2006年03月08日

いのちの授業 ~ 神奈川新聞社 + 田中靖浩さん第二弾

真摯に向き合う生き方

書籍情報

いのちの授業
いのちの授業
posted with amazlet on 06.03.11
神奈川新聞報道部
新潮社 (2005/02/26)
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本のひらめき

今日の本は「すごい!100冊倶楽部」のメンバーの方から教えていただいた本である。もう一つ、絵本「くまのこうちょうせんせい」も紹介いただいた。

神奈川県茅ヶ崎市立浜之郷小学校の校長先生、大瀬さんの感動的な物語である。相当にウルウルきた。

前半は学校改革のすばらしい物語。
後半は、末期がんを受け入れながらその「生き様」を最後まで生徒や先生達に伝えた大瀬さんの生き方。

浜之郷小学校は、茅ヶ崎市が進めていた教育改革のパイロット校として98年に開校した。初代校長が本書の主人公、大瀬先生だ。創学の理念が素敵だ。

   私は あなたといます
   私は あなたと 
   学び育ちます

目指したものは、演出された「すばらしい授業」ではない。組み立てやヤマ場があるような「うまい授業」でもない。生徒一人一人の学びを励ましかかわりあう関係を築く場をつくるような授業をめざして、浜之郷小学校は創学された。

学校には3つの壁がある。地域との壁、教室の壁、カリキュラムという時間の壁である・・という。それを乗り越えるすばらしい試みがこの学校で行われた。何人かの先生は、自分のキャリアとや自信とこの理念の間で悩む。そして気付き変わっていく。手を差し伸べ、寄り添いながら子どもと向き合う・・・そんな感動物語がある。

後半は、生と死を考える「いのちの授業」だ。
「校長先生は、ガンが再発した。明日死ぬかもしれない。とても恐ろしくて怖い。けれどもお医者さんの指示に従ってがんと闘っています・・・」と生徒達に話す大瀬さん。授業は、「わすれられないおくりもの」や「クマよ」などの絵本を使いながら進められたようだ。大瀬校長の話を聞いた子どもと同じように私達も「生と死」に向き合える瞬間がある。

明日は、「くまのこうちょうせんせい」に会ってみよう。


僕の思いつき

僕の尊敬する本間正人さんは、教えるのではなく学びを支援するという学習学(Learnology)というコンセプトを広めている。北欧のスウェーデンなんかでもそういう考え方が広く浸透している。

上にたつもの、先輩として仕事や業務をよく知っている者は、こういう姿勢が必要なのかもしれない。

野球で言えばバレンタイン監督みたいな感じだろうか。

教師(先生)もマネジャーもちょっと似通ったところがあるように思えた。

この本を読んでたら、あー、なんだか「爽やかな風になりたいな~」って思った。会社や職場やよのなかに、ちょっとした風を吹かせることができたらたら楽しいねー。(ただし、風は見えない!)



オススメ度

★★★★★+学びの共同体

読んで欲しい方

・学校を変えたい考えてる先生
・教育に関心をもっている方
・子供達を元気にしたい方

Posted by webook at 2006年03月08日 19:55 | TrackBack