2003年08月15日

■教えてもっと、美しい音を(松本江理)

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教えてもっと、美しい音を
聴導犬・美音と過ごす幸せな日々

著者:松本江理
アーティストハウス/角川書店|2003年 07月|ISBN:4048981218|207P|1,400円

身体障害者時補助犬法という法律が2002年10月1日に施行された。
盲導犬、介助犬、聴導犬の3つを身体障害者補助犬という。それぞれの使用者の方の社会参加や自立を目的とした法律だ。
石黒謙吾さんが書いた<盲導犬クイールの一生>は、大きな感動の渦を巻き起こし、目の見える私たちに光を与えてくれた。この本は聴導犬のお話。
著者松本江理さんは、突発性難聴という病気にかかり、少しずつ音を失う。そんな松本さんが聴導犬『美音』と素敵に生きるドラマがこの本だ。うるうるくるので、ハンカチ用~意。

松本さんは、4才のときかかったハシカが原因で中学のころから耳が聞こえなくなりやがて・・20歳のときまったく音のない世界に生きることになってしまう。松本さんを支えてくれたのは周りの暖かい励まし。そして、聴導犬、美音。
自分の変わりに美しい音を聴いて欲しいという願いをこめてつけられた名前。
現在松本さんは、結婚し子供がお二人。しっぽのはえたベビーシッターのいる家だ。
こどもの泣き声も聞こえない江理さんだが、美音が代わりに聴いてくれる。
七五三の写真に写る美音は、パートナーとしてすっかり溶け込んでいる。

江理さんの言葉を載せておこう。

 わたしは20歳から、耳が聞こえません。
 でも、世界に漂っているこの美しい音と響きをわたしの代わりに
 聴導犬、美音が聞かせてくれるのです。
 娘が大きくなった時に
 『あなたが小さい時、美音がいっしょにいた』と話してあげたい。
 なぜなら、10年後にはきっともう、美音はこの世にはいないから。
 美音、本当にありがとう。

夏休みに感動をひとつ!♪

Posted by webook at 2003年08月15日 08:19