2007年04月11日

やまだ眼 ~ 山田一成/佐藤雅彦 + ジェイカレッジ白潟さん

   そういう時って、確かに・・・。


----------------------------------------------------------------------

●今日の一冊:【やまだ眼】

   見抜かれた真実。

    --------------------------------------------
   |山田一成/著 佐藤雅彦/著
   |毎日新聞社|2007年02月
   |ISBN:4620317942|952円|256P
    --------------------------------------------

<本のひらめき>

世の中には、微妙な真実というものがある。微妙な・・という表現は、ビミョ
ウだが、ようするに「あまり意識はしていないけど、言われてみれば、確かに」
みたいな感覚のことである。

本書は、世の中のそこかしこにあって、ふだんあまり意識はしないけど、深層
心理的にはもっている、そんな真実を切り取って、表現したものだ。

山田一成さんの着眼点を、佐藤雅彦さんが分析する・・・そんな本である。

例えば、

  電話に出て欲しいと思ってかけてるんだけど
  相手が出なかったら
  なにかしらホっとする時がある。

  本当に正直に言えば、
  リモコンの表面についているビニール
  はがしたくない。

  ちゃんとした文章にかぎって、最後に
  「乱筆乱文失礼しました」と書いてある。

などなど、心の底にゆらっと存在している機微を、ひろったところがうまい。

へぇー!というオドロキでもなく、知らなかった!というお徳感でもない。な
んともビミョウな味わい。日本人でよかったねぇ。


<僕の思いつき>

ふと気になったこと。
あれって思ったこと。
ずっと気になってること。
いつかは言ってみたいこと。

TODOリストにものらない、ささやかな心の動き。これを捉える練習をした
らエッセイストになれるかも。ブログに書くなら、こういうのもいいねー。

 しまりかけたエレベーターに飛び込む。
 ふとみると、後からほかにも続いてやってくる人がいる。
 早く閉めてよ~・・と心の中で叫ぶ自分がいる。
 扉一枚へだてたこの瞬間。
 人はたしかに立場を変える。あー、人間だもの。


----------------------------------------------------------------------
<オススメ度>

   ★★★★★+微妙な真実

<読んで欲しい方>

   ・微妙な真実を活写したい方
   ・ニヤリとしてみたい方
   ・言葉に敏感な方

Posted by webook at 2007年04月11日 14:00