問題は「数字センス」で8割解決する ~ 望月実 + これでいいのだ。
読む+考える+伝える ための数字
人の気持ちは顔に出る。
ビジネスの実態は数字に出る。
と言えば、かっこいいのだが、数字をうのみにすると勘違いすることもある。
意図的なマーケティングの数字や、本質的な問題が背後に隠れているオモテの
数字などがあるからだ。
数字センスを磨いて、問題解決力を高めようというのが本書のネライだ。
ビジネスで直面する問題は、多くの要素が複雑に絡み合っている。それを解決
するには、数字を使って問題をシンプルにとらえるのが効果的だと、望月さん
はいう。さらに
問題解決力 = 問題点の把握力 x 解決策の提案力 x 解決策の実行力
とし、3つの要素を向上させるための数字力を解説するのが本書の内容だ。
問題の把握力には「数字を読む力」が、
解決策の提案には「数字で考える力」が、さらに
解決策の実行には「数字で伝える力」が必要になる。
3つのパートには、伊勢丹と三越、トヨタと三菱自動車、ドリームジャンボ宝
くじなどリアルな世界と結びつけながらの解説があり、楽しく読める。
僕的にほぉ~と思ったのは、数字で考える・・のところで登場するケーススタ
ディである。「外資系の紳士服販売の企業が、この1年で利益を二倍にしない
と日本市場から撤退する、さてどうする?」というもの。
いきなり2倍の利益に・・といわれても大きすぎるし漠然としているから、そ
れは難しい・・・と直感的に思ってしまう。そこで、目標をプロセスに分解し
それぞれに数値を割り当てる・・・と、光が見えてくる。例えば
集客数 x 利益率 x 販売率 = 全社の利益
1.3倍 x1.3倍 x1.3倍 = 2.20倍
となり、「とにかく利益を2倍に、ではなく、それぞれ30%アップを目指す
のだ」となって、なんとなく具体的な実現性が見えてきたりする。
ハサミと数字は、使いよう・・・かもしれないね。
本書を読んで、数字を使えるビジネスパーソンへの一歩を踏み出すのもいいか
もしれない。
そういわれると、なんだかスッキリする・・・ってことはよくある。
数字力をつけるいくつかの方法は
表と裏 (ビジネスチャンスは裏にある)
因数分解 (要素に分ける)
割り算 (絶対額より比率で)
置換え (分かりやすいものに例える)
などいくつかあると思う。本書にも登場する。
そういうものを、自分なりにまとめてみるのもいいね。たとえば・・
数字力の7つの法則 とか
発想力の5つのヒントとか
会議運営の4つの原則とか
議事録の3つのルールとか
早起きするための8つの習慣とか
頼られる人になる4つのルールとか・・
日々の仕事の中でふと感じたことをまとめてみる。どこかで聞いたことがある
なぁ・・・・という感覚は、まったく問題なし。世の中にあるほとんどのこと
は、すでに誰かがいっていることだったりするから、心配無用。
ブログなどでじゃんじゃか発表しちゃおう。
そのうち、「本を書きませんか?」なんてオファーがくる・・・かも。笑
★★★★★+使える数字
・数字で説得したい方
・数字を解説する立場の方
・分かりやすい数字を感じたい方