1997年07月28日

【手塚治虫 昆虫図鑑】...手塚治虫 + 小林準治 97.7.28...虫虫虫虫虫

【手塚治虫 昆虫図鑑】
手塚治虫 + 小林準治
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手塚治虫
1928年(昭和4年) 大阪府豊中市忌まれ
宝塚で育つ.大阪大学医学付属専門部を卒業後
医学博士号を取得.46年 "マアチャンの日記帳"
で漫画家デビュー.89年他界.
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小林準治
1948年東京都生まれ.アニメーターとして
手塚作品に参加.
イラストレータとして"都市の昆虫誌"などの
昆虫画を担当.日本昆虫協会理事.
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講談社α文庫
740円
97.3.20 第1刷
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手塚治虫の多くの漫画作品に納められている 昆虫の画像コマ と
小林準治の解説と昆虫スケッチの本です.
てのひらサイズの小さな本です.

巻頭に手塚治虫が描いた 昆虫スケッチ(カラー)がありますが、
みごとな絵です.
これが 14才の時にかいたといいますから 凄いもんです.
"現職甲中図譜" という名前の本で、自分で採集した標本を写生した
ものと 平山修二朗の写真を模写したものです.
この本は この部分の 数ページを見るだけでも価値がありそうです.

私は "鉄腕アトム" を小学校の頃よくみましたが(わ~お おじさん!)
手塚治虫のことは あまりよくしりませんでした.
医学博士であったとか、昆虫好きの少年で こんな凄い本をつくって
いたとか....

虫好きでは 手塚治虫にも負けないくらいの 小林氏が 手塚作品の
なかに散りばめられた 昆虫による表現を丹念に取り上げ、解説
しています.
手塚治虫が最も愛した.. チョウ目(鱗シ目)
結構 色っぽいチョウチョガよくでてきますね.
効果音として使用された..バッタ目、カマキリ目(直し目)
手塚漫画の名脇役..コウチュウ目(甲虫目)
手塚治虫が唯一きらいだった 昆虫ではない虫 蜘蛛/ムカデ
など
正に 昆虫図鑑としても十分楽しめる内容(丹念なスケッチと解説)で、
それに加えて手塚漫画の登場シーンもあるというものです.

手塚作品は700もあるそうで(スゲエ)、その中の4作に1作は 虫が
登場するそうです. (これ 小林氏が丹念に調べた結果)
ジャングル大帝 (TV でよく見ました)、ブッダ(家内もいっしょに
人生のなんたるかを学びました?)、奇子(あやこ) (ううん、エグイ
内容だったなあ) などなつかしく思いだしました.

北杜夫が "手塚治虫氏と私" と題して一文を書いています.
その中で、「おいっこたちは 私が芥川賞を受けても何とも感じなかっ
たが、手塚治虫と知合いだといったら 態度がガラっと変わって
"おじさんも あんがいすごいんだね" といわれた」とか...
子供たち(大人もか?)にとって手塚治虫が神様みたいな時代がたしか
にあったようです.

お父さんが手塚治虫世代で 子供が 昆虫に興味をもってる家庭の方
俺も 昆虫少年だあ (私も実は...) という方
おすすめです.
そうでないかたも、表紙と 巻頭の数ページは一見の価値ありです.
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おすすめ度
虫虫虫虫虫
(今日は 星でなく虫です)

真之助

Posted by webook at 1997年07月28日 16:50