1997年04月09日

【空とぶ寄生虫】...藤田紘一郎97.4.9...☆☆☆☆★

【空とぶ寄生虫】
藤田紘一郎
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1939年中国東北部生まれ
東京医科歯科大学卒業、現在同大学教授
寄生虫学、熱帯病学専攻
マラリア、フィラリア、エイズ関連の
免疫研究、寄生虫と人との共生をPR.
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講談社 1600円
96.10.5 第一刷
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寄生中や感染症などの話を、洒落た文章で
面白く解説した本です.
マラリア、フィラリア、エボラウイルス
等のほか、けったいな寄生虫(ロアロア等)の話が
盛りだくさんです.
ごたぶんにもれず O157もでてきます.

西郷隆盛は、陰嚢がばかでかかった(頭くらい)
そうですが、これはフィラリア とか オンコセルカ
などの糸状線虫が原因で起きる風土病だった
ためのようです. そのため西郷は、馬に乗らず常に
駕篭をつかっていたようです.
若い時に喜界島に流刑されたとき 感染したんだ
そうです.
それから 最近 日本でも注目されているのが
マラリア.... 世界に8億人の感染者、年間死亡者が
150万人だそうで、これは ハマダラカ にさされて
感染するようです. アフリカ へ行く方要注意!

このほか 感染症と血液型性格判断 とか
寄生中を"恋人"にしている変人学者の話

農水省は 家畜伝染予防法に基づきウシ 、ヒツジ
の検疫はするがサル等の野性動物はしない..
従って エボラなどの水際防御は内に等しい.

抗菌グッズ等 無菌国家になりつつある日本の
将来への警鐘(つまり 今までは細菌や寄生中などと
共生していたのにそれがなくなり、大人になってから
それらに感染すると重症にあなる...) など

様々な話が ウイットに富んだシャレを交えて
書かれています.

このセンセ、最後にこう言っています..
”年間 1200万人物人が海外へ出かけて行く旅行大国の
日本で、寄生中病を含めた各種感染症にたいする
対応は最も重要な課題になるでしょう..”

インドのペスト騒ぎ、イギリスの狂牛病、
バリのコレラ騒動、O157禍 などの
裏側に何が潜んでいて
何が起きているのか
興味のあるかた 必読です.

ご注意 : 食事の前によむのはやめましょう.
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おすすめ度
☆☆☆☆★
(最後の星が黒いのは、ハマダラ蚊にさされて
熱帯マラリアに感染しているためです)

【笑うカイチュウ】もおもしろいようです.
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真之助

Posted by webook at 1997年04月09日 15:19