2010年12月26日

上京物語 ~ 喜多川泰 + 田坂さんからの贈り物

 すべての出来事は、序章に過ぎない。


書籍情報


上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え
喜多川 泰
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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この本のツボは?

もしあなたが、大学一年生だったら
もしあなたが、社会人一年生だったら
もしあなたが、新しい道を歩み始めたのなら
もしあなたの子供や知り合いが、上記だったら

ぜひ、この本を読んでほしい。長い人生の節目で、ちょっと遠くを見て
みたい時、素敵なインスピレーションをくれるから。

本書の前半(半分)は、とても長いプロローグになっている。

こんなストーリーで始まる。

一人の青年がいた。成功を夢見て上京した祐介。
いい暮らしがしたい。かっこいい車に乗りたい。自分の家が欲しい。
誰もが思い描く「理想の人生」を追い求めて一生懸命働いた。1年、2
年・・・5年、10年。やがて結婚し、マンションを手にいれ、会社で
もそれなりに働いてきた。しかし、会社の状況は知らない間に徐々に変
ってしまっていた。昇給も思い通りにはいかず、いつまでたっても余裕
は生まれない。一方で、友達は独立起業して成功していたりする。
上京して20年、成功を夢みて上京した自分は、いったい・・・
人生も半部以上過ぎ、そろそろ老後のことを考えなければならない年だ
というのに何一つ手に入れていないじゃないか。人生という貴重な時間
を費やして得たお金をいったい何に使ってきたのだ。一生を費やして、
マンションの一室をやっと手に入れた、それが精一杯の人生だったと
いうのか。佑介は、ベランダでたばこの火を消し、深く嘆息した。

大きな希望に胸を膨らませ、人生のスタートラインに立ったのに、いつ
の間にか他人の常識に流されて生きてきてしまった。そしてかつての夢
も忘れ、「こんなはずじゃなかったのに・・」と後悔する。

いまどき、どこにでもありそうな人生模様。身につまされるようなお話。
実は、この物語は、佑介(祐輔)の父親が作った創作だった。

そして、後半では、多くの人が陥りがちな生き方を打ち破り、自分らし
く生きていくためのヒントが展開される。父から息子へ贈られる渾身の
手紙という形で。

父からの手紙では、破るべき5つの常識について、語られる。

・人は、幸せを他人との比較できめているという常識

・今ある安定が将来まで続くだろうという常識。
 何の根拠もなく、みんながそうだと言っているというだけの理由で。

・ほとんどの人は「成功=お金持ち」という常識の殻の中にいる。
   では、自分の価値観を持つには
   1)時間を投資する。
   2)頭を鍛える。
   3)心を鍛える。

・将来の夢は、お金を稼げることの中から探すものだという常識
   夢は、あるときふっと湧いてくるものじゃない。自分が時間を
   かけて真剣に取り組み、工夫を重ねた経験があることの中から
   しか生まれてこない。

・人生において失敗はしないほうがいいという常識
   普通の人が失敗と呼んでいる出来事こそが、人生の感動や感謝
   新しい出会いといった、幸せな人生に必要なすべてを運んでく
   れるのだ。

我が子に人生のヒントを伝えたい親はいっぱいいる。しかし、なかなか
それは難しい。本書は、そういう思いを物語として、素敵な作品として
伝えてくれるかもしれない。

伝書バトのような作品かも。
父(母)の思い、伝えておくれ、私の代わりに・・・。

深く考えさせられる一冊。

おすすめ度は?

   ★★★★★+我が子へ

知りたい?

   ・子供たちの常識は、ほとんどTVによって醸成される。いいのか?
   ・私たちが生まれながらにもっている貴重な財産。それは「  」
   ・安定とは、何か。


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■■今日のおまけ:( 田坂さんからの贈り物 )

 「風の便り」に乗せて、田坂広志さんから素敵なギフトをいただきました。
 みなさんにもおすそわけします。

 ガイアの思想 のeBook です。PDFでこちらからダウンロードして
 御覧下さい。

 →  http://bit.ly/GiftfromTasaka

 風の便りに寄せられた田坂さんのメッセージもご一緒に・・

 >  ジェームズ・ラブロックの提唱する「ガイア思想」を起点に、
 >   「生命とは何か」
 >   「精神とは何か」
 >   「なぜ、この宇宙は生まれたのか」
 >   「この宇宙は、何をめざしているのか」
 >   「なぜ、世界は、ここにあるのか」
 >   「なぜ、我々は、ここにいるのか」
 >  といった深遠なテーマを縦横に語った 詩的フォトブックです。
 >  新たな年、2011年を迎えるにあたって、
 >  思索の糧として頂ければ、幸いです。

 

Posted by webook at 2010年12月26日 22:44 | TrackBack
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