2005年03月07日

行政書士の花道 ~ 澤田尚美

「何を始めるのでも、10年続ければ必ず花開く」
                  (著者のお母さんの言葉)

書籍情報

行政書士の花道
行政書士の花道
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澤田 尚美
ダイヤモンド社 (2005/02/17)
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本のひらめき

実はこの本が出る前、著者の澤田さんとお会いした。山田真哉さんのプロモーション企画会議の席だった。そのとき、澤田さんからは本の表紙のドラフトを見せていただき、ちょっとした胸騒ぎがしたのを覚えている。「こ、これって、なんだか面白そう!・・・・」 ざわざわ。

そして、今その本が手元あり、胸騒ぎはホンモノだったことを実感する。

行政書士というのは、ずいぶんまえから知ってはいた。記憶に残る最初は、運転免許証の書き換えの会場。へぇーこんな仕事があるんだぁ、でも書類を作るだけでお金取るなんてずるいや・・・って思ったのが最初の印象だ。以来ずーっと行政書士の仕事については理解不足(誤解!)のまま今日に至る。

で、この本を読み「そうだったのか!」と長年の無知に光明が差した。

本書は、行動的で情にもろい行政書士、右原カンナ(みぎはら・かんな)26歳が活躍するビジネス小説だ。行政書士の世界を小説として描いた初めての本である。現役の行政書士さんが、その経験をベースに書いているからリアリティに富んでいる。

非常に面白い!。超~お薦めの本だ。

理由は、3つ。
まず、行政書士の仕事がリアルに分かるところ。社会の舞台裏で活躍するプロフェッショナルな黒子の仕事の面白さがとてもよく伝わってくる。行政書士は気軽に相談できる町の弁護士さんといった感じである。
さらに、建設業の許可や、外国人在留資格といった世の中の仕組みが分かるところも実に楽しい。
3つめは、物語に人情の機微が染み込んでいるところ。短い1話完結型のストーリーの中で、ホロリとさせてくれるところは感動もの!。

公認会計士の世界では、山田真哉さんが、萌ちゃんの物語ですばらしい境地を切り開いている。そして、今、行政書士の世界にもまた新たな星が生まれた!ブラボー!である。


僕の思いつき

風俗営業許可申請の物語(行政書士の花道、本のタイトルでもある)では、主人公の行政書士カンナと先輩行政書士日向との会話が興味深い。

「右原さんの場合は、資格とかそういう概念を完全にとっぱらって、周りをまきこんで仕事をすすめていくからな・・・。俺は許認可業務に限らず、融資や補助金申請や企業戦略のコンサルなんかも手がけていきたい。今までどおり、資格業という土俵にたっていたら、俺達行政書士はいつまでたっても他の資格業のセンセイたちから一段下の目でみられたままおわってしまう。だからこそ資格業にしばられないやり方で一緒にやっていきたいんだ・・」

きっと、著者の澤田さんもそう思っているに違いない。

枠にとらわれず、思いっきり伸びていいのが若い世代の特権。花道は切り開くもんだねぇ。

さて、あなたの枠はなんだろう。ちょいとはみ出してみない?



オススメ度

★★★★★+花道!

読んで欲しい方

・行政書士を目指している方
・行政書士って何してるの?という方
・サムライ業が好きな方

Posted by webook at 2005年03月07日 09:10 | TrackBack