2002年12月06日

【巨象も踊る】..ルイス・ガースナーJr ★★★★★+進化★

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★ Webook of the Day のテーマ = 本の中の不思議なパワーを探しだすこと★
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★ へ へ (Week) ★
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★ 【Webook #2002-112】 2002/12/06(金) ★
★ “ついに原稿できた!”の金曜日 ★
★ http://www.netpro.ne.jp/~webook/ ★
★ 解除は: http://www.netpro.ne.jp/~webook/touroku.htm ★
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ξ
▲▼▲ 日本IBM、その巨大なエンタープライズも一時は恐竜と
Web ◎◎ k  揶揄された。恐竜は巨象によみがえり、しかもダンスも踊
| △ | れる。
\e/ 今日は、その復活劇の立役者、ルイス・ガースナーJrの
^□~ ビジネスストーリー。今年いちおし。必読書!
/L      真之助
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= もくじ =

  ◎ 本日の一冊:【 巨象も踊る 】
  ◎ カラコラム:【 インフルエンザ 】
  ◎ プレゼント:【 吾人の任務 】3冊 堀義人さん当選者発表!
  ◎ 出版企画A:【 原稿、ついに完成! 】

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■□ …‥・・ ・ ・ 本日のWeb●●k ・ ・ ・ ・ ‥… □■
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■著書名:【巨象も踊る】

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■ジャンル:ビジネス、自伝
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■著者:ルイス・ガースナーJr.(Louis V. Gerstner, Jr.)
  1942年ニューヨーク州生まれ。63年ダートマス大学工学部卒業。65年ハー
  バード大学ビジネス・スクールでMBA取得。同年マッキンゼー入社。
  77年アメリカン・エキスプレスの旅行関連サービスグループの責任者とし
  て入社。89年RJRナビスコ最高経営責任者(CEO)。93年、崩壊の淵にあっ
  たIBMを再建のためCEOとなる。その後、数年のうちにIBMを再生させ
  1990年代を代表する経営者として称賛を浴びる。2002年春にCEOを退任し、
  同年末までIBM会長。
■訳者:山岡洋一(やまおか・よういち)、高遠裕子(たかとお・ゆうこ)
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■出版社:
日本経済新聞社/ISBN4-532-31023-7/2500円/456P
2002/12/02 第1刷 
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■ <ワン・チョット>

 「偉大な経営者は腕まくりして、みずから問題に取り組む。」

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■ <忙しい方はここだけ>

日経新聞の「私の履歴書」を読まれるビジネスマンは多いと思う。とくに著名
な経営者の場合は、注目度が高い。GEのジャック・ウエルチ、日本の経営者
ではヤマト運輸の小倉昌男、アサヒビールの樋口広太郎などの時は、きっと多
くの人がこの記事を読んだに違いない。最近ではIBMのルイス・ガースナー
が登場した。僕などコピーをとったりしていたものだ。

本書は、ガースナー「私の履歴書」のネタ本である。日経新聞の私の履歴書を
読んでワクワクした人は、この本を絶対に読むべき!だ。
新聞のワクワク度を1とすれば、本はその100倍くらい。
多くの気付きと勇気を与えてくれる。
昨日くらいから書店に平積みになって並んでいるはずだ。

絶滅寸前の恐竜だと揶揄されたIBMで、ガースナーは何をしたのか?
ひとことでいえば、「あたりまえのことをした!」
松下幸之助はんが生きてはったらこう言うたはず・・・
「あんた、雨の日には傘をさしますやろ。」IBMかていっしょや・・って。
ところが、世の中不思議なもので、当たり前のことがなかなか当たり前にはで
きないようになっている。だからこそ、松下翁の言葉に重みがある。

ガースナーがエライのは「絞込み」「実行」「リーダーシップ」という経営哲
学をとことん貫いた(雨の日に傘をさした)ことであろう。
3つのキーワードの中に「実行」という言葉が入っている。ガースナーは、実
行力は経営者が最も評価されていない側面だという。「実行」というありふれ
た言葉が現実には難しいからだ。雨の日に傘をさすことは難しい!。

ガースナーは、瀕死のIBMの応急処置(93年当時)よりも、その後の戦略
展開や企業文化の変革のほうがずっと苦しかったと述懐している。当たり前の
ことも、フェーズによって異なり、困難さも違うということだ。

