2003年10月13日

■カルロス・ゴーン経営を語る(カルロス・ゴーン+フィリップ・エリス)

gohn=kataru.jpg人も組織も変革エネルギーを内包している。

カルロス・ゴーン経営を語る

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  |著者:カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
  |日本経済新聞社|2003年 09月
  |ISBN:4532310857|1,600円|434P
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 表紙には和服を着たカルロス・ゴーン。実に様になっている。日産の経営
 をここまでドラスティックに回復させ、失われた10年などとのんきなこ
 とを言っている日本にクールな刺激を与え続けているこの人。日本にとけ
 こもうという経営姿勢があるからよけいに似合う。

 本書の表紙につられて買った人も、その期待を裏切らない内容に満足した
 人が多いことだろう。いろいろと考えたり気づいたりすることが多いから。

 ゴーン自身の著作となる本書は、「ルネッサンス」「カルロス・ゴーンの
 『答えは会社のなかにある』
」に続く3作目だ。他にも多くの人がゴーン
 をルポした本を書いており、重なる部分は多いが、本書は自身がインタビ
 ューに答えて語った言葉が載っており、ゴーンの肉声が伝わるのがいい。

 日産リバイバルプラン、CFTなど独特の言葉は、もはや賞賛の意を込め
 て語られることが多いが、ゴーン着任当初は、コストカッターだの、きっ
 と失敗するだろう・・などといわれていたものだ。

 本書を読むと、ゴーンが、実にいい耳をもっていることに気づく。現場の
 声をよく聞き届け、そして問題点をズバっと整理し、その解決に向けたビ
 ジョンと戦略を示す。そしてもっとも大切な点は、それをコミットメント
 としてガンガン実行するところだ。コミットも実行も縁遠いユデガエルな
 企業にとっては実に颯爽として感じられる。

 カルロス・ゴーンの経営に対する姿勢、考え方、さまざまなものが自らの
 言葉で語られているところが魅力だね。ゴーンがどのようにしてゴーンと
 なったのか、とくと分る本である。経営者必読の本だ。
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   ★★★★★+コミットメント

 
   ・ゴーンさんに興味ありという方
   ・うちにもゴーンに来てほしいという方
   ・おれがゴーンだという方

Posted by webook at 2003年10月13日 08:41