2002年02月18日

【一周おくれのトップランナー】..松原武久 ★★★★+価値葛藤

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ξ  
▲▼▲   時間は無駄遣いしても、どこにも溜まらない。
Web ◎◎ k  モノは、無駄遣い、無駄作りするとどんどん溜まる。
| △ |    溜まったものをどうするか・・・それが問題だ。
\σ/_   今日は、名古屋の市長さんがゴミ問題に取り組んだ
|Y )     本だぎゃぁ。
< \                 真之助@yattokameyanamo
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= もくじ =

    ◎ 本日の一冊:【 一周おくれのトップランナー 】
    ◎ カラコラム:【 人はナゼ生まれてきたか 】
    ◎ プレゼント:【 イチローから盗め、ビジネス動体視力 】当選者

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■著書名:【一周おくれのトップランナー】

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■ジャンル:環境・ゴミ問題、地方自治
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■著者:松原武久(まつばら・たけひさ)
  昭和12年愛知県尾張旭市生まれ。愛知学芸大学(現:愛知教育大学)卒
  中学校教諭、校長、教育長などを歴任のあと平成9年に名古屋市長に当選
  教師時代は、マツタケの愛称で親しまれる。
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■出版社:
 KTC中央出版社/ISBN4-87728-233-9/1200円/287P
2001/12/27  第1刷
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■ <ワン・チョット>

「名古屋市民のごみ革命だがや。いっぺん読んでみてちょっ!。」

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■ <忙しい方はここだけ>

諫早湾が鉄の板で次々とギロチンされるシーンをTVニュースで見た人は多か
っただろう。水を区切るだけなのに、なんだかショッキングな光景だった。
諫早湾のほかにも、こうした干潟(の生態)と人間の葛藤が繰り広げられてい
るところがあった。本書は、名古屋市における人と自然の葛藤物語である。

テーマはゴミ。
都市が生み出すゴミは膨大な量である。ごみは、生ゴミから不燃ゴミ粗大ゴミ
など様々で、名古屋市の場合年間100万トンくらいを生み出していた。当然
、処理施設や処理場が課題になる。

東京に夢の島という素敵な?名前のゴミの島があるように、名古屋市も藤前干
潟を埋めたてて、ゴミ処理場にする計画をもっていた。17年という恐ろしく
長い年月をかけ、後一息で実施という段階にきていた。そんな折に市長に当選
した著者は、環境庁の反対など時代の変化に直面し、「代替地はない、しかし
市内にゴミを溢れさせるわけにはいかない」という難問に直面することに。

“私、ゴミを出す人、あなた(自治体)、処理する人”というのが都市におけ
るゴミ問題の構図である。そこで、自治体は処理場、処理施設などのハードに
走ることになるのだが、増える一方のゴミにハード施策は破綻をきたす。

市長3代、17年におよぶ藤前干潟のゴミ処理場問題は、結局、どたんばで白
紙撤回という結論に至る。そして、その裏で熱く盛り上がった「名古屋市民に
よるゴミ減量作戦・リサイクル作戦」が功を相し、それまで1%たりとも減量
することができなかったゴミをなんと20%以上も削減することになる。
本書は、市長の立場にあった著者が、その経緯を克明に記録したものだ。

出口処理から入り口処理へ、ハードからソフトへ、浪費社会から循環型社会へ
・・・名古屋市長と名古屋市民が取り組んだゴミ問題は、現代社会が持ってい
る環境問題のケーススタディとして意義がある。

「藤前干潟は残り、鳥は喜んだ。」

しかし、「情けは鳥のためならず」、結局のところ人に帰ってくるのだ。
環境問題を身近なゴミ問題から私達に考えさせてくれる本である。

一周おくれの名古屋市民は、気がつけばトップランナーになっていた。
いっぺん、読んでみてちょうでぇ。

おすすめ度は、★★★★+価値葛藤
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■ <お暇な方は、もう少し>

「名古屋市民215万人が1人一日100グラムのゴミを減らせば、年間8万
トンのゴミ減量になります。トンあたりの処理コストは4万円なので年間30
億円もの節約になるんです。」

