2006年01月31日

ふふふ ~ 井上ひさし + 気!

笑いながらも笑えない笑い飛ばしたい話などなど

書籍情報

ふふふ
ふふふ
posted with amazlet on 06.02.12
井上 ひさし
講談社 (2005/11/10)
売り上げランキング: 520,484


本のひらめき

「青葉繁れる」「ひょっこりひょうたん島」など、井上ひさしさんの作品は、ユーモアの中に微妙な苦味とエスプリを含んだ楽しい本や戯曲が多い。学生時代に読んだ数少ない作品に井上ひさしさんの本があった。

本書は、ひさびさの井上節。2001-2005年、小説現代に連載されたエッセイをまとめたものだ。奇想天外な発想から時代を鋭く風刺したものまで様々ある。

お気に入りを少々・・・

○問題の出し方 アメリカの大学ででた問題が紹介されている。
  「ここにあなたの一生を書き綴った一冊の伝記があって、その総ページ
   は300頁である。さて、その270ページ目にはどんなことが書い
   てあるだろうか? その270頁を書きなさい」
  というもの。大学側は、受験者にこれまでの総括を未来への展望を探ら
  せるわけで、たいへん奥深い・・・と井上氏。
  さらにフランスのもっとすごい大学入試も紹介されている・・・。

○経営方針 ふとしたきっかけで、社長の役をひきうけることになった著者
  は、経営書と格闘。その後、友達の一人が社長になるというので、お祝
  に経営指針になる色紙をしたためることに。なにがよかろうかというい
  くつかの案が、紹介されている。どれも、とても正鵠を得た素晴らしい
  ものばかり。井上ひさし社長が、そこにいた。
  <実現可能で明確なビジョンを設定するのが大事だ>
  <そのビジョンを社員に説明して、その上で全社員がそのビジョンを
   共有するようにならなけれなならない>
  ことや、玉子屋(弁当屋さん)の失敗するコツ12条、名南製作所の
  ~しない3原則、などが紹介されている。いずれも深い。

球団買取事件(もしも100億円あったら)、プロ野球のスト事件(7つの大罪)など、時事問題を斬る視点もするどい。

ひょうっこりひょうたん島にはじまって、今日また、井上ひさしさんが好きになった。


僕の思いつき

中3のときやった万引きのエピソードは、泣ける。井上少年が英語辞書を万引きするのを目撃した本屋のおばさんの、厳しくも心優しい対応が、実に心をうつ。ここに書くと泣けそうだから・・・P124を開いてもらおう。本屋で、そこを盗み見てもとがめられはしまい。そこを読んでうるうるになったお客さんを本屋のおばちゃんはきっとそっとしておいてくれるはずだ。

井上ひさしさんの小説には、こころのヒダをなでる不思議なストーリーがあるが、生き方を分ける分岐点になるこうした原体験がベースになっているのだろう。

人に話せない恥ずかしいことも、自分を成長させてくれた貴重な経験・・・なのかもしれないね。

すべてのことに感謝。である。



オススメ度

★★★★★+人生の分かれ道

読んで欲しい方

・誇り高き生きかたをしたい方
・井上ひさし氏に興味ある方
・エスプリこだわりのある方

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2006年01月30日

ポッドキャストの楽しみ方・作り方 ~ 武井一巳 + 福光さん

これさえあれば・・・

書籍情報

本のひらめき

最近、僕もPodCastをはじめた。WebookCastと名前をつけてついに放送局を開設・・・というとカッコよすぎるが、SEESAAに間借りして、PodCastingをはじめただけのこと。
でも、なんだか気分いい。笑  http://webook.seesaa.net/

さて、本書は、ポッドキャストの楽しみ方と、作り方をとても実践的にかつ親切に解説してくれるお勧めの本である。

ブログが爆発的に広がって、ブログとは・・・なんて記事はそろそろ「もういいよ・・」みたいに常識化してきた。で、その次は・・というのがこのポッドキャストだ。個人が自分だけの放送局を作れちゃうというものだ。

iPod, iTUnes, iTMS, RSS2.0 といった一連の商品やサービスが、爆発的な広がりのもとになっているという。はじめは聞く楽しみ。そして次は創る楽しみ、そして配信する楽しみである。

本書には、それらが充実した内容で解説されていて、かつとっても親切である。

僕的には、ICレコーダーなどで録音した音源を編集するソフト SoundEngine Free の解説や、フリー音源の Garageband.com などの情報が重宝した。

聞く、創る、配る・・・という楽しみを、独り占めにするのはまったくもってモッタイナイ! ぜひ、あなたも!


僕の思いつき

ポッドキャストに火をつけたのは iTUnes 4.9 だそうだ。2005年の6月のこと。アップル社からこれが発表されたあと、2日で100万件のポッドキャスト登録件数があったとか・・・

音楽は、かつてレコードだった。やがて、テープ、CD、MDに変わり、そして、今、MP3プレーヤーにと変わってきた。小さな変化はだいぶ前からあったが、爆発的に増えたのはなんといってもiPod iTunes などの出現による。面白いねぇ、この動き。

先日の出版交流会でお配りしたストラップバンドは、実はiPodShuffle のイヤホンケーブルが絡まないようにするために「開発」されたもの。ハンキーパンキーさんの協力で生まれた。これも流行るといいにゃぁ。笑
(渋谷さん、菅原さん、ありがとさんでーす)

 写真はこちら・・・  http://ameblo.jp/webook/


オススメ度

★★★★★+個人放送局

読んで欲しい方

・PODCASTの達人になりたいと考えてる方
・音声配信に興味ある方
・ブログやってる方

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2006年01月29日

しごとっち ~ 自分ブランド製作委員会/松永真理 + CEO

自分ブランド号、しゅっぱつ・しんこぉ~

書籍情報

しごとっち―バンダイ的スター誕生!
自分ブランド製作委員会 松永 真理
幻冬舎メディアコンサルティング (2006/01/05)


本のひらめき

バンダイ・・といえばガンダム、という感じのイメージがある。
http://www.bandai.co.jp/

この会社、いろんなオモチャを作っていると思ったら、どうやら違うらしい。松下幸之助さんが生きていたら、「ほほぉ、おたくもまず人をお創りになられていらっしゃるようで」とうなったかもしれない。

といって、とりたてて社員研修やキャリアプランがすごいというわけではない。会社の「雰囲気」である。

どんな雰囲気かといえば、仕事を楽しくやっちゃおう。言い出したヤツは、とことんやろう。失敗してもいいじゃないか、また頑張れよ・・・そういう雰囲気である。

本書は、MIKERAブランドを作ってしまった布施美佳子さん(mikeraとは小学校時代からのあだ名だそうだ)をはじめ、仕事=辛いことではなく、仕事=きびしくも楽しいものという働き方を紹介したものだ。

他には、趣味のサーフィンでブランドを立ち上げている関野祐吉さん、自分の名前をつけたゲームを発売した高橋晋平さん、そして、趣味が仕事に生きればそれもいいという社長の上野和典さんなどが登場する。

「仕事だから結果をださなくてはならないという厳しさゆえに、創意工夫を楽しんでいる」人がたくさん生息している会社のようだ。

こういう会社っていいよなー・・・という刺激をもらえる本だ。


僕の思いつき

本書の監修は、「iモード事件」の著者、松永真理さん。
むすびの「きび楽しい、会社」でこんなことを書いておられる。

 バンダイには、そんな自分から仕掛けようとする人がたくさんいます。 自分がやりたいことを事業化した人、趣味の分野のブランドを設立した 人、オリジナルゲームをつうって自分の名前で売り出した人など・・・ ほかにも何人もいます。

 まるで会社というプラットフォームの上で、それぞれが自分ブランド号
 に乗り降りしているようにも見えます。自由に行き交って向かう先は、
 おそらく自分駅なのでしょう。

 会社に使われるのではなく、会社を使って自分ブランドを打ち立てられ
 たら、たしかに「きび楽しく」なっていくのだと思います。

こんな会社は、実はバンダイ以外にもあるに違いない。そして、いつか自分がいるこの会社も・・・と思う人もいっぱいいるに違いない。21世紀は、こういう時代だね。



オススメ度

★★★★☆+自分ブランド号

読んで欲しい方

・自分ブランドをもちたい方
・楽しい仕事に興味ある方
・やりたいことにこだわりのある方

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2006年01月28日

溺死寸前絵日記 ~ ケイスケ

世の中まだ下がいる・・・

書籍情報

溺死寸前絵日記
溺死寸前絵日記
posted with amazlet on 06.01.28
ケイスケ
双葉社 (2006/01)


本のひらめき

まことに暗い本である。あまりお薦めはしない。
しかし、ちょっとだけ面白いところもある。どうやら自堕落な生活をしている著者、ケイスケさんであるが、絵日記を学生のころから書き続け、ネットで発信している。溺詩。

  http://www12.wind.ne.jp/dekishi/index.htm

モノクロの絵日記は、どことなく人の心のヒダを描いている。3年間で300万アクセスというから、それに感じる人も多いということだ。

本書は、「溺詩」サイトのコンテンツをまとめた本である。
味のある絵と、フデペンを無造作に走らせた文がなかなかいいマッチングである。なかなかいい観察眼とユニークな絵である。


僕の思いつき

「ロマ神」 スキー場でキレイな人と接触して転んだまではいいが
      大抵数秒後には、彼氏が救助に来る。
      ロマンの神様なんていやしねぇ。

といった調子。誰にもありそうな場面と心理を、なかなかみごとに切り取っていたりする。ケイスケさん、漫画家になったらいいねぇー。

日常でおきるちょっとした出来事を、マンガや文章で「キャプチャー」するのもいいかもね。

やってみると面白い。面白がって続けていると本になる。(かも)



オススメ度

★★★+人生いろいろ

読んで欲しい方

・生活の達人になりたいと考えてる方
・ぎりぎり生活に興味ある方
・生き方にこだわりのある方

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2006年01月27日

団塊・シニアビジネス「7つの発想転換」 ~ 村田裕之 + イノベーションカレッジ

2007年問題という誤解!