ガースナー曰く、「偉大な経営者は腕まくりして、みずから問題にとりくむ」
こんな言葉を贈りたい企業が今、日本にはいっぱいある。

読む人それぞれ、自分の立場からたくさんの気付きが得られるすばらしい本で
ある。読んだ後は、自分だけの本に・・・なっているハズ。
この本は、今年のベスト5の一冊! 絶対(買って)読むべし!ですぞ。

おすすめ度は、★★★★★+進化★
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■ <お暇な方は、もう少し>

ガースナーは恐竜IBMを前に、リーダーとして幾つかの決断をしている。
そのベースをなしているのは「お客様」の視点。たとえば・・・

 ホストはもう終わった、これからは完全に分散型PCの時代だと世の中が走
 っていたとき、ガースナーはお客様の立場にたった判断をする。
 お客様は、自分がインテグレーターになってITを利用したいなどと思って
 はいない、経営上やりたいことができればそれでいいのだ。だったらIBM
 はそういうインフラを全体的に提供する「統合的なサービス」を提供する企
 業をめざすべき。こう判断したのだ。
 それは、当時IBM分割論が華やかで内部もそう思っていたのをひっくり返
 したことに繋がる。

ガースナーのお客様の視点は、AMEXなどで顧客の立場を経験したことが大
きく影響している。技術のトレンドではなく、お客様が望む本質は何か?、そ
ういうところに経営判断の基点を置いたところがガースナーのスゴイところ。


この本を楽しく読む方法:

 最近、マインドマッピングという方法を気に入っている。
 人に聞いたこと、本で読んだこと、会議の内容・・・なんでもいいのだが
 真中にテーマを書き、そのまわりにテーマごとのヒゲ(項目)を伸ばして
 いきながらまとめるものだ。

 本書もそういうふうにして読んでいくと面白い、そうすると最後に
 “この本は要するに”・・・みたいなものが自然とできあがっている。
 本の裏表紙などを使えばいい。大部な本が1ページに凝縮される過程は、
 自分でも快感になるはず。

さらに、それを別の視点で見てみると・・・・

 な~んと・・バランス・スコアカードの視点が見えてくる。
 絶滅寸算の恐竜のようだと揶揄されたIBMに乗り込んだガースナーがとっ
 た経営マネジメントは、まとめるとバランス・スコアカードの4つの視点を
 実にみごとにマネージしていたことになる。(ま、当然といえば当然なんだ
 けど)てなことを発見するのも楽しいものである。
 それは、こんな感じ:→ (時間があったらホームページにアップします)

書いていた本の最終原稿をチェックしていたとき、バランス・スコアカード事
例としてガースナーのBSCを急遽入れ込んだのは、感動(感じて動く)の結
果かな・・。(来年2月の発行予定だから、見てね!)


戦略と実行の間をガースナーは、実にすばやくそして見事につないだ人だと思
う。この点について興味深い表現がある。

 「戦略と事業活動を別モノだと考えている企業が多い。戦略は年に一回作成
  され、時間をかけて会議で検討され、上層部に承認される。そして、みん
  な安心してそれぞれの部署に戻り、それまでとほとんど変わらぬ方法で事
  業を続ける。」

私たちのまわりで毎年起きている事象を見事に喝破している。
ガースナーは、そこを見事にマネージした人だろう。たとえば資源配分(リソ
ース管理=人の配置)という武器は、戦略的なことを進めるときに有効に使う
べきだろう。ガースナーは人を使うのもうまかったようだ。
こうした詳細こそ、本書でじっくり味わって欲しいところ・・・。

エスタブリッシュド企業にありがちな、官僚的文化を打ち砕き、お客様に顔を
むけた企業に変革したガースナーの道のりは、今の日本企業によいお手本とな
ると思う。
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| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄↓ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | http://www.nikkei.co.jp/hensei/gerstner/
| ↓
| IBMのサイトにガースナーの情報がある。
| http://www.ibm.com/lvg/
| ガースナーにeMailも送れる。(読んでくれるかなぁ)
|
| => Back to 書籍
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本書の最後に、ガースナーが社員全員にあてて送った電子メールが掲載されて
いる。肉声(筆)の?Eメールである。ガイースナーは、「会社の動きとその
理由についての情報を社員が共有できるようにすれば、すべてが用意になるこ
とに気付いた」からだといっている。
CEOから直接出されるメールは、「社員を戦略と実行のパートナーにする」
ツールになっていたのだ。

顔の見えるリーダーとはかくあるべし・・・のすばらしいサンプルだ。
(ソニーの出井さんもホームページやメールで同じようなことをしていた)

