2006年06月15日

ロジカル・ライティング ~ 照屋華子

そういうことだったのか!

書籍情報

ロジカル・ライティング
照屋 華子
東洋経済新報社 (2006/03/24)

本のひらめき

ロジカル・シンキングの続編。非常に実践的に書かれている。読みながら、考
えながら進むと、うっすらと脳みそに汗をかくのがわかる。笑

本書は、論理的にものを書き、人にわかりやすく伝えるためのノウハウを、と
ても体系的にそして、実践的に教えてくれる素敵な教科書である。
(こういうのこそ、教科書と呼ぶべきだね)

すこしかじった人ならロジカル・シンキングといえば、すぐにMECEやロジ
ックツリーといった言葉を思い出す。MECEは漏れなくダブりなくというこ
とまでは、誰でもわかる。しかし、いざそれを実際にに試す段になるとなかな
か思うようにいかない。

泳げない人が畳の上で泳ぎ方を教わり、分ったと思って実際に水に入ると、教
わったことと違うことがいっぱいあることに気がつく。それと同じである。

本書には、そういう「つもり」モードを抜ける工夫があるのがうれしい。要点
を理解するとともに実際に脳みそに汗をかかせてくれるからだ。

MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)、SoWhat
WhySO?、論理パターンの3つを基本にして、話が進む。これまで読んで
きたロジカルシンキングの本の中で、いちばん頭に入る解説だった。

なんども読んで消化したい本である。


僕の思いつき

ロジカルチンキングやライティングの本を読むたび思うことは、論理的に考え
る一方で、感性やセンス(藤原先生の言葉では情緒)が大切だということだ。

たとえばMECEに考えようということで、「全体として漏れがない」という
とき、さて全体をどう捉えるか?というところは、感性の世界。本当の全体を
カバーしない一部だけを全体と捉え、論を進めれば一見MECEでも、大きな
見落としに繋がる。

だから、ロジカルに正しくても、正解でない、というのはありうるのだ。

そこで、ものごとを大きく、俯瞰して、捉えるための「感性」をいつも磨いて
おく必要がある。

文化的なもの、古典、自然・・いろんなものに触れ、体験というアーカイブが
多いほうがいい。好奇心というのは、感性をみがくひとつの触媒かもしれない
ねー。好奇心は、正しいか正しくないかではなく、面白いか、面白くないかと
いう判断基準で盛り上がったり冷え込んだりする。ふむふむ。



オススメ度

★★★★★+ロジカルな考具

読んで欲しい方

・論理的に分り易い書類を作りたい方
・スッキリした資料がほしい方
・ロジカルにモノゴトをすすめたい方

Posted by webook at 2006年06月15日 20:39 | TrackBack