2006年05月08日

コトづくりのちから ~ 常盤文克 + 9マス手帳 DN-Ⅱ

   コトづくりとは、Mosoプロジェクトのことだった。

書籍情報

コトづくりのちから
コトづくりのちから
posted with amazlet on 06.05.14
常盤 文克
日経BP社 (2006/03/02)


本のひらめき

花王の社長などを務めた常盤さん。「モノづくりのこころ」につづき、コトづくりについて語った本である。

コトづくりとは、つまり組織をリードしてひとつのモノゴトを達成するプロジェクトづくりのことだ。組織にビジョンや夢を与え、みんなが智恵と汗を出し力を合わせていく容器、それがコトである。マネジメント力の話である。

本書には、著者が企業経営で体験したできごと(たとえば、花王のアタックの開発)や、ホンダやトヨタ、あるいはオンリーワン企業の中小企業などの事例を紹介しながら、コトつくりがいかに大切かを説いている。

人は、理屈と感情で動く不思議な動物。しかし、そのどちらが大きいかと言えば「感情」のほうが大きいように思える。好き、嫌い、得意、不得意、カッコいいにはじまり、これはあの人のために、これはよのなかのために・・という矜持・・・そういうものが理屈をこえて人を動かす。

コトつくりにおいても、古今東西のリーダーは、情動の部分をうまく活用してきたようだ。NASAのアポロ計画、トヨタのプリウス開発、ホンダのCVCC開発、百万分の1の歯車で有名な樹研工業、ipod などが登場する。

後半は、こうしたコトつくりにかかわる経営思想の話になる。

「きらめく旗を立て、活き活きと働ける仕組みをつくって集団を高い軌道に導く」ことが、コトづくりの「りから」だと締めくくる。リーダーの方必読。


僕の思いつき

組織をまとめてある方向に導くには、やはり旗がいる。

 何のために?
 誰のために?
 俺達はどんな瞬間をめざしているの?
 いつまでにやるの?
 さぁ、垣根を越えていっしょにやろうじゃないか!
 責任? あー、俺が取るから存分にやりなさい!

なんていう瞬間が、ある企業、組織は、強いかも。なければ、自分でつくっちゃおう。誰もやってはくれないから。

いまやってる仕事にはためく旗はあるだろうか・・。


オススメ度

★★★★★+コトづくり力

読んで欲しい方

・強靭でワクワクする組織にしたい方
・世の中のユニーク企業に興味ある方
・会社を元気にしたい方

Posted by webook at 2006年05月08日 12:34 | TrackBack