2005年03月21日

有効期限の過ぎた亭主・賞味期限の切れた女房 ~ 綾小路きみまろ

笑う門にはきみまろ

書籍情報

有効期限の過ぎた亭主・賞味期限の切れた女房 PHP文庫
綾小路 きみまろ
PHP研究所 (2003/12/02)
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本のひらめき

職場の仲間に親孝行な人がいて、彼は、田舎からでてきたおふくろさんを綾小路きみまろの独演会に連れて行った。笑いと涙の独演会だったにちがいない。えらいねぇー。うらやましいねぇ。

僕は、以前、出張で乗った飛行機の機内の番組で、この面白いおじさんにハマってしまった。とても面白いギャグがたまらず、ゲロぶくろにメモをとったくらいだ。

さて、本書はきみまろ独演会の録音を文字にしたものだ。いくつかの独演会記録の間には、著者の芸人道の記録があり、これがまた面白い。それを読むとまたファンになる。

微妙にセンターをずらした視点から繰り出される独特の毒舌は、笑えないようで笑えるツボがある。

たとえば:

 ここまでやってこれたのは、誰のおかげでもありません、ここにおいでくだ
 さいました、おひとりおひとりのお客様の前でやってる、私の力です。

 ・・・その母も、3年ほど前、94歳という若さでこの世を去りました。
 94歳でした、急死でした。きれいな母でした。私は母に似たのです。

 このあいだ老人ホームにいってまいりました。・・・
 テーブルの上に入れ歯がおいてありました。「おじいちゃんこの入れ歯
 いつ使うの?」と聞いたら「歯を磨くときにいれるんだ」と。返す言葉
 がありませんでした。

普通の人が日常にふと目に触れるペーソスまでも笑いに変化させてしまうきみまろ。毒舌ギャグで時代を切り取る魔術師のようだ。


僕の思いつき

著者の生い立ちの記も興味深い。昭和25年鹿児島で生まれた少年は、ものまねがうまかった。やがてアナウンサーを目指して上京し、夜学に通う。学費かせぎではじめたキャバレーのバイトで司会のチャンスを得る。そこから今のきみまろの原型がスタートする。森真一や小林幸子の専属司会などをへて、現在の「綾小路きみまろ」がある。その半生記も読み応えがある。

物事をセンターシフトさせて眺めると、意外なものが見えることがある。どんずまりの問題があったら、ちょっときみまろしてみるといいかもね。

それから、つらいことや、かなしいことも。

もしできるなら、父親にきっまろをきかせてあげたい・・・・せめておふくろにはテープをあげよう。

きみまろサイト:  http://www.kimimaro.com/


オススメ度

★★★★☆+きみまろ

読んで欲しい方

・笑いとばしたいことがある方
・ギャグがすきな方
・あやのこうじきみまろって?という方

Posted by webook at 2005年03月21日 09:56 | TrackBack