「毎日キューリ1本分(=100g)のごみを減らしてください」

市長は市民に訴える。

ゴミを減らそうという働きかけは実は二度目であった。最初は歯牙にもかけら
れず失敗。しかし、今度はまったなしの状況であり、名古屋市民はこぞって立
ち上がったのだ。(名古屋のひともやるときゃ、やりだぎゃぁ)

当時年間100万トンあったごみは、こうしたソフトな努力の結果、20%以
上もの削減に成功するのである。これは、結構画期的な出来事なのだ。

分別ゴミの出し方を市民が自主的に監視したり、町内会が独自の努力をしたり、
あるいは、容器業界も動いたりと、社会全体が取り組むというムーブメントが
起きた事が、名古屋ゴミ問題の成功のカギである。

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|  残さず、出さず、持ちこまず。
|  ゴミ問題の舞台となった名古屋市藤前干潟:
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著者の座右の銘は、「ぼくの前に道はない。ぼくの後に道ができる」だそうだ。
もと中学校の先生だった著者は、名古屋市民のセンセイにもなったようだ。

“価値葛藤”という言葉を著者は紹介する。つまりひとつの事柄に二面性の価
値があり、どっちを優先するか・・・ということだ。ゴミ問題も、人間と鳥の
問題と見れば、衛生環境重視か、渡り鳥を保護する自然環境重視かの価値葛藤
になる。どっちも大事だけど・・と悩む事が価値葛藤だというわけだ。

本書は、名古屋市長のそして名古屋市民の価値葛藤の経緯ともいえる。

この星をゴミであふれさせないために、ゼロエミッション型社会を築くために
本書は、地方自治の観点から、とてもいい参考データを与えている。

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■ <読んで欲しい方>
  ゴミ問題でお悩みの首長さん
  ゴミ問題なんてぜんぜん気にならない方
  お店でもらう包装やパックや袋がちょっと気になる方
おすすめです。
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■ <オススメ度>

★★★★+価値葛藤

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    著者、杉山さんのご協力を得て下記の本をプレゼント
    【イチローから盗め、ビジネす動体視力】 2名様

    1)清水○子さん (相模原市)
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   おめでとうございます。待っててくださいね。僕から直接送ります。
   著者の杉山さん、きこ書房さんにご協力いただきました。
   ありがとうございました。

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■□ <しんのすけのカラコラム>C#2002-024【人はナゼ生まれてきたか】□■

 ・・・なあんて哲学的なことも、たまには考えてみるのです。ハイ。

 で、思ったことは「出会うために生まれてきた」というのが僕の結論。
 人は、子孫を残す為に、世の中の役に立つために、生きた証を残す為に・・
 などいろいろ考える事ができるんだけど、やっぱり、出会うために という
 のが一番ふさわしいような。
 そう、人は素敵な出会いで自分の人生も、自らの存在価値も高められる
 そんな気がする。

 出会うのは、誰か(何か)?  うん、それが問題だ。
 僕は、本であり、ネットであり、その向こうの人だと思う。
 先週金曜日はそんな一日であった。昼の部も夜の部も多くの出会いが・・。
 昼のセミナーではトッテンさんや、モレルさん、フィリップスの高橋さんと
 夜のNPOキックオフでは、盛池さんやシュンさんや秀さんや・・・・と。
 イナビカリのある遭遇がありました。ビビビ。

 考えてみると、そこは、会社の中の世界ではなかった。
 出会いは、会社の外側に・・・
 これも言えるような気がする。

 「遠距離介護をいっしょに考えてみる?!」
      http://www.egroups.co.jp/group/webook_kaigo
 なんてMLを作ったら、また新しい出会いと創造ができそうな気配が・・。

          しんのすけ@介護は親との出会い
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 ★ 発行は 『まぐまぐ』( 969) と  Pubzine (14941) です。
 ★ 土日祝は、家庭内平和維持活動(FPK)のためお休みです。
 ★ 記事の転載/引用をされる場合は真之助までご一報ください。
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ξ  .   .    
▲▼▲   .        ポチ、花粉の季節じゃのぉ。
Web ◎◎ k     .    わん。
| △ | ,_,      またあした。
\O/ ___(..)
<|ト---- ゝ____●
... /> /> >\         真之助@Webook of the Day
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Posted by webook at 2002年02月18日 20:15