2008年12月01日

「自分」から自由になる沈黙入門 ~ 小池龍之介 + まぐまぐ大賞ノミネート!

   ドウデモイイっていう素敵な生き方、がある。

書籍情報

「自分」から自由になる沈黙入門
小池 龍之介
幻冬舎
売り上げランキング: 19040

本のひらめき

人はどうやら様々な出来事・事象をジブン・モォドで解釈しては、いらいらし
たり、迷ってみたり、がっかりしたり、はたまた舞い上がってみたりするもの
らしい。

私たちの中には、「ジブン」という欲望やプライドがあって、そいつが様々な
ものを歪めて認識させるようにしている。そこで、「自分濃度」を薄め、自ら
の雰囲気を穏やかで気品のあるものにしていこうではないか・・・というのが
本書のメッセージである。

人は自分の話をしたがるが、人の話は聞きたがらない。常に「自分濃度」を濃
くしようとするココロの力学が働いてしまうからだ。
するとそれは品のない自分を演出し、コミュニケーションを自分の押し付け合
いというツマラナイものに貶める。私が私が・・とガツガツしない、物欲しそ
うにしない、品のあるたち振る舞いができるようになるための方法、つまり「
自分を薄め、自分濃度を薄める」方法が、いろいろ書かれている。

例えば私たちはよく、他人のこと、お店のこと、映画のことなどに「ケチ」を
つけることがある。これを仏道的にみると

 ケチをつける対象より自分を優位に見せたい、という欲望と結びついている

のだという。ケチをつけている相手についてお喋べりをしているように見えて
実は、自分のことを語っているのだ。つまり、そこでは「ジブン」が大量に入
って、自分濃度が濃くなっているのだという。なるほど・・・。

ケチには、仏道の3毒が含まれているという。3毒とは、欲望、怒り、愚痴。
ケチをつけているときは、まず心が乱れ(愚痴)、不快になり(怒り)、自慢
したくなる(貪欲)がそろっているのだ。そしてその心を反映して、本人の雰
囲気にそれ相応の醜さをにじませるという。つまり、品がなくなるってことだ
ね。

このほか、欲に取りつかれた会話は、早くちになる、だからスロウに話そう、
とか、欲望の解毒剤は何かと申せば、「ドッチデモイイ」「ドウデモイイ」
である、とか・・・・こころがユルムいいお話がいっぱい。

ちなみに「ドウデモイイ」は、投げやりに思うことではなく「どうなっても最
終的には受け入れられるよ」という潔さ。軽やかさ。だという。


先日、仲間うちで、品のある人ない人・・・の話題で盛り上がったことがある。
会話の中にもそれぞれの「ジブン」モォドが入っていたのだが(この本を読ん
でなるほどと思った)、品を感じない人はやはり、ジブンモォドのアクがとて
も強いってことらしい。

実力があって、尊敬され、親しまれる人は、その人の「ジブン」というものを
微妙な線で薄めている。そういうことだったのか・・・と納得した。

日頃のビジネスシーンでは、いかに自分濃度を濃くするかに腐心している私達
だが、ふとココロのテンションをゆるめて、本書のような時間をもつことも、
また、人生には必要なことでありましょう。

我がココロからの家出、その修行の一歩を本書から・・・。


僕の思いつき

本書は、著者の運営するウエブ「家出空間」で発信されたメッセージが編集さ
れてできたもの。お坊さん(住職)でありつつ、現代的センスで仏道を広める
面白い方である。ウエブのほか、世田谷で「iede cafe」なるオテラとカフェの
融合した空間も演出している。(2007年からは休眠中)

自らを「精神的インテリアデザイナーとしての僧侶」と定義する今風な気配と
いっしょに、仏道の五蘊(ごうん、人間の5つの作用)や十善戒(十の善行を
保つための戒め)などを現代的な表現で説いてくれたりする。

「ココロにロック・オンする・・」といった現代的表現と、「不愉快になり候
ふ・・」といった古文体のミックスも楽しい。

自分がいるフィールド(仕事、業界)のことを、別の視点やアプローチ、表現
をつかって伝えることも、また面白いのでは・・・。

ビジネスも思想も仏道も、何かで伝えない限り歴史を刻まない。



オススメ度

★★★★★+ジブンからの解放

読んで欲しい方

・品のある生き方をしたい方
・平和な日々をすごしたい方
・ココロの自由を感じたい方

●今日のおまけ:( まぐまぐ大賞ノミネート )

 苦節11年、なんと「まぐまぐ大賞」にノミネートしていただきました。
 苦節っていうのは冗談で、それは楽しいことがたくさんの11年でした。
 この記念すべき11年目に(なんかちょっと中途半端な数字なのがまた
 いいでしょ?笑)、ありがたいことです。

 せっかくの機会なので、ぜひみなさんで盛り上げてやってくださいませ。
 ここから投票するみたいですよ。

  http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/ 
   (アート文芸部門でプルダウンすると Webook が出てきます)

 今日の本では、そういう自分濃度が濃くなることはおやめなさい・・という
 メッセージなのですが、俗世に生きる僕的にはやっぱりほっとけない・・笑
 まっ、気がむいたらで結構ですので、よろしかったらあなたも臨機応援して
 くださいませ。ありがとうございます。

 そのほか新作部門でつねさんの「4コマ図解・読書録」や、
 日記・ノンジャンルで「久恒啓一の学びの軌跡」もおすすめですね。

 意外に少ない得票で当選しちゃう・・・地方選挙みたいなところもある・・
 かもよ。笑  (あー かなり自分濃度が濃くなってきた・・ぐふふ)

Posted by webook at 2008年12月01日 12:14 | TrackBack
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