日経新聞の「私の履歴書」を読んだだけで満足する人がいたら、それはもった
いない。ハリポッターのプレビューをみただけで満足してしまうのと同じだ。
2500円、456ページの価値は十分ある。

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■ <オススメ度>

   ★★★★★+進化★

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■ <読んで欲しい方>
  社長!
  その次の社長候補の方
  その次の次の社長候補の方
  ミドルマネジャーの方
おすすめです。
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■ <がまんできなくなった方はこちらへ>

  ●BK1   ( http://tinyurl.com/3a2o )
●楽天Webook ( http://tinyurl.com/3a2q )
●Book Chase ( http://www.php.co.jp/book/ )
●富士山・コム ( http://www.fujisan.com/webook/book/index.html )
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■□ << 今週のwebook list >>     ・ ・ ・ ・ ・・‥… □■
2002.12.06[金]:【巨象も踊る】..ルイス・ガースナーJr
日本経済新聞社/ISBN4-532-31023-7/2500円/456P
★★★★★+進化★
2002.12.05[木]:【-】..日本リーダーズ協会でBSCプレゼン
2002.12.04[水]:【-】..お休み (骨休み)
2002.12.03[火]:【-】..お休み (骨休み)
2002.12.02[月]:【-】..原稿完成!(やったぁ)
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■□ < Web●○k from the Publisher > P#2002-06 ・ ・ ・ ‥… □■

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■□ < Web●○k from the Authers > A#2002-21 ・ ・ ・ ‥… □■

<Webook &ビジネスブックラジオ Present 企画 当選者発表♪>

 【吾人の任務】 堀義人著 著者サイン入り。 3名さま

 1)浅尾さま 文京区(Webookでのご応募)
 2)那田さま 市川市(Webookでのご応募)
 3)守さま  木更津(USENでのご応募)

 サイン入りの本は、グロービスから直接送られます。
 また、グロービスのパンフご希望の方にも送られますのでお楽しみに。

 「グロービスマネージメントレビュー」がついに創刊らしい! 12.16
 http://gmr.diamond.co.jp/

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■□ < Web●○k from the Readers> R#2002-03 ・ ・ ・ ‥… □■

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■□ <しんのすけのカラコラム>C#2002-111【インフルエンザ】・・… □■

 先日インフルエンザの予防接種をした。近所の病院で。3000円也。
 そのとき、摂取にあたって・・という注意事項を読まされ、アンケート欄
 で同意を求められた。
 さて、その注意事項、CSの観点からは落第!
 「過去にアナフィラキシーを起こした人」はダメとある。
 アナフィラキシー?
 思わずうーん。だいたい想像はつくけれど、こんな専門用語をおばあちゃ
 んやおじいちゃんがわかるはずはない(と思う)。
 分からないときは受け付けの人とかに聞けばいいけれど、分かりそうにない
 ことは最初から書いちゃダメ。
 製造元の田辺製薬にさっそくメール。2日後、ご指摘ごもっとも・・という
 ことで来年の書類に反映すべく対応されるとのこと。
 文章作成は、(財)阪大微生物病研究会。全国共通のがつくられるとのこと
 です。世の中がひとつ変わるか・・・(なんちゃって)

                 しんのすけ@なんでも言ってみよう会
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■□ <しんのすけの出版企画A>P#2002-022【ついに出来た!】・‥… □■

 ようやく原稿が書きあがりました!
 大前さん、舟崎さん、吉川さんなどからも引用の了解をいただきました。
 編集を担当してくださるOさんに原稿を渡しました。
 5ヶ月の奮闘は第一ハードルクリア。
 でもこれからがまた長い作業の始まり・・・・。

 先日、ビジネスブックラジオ収録の折、ゲストの松林さんが次に出す本
 のゲラを見せてくれた。校正の書込みがあった・・・。
 昔から、あういうのにあこがれてたのよねぇ~(ミーハーだけど)。
 しかし、松林さんは面白い。インタビュアーをすっかり忘れて大笑いの
 収録でした。(耳は無事だった。笑。)

                 まつやま・しんのすけ@BSC
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▲▼▲ 来週、またシンシナティへ出張。
Web ◎◎ k シックスシグマの勉強してきます。
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\b///       また来週!
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Web .. . . 。 o O 〇 Kuribako ・ ・ ・ ‥…★
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Posted by webook at 2002年12月06日 00:30