書籍情報

団塊・シニアビジネス「7つの発想転換」
村田 裕之
ダイヤモンド社 (2006/01/20)


本のひらめき

シニア・ビジネスの第一人者。本書の著者、村田さんはそんな方である。
前作「シニアビジネス」では「団塊世代というマス・マーケットは存在しない」というちょっと衝撃的なプロローグから、シニアビジネスの新しい視点を紹介してくださった。

そして、団塊の世代がリタイアしはじめる2007年に近づいてきた今、またあらたな視点と考察に基づいて、ビジネス現場で直面する7つの壁について語り起こされた本である。

シニアビジネスで、どうやって儲けるか・・・などといった低レベルの内容では決してない。高齢化社会の先端を走る日本が、いかに生きるべきか、いかに企業やビジネス世界はあるべきか・・・といった深い思想がある。

最後の「シニアビジネスで世界のリーダーになれる日本」のところでは、村田さんの思想に触れて思わず涙ぐんでしまった。私達が、シニアビジネスという分野で何を行い、何を残すべきか。
内村鑑三の言葉を引用し、「私達は、未来にむかって礎となる覚悟をもち、これからの団塊・シニアビジネスに立ち向かうべき」・・というところに、とても深い共感を覚えた。

団塊市場というと、おおきな塊の、ある程度均質な、類似の行動パターンの市場のような錯覚をする。しかし、そういう「ひとくくり」の見方はは間違いだと指摘する。団塊市場はむしろ、「多様なミクロ市場の集合体」だという。つまり、均質な塊どころではなく、おおいに多様性に富んでいるのだ。
この固定観念をまず取り払う必要がある。

こうした勘違いがあることから、シニアビジネスではいくつかの壁にぶつかることになる。本書では、「市場調査の壁」「顧客開拓の壁」「商品開発の壁」など7つの壁について、分析し、ユニークな洞察と事例が紹介されている。

たとえば、「金銭報酬」より「心理的報酬」が重要になり、顧客は消費者というだけでなく語り部にもなる・・とか、スタバに代表されるような「商品体験」が重要になるとか、商品の「使い手」から「担い手」に顧客は変容するとか非常に説得力のある話が展開されている。
(折り目と赤線だらけになってしまった!)

シニアビジネスというカテゴリーにとどまらず、これからの企業のあり方は何か・・を考えさせられる深い洞察が心地よい。

超~お勧め!(ジェイカレッジに絶対来ていただくことにしましょう!)


僕の思いつき

団塊の世代、2007年問題、シニアマーケット・・・さまざまな呼び方が、ビジネス書やマスコミでなされている。

しかし、それらも深く考えてみると、本質を見誤ることになる。
例えば、2007年問題。この年から大量にサラリーマンが退職して大変だ、というのが問題の捉え方。

しかし・・・と著者は問い掛ける。

団塊の世代といっても半分は女性。(2007年問題という言い方がいかに男性の視点に偏っているか!)
また、雇用延長制度が成立した(2004年)ということは、60歳で定年にならないといこともある。一方、逆に早期退職の増加もある。
ということは、2007年問題は、2005年問題でもあり、2010年問題でもあるという。なるほど!

マスコミ・ステレオタイプな思い込みは、ほかにもあるのではないだろうか。

よのなかのことを、自分の頭で、冷静に深く考えてみることも大事だねぇ。



オススメ度

★★★★★+塊じゃない

読んで欲しい方

・シニアビジネスの達人になりたいと考えてる方
・団塊の世代に興味ある方
・ジェントロジーを知りたい方

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2006年01月26日

日本型IT革命新たな戦略 ~ 田坂広志/石黒憲彦 + はまったメルマガ

時を越えて・・・

書籍情報

日本型IT革命 新たな戦略
田坂 広志 石黒 憲彦
PHP研究所 (2000/09)
売り上げランキング: 497,964

本のひらめき

ITのことを語るとき、誰もがイメージすることは、ドッグイヤー、マウスイヤーと呼ばれる変化の早さである。今、なにかが隆盛を誇っているといっても、来年には消え去っているかもしれない・・・そんな変化の早さに誰もが目を丸くしていた。
したがって、ITを語る本は出たときが旬で、時がたてば古臭くなる・・・そんな固定観念が僕にはあった。この本を読んで、それは間違いだったと悟った。

本書の発行日をみるとたぶん驚く。2000年9月の発行だ。
アメリカのシリコンバレーが黄金に輝き、渋谷系のビットバレーがすごくまぶしかったころ、そしてi-Modeがとてつもなくすごいビジネスモデルとして期待されたころ、この本は書かれた。

そして6年経った。今でもなお、本書の内容に大いに共感できるのはナゼか。

それは、この本が、IT技術やビジネスモデルの表層的なトレンドではなく、IT革命の深層と本質をついた普遍的なことが語られているからではないだろうか。通産省政策局新規産業課長の石黒さんとソフィアバンク代表の田坂さんが対談した内容がまとめられている。

2000年から今日まで、様々なIT世界の変化を、私達はすでに見てきた。
いろんなビジネスやサービスが登場し、どんどん便利になってきた。それをみてきた私達がわざわざ2000年まで戻ってIT革命の話を聞く必要はない・・・と思うのだが、本書には時代を超えた何かがある。

「情報通信の革命ではなく情報主権の革命が始まった」ことや、「日米の経営が、弁証法的相互浸透をしながら進化を遂げてきた」ことや、「変革というものが“起こす”ものから“起きる”ものへパラダイム変換をしている」ことや「イノベーションには“場”や“コミュニティ”が必要なこと」や、「真のアントレプレナーは志が大切なこと」など、深い本質が、語られているのだ。

6年後の今にいる私たちは、タイムトンネルを行ったり来たりするような驚きがある。そして、日本企業がめざすべき方法の深い洞察がある。


僕の思いつき

ブランドのこと、ナレッジのこと、人材育成のこと、異業種交流のことなどさまざまな面での考察が、とても心に残る。

IT革命の本質をふたつにまとめた個所がある。

 1)草の根の人々、勤労者や消費者が情報主権を握り、企業や社会を
   動かしていく流れを生み出した。
 2)自己組織化的な動きを起こしたこと

つまり、なにかに共鳴がおきると、大きな変化が生じる・・・そんな世界が自然に、そして比較的たやすく生まれるようになったということではないだろうか・・。

変革は、どこの企業でも叫ばれている大切なことだ。そしてそのあり様は、誰か立派なリーダーが「起こす」ものではなく、自発的に「起こる」もにになりつつあるという。つまり、「変革」というよりも「変容」に近いものだ。

誰しも、変えられるのはイヤなことだ。しかし、自ら変わるのはそれほどでもない。そこに必要なのは、もしかしたら「ヒエラルキー的リーダー」ではなく「触媒型のリーダー」なのかもしれない・・・なんて思った。
ダイエー再建中の林文子さんは、そんな方ではないか・・・とも思ったりする。

「変容」したい企業は、けっこうあるような気がする。



オススメ度

★★★★★+変革→変容

読んで欲しい方

・ITの本質をとらえたい方
・企業革命に燃えている方
・世の中を変えたいと思っている方

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2006年01月25日

一生懸命って素敵なこと ~ 林文子 + 新春フォーラム

素敵なこと発見!

書籍情報

一生懸命って素敵なこと
林 文子
草思社 (2006/01/13)


本のひらめき

最近、とっても気になる素敵な方がいる。林文子さん。現在ダイエーを再建すべく奮闘していらっしゃる方だ。以前は、フォルクスワーゲンやBMWなどの車業界ですごい!実績を残してこられた方である。乞われてダイエーCEOに転進されたときのことをこんなふうに語っていらっしゃる。

  ダイエーは国をあげて再建をしようとしている大企業である。その会社に
  女性のトップを据えたいという。そのとき私は、日本も変わってきたなと
  思った。ほんとうの意味の男女協働の時代がやってくる。
  これはまさに天命だ。

こうして、車から日用品の小売へと大転進をされた。COOには元HPの樋口泰行さんがいる。(「愚直」論 の著者)

このごろダイエーも変わってきたように感じる。それは、5万人の社員の人の内なるエネルギーが林さんという一人のゆらぎに共鳴して、おおきな波になっているからではないだろうか・・。

それは「ひとりの人間として、裸になって現場の従業員さんたちと向き合う」・・・そんな林さんの姿勢が波のように伝わったのではないかと想像する。

経営は、戦略だ、経営手法だ、中期計画だ・・・・というのも大事な要素ではある。しかし、それらはそこに何かがないと機能しない。システムでもITでもない何か。それが何かを、林さんは身体で伝えていらっしゃるような気がする。

本書は、林さんのさまざまなエピソードを交えながら、人は何に感動し、何を尊いと思って動きだすのか・・・そんなことが書かれている。

今、僕が学びたいことがいっぱい書いてある。


僕の思いつき

一番印象に残った言葉。

  私は再生させるという意志があって、今を生きているのである。

本書の結びの言葉である。林さんの仕事の仕方、考え方、生き方を知れば知るほど、それが言葉だけではない・・・と思えてくる。

こんなセリフを吐くときが、きっとあなたにも・・・・くるね。
あー、ぜったいに来るね。うん。



オススメ度

★★★★★+ひとりの人間として

読んで欲しい方

・裸の付き合いをしたい方
・モチベーションに心砕いている方
・人にこだわりのある方

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2006年01月24日

Think!(2006年冬号) ~ 東洋経済新報社 + 100冊倶楽部キックオフ会議

これ孫悟空!常識の囚われを外して考えよ!

