1997年05月26日

【そんな バカな!】神と遺伝子について...竹内久美子97.5.26...☆☆☆☆☆+☆☆+~(~は私のselfish gene :利己的遺伝子です)

【そんな バカな!】神と遺伝子について
--------------------------------------------------------------------------------
竹内久美子
1956年生まれ 79年京大理学部卒業 博士課程終了
動物学専攻 著述家
--------------------------------------------------------------------------------
文藝春秋 1300円
1991.3.20 第1刷
--------------------------------------------------------------------------------
竹内久美子女史の第2弾 です.
(と言っても著作はたくさんあって、単に真之助が読んだ順番です)

表紙の宣伝文句に " 天才 竹内久美子の最高傑作!" とあります.
文藝春秋の担当者がつけた宣伝コピーですが、この本を呼んだ後
私も、ううん こりゃ天才だあ! と思わず唸ってしまいました.

どこが天才かというと、遺伝子工学など最先端の生物学にいたる
動物行動学の学問を非常に卑近な日常生活の人間の営み (生活
文化 宗教 親子 夫婦 etc) 等に結び付けて、学問を遊び感覚で
まとめているところです.

「全ては 遺伝子からはじまっている.遺伝子はselfish 利己的
である.あらゆる行動形態、本能的活動 (これは 動物) そして
人間の社会的活動 宗教 文化さえも この利己的遺伝子のなせる
技である.我々は 只 この利己的遺伝子が 後世に伝わる為の
単なる乗物(ヴィ-クル)である.」
「神も実は遺伝子はつくった人間という動物の架空優位個体
としての偶像である」
「子供がぜんそくになるのも 利己的遺伝子がなせる必然の
現象 - 親の気を引いて大切にされ、後世に遺伝子を伝えるため
-- だから 十分自立できる年頃になればなにもしなくても
自然になおる-」
「嫁姑の戦争は 自分の遺伝子が後世に残る為の戦いで、
闘争の場面でおきる自己欺瞞- 私はちっともわるくないわ- と
いう認識も遺伝子の仕業」
「女性が自分の排卵日を明確にわからないのは、女性が自分
でバースコントロールできないようにするための、
そして不貞、浮気などという人間的な観念にもかかわり
自己複製をたくんだじつに巧妙な 遺伝子の仕業」

などなど " そんな バカな!" と言う様な話を "ううんナルホド"
と思わせるようにじつに合理的/学問的に解説しているのです.
衛生的なミツバチ、忙しいアオアズマヤドリ、芋洗いのサルなど
興味深い事実も勉強! になります.
生物学 動物学 などの 著名な学者の引用も なんだか 小説風に
解説しており 読みやすく 興味深い 内容になっています.

" 人間は本来賢いはずなのに、時々とんでもなくアホになって
しまう、これが今本のテーマである" などと とてもくだけた
表現で書かれており、思わずのめりこんでしまう面白さです.

このおねええさんホントに 凄い天才です.
動物学/生物学/の分野では この竹内さんと 唄う生物学者(象の時間
ネズミの時間) の本川達雄さんが いち押しの人ですね.

これ 文句なしに超 オススメです. ホント.
--------------------------------------------------------------------------------
おすすめ度
☆☆☆☆☆+☆☆+~
(~は 私のselfish gene :利己的遺伝子です)

真之助
(ps: この本は Kさんにお借りしました.しぇしぇ)

Posted by webook at 1997年05月26日 16:23