2003年09月17日

■なぜ企業はシェアで失敗するのか!(リチャード・ミニター)

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シェアではなく、利益を気にしよう。
 
なぜ企業はシェアで失敗するのか!
   経営を誤らせる占有率神話 The Myth of Market Share

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  |著者:リチャード・ミニター/吉川明希訳
  |日本経済新聞社|2003年 08月
  |ISBN:4532310695|1,600円| 237P
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 「大きな市場シェアを握れば、利益は後からついてくる」という考え方は
 バブルにあおられたドットコム企業だけでなく、古くからの老舗企業にお
 いても広く浸透している。
 著者は、それをまっこうから否定する。市場シェアが利益に与える影響は
 ほとんどなく、むしろ利益を後回しにして市場シェアを優先する弊害のほ
 うがよほど大きいと指摘する。
 
 大切なのは「市場シェア首位をねらう戦略(市場シェアリーダー戦略)」
 ではなく「高い利益率をめざす利益リーダー戦略」であると強く主張する。

 市場シェア戦略で失敗した事例、利益率を目指す戦略で成功している企業
 などを、具体的に分析し紹介している。
 前者には、市場シェア拡大のワナにはまりブランド価値をさげジリ貧に陥
 ったラコステ(そういえばあったね、わにのマークのポロシャツ)、ブラ
 ンドを犠牲にしたシェア獲得戦略で苦戦のGMなどがある。
 後者の成功事例には、デル、GE、ライアンエアー(欧州のサウスウエス
 ト航空
)などが紹介されている。
 
 ただし何事にも例外があり、マイクロソフトやビザ(カード)などネット
 ワーク系などでは市場シェア拡大が意味を持つ場合もあるとしている。

 豊富な事例と分析は、おそらく今後の戦略を考えている企業には、大いに
 参考になる。要するに、徹底的に顧客のほうを向き、利益率を中心にした
 戦略がよい!ということだ。自社の将来戦略を考える上で、ヒントになる
 ことがたくさんありそうだ。

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   ★★★★★+シェアじゃない

 
   ・中期戦略を検討中の方
   ・自社のポジションを洗い直している方
   ・事業ドメインをリセットしようとしている方

Posted by webook at 2003年09月17日 12:24