書籍情報

Think! 2006年冬号 No.16
Think! 2006年冬号 No.16
posted with amazlet on 06.01.28
東洋経済新報社
東洋経済新報社 (2006/01/20)


本のひらめき

今回の号は、コンサル力の話。
Think!は、ボストンコンサルタンティングとのコラボしているので、BCGの方がよく登場する。今回は、元日本代表の内田和成さんと東海林さん。

もちろん、そのほか元マッキンゼーの大石佳能子さん(メディバ社長)や、ベイン・アンド・カンパニーの須藤実和さん(パートナー)なども登場する。

内田さんは、仮説思考の重要性を説く。仮説思考とは、ものごとを答えから考えることだという。もとろん現実の問題には、答えなどないのが普通だから、まず仮の答えをたて(仮説)、その仮説を検証して、元の仮説を修正していくプロセスを何度も繰り返していく。

これがなぜいいのか・・・

それは「ベストな解を最短時間で探せる」からだという。ふむふむ。

こういうやりかたを内田さんはBCGに入ってから磨いたという。はじめは「枝葉の男」と言われというから、なんだかホっとする。(笑)

この仮説思考のいいところは
  1.情報の洪水におぼれない
  2.迅速かつ効果的に問題解決をはかれる
  3.大局観をもって仕事ができる

サッカーのオフト監督や、将棋の羽生名人などのエピソードも登場してなかなか面白い記事になっている。

Think!でいつも注目しているのは、三谷宏治さんの「戦略コンサルタントの観想力」である。前回のお題は、「なぜ空気は透明か?」だった。今回は、正しい視点の話。60%シェアは成功か?という問いかけである。なかなか面白いよ。

僕の思いつき

お気に入りのコンテンツは、ファシリテーションの堀公俊さんの記事。ファシリテーションは、僕の今年の課題でもあり、注目度が高いのだ(笑)。

4つのスキルが必要だという。

 1)場のデザインのスキル (場をつくり、つなげる)~雰囲気とゴール意識
 2)対人関係のスキル(受け止めて、引き出す)~発散
 3)構造化のスキル(かみあわせて、整理する)~収束
 4)合意形成のスキル(まとめて、分かち合う)~葛藤マネジメント

あー、いいねぇ、このまとめ。なんてスッキリと理解できるんだろう。

職場でもこういうのを意識して、会議運営や組織運営をしたら楽しいねぇ。


オススメ度

★★★★☆+コンサル+ファシリテーション

読んで欲しい方

・コンサルタントをめざしている方
・問題解決に躍起の方
・場の運営にこだわりのある方

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2006年01月23日

「できる人」の時間の使い方 ~ 箱田忠昭 + 書評ブログ・マーケティング

人生 = 今から死ぬまでの間

書籍情報


本のひらめき

うすうす分かってはいたけれど、言葉にしてもらうと、ナルホド!と思うことはよくある。例えは:

 過去のことはもうどうしようもない。自分の人生を考えるなら、
 私の人生=今から死ぬまで と考えたほうがいい。だから、今日が誕生日である。

 厳密に言えば時間そのものは管理することはできません。常に過ぎ去っていく時間
 に行う行動を管理することは可能です。この「行動管理」こそが時間管理なのです。

 願望を目標に変える3つの方法は
   1.期限が設定されていること
   2.具体的であること
   3.紙に書きだしていること

どれも、言われてみると、そうだなと思うと同時に、僕も似たようなことを考えていたことと感じることではないだろうか。

本書は、時間の使い方について、その心構えといくつかの具体的な方法を紹介している。著者の実践してきた経験に裏打ちされているので説得力がある。また、含蓄のある引用などで興味深く、分かりやすい。

これまでいくつか読んだ時間管理の本の中では、ぐんとお勧めの本!


僕の思いつき

一日2時間くらいの時間は軽く生み出せる。そして、それはどのくらいに値するかというのを試算している。2時間x365=730時間。24時間で割ってみると約30日。1年たてばまるまる一ヶ月も増える。

この計算、実は僕もセミナーなどでよく使ってきた。箱田さんが奇しくも同じ計算を紹介しているので、うれしくなった。(誰が先にやった・・・などと無粋なことは言いません・・笑)

ほかにも共感する項目がいっぱいあった。

  物事は最初の4分間、初動の4分間が決め手である。
                  (アメリカの心理学者ズーニン)

というのもまったく同感だ。

なにか思いついたら、あるいは、何か上司に頼まれたら即、最初の4分で構想などをまとめるといいね。
今週も今日のはじめの1時間が決め手・・・かも。



オススメ度

★★★★★+今、ここで。

読んで欲しい方

・時間管理の達人になりたいと考えてる方
・行動と習慣に興味ある方
・スケジュールとプランにこだわりのある方

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2006年01月22日

不思議な数(かず)πの伝記 ~ A.S.ポザマンティエほか

懐かしさの中にある不思議

書籍情報

不思議な数πの伝記
不思議な数πの伝記
posted with amazlet on 06.01.22
Alfred S. Posamentier Ingmar Lehmann 松浦 俊輔
日経BP社 (2005/11/03)

本のひらめき

3.1415・・・円周率をパイ(π)と表すということを習ったのはいつのことだったろうか・・。

そのπにまつわる歴史や、数々のエピソードなどを書いた本である。
ほぉーと思わず引き込まれる面白さがある。

27ページにびっしり書かれた円周率は10万桁もある。ちょっと見るだけでも面白い。

また、πの使い道のところで登場する「ルーローの三角形」が興味深い。正三角形の頂点を中心に円をえがき、3つの円が重なる真ん中の部分を切りとったのがルーローの三角形と呼ばれる。これが不思議な動きをする。

 正方形の穴をあけられるドリル
  http://genryu.cside4.com/yoshitago/rurosubete.htm
 マツダのロータリーエンジン
  http://www.mazda.co.jp/history/rotary/index.html

などいろいろ・・。
数学の好きな方には、たまらない魅力があると思う。


僕の思いつき

現在、πを諳んじる記録は、日本の原口證師の83431桁だという。なんと13時間もかけて暗唱したんだとか。いうだけでも疲れるね。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~tsuushin/sub1.html

4000年ちかく人間をとりこにしてきたこのπは、まだまだ魅力と不思議にあふれているらしい。アメリカでは、3.14をπの日として祝う熱いファンもいるとか。アインシュタインの誕生日は3.14など、こじつけにも思える偶然は、どこか楽しい。

数学を面白くするネタを探してみよう。



オススメ度

★★★★☆+πの不思議

読んで欲しい方

・数学の達人になりたいと考えてる方
・円周率に興味ある方
・数字にこだわりのある方

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2006年01月21日

定年おめでとう ~ 渡辺格 + ちくわ

予行練習は、役に立つ。

書籍情報

定年おめでとう
定年おめでとう
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渡辺 格
講談社 (2005/12)


本のひらめき

定年後の人生をどのように過ごすのか。どんなことをしているのか。経済的にはどうなっているのか。・・・・これから定年を迎える人たちは、そんなことを少しずつ考えているに違いない。2007年から始まる団塊の世代の人たちは、まさに直面する話でもある。

本書は、現在68歳の著者が、定年後の日々をどう過ごしているのか、何を感じ、何を思ってきたか・・・そんなことをエッセイとしてまとめたものだ。

「女性、住居、車・・・このほか、幸せの要因にはいろいろあるであろう。
 しかし、すべての幸せの裏には、それだけの不自由が存在するのだ。
 家庭内外のいさかい、掃除の手間、余分な出費・・・めでたさも中くらい
 なりおらが歳・・」

など、なかなか含蓄があるエッセイ。

犬のこと、釣りのこと、配偶者とのこと、尊厳死のこと・・・・同年代の方にはとても共感ゾーンが多いものではないだろうか・・・


僕の思いつき

ある意味で、自分史のような内容の本である。
仮に自分もそういうものを書くとなると、あれは何時だったか、えーっとあいつはなんて名前だったか・・・なんて、思い出せないことも多いことだろう。

自分史を書くんしろ書かないにしろ、日記的にいろいろ記録をつけておくのは悪くない。

ブログは、気楽にそんなことをできる環境だ。
しかし、すべてが外にオープンできるもので構成されていないのが人生であれば、やはり、自分だけの日記はほしい。


オススメ度

★★★☆+定年後

読んで欲しい方

・人生の達人になりたいと考えてる方
・定年後に関心ある方
・自分らしさにこだわりのある方

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2006年01月20日

仕事がデキる人の8つの性格 ~ 菊入みゆき + 子どもアントレインターンシップ

キャラにすると、なんだか楽しい

書籍情報

仕事がデキる人の8つの性格―短所が自信に変わる成功術
菊入 みゆき
幻冬舎 (2005/07)
売り上げランキング: 164,138

本のひらめき

ヒゲッチ、ダッテモン、ノチホドン、メンドーサ、ヤッカミーナ・・・これらが何だか分かるだろうか・・・。

実は、これ、自分の中に住んでいる性格を「キャラクター」にして名づけたものである。なんとなく想像がつくのが楽しい。ニチホドン・・というのは、なんでも後ほど・・と先送りしてしまう性格、ヤッカミーナは、やっかみが得意・・といった具合だ。

