2007年04月27日

絵本パパラギ ~ ツイアビ + カシータ

文明って一体・・・・・なんなんだろう。

書籍情報

絵本 パパラギ―はじめて文明を見た南の島の酋長ツイアビが話したこと
エーリッヒ ショイルマン Erich Scheurmann 岡崎 照男 和田 誠 ツイアビ Tuiavii
立風書房 (2002/03)
売り上げランキング: 33910

本のひらめき

この本を買ってみようかと思ったのは、とある講演(公演)会のときだった。田中靖浩さん(元・公認会計士)と立川志の吉さん、神田京子さんの不思議な公演でのこと。田中さんが、二宮金次郎、福沢諭吉につづいてツイアビの話を紹介されたのがきっかけだった。
実はこの本(原書のほう)のことは知っていたが読んだことはなかった。田中さんの一言で、速攻アマゾン。

パパラギとは、文明国の国の人々をさす。白人のことだ。いまでは私たち日本人もこれに含まれる。ツイアビというサモアの島の酋長さんがヨーロッパを旅したときの文明批評が、パパラギという本で、その絵本版がこの本。原書は、酋長と親交のあったスイスの詩人が翻訳して1920年に出版された。日本でも1981年に翻訳されたのが出版されている。

パパラギ(白人)は、便利な生活をしているように思うはずなのに、ツイアビさんの曇りなき眼の前には、どうやらまことに不思議な生活や暮らし向きにしか思えなかった。

 パパラギは、足皮(皮靴)を朝から晩まで足にくっつけていて、それで旅に もいくし、踊りもする。足は死にかけていて、いやな匂いがする。

 パパラギの母親は、たいていガラスの筒で子どもにおっぱいをやる。それに
 はにせの乳首がついている。

 パパラギは、行く先々で自然の大きな力が作ったものをこわしてしまった後
 壊したものを自分の力で生き返らせようとしている。

 私たちは一度も時間について不平をいったことはなく、時の来るままに時を
 愛してきた。時間が苦しみや悩みになったことはない。
 私は彼らに教えてやりたい。日の出から日の入りまで、ひとりの人間には
 使い切れないほどたくさんの時間があることを。

私たちがよかれと思っていることすべて、「教育」「お金」「都市」「所有」「情報」などさまざまなことに、自然な目線(宇宙的目線)で疑問を呈するツイアビ。その洞察はするどく、私たちの価値観をゆさぶる。

絵本でありながら、深い哲学の本。


僕の思いつき

ツイアビさんの国では「ラウ」という言葉があるという。「私の」という意味でもあり「あなたの」という意味でもある。ふたつはほとんどひとつである、という。

南の島の平和で自然で幸せなくらし・・・・、この本からちょっと私たちの根源的なものを見つめる目をちょっとだけ啓いてみるのもいいね。

言葉をツイアビ的発想で説明してみる・・そんな遊びもいいね。ふだんこだわって苦労しているものがフッと抜けていいかもしれない。あ、なーんだ・どーってことなかったんだぁ・・みたいに。



オススメ度

★★★★★+サモアの酋長

読んで欲しい方

・現在の文明を別の視点で見たい方
・なんか世の中へんじゃないと感じる方
・あくなき人間の欲望に違和感を感じた方

Posted by webook at 2007年04月27日 21:24 | TrackBack