2004年04月05日

■女子大生会計士の事件簿(3)(山田真哉)

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  ますます面白くなってきた!

女子大生会計士の事件簿(3)
        
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   |著者:山田真哉
   |英治出版|2004年 04月
   |ISBN:490123448X|950円 (税込:998円)
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 藤原萌美(後任会計士)と柿本一麻(公認会計士補)を中心にさまざまな
 事件を解決する会計監査の物語。第3弾である。

 3度目ともなるとすこし興味も薄れ・・・な~んて思うかもしれないが、
 このシリーズ、そのワクワクする魅力と勉強になるわぁ~度は、いっこう
 に衰えない。今回も映画企画会社の不正、仙台にあるワンアイホテルを舞
 台にした経費と固定資産の振替操作、伊達通信工業が行なった減損会計の
 操作など、へぇーと言わせてくれる楽しいストーリーがいっぱい。

  1.<映画の中の会計士たち…あはは>事件
      ─除却とキックバックの話─
  2.<鏡を割ったのは誰だ!>事件・前編  
      ─部門別会計と利益の話─
  3.<鏡を割ったのは誰だ!>事件・後編
      ─減損会計の話─
  4.<未来の財務諸表の作り方>事件
      ─直接原価計算の話─
  5.天使のウィルス
      ─システム監査の話─

 面白かったのは、会計操作が行なわれていたホテルが、1年後に業績を回
 復し、にぎわうようになったストーリー。
 従前は、事業実態が見えるようにと部門会計を厳格に運用し、組織改革を
 すすめていたのだが、やがて部門間のいがみ合いなど軋轢が生まれていた。
 そこで、部門会計を一切廃止してしまったのだ・・・・。すると部門間の
 協調が生まれ好転していったというお話。
 うっ、どこかで見覚えがあなぁーと思ったら、ダイエー3事業を立て直し
 た高塚猛さんのエピソードだった。著者も高塚さんが大好きという。こう
 いうふうにリアルと事件簿がつながるのも楽しいねぇ。

 エンターテインメントとエデュケーション、あたらしいジャンルの本は、
 着実にファイルを積み重ねている。がんばれカッキー。

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   ★★★★★+かっきーん

 
   ・会計監査に興味ある方
   ・今度監査をうけるんだわという方
   ・物語はいいねぇという方

Posted by webook at 2004年04月05日 19:41