本書は、やる気ダウンの状況を、自分のせいにして嘆くのではなく、自分の中に、いろんな行動性癖を起こすキャラクターが住んでいる・・と思って、ものごとをちょっと客観的にみてみよう、というものだ。

客観的にみる・・なんていうと七面倒くさい気がするが、へんな性格のキャラが心に住んでて、そいつが悪さをすると考えると、なんだか心静かに考えられるような気にもなる。

キャラの癖や弱点が面白く表現されているので、クスリと笑って、元気ややる気を取り戻せそうな気がする。キャラクターの挿絵もとても味があって楽しい。

8種類のキャラの生態、生息場所、短所長所、対処法などをまとめてある。


僕の思いつき

職場での上司の生態を、なにかのキャラにしてみる。

会議に流れる微妙な空気を、ゴーストの種類で分類してみる。

職場コミュニケーションの悪さを、虫にたとえる。

会議で登場するへんなヤツをゴレンジャーで喩える。→ あ、これは吉岡さんの技

などなど、ちょっと発想を変えて考えてみるのも楽しいね。



オススメ度

★★★★☆+キャラで行こう

読んで欲しい方

・比喩の達人になりたいと考えてる方
・性格に興味ある方
・職場の雰囲気にこだわりのある方

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2006年01月19日

経営者の教科書 ~ 江口克彦 + 交流会の奇跡

普遍なものとは・・・

書籍情報


本のひらめき

松下幸之助翁の思想を生き生きとした語りで伝えられるのは、この方が最高である。著者は、幸之助氏の晩年の22年間、いっしょに仕事をしてきた方である。

 「松下幸之助の柔らかな口調を思い出しつつ、自身の経営体験もあざない
  ながら、100項目を挙げてみた。」

というのが本書である。

松下翁は、経営には「普遍性、国民性、時代性」が大事といっていたという。その中でも普遍性に焦点をあてたのが本書だ。時流にのって隆盛を極めるのも一つの手ではあるが、普遍なるものをもちつつ、世の中に貢献できることこそ大切なのかもしれない。

 経営者に部下を拝む心があれば、会社は必ず発展する。

 夢のないところに誇りは決して生まれない。

 夢を夢で終わらせるのか、夢を実現の成功へと導いていくのか、
 その差は、唯一つ、熱意を持っているかどうかである。

 部下を育てるポントは4つある。一つ目は、部下にものを尋ねること、
 二つ目に、方針を明確に示すとうこと、3つめに、権限を委譲すると
 いうこと、そして4つ目が、感動させるということである。

これらが、僕の心にズンと響いた素敵な話だ。


僕の思いつき

夢のないところに誇りは生まれない・・・というのが、とても深く突き刺さった。夢>楽しみ>わくわく>・・・・そんな中から>誇りが生まれる・・・・そうだそうだ! とわが身の置かれた状況に照らし、大いに共感した。

右手に夢を、左手に誇りを。

そういう環境に持っていこう。



オススメ度

★★★★+気づき

読んで欲しい方

・経営の達人になりたいと考えてる方
・人が動きたくなるような面白さを作りたい方
・普遍なるものにこだわりのある方

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2006年01月18日

国家の品格 ~ 藤原正彦 + ブログ書評コンテスト

左手に合理と論理、右手に情緒と形。

書籍情報

国家の品格
国家の品格
posted with amazlet on 06.01.21
藤原 正彦
新潮社 (2005/11)

本のひらめき

ロジカルシンキング、各種のマネジメント手法、市場至上主義・・・いろんなものが日本に入ってきた。そして、それらがこの上なく正しく、すばらしいものだと多くの人が思っている。

著者は、ちょっと待て!という。

確かに、論理やロジカルな考え方は、大切である。しかし、その前提となったもの、スタート地点としておいたものが正しいのかどうか・・・その判断は、難しいのだという。例えば、AならばこれこれこうでBになるはずである・・といった一見、理詰めのロジックがあったとしよう。しかし、AならばというAの設定が正しいとは限らない。
そのスタート地点が間違っていれば、もともこもない・・ということだ。

著者は、論理や合理を否定するものではない。しかし、それだけでは人間はやっていけない、というのが主張である。

では何が大切か。

情緒とか形・・・といういったものだという。それは日本人が古来から大切にしてきたものでもある。
武士道、もののあはれ、感受性・・・など、さまざまな事例をとりあげて、大切なものは、論理や合理、ロジックだけじゃないぞ・・という本である。

すんなり納得しやすい分り易さとユニークさが、うれしい本だ。

武士道、さくら、俳句、季節感・・・そこはかとない文化をもつ私たちに自信と誇りを取り戻させてくれる。図書館で借りて読んだけれど、どうしても手元におきたくなって買いに走った。笑


僕の思いつき

随所に、肩の力をぬいてくれる「笑い」がある。

国家の在り方、文化、思想の考察・・・といった重い話を語るとき、まともにいけば肩が凝る。聞くほうも大変である。そこに「親しみのある笑い」があるのがうれしい。

たとえば・・・著者の父が厳しく教えてくれたという武士道精神のひとつ「男が女をぶん殴っちゃいかん」という項目がある。その教えをひたすら守ったという著者だがこんなことも言っている。

 「現実には、ぶん殴りたくなるような女は世界中に、私の女房を筆頭に山ほどいる
  。しかし、男が女を殴ることは無条件でいけない。どんなことがあってもいけな
  い。しかも、何の理由もない。」

ところどころにある笑えるフレーズは、品格を論じた作品(講演)をとても消化しやすいものにしている。

次の作品では、「笑い」や「ウィット」について語ってもらいたいねー。

ジェイカレッジ、またまたお呼びしたい方がふえた!



オススメ度

★★★★★+品格を問う

読んで欲しい方

・品のある人になりたいと考えてる方
・国の成り立ちに興味ある方
・日本のありようにこだわりのある方

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2006年01月17日

林文子すべては「ありがとう」から始まる ~ 岩崎由美/林文子+田坂さん講演会

その人の「役にたとう!」

書籍情報

林文子 すべては「ありがとう」から始まる
岩崎 由美 林 文子
日本経済新聞社 (2006/01)

本のひらめき

本書は、現在ダイエーのCEOとして再建の道をリードしている林文子さんの物語だ。ご自身ではなく、林さんの高校の後輩、岩崎さんがインタビューをまじえ、自身の生き方と照らしながら林さんの魅力を語った本である。

岩崎さんは、林さんの生き方や仕事の仕方、お客様との接し方、社員との対話などさまざまなところに共感を覚え、それを自身の言葉に租借して解説する。

林さんのエピソードなどがいくつか紹介され、「ありがとうの気持ちが世界を動かす」様子が伝わってくる。

ロジカルシンキングや、論理で理づめにコトを進める話ではない。もっと、心の奥底からスタートする、まことに人間的なストーリーが林さんのエピソードにはある。これまでホンダやBMWやフォルクスワーゲンでの素晴しい実績の根っこの部分だ。

 「生の自分をさらけ出すこと」
 「であった人に最高にしておけば、自分を思い出してくれる」

そんな生き方が、とっても爽やか。だから、多くの人が林さんのファンになってしまうのだろうね。お客さんも社員も。

本書は、そういう林さんを、岩崎さんという若い女性の目を通して伝えているというところがミソだ。林さんをぐんと引き寄せて、文字にしてくれた岩崎さんの感性もすばらしい。


僕の思いつき

林さんのように「相手の役にたとう」というのをトコトン実践するのは、実はなかなかむつかしいのではないか・・・。どこかで、自分の利己的な意志と葛藤がおきる。それでも、やはり・・・と思うところ、そこには何かある。

僕はそれをあえて、「矜持」といってみたい。武士道ではないけれど、この線を超えたら己がすたる・・・みたいな「誇」みたいなものだろうか・・・。この前、阪本さんと話をしていて、最後まで心に残っていたのが、この二文字だった。

 「我々はどうして生まれるかというと、私は、人間は人を幸せにするために
  生まれると思っているんですよ。」

と林さんはいう。すべては、こういる他喜力(西田文郎さんの造語)にもとづいているんだねぇ・・・。

なんだか爽やか。
今度、ひさびさにダイエーにいこっと・・・。
林さんを感じるために。


オススメ度

★★★★☆+ありがとう!

読んで欲しい方

・ありがとうの達人になりたいと考えてる方
・人を喜ばせることが好きな方
・仲間にいつも感謝している方

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2006年01月16日

ツキを超える成功力 ~ 西田文郎 + お札の秘密

潜在意識だ!

書籍情報


本のひらめき

成功レベルを5つに分けるとすると・・・
 1)なかなか稼げない
 2)ぼちぼち稼げる
 3)大きく稼げる
 4)ものすごく稼げる
 5)もう稼ぐのは十分で分かち合いたくなる
成功があるという。

ぼちぼち程度であれば、戦略だ、戦術だと「小利口」な頭を使えてば、なんとかなるという。いってみれば脳の大脳皮質をつかった成功である。

しかし、どどんと大きく稼ぐには、それだけではダメだという。ぼちぼち、そこそこ以上を狙うには、理屈を超えた何かが必要らしい。

それは・・・

他喜力、感謝、使命、本気・・といったものにかかっているという。

こうした「その先」の能力を生かす方法が書かれている。なかなか刺激的な内容がある。そこには、ツキや運がついてまわる世界に通じる。潜在意識から湧きあがる「本気」は、さまざまな困難を乗り越え、多くのご縁を結んでくれるような気がする。

究極は無欲。

さて、僕たちは、どこまで行けるだろうか・・。


僕の思いつき

僕は、ツイてる。自分にはツキがある。
という人にお薦めの本らしい。

きょうツイてることは何があっただろうか・・・。
小さなこともツイてることは、いっぱいある。



オススメ度

★★★★☆+ツキあり!

