2005年07月15日

サイコグラフで「買う気にさせる」心理戦術 ~ 内藤誼人

なぜ買うの?

書籍情報

サイコグラフで「買う気にさせる」心理戦術
内藤 誼人
洋泉社 (2005/06)
売り上げランキング: 10,978

本のひらめき

マーケティングの世界は、POSなどのシステムや数値の統計データや分析ツールなどで人の購買活動を予測しようと試みてきた。

ベーシックなものは、デモグラフ(人口統計的属性)である。商品開発をするときなどにターゲット顧客を絞り込んだりするが、そのときデモグラフという言葉は頻繁に登場するという。

本書は、それに対しサイコグラフ(phsychograph)という概念に注目する。それは個々の価値観や行動様式によって分類する「心理特性」を扱うものだ。

独身でどの地域に住む何歳以下の女性・・・といった人口統計的な属性ではなく、白黒をつけただる性格ほど新製品に抵抗がある・・・といった心理的な面にフォーカスしたものだ。

POSデータは貴重だ。ただし、それをどう使うかが問題だ。

本書では、たとえばスーパーで「豆腐とバナナとカスピ海ヨーグルトが1日に100個ずつ売れた」というデータを例にとって説明する。データをそのまま利用すれば、「それじゃぁ、豆腐とバナナとカスピ海ヨーグルトをたくさん仕入れよう」という補充発注の発想になる。しかし、サイコグラフでは、何を買ったかではなく、「どうしてそれを買ったか」に注目し、購買にいたるまでの心理状況を想像したり、検証したりするのだという。この場合、健康志向の強いお客様が多い・・という仮説を考えるのがサイコグラフ的発想だ。

JCB、キットカットなどなじみの事例などもたくさん登場し、海外の大学での研究事例なども引用され、なかなか楽しい。


僕の思いつき

セブンイレブンの鈴木敏文氏の言葉が引用されている。穴埋め問題で考えてみよう。

 もの余りの時代には、
 消費は「xx学」ではなく「○○学」で
 考えなければならない。
 
さて、何でしょう。(答えはあした)

分った方は、次の自由記述問題(?):

何が?の思考から、なぜ?の発想に切り替えると、面白いものはないだろうか。



オススメ度

★★★★☆+最初のサイコグラフ

読んで欲しい方

・心理学が好きな方
・売れる仕組みに興味ある方
・商売大好きという方

Posted by webook at 2005年07月15日 11:47 | TrackBack