2004年04月20日

■サービスの教科書(高萩徳宗)

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 気付きと学びのある教科書だね。

サービスの教科書
        利益を生み、幸せになるサービスの作り方
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   |著者:高萩徳宗
   |明日香出版社|2004年 01月
   |ISBN:4756907199|1,500円 (税込:1,575円)
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 世の中で「お客様第一」とか「顧客満足」をうたっていない企業は恐らく
 ないのではないだろうか。産業の70%以上がすでにサービス産業となっ
 てきた今、それは当然のことかもしれない。
 ところが、そういった言葉と現実の間には、まだまだギャップがある。

 病院、銀行、エアライン、障害者向けサービスなど具体的なエピソードを
 紹介しながら、サービスの本質に迫る。
 クレーム対応、サービスセンス、予想できない感動、などサービスの本質
 に迫る解説は、読む人の心に素直に響く。

 例えば・・
 
 お客様に何かを薦めるとき、「なぜ、それが欲しいのですか?」「どうし
 てそこへ行きたいのですか?」「何にお使いになるのですか?」といった
 真の目的をさぐる質問ができるかどうか・・・そこがポイントだという。
 つまり、どれだけお客様の立場になって考えられるかという姿勢が、その
 質問にこめられているのだ。
 購買の動機や意図を知れば、提案できる内容も変わってくる。
 お客様は、モノよりもヒトから商品・サービスを買おうとする傾向がある
 のは、そんな理由もあるからだね。

 ノードストームの「返品・交換は無条件でOK」というサービスは、イン
 パクトのあるマ-ケティング戦略だ。しかし、サービスの本質からいうと
 やや疑問符がつく。その意味を深堀りしているところが印象的だ。(詳し
 くは本書で)  
 また、強烈なクレームメールに対応した著者の事例やサウスウエスト航空
 のエンタテインメントサービスの紹介も興味深い。

 中でもマーケティングとサービスを対比した考察が僕は気に入った。
 
   マーケティング= お客様がどう考えるか がとても重要
   サービス   = 経営者とスタッフがどう考えるか がとても重要

 この意味は深いので本を読んでいっしょに考えよう・・。

 一生のリピーターになってもらうためには、「そこそこの」サービスでは
 なく、感動をともなったものでないといけない。そのためには・・・
 この本は、そんなことに気付き、考えさせてくれるところが、まさに「教
 科書」である。お勧め!!

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   ★★★★★+気付き

 
   ・サービスの中に感動を生みたい方
   ・真実の瞬間を見たいという方
   ・クレーム好きな方

Posted by webook at 2004年04月20日 19:13