読んで欲しい方

・ぼちぼち稼いでいる方
・でっかく稼ぎたい方
・なかなか稼げない方

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2006年01月15日

ドラゴン・イングリッシュ基本英文100 ~ 竹岡広信 + 新春

100個だけでいいのさ!?

書籍情報

ドラゴン・イングリッシュ基本英文100
竹岡 広信
講談社 (2005/09/21)
売り上げランキング: 78


本のひらめき

昨年は、「ドラゴン桜」に多いに刺激された。セミナーでも紹介しまくりだった。その人気マンガ『ドラゴン桜』でも使われているという最強の英語例文集がこの本だ。

日本語の文→英語文例、解説。といった構成で100個の文例がある。その内容がなかなか面白いので、覚えるのも楽しい。例えば:

 アンはうれしそうな顔をしているね。何かいいことがあったに違いない。
  ↓
 Ann looks happy. Something good must happen to her.


 不老不死は人類の夢である。しかし、もし実現したら地球は人で溢れてしまう。
  ↓
People wish they could live forever and never become older. However,
if this wish came true, there would be too many people on the earth.

 ここから東京ディズニーランドまで電車でいくなら、3回も乗換が
 必要になります。
   ↓
If you take the train to Tokyo Desneyland from here, youhave to
change three times.

CDがついていて、それぞれ男性と女性の声で英文が読まれる。時制と論理に重点を置いているのもうれしい。100個覚えたら、力もつくねー。

ドラゴン桜に登場した英語の教師、川口先生を頭に描きながら読んでみよう。


僕の思いつき

最後に、英単語の学習についてカリスマ講師のコツが書かれている。なかなか含蓄があっていい。

単語を記憶する時の必要なものは次の3つ。
 
 1.どんな場面で用いるのか?
 2.どのような語源を持つ語か?
 3.単語の本来の意味は何か?

“重要な問題”を英語に訳すとき、重要なは important、 問題は problem だからくっつけて important problem とやるのは、間違い。正しくは・・

 a serious problem  とか
an important matter

場面や内容に応じて使う組み合わせ(単語)があるから、そういう風に覚えないといけない。

なるほど。
そういえば、こういうのをうまく覚える助けになるメルマガがある。片岡文子さんの「決め手はボキャブラリー!豊かな語彙を身につける方法 」だ。
→ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000127207

実は、19日の出版記念交流会に片岡さんも来て下さる! 楽しみ!
→ http://tinyurl.com/b54pg



オススメ度

★★★★☆+ドラゴン桜

読んで欲しい方

・英作文の達人になりたいと考えてる方
・ドラゴン桜に興味ある方
・今年は英語の力を伸ばすぞと誓った方

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2006年01月14日

「人をつくる」という仕事 ~ テリー伊藤/木村政雄 

私のウリはなんだろう?

書籍情報

「人をつくる」という仕事
テリー伊藤 木村 政雄
青春出版社 (2003/10)
売り上げランキング: 112,564


本のひらめき

東西の名プロデューサー、テリー伊藤氏と木村正雄氏が語る「個性を生かして人をつくる」仕事の本である。

木村さんは吉本で常務になった時、100人くらいと面接をしたという。
そこで、聞いたのは
  ・ いままでにやってことと
  ・ これからやりたいこと
の二つだったという。なるほど、シンプルだけど、ツボを押さえるいい質問だねぇ。

テリー伊藤氏は、苦手をウリにしてしまう方法について語っているのが印象的だ。

 コイツ、字がヘタでしょう。
 会社で一番ヘタなんですよ。

みたいに、苦手なことを逆にセールスポイントにするんだそうな。

そのほかいくつか印象的なメッセージは

 才能なんて誰も育てられない。上の人間がすべきことは、才能の育つ
 「場」を与えてあげること。

 サラリーマンも、自分だけの「ミドルネーム」「ビジネスネーム」を
 持つべき

などなど、対談の中に二人の様々なエピソードが盛り込まれている。気楽に読めるところがいい。


僕の思いつき

松下幸之助氏の人材に関する言葉がウィットが効いていて、前から気に入っている。

 わが社は、何を作っているかと問われたら「人をつくっている」と答えて
 いただきたい。しかる後に、「電気製品」も作っていると答えて欲しい。

本書の著者の木村さんも、33年の吉本興業勤務を振り返って、「人をつくってきたんだな」とつくづく思うと述懐している。
吉本を辞めたあとは、今度は一般の人たちを育てる「有名塾」というのを主宰している。会社の名前や、肩書きではなく、自分の「名前」やキャラを前面に出そう・・という人材育成塾である。

どうしたら、人がより自分らしく生き生きできるか・・・

そんなテーマで、すごい!会議をやってもいいねぇ。



オススメ度

★★★★+人をつくる

読んで欲しい方

・人材育成に関心がある方
・吉本に興味ある方
・仕事にこだわりのある方

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2006年01月13日

公共事業を、内側から変えてみた ~ 桑原耕司 + 阪本啓一さん

志のあるところに道はある!


書籍情報

公共事業を、内側から変えてみた
桑原 耕司
日経BP社 (2004/12/09)
売り上げランキング: 64,107


本のひらめき

岐阜県に「希望社」という企業がある。www.kibousha.co.jp/  
岐阜県人会の僕としては、ちょっと自慢である。(^.^)

本書は、この会社が公共事業の閉鎖性、談合体質に挑んだドキュメントである。

このごろ世間を騒がせている建築業界は、いろんなところにひずみがある。そして、世の中にはそんなひずみを正そうという志高い人もいる。
本書の著者桑原さんもその一人。

建築主の代理者(コンサルタント)として建築主の側に立ち、建築の企画や設計、工事発注や設計改善(VE)、工事監理を実施する業務が、この会社の仕事だ。
JCM(日本型コンストラクション・マネジメント)と言っている。
「本当に建築主のために貢献する新しい建築サービスの確立が必要だ!」という思いが創業の根幹だったという。

田坂さんが、販売代理の時代から購買代理の時代に変わってきてたと、いまのネット社会の特徴を浮き彫りにしてくれた。希望社の理念はその購買代理に近いものがある。

本書では、佐賀市の若き市長、木下さんが直接電話を希望社にかけてきたことに始まる。高木瀬小学校の改築工事を依頼者の立ち場にたってプロジェクトマネジメントしてほしい・・という市長の要請をうけ、桑原さんたちが奮戦した様子が描かれている。

談合体質、ゼネコントと下請けとの関係、などさまざまな抵抗をうけながらも、誰のために・・とう旗印のもと、とにかく前にすすんだ公共事業正常化物語である。結局、予定価格7億1500万円から1億円以上削減するという成果があった。

自治体だけでなく、いろんな組織で参考になる物語である。


僕の思いつき

本書の圧巻は、「折衝」という本音でぶつかる場面である。応札業者と市&希望社の折衝こそが、人間と人間のぶつかりあいである。真実はそこからしか生まれない。

その場面の心理描写や、出来事が、とても面白い。

応札すればいいというものではなく、それを運営する人間のスキルと心構え・・・そういうものが、ホンモノを生み出すような気がする。

やれxxxシステムだ、やれISxだ、やれBSxだと・・・システムや資格や制度を入れても、そこに魂を吹き込むのは、最後は人間。
INVISIBLE(見えない)真実の姿は、制度や仕組みやハードと人間の間にあるらしい。

そういうのを図解しておくと面白いね。


オススメ度

★★★★+折衝!

読んで欲しい方

・の達人になりたいと考えてる方
・に興味ある方
・こだわりのある方

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2006年01月12日

生命論パラダイムの時代 ~ 田坂広志

ようやくこの本にたどり着けた・・・僕。

書籍情報

生命論パラダイムの時代
日本総合研究所
ダイヤモンド社 (1993/10)


本のひらめき

人間は地球上に生まれてこの方、様々な進化をしてきた。技術、知識、ネットワーク、肉体、そして精神・・・。

知という領域では、様々な発展と進化をしてきた。20世紀までは、機械論パラダイムが前提だったという。つまり、あらゆるものは、生命も含め、分解し、分割し、分析していけば真理が見えるという西洋的な思想が機械論パラダイムだ。

ところがそれは限界にきており、これからは「複雑系」という言葉に示されるように、多数の要素が複雑に相互作用しながら、自己組織化していく生命のようなプロセスこそが本質ではないか、・・・というのだ。(たぶん)
この思想が、生命論パラダイムと言われるものだ。とても東洋的である。

ノーベル化学賞受賞者のイリア・プリゴジン博士の「散逸構造理論」というのがこの思想の元になっているらしい。

本書は、イリヤ・プリゴジン博士の講演と、その後のディスカッションを元に、21世紀の知の潮流を論じるすごい!本である。

浅田彰、立花隆、西垣通、西山賢一、松井孝典、田坂広志の各氏が、独自の視点から解説を加え、そしてプリゴジン氏と議論を展開している。

田坂さんの解説が、とても分り易く、また知の世界の深遠さを感じさせてくれる。

まだまだ僕ごときには読みこなせない内容がある。それでも、今の僕に丁度いい“ゆらぎ”を与えてくれる内容ももたくさんあった。いくつか印象的な表現を書き留めておこう。

 我々は自然から分かれて、なおかつ自然の一部である。

 進化のプロセスそのものも進化する。
 進化の結果は予測できない。

 積極的に小さな「ゆらぎ」を生み出し、社会システム全体にも影響を
 与えるほどの変化を求めて「主体的」に行動を起すことです。

 「生命論パラダイム」とは、単に「生命」に関する「知」のパラダイム
 を意味するのではなく、「物質」から「生命」、「生命」から「精神」
 へと続く「自己組織化する宇宙」の「開かれた進化」に関する「知」の
 パラダイムであるといえます。

