歳ー19歳の学生を対象に使われ、なかなか好評らしい。 日本でも数学や科学に対してできるだけ興味を持ってもらおうと様々な活動がなされ、この教科書の邦訳もそのひとつとして行われた。 最新のITや通信事情なども盛り込み、同時に科学の基礎的な原理を理解できるようにしてある。 内容は 「あーこの人がファインマンか!」とか、「わ、この顕微鏡写真はすごい!」 付録のCDがあるが、これはまだ邦訳されておらず、英語版のみ。別途入手する必要がある。 夏休みにちょっと見てみるといいかな・・・。
僕の思いつき教科書。というのは、なかなか魅力的にするのは難しいらしい。 こういうのを面白く楽しくする工夫(いたずら)があるといいねー。 ずっとむかし、訓練機材を試作したときそのマニュアルを絵文字つきで書いたことがあった。作りながら笑える楽しい作業だった。後年、それを読んだ人も「・・ったく」といいながら楽しんだらしい。 硬いものには、どこかに少しの「あそび」を持たせたいね。 オススメ度★★★☆+英国はえらい! 読んで欲しい方・科学を復習したいと考えてる方 2005年12月04日フーコーの振り子 ~ アミーア・D.アクゼル/水谷淳地球の自転を見にこられたし! 書籍情報フーコーの振り子―科学を勝利に導いた世紀の大実験 posted with amazlet on 05.12.04 アミール・D. アクゼル Amir D. Aczel 水谷 淳 早川書房 (2005/10)
本のひらめき上野の国立科学博物館に長さ20mもある巨大な振り子がある。一度家族で見に行った。フーコーの振り子だ。地球が自転していることを証明するためにフーコーが考案したもの。 本書は、フーコーの物語。レオン・フーコーは、19世紀のフランスに生きた人だ。それほど昔ではない。フーコーは振り子だけじゃなく、ジャイロスコープも発明したらしい。!! 科学の歴史は、あんがいいろんな発見とつながりがあって面白い。 フーコーは、その偉大な功績にもかかわらず世間(学会)からは冷たくあしらわれ不遇な時代があったが、後にアラゴーという科学者とナポレオンによって名誉を獲得したという。フーコーとナポレオン。不思議なつながりがあった。
僕の思いつきフーコーは手先は器用で、親は医者にしようと医学校へいれる。一時、医者の道を目指そうとしていたが、血をみるのがイヤであきらめたらしい。 フーコーの振り子実験の写真や、新聞記事、手紙などもあって興味深々で読める。 歴史に学ぶのも楽しいね。 オススメ度★★★★+振り子 読んで欲しい方・科学の歴史に興味がある人 2005年07月14日カマキリは大雪を知っていた ~ 酒井與喜夫 + 7/22イベント観地望気! 書籍情報カマキリは大雪を知っていた―大地からの“天気信号”を聴く posted with amazlet at 05.07.18 酒井 与喜夫 農山漁村文化協会 (2003/10) 売り上げランキング: 67,752 本のひらめきこの本の著者はどうしてもお会いしたい方である。実は、この本を読む前、モリームーンの三好さんから、「新潟にカマキリ博士がいるんですよ!」と教えていただいていた。そのカマキリ博士こそ本書の著者、酒井さんだ。 本書は、カマキリの生態観測(具体的にはカマキリが卵のうを作る位置と積雪の関係の観測)から、地球の不思議に迫るライフワークのお話。酒井さんの科学的アプローチはとてもワクワクする。 仮説と検証、統計処理、科学的な考察・・・カマキリという身近な昆虫を通じて、地球や自然の不思議を知ることができる。すばらしい科学読本だ。 植物(樹木)は地球の微妙な振動を感知し、樹木の中を流れる水の流れや保水の状態を変える。それの振動をハチやカマキリは聞き分け、未来の天気変動を予知する。それによって生命の保存を図るため、卵のうをつける場所を年によってかえるのだ。 カマキリの産卵は、初雪のおよそ3ヶ月前だという。1ヶ月前でも5ヶ月前でもない。この3ヶ月というのも実はヒミツがある。フレミングの法則、地球ダイナモ説などとあいまって、非常に興味深い考察がある。(詳しくは本書でお楽しみを!) うーん、僕らは地球人なんだ。カマキリも植物も人間もみんな同じ星に住んでるんだぁ・・・って思える本である。 カマキリは嫌いだって方も、ぜひ!読んで欲しい。(電気工学を学んだ方は、ぜったいハマルね。)
僕の思いつき鳥の巣が高い年は大雨が降る、ハチが川原に巣を作ると干ばつの恐れあり、等古くから生き物と天気に関する言い伝えがある。それなりに当っているなあと思うこともあるが、それを科学的に研究したひとは少ないのではないだろうか。 この本の酒井さんは、それを丹念にしらべ、しかも40年以上にわたり、年に一度しか得られないデータを積み重ねてきた。それだけではなく、疑問に対する仮説をたてそれを検証しているところがすごい。 たとえば、カマキリは他の土地にいっても積雪余地ができるのか・・?などの仮説に対し、実際に実験で確かめている。(どこにいっても地球の音を聞いていることが判明) 科学する心とはこういうことか・・・と感心し、また尊敬の念をもつ。 カマキリ博士といっしょに研究を進めた前橋工科大学の湯沢教授の言葉が印象的だ。 疑問を疑問のままにしておけばそれで終わりですが、何とかその疑問を 今日の疑問は何だっただろうか? ちょっと思い出してみよう。(え、疑問はなかった・・・うーむ、それはそれでいいかもね)笑
オススメ度★★★★★+90度 読んで欲しい方・自然観察が好きだった方 |
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