1997年03月27日

【失楽園】下...渡部淳一97.3.27...☆☆☆☆☆☆

【失楽園】 下

渡部淳一

講談社 1400円
97.2.21 第一刷

この小説は、日経新聞 95.9.1〜96.10.9まで連載されたものに
加筆されたものです.
上 巻では、高ぶる気持ちを抑えられない二人の心情が、とても
リアルに描かれ、この谷を越えると破滅へ向かうというぎりぎり
高ぶりの展開でした.

下巻では、やはりというか、結末へ向けての助走( つまり お互いの
配偶者にバレル) から始まります.
男の方の久木祥一郎(55) は、出版社に勤めていた関係で、本が好き
という設定で、阿部定事件の事を 凛子に語る場面があります.
著者の渡部淳一も この阿部定事件 (226事件の頃の話で、許されない
愛の末に 女(定:サダ)
が男を殺した後、男のあそこを根こそぎ切りとって
しまうと言う事件) をとても意識した展開をしています.
(確か 著者がそんな事をインタビューで言っていました)
それから、インドに "カーマストラ" っていう性に関する本(思想?)

ありますが、男と女の不思議な関係についての意識も根底にながれて
いるようです. (象オンナにネズミ男はあわないとか...)
--- カーマストラの本について知ってる方、情報教えて下さい--

結末 : ううん これは言っちゃあいけないかなあ.....
でも、せっっかくだし.... イヤ やめとこ.
読んでのお楽しみ (想像どうりですが、これが また...)

40代50代の方、実生活 と実在の場所を想像しながらお読み下さい.

お進めど
☆☆☆☆☆☆

Posted by webook at 1997年03月27日 15:12