今から13年も前にまとめられたこの本に、いま様々なところで見聞きする深い思想や哲学のエッセンスが書かれている。そのことに驚愕する。

田坂さんの本や講演に心躍らせる人は、ぜひ、いつかこの本に挑戦してみてほしい。

すごい!一冊。僕は、まだ100分の1ほども読みこなせていないと思う。(それでいて、この本を紹介している自分がちょっと恥ずかしくもあるのだけれど・・・)

僕の思いつき

この本を田坂さんに頂いたのは2003年のことだった。Webookで田坂さんにインタビューに訪問させていただいた時のことだった。
  http://webook.hp.infoseek.co.jp/2003.06/2003.06.10.htm

そのときの田坂さんの言葉が僕にはとっても印象的であり、そして疑問でもあった。具体的な表現は思い出せないけれど・・・

 この本には、今私が主張していることのほとんどすべてが網羅されています。

といったようなことだった。この本は、1993年に編纂されたもの。インタビューに訪れたのは2003年。つまり、10年も前から未来のことが予見されていたということだった・・・。
しかし、そのとき僕の心の中でうかんだ大いなる「?」は、しばし、本棚の中で眠ることになる。

田坂さんに頂いた本は、すぐ読むようにしている僕にしては、なぜだか時間をおいたけれど、ずっと心の隅で気になっていた。
今年2006年。本を頂いてから3年の後、僕はようやくこの本を手にした。それは、何か運命的というか、必然的とうか・・・・そういうものを感じさせるように、自然に手が伸びた。そして、2003年、田坂さんに聞いたあの言葉の意味を知り、深く納得。

とても深い内容がある。まだまだ未熟な僕には読みこなすだけの力はないけれど、それでも今の僕に「読め」と命じた何かがあったように思えてならない。

今、僕自身や親しい仲間の間でおきようとしていること、そのことが書いてあるようで、驚いてしまった。

時間や空間の中で、なにか繋がってしまったもの。人間的に言えば、そう、ご縁とでも言えばいいのだろうか・・・・ちょっと宇宙に通じるような気配を感じつつ、この本を読んだ・・・。



オススメ度

★★★★★+ゆらぎ

読んで欲しい方

・全体をいつも見ていたい方
・複雑系に関心のある方
・生命・宇宙・ガイアと聞けば何か感じる方

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2006年01月11日

一歩先のシゴト力 ~ 小阪裕司 + 超リアル実況中継

その力は、ささいなところに宿っている

書籍情報

一歩先のシゴト力
一歩先のシゴト力
posted with amazlet on 06.01.14
小阪 裕司
PHP研究所 (2005/12/19)

本のひらめき

ビジネスに必要な力とはなんだろう?
リーダーシップ、企画力、問題解決力、プレゼン力、コミュニケーションスキル・・などなど、ふっと頭によぎる言葉は、すでにいろんな本によって解説されている。
それも大事だ。

しかし・・・と小坂さんは言う。

そういうスキルやテクニックより大事な「力」があるのではないかと。

本書には、常識を破る力、積み重ねる力、アイデアを生む力、やりはじめる力、描く力、期待させる力・・・など21の「力」について語られている。巷の出来事や、映画、本、そして著者のまわりの面白い人などのエピソードを材料に、小阪節ともいえる独特の語り口で展開される。

断る力、他人を思う力・・・など平易な言葉は、ごくありふれた事柄なのに、小阪さんが語ると、とたんに光と色が躍るのはなぜだろう・・・。不思議な力がある。

さて、僕の心に一番響いた力・・・それは、「やりはじめる力」

京都国立博物館で開かれたアート・オブ・スターウォーズ展のことが紹介されている。国立博物館とスター・ウォーズ・・たしかに違和感がある。デパートならまだも。
当然、猛烈な反対の荒らしがあったという。それでもこの型破りの快挙(暴挙)が実現した。最初に「やろうよ」といい始めた仕掛け人・狩野博幸さんがいたからだ。

その経緯とともにもうひとつのエピソードがある。
スターウォーズという映画自体も、ルーカスが21世紀フォックスに持ち込んだ時、一人を除く全役員が反対したのだという。いまやそれは、映画史に残る名作となっている。ここに一歩踏み出すことを恐れない力、恐れはあるけれど踏み出す力がある。なんだか元気をもらえるエピソードだ。

ささやかな事象や、なにげないエピソードに隠された「大事な力」をたくさん見つけられると思う。超、おすすめ!


僕の思いつき

ちょっといいフレーズを見つけた。

 << あなたの歴史は、ひとつもムダになっていない。>>

なんて素敵だろう。これは、いつか「すごい!ランチ会議」のテーマにしよう。
これまで、ムダかもしれないなぁこんなことなんて思ってたこと、あんな苦い経験するもんじゃない・・と思ってたこと・・・。それが、実はこうでした・・・みたいなことを語り合う。そこに、新たな自分発見があるかもね。あー早く、すごい!ランチ会議をやりたいなぁー。

「かぶく力」も刺激的。某石油会社のネコスケ氏、K電力の某氏などが登場する。かぶき者とは、奇行の者。変わったやつのことだ。ただし、利己的ではなく他利的にかぶくことが大事。かぶき具合は、ネコスケ氏や某氏に直接きくことにしよう。
(どなたかご紹介くださいね、このお二人のこと)


オススメ度

★★★★★+一歩前へ

読んで欲しい方

・仕事の達人になりたい方
・ノウハウはもういいという方
・人間の魅力にこだわりのある方

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2006年01月10日

「経営職」を育成する技術 ~ 亀井敏郎 + 大村さんTVに登場 1/11

経営職という考え方

書籍情報

「経営職」を育成する技術
亀井 敏郎
ファーストプレス (2005/10/07)

本のひらめき

人材育成は、どこの会社でも組織でも、重要な、いや、最も重要な経営の要素ではないだろうか。たぶんYESがたくさん返ってくる。

にもかかわらず、なかなかうまくいっていないのも人材育成。これもYES。

で、何が問題か。

著者は、企業がほしいであろう「優秀な人材」を、“経営職”という呼び名で表現すする。経営職とは何か・・・・

 自分に課せられた仕事を人並み以上にこなす一方で、現場感覚を最大限に活かし ながら、会社の将来を洞察できること。これこそが、変革の時代の優秀な人材だ。

という。さらに、そうした優秀な人材は、自然発生的な出現を待つのではなく、一つの職種として意図的、計画的に育成することが必要だという。つまり、どんな職種をどのように育てるか、一度見直す必要があるということだ。

その取り組みと経営について書いた本だ。

よくあるパターンは、人材育成は、所詮研修と割り切って、現場に迷惑のかからない程度の研修プログラムをあてがう・・・といったもの。あるある。

求められる人材像や、具体的にどんなプログラムをすすめるべきかなど、参考になる。


僕の思いつき

経営職。この単語がいいね。

以前、久恒さんは、管理職ではなく企画職と呼ぼう・・ということをおっしゃっていた。

職名の名前の付け方は、重要だ。

まわりにある名前を一度見直してみるのもいいね。で、できれば名刺も作り直してみるといい・・・。



オススメ度

★★★★+経営職

読んで欲しい方

・人材育成の達人になりたいと考えてる方
・経営職に興味ある方
・人材育成に関心のある方

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2006年01月09日

50歳力 ~ 木村政雄 + カマキリ博士に会いに行こう

郷ひろみも50歳になった!

書籍情報

50歳力
50歳力
posted with amazlet on 06.01.09
木村 政雄
大和書房 (2005/12/17)

本のひらめき

昭和30年(1955)生まれ以後の方は50代以上である。
昭和22年(1947)~ 昭和26年(1951)生まれの世代を、団塊の世代と呼んだのは堺屋太一さん。

ひとくくりにまとめられたくねぇや・・という思いと、時代を切り開いたという自負と、2007年問題とか言ってやっかいものにするんじゃないぞという怒りとが入り混じったのが、「今の団塊の世代」の人ではないだろうか。

企業から団塊の世代が定年で退職しはじめるのが2007年で、2007年問題などと呼ばれている。少子高齢化社会で、年金も破綻しどうするんだ・・・といった論調が広まっている。

でも・・・

というのが今日の本だ。著者の木村さんは、プレ団塊(1943-46)世代の人。

本書では、「50歳はまだまだ“旬”」であり、「経験という宝物をもったスタート地点にいる」人であり、シニアなんて呼ばれるのは冗談じゃない!という本だ。

著者が創刊したファイブエルというフリーペーパーがある。その創刊の辞から本書の中にこめた思いが引用されている。

  50歳は人生のまだ半分。10L(10リットル)ではない。
  その意をこめて5L(五リットル)
  5つのLは Liberal, Laugh, Love, Link, Live
  寛大な気持ちで、恋したり、人とつながって、面白おかしく人生を過ごそう

というものだ。

印象的だったのは、「ジャンケンという知恵」。欧米の文化を大胆に言えば、勝つか負けるか、コインの裏か表か、という二者択一文化。これに大してアジア系は、勝つ、負け、あいこ、のジャンケン文化。つまり、どっちつかずの「保留」という文化がある。これがジャンケンの知恵。なるほど、そういう見方もあるのかと妙に気に入った。

さて、50代。すいも甘いもかみしめて、建前と本音を使い分け、バランス感覚のあるおじさま、おばさま。これから、第二創業を迎えて、どんな考え方で望むか・・・すばらしい考え方のヒントが本書にはいっぱい。

 あらゆることに学びのチャンスがある。
 書くことを始めよう。でもそれには技術と練習がいる。
 駄洒落と内容のある話の落差は人間の幅を感じさせてくれる
 魚津市のように「森のゆめ市民大学」的コミュニティを盛り上げよう

など、心動かされるヒントがある。

もう50代の方、そろそろ50代だどうしよう・・・って方、必見。


僕の思いつき

明石家さんま、島田紳助、掛布、郷ひろみ、伊藤欄、田中祐子・・・TVによく出る人で、こういった人たちも50代に突入している。

彼らをみていると、50代のおじん、おばんという感じはしない。旬でいきいきした印象が強い。新しい50代が誕生したことは間違いない・・・と木村さんはいう。確かにそうかもしれない。タレントだけを見てそういうわけではないが、なんだか世の中、変わってきていることは・・・間違いない。
(先日なくなった三浦雄一郎さんのお父さん、敬三氏が101歳で他界された。そのニュースを聞いて、まだまだこれからみたいだったのに・・・と妙な印象をもったくらいだから・・・)

旬は、下り坂モードではなく、もう一つの山をめざすモードで楽しくいきたいものだ。

昭和20年以後のよのなかのイベント年表が付録にある。木村さんの自分小史も掲載されている。空欄に自分のを埋めていったら面白いかもね。

そして、この後どうするかという未来年表も書けたらすばらしい。

木村さんにもジェイカレッジにきてほしいなぁ・・。
(善は急げ、早速、ウエブから申し込みをしちゃったもんね)
 http://www.km-jimusho.com/


オススメ度

★★★★★+団塊世代は切り開く

読んで欲しい方

・定年後をめちゃ楽しくしたい方
・第二の人生を切り開きたい方
・粋な生き方にこだわりのある方

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2006年01月08日

できる人の口ぐせ ~ 菊入みゆき + 100冊倶楽部

ことば→気持ち→行動

書籍情報

できる人の口ぐせ
できる人の口ぐせ
posted with amazlet on 06.01.09
菊入 みゆき
中経出版 (2005/12/20)

本のひらめき

人は言葉によって、気持ちも変わるし、気持ちが変われば行動も変わってくる。どんな言葉使いを普段しているかで、ずいぶんと結果が違ってくるようだ。

本書は、モチベーション・コンサルタントの著者が、2万人のやるき分析とコンサル経験から導き出した、できる人の「口ぐせ」を紹介している。口ぐせの背後にある考え方、行動性向などがとても分りやすい言葉で語られ、おおいに元気をもらえる。

たとえば:

 じゃぁ、違う方法でやってみよう (あきらめない)

 あと二つ、方法があるはず (限界を超えよう)

 この二週間で、何をするか (重いものは1週間では短い)

 いつでも今日が始まり (遅すぎることはない)

 メモしよっと  (人は話をメモされるとうれしいものだ)

 私がやっておきます (+αのやる気は◎の印象になる)

などなど45のフレーズが紹介されている。それぞれ、実に単純でありふれたフレーズ。なのに、それを使ってみると、何か新しい展開ができたりする。素晴しい可能性を含んだ言葉だ。

本書は、とてもやさしい語り口で書かれており、また著者の経験などをもとに具体的な事例もあって、確かにそういうことってある!と感じられるのがいい。

そして、『これって何気ない言葉だけど、来週から使ってみるか!』なんちゃって思えるのがうれしい。(なんちゃっても、おすすめの口癖のひとつ)

たくさんのヒラメキをいただいてこの本。菊入さんにもジェイカレッジに来ていただきたくなってしまった・・・。


僕の思いつき


 まさに、あなたが頭の中に思い描いているあなたこそが、あなたなのです。

というフレーズがある。なるほど、そうかもしれない。

どんな自分を描くか・・・今の自分こそが未来を決める。今年が始まって、今日は、8日目。新年がはじまって、あれやこれやと仕事が振られてくると、ついついそれに埋没してしまう。ここでぐっと踏ん張って、今年の自分は何をしたいのか・・・もう一度じっくり考えてみるのもいいね。

この3連休。あすがネライ目!



オススメ度

★★★★★+口ぐせ

読んで欲しい方

・口ぐせの達人になりたいと考えてる方
・言葉の魔力に興味ある方
・やる気を出す魔法を身につけたい方

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2006年01月07日

上手な話し方が面白いほど身につく本 ~ 桜井弘 + ドットマン登場

相手が決める・・・

書籍情報


本のひらめき

誰だって日本語くらい話せる。・・・・だからどうってことはない。と思っているうちは、話し方も書き方も上手くはならない。話のう上手い人、下手な人・・・やはりその差は大きい。

では、話が上手いとはどういうことか・・・

本書によれば:

  必要なときに、必要な人に、必要なことを、必要なだけ、話せる人

であり、

  相手の理解度に応じて、自己抑制ができ、話せる人 

だという。だから早口だったり、立て板に水のごとくしゃべることが、必ずしも話し上手とは限らない。

大事なことは、話には相手があるということだ。気をつけるべきことは
 1.相手の存在に目を向ける。
 2.相手の周囲にも目を向ける。
 3.相手の気持ちに目を向ける。
ということだ。

ビジネスの4大シーン「ほめる、叱る、頼む、断る」に共通する大切なことは「相手を村長する!」ということに集約される。

とてもシンプルで、かつ根本的な、上手な話し方のエッセンスがある。


僕の思いつき

昨日、志の吉さんの落語をナマで聞いた。やはり、噺家さんの話し方は違う。お客さんや、二人であれば相手の様子をよく見て、その場に応じた話のもっていきかたがあるという。

修行は、ストーリーを覚えるというより、日常あらゆる出来事、シーンで、どのように対処できるか・・・そういうことを鍛えていらっしゃるように感じた。

僕は、日本語が話せる。
僕は、日本語の手紙も書ける
僕は、日本語のTVを見ることができる。

ごく当たり前の日常だが、それを一段高いものにするって、どういうことか、そんなことを考えてみたくなった。
話す、食べる、着る、電車に乗る・・・・一段高い素敵な立ち振る舞いは、どういうものか・・・考えてみるのも悪くない。

今年はちょっと高貴な(ノーブルな)振る舞いを身につけるとしましょう。



オススメ度

★★★★+話し方

読んで欲しい方

・お話の達人になりたいと考えてる方
・話し方の改善に興味ある方
・話し方にこだわりのある方

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2006年01月06日

山田真哉のつまみ食い新会社法 ~ 山田真哉/緒方美樹 + ジェイカレNo8

500円!?

書籍情報

山田真哉のつまみ食い新会社法―500円でわかるシンプル版
山田 真哉 緒方 美樹 宮崎 剛
青春出版社 (2005/12)

本のひらめき

2005年8月、図解山田真哉の結構使える!つまみ食い「新会社法」という山田さんの本を紹介した。新会社法のエッセンスをわかりやすく解いたその本は、とっても読みやすく、つまみ食いの旨さを存分に味あわせてくれた。

さて、今回は、そのまたつまみ食い。笑

500円でわかるシンプル版である。しかし、マンガ、図解、Q&Aなどを駆使し、ふむふむと唸らせてくれる。痛快である。

とってもお得な500円(税込み!)

新たに会社を作ろうとか考えている方、手っ取り早くエッセンスを知りたい方、超おすすめ。手元においてちょっと使いたい・・・そんな一冊。


僕の思いつき

「つまみ食い」というのは、実際にもなかなか楽しい。うまそうな料理、豪華な料理を、人よりさきにチョイっと食べる。あのなんともいえないスリルと快感・・・。

「つまみ食い○○○」というのを、会社の中や、家庭や、地域の中でやってみるのもいいね。

たとえば、つまみ食いPTA運営エッセンス。
     つまみ食い業務SOP
     つまみ食い新人心得   などなど


オススメ度

★★★★☆+つまみ食いだぃ

読んで欲しい方

・新会社法の達人になりたいと考えてる方
・起業に興味ある方
・山田さんのファンの方

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2006年01月05日

ザ・サーチ ~ ジョン・バッテル + あすはジェイカレッジ

検索する?

書籍情報

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた
ジョン・バッテル 中谷 和男
日経BP社 (2005/11/17)

本のひらめき

Googleをはじめて知ったのは、松山太河さんなどが開いたネット関係のセミナーのときだった。そのときGoogleと書かれたフリスビーをもらったのを覚えている。

やがて検索するときはグーグルになってしまった。そのサクサクした動きと、リンクされていることはいいことだという独特の考え方が気に入ったからだ。

本書は、検索エンジンの開発物語。グーグルとは、Googol(10の百乗した天文学的数字)にちなんで名づけられたという。ほほー。

ペイジとブリンという二人の青年がすごいことをやってきれた。

本書は、彼らのたくらみがどのように発展していったか、また、その他の検索エンジンの歴史などがわかって楽しい。

尾関さんや太河さんとシリコンバレー漫遊の旅にでたころがなつかしい。


僕の思いつき

検索。この行為がごく当たり前になったのはすごいことだと思う。

整理して、分類して、ストックして・・・・いつ使うかわかならないものを貯めこんでいた時代から、あらゆるものが検索できるという「安心」と「怠惰」そんなものを僕たちに与えてくれたような気がする。

ネットが便利になって、何が変わったか。変わらないでいるか。

そんなことでも考えてみるのもいいねー。たまには思索の世界にひたるのもいい。


オススメ度

★★★★☆+検索エンジン

読んで欲しい方

・検索の達人になりたいと考えてる方
・検索エンジンに興味ある方
・データ整理にこだわりのある方

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2006年01月04日

なぜ、占い師は信用されるのか? ~ 石井裕之 + 10080分

信じる瞬間とは・・・

書籍情報


本のひらめき

本書は、コールドリーディングの本だ。今まであまり表にでてこなかったコミュニケーション術について書かれている。

コールドリーディング(Cold Reading)とは、こんな定義がされている。

 「言語的、心理的なトリックを使って、初対面の人の心を読み、
  未来の出来事を予言すること」

著者は、平たく言えば・・と断って「ニセ占い」だとも言う。この人は自分のことをわかってくれている・・と思わせるテキニックのことだ。うまくつかえば、信頼関係を築いたり、コミュニケーションをスムーズに運んだりする。

信頼関係があれば、仕事もプライベートもコミュニケーションがすごくうまくいく。一方、信頼関係を意図的に裏切るものが「詐欺」。これは許しがたい。どちらも、相手を信じてもいいかな・・と思う・・・この感情の動きがポイントである。

信じてもいいかな・・と思われるようなテクニックがコールドリーディングだ。そのもっとも重要なツボは、「さりげなさ(subtlety:サトルティ)」だ。

さりげなく、無防備な無意識の世界に入り込む・・これがポイントだと思う。

コールドリーディングのノウハウには、サトルネガティブ(さりげなく否定形で質問する)、ストックスピール(誰にでもあてはまるあいまいな質問)、サトルクエスチョン(質問のように聞こえないさりげない質問)など、おぉーこれは面白ろそ!っていうものがたくさん紹介されている。

本書がいいなと思うところは、なぜこうしたコールドリーディングが機能するかについての考察だ。次の3つが印象的。

「現代人はの心は、まったく無防備である」

TVのCM、暴力を楽しむゲーム、人を罵倒する論調・・・など、子供に見せたくないと思いつつ、すーっとその瞬間を許してしまっている毎日。まさに無防備である。夕食の時ニュースをつけていれば、ほぼまちがいなく毎日、殺人や事故のニュースがながれる。なんだかおかしいが、無防備な心にそっと入りこんでいる。

「人間は、無意識レベルで、お互いの微妙な態度の変化を感じあってコミュニ
 ケーションしあっている」
「心の動きは、本人が意識する前に身体に現れる」

相手を観察し、感じることが大事だという。グッドコミュニケーションは、そ
の後、どのように行動するかにかかっている。

ちなみに著者のサイト: http://sublimination.net

とても面白く、ちょっと危なくもあるヒントが満載。


僕の思いつき

何事も悪いことにつかえば、とんでもない方法だとなるし、世の中をよくすることに使えばスバラシイとなる。例えば車。人を毎年殺している道具ととるか、どこにでも自由にいける便利なものととるかで分かれる。あるいはインターネット、これも匿名誹謗中傷のひどいツールととるか、なんでも調べられ発信もできる画期的なツールととるか・・・で異なる。

本書のコールドリーディングも、詐欺師、ニセ占い師、エセ霊能者が使えば、ひどい話だになるし、日常のコミュニケーションに生かせばこんなすばらしい方法はないとなる。用は使う人の心構えってことだね。

同じモノをPROS&CONS、メリット・デメリット、長所短所・・・二項対立で考えることは、単純明快だけど面白い。よのなかのモノ・コトをこういうふうに分けて整理してみるのも面白いね。すごい!ランチ会議でもこれをやってみるかな・・・


オススメ度

★★★★★+さりげなさの裏に

読んで欲しい方

・質問の達人になりたいと考えてる方
・占いに興味ある方
・コミュニケーションをうまくしたい方

Posted by webook at 20:25 | TrackBack

2006年01月03日

営業でキャリアをつくりなさい! ~ 宍戸由希子

分らないとできない。

書籍情報

本のひらめき

「私もただの駄目セールスウーマンでした」という。新卒で営業職について著者は、そのご独自にさまざまなものを学んでトップセールスウーマンになる。そんな経験の中から、就職を控えた学生や営業職にいながら壁にぶちあたっている人にスペシャリストを目指す秘訣を披露した本である。

営業は、社内全部門の代表だと心得る。ということは、営業ができるようになるということは、あらゆる仕事で成功できる力を得ることになる。このことは、トレンドプロの岡崎社長からも聞いたことがある。お子さんを会社にいれるなら営業で鍛えるのが一番だと。確かに。

営業の基本(=すべてのビジネスの基本)は次のふたつ。

 どうしたら、相手にメリットがることを分ってもらえるか。
 どうしたら好感をもたれるか。

学生の方へのメッセージとして、営業で成功するための条件は

 「実力をつけること」
 「セールスパーソンを大切にするよい会社で働く」

ことだという。どの会社が・・・という方は、こちらが便利:
  http://www.sales-coach.org/kakuduke.html
著者の運営するNPOの格付けコンテンツだ。

セールスの基本を抑えた、ひじょうに読みやすい本である。著者の経験に裏打ちされて説得力がある。


僕の思いつき

巻頭にこんな言葉がある。

 「分らないとできない」

単純なんだが、深い意味を感じさせる言葉だ。
そして、これに関連して思い出すのが

 「知らないことは分らない」

ということだ。何かの本でみかけた。

知ることは行動のきっかけかもしれない。知るは楽しみなりと、昔、鈴木健二さん(NHK)がいっていたが、楽しみとして捉えておけば、何でも面白い。知ると分る、分ればできる、できれば業績もあがる。

本書は、営業を「知って分る」第一歩として最適かも。

さて、今日は何に賢くなるだろうか。



オススメ度

★★★★☆+分らないとできない


読んで欲しい方

・営業の達人になりたいと考えてる方
・やりがいのある仕事に興味ある方
・就活をしている学生の方

Posted by webook at 20:26 | TrackBack

2006年01月02日

ナチュラル障害はあたしのブランド ~ すがやあゆみ/たちばないさぎ+年間計画

あるがままに・・・

書籍情報

ナチュラル 障害はあたしのブランド
すがや あゆみ
中経出版 (2005/09/30)

本のひらめき

この本は、生まれつき障害のある著者が、仕事も恋もして、自然に生きていく姿を自らのエッセイとマンガで語った自叙伝である。

障害は、あたしのブランド・・・と、自らの境遇をうけとめて生きる著者の姿は、読者にさわやかな読後感を与える。

著者は、「先天性多発性間接拘縮症」という障害をもって生まれてきた。

はしを持つことも、立って歩くことも不自由だった著者は、ひとつひとつそれを乗り越えていく。

生きる勇気をもらえる本である。

前半がマンガ、後半はエッセイである。マンガには、著者の子供のころの写真なども登場する。自らの状況をカミングアウトし、その境遇を前向きにとらえていく様子は、気迫のようなものさえ感じる。


僕の思いつき

著者のホームページはこちら: http://www.ayumism.com/

すべてのことには、意味がある・・・

そんな言葉をこの本は思い起こさせてくれた。



オススメ度

★★★★+意味があって持っている

読んで欲しい方

・人生を豊かに生きたい方
・障害者に関係している方
・生きる勇気をもらいたい方

Posted by webook at 20:28 | TrackBack

2006年01月01日

ひげうさぎ先生のだれでも書ける文章教室 ~ ひげうさぎ + 謹賀新年!

これなら僕でも・・・

書籍情報

ひげうさぎ先生のだれでも書ける文章教室
ひげうさぎ
柘植書房新社 (2005/11)

本のひらめき

この本を読んでたら、もういちど小学生からやりなおしたくなってきた。
ひげうさぎさんのような素敵な先生に出会えたら、作文も楽しくてしょうがない毎日だったかも・・・と思う。

たとえば次のふたつの文書うはどうだろう・・・

  きょう、会社見学でした。ぼくはいんしょうにのこったのは検査です。
  かなりスピードがでてて、100キロぐらいといって、もっとでてる
  と思いました。
           ↓

  会社見学に行った。いんしょうにのこったのは検査だ。
  かなりスピードがでていた。「100キロぐらい」といっていた。
  もっとでてるんじゃないだろうか。

まるで違った印象である。こどもとおとな・・・そのくらいの違いを感じる。
さて、この変化のヒミツは・・・。

ひげうさぎさんは、一文一義と3つの使用禁止用語を教えた。一文一義は、一つの文章にはひとつの意味を・・・ということ。使っちゃダメよという言葉は「きょう」「ぼくは(わたしは)」、「思う」だ。小学生の作文には、常に登場する言葉だね。
このアドバイスの結果、こんなに締まった文章になったのだ。これは実は自動車工場を見学した5年生の日記です。

こんな具合に、すてきな作文アドバイスがいっぱいある。読んでいて思わずワクワクしてきた。小学生むけの文章教室であるにもかかわらず・・である。


僕の思いつき

この本は、小学生の子どもや、先生、親御さんが基本的に対象だと思うが、ふと考えてみるとブログを書き始めた多くの人はこの本がとても役に立つのでは・・・と思った。

小学生の作文どころか、大人の文章教室としてもすばらしい気づきがいっぱいあるからだ。(帯を見ると、かつて小学生だった人のために・・と書いてある)

ブログ日記を書いている人、これから書こうという人も、ぜひ読んでほしい。新年の第一日目にふさわしい素晴しい本だ。

ひげうさぎさんの文章教室をジェイカレッジでやっていただくのもいいねぇ。



オススメ度

★★★★★+ひげうさぎさん

読んで欲しい方

・作文が楽しくなりたい方
・ブログに興味ある方
・作文名人になりたい方

Posted by webook at 10:25 | TrackBack

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