2008年09月29日

「上司」という仕事のつとめ方 ~ 松山 淳 + セカイカメラ

「上司」という仕事のつとめ方 ~ 松山 淳 + セカイカメラ

心がほっとゆるむ・・・深い思想の淵にて

書籍情報

上司という仕事のつとめ方
松山 淳
実務教育出版
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本のひらめき

課長になりたての方も、部長職を張って長年の方も、社長も経営者も・・・人
を束ねる立場の人は、それぞれに悩みが多い。そして深い。

上司とは何か・・・
私はいったいどうすればいいのか・・・

そんな悩みに苛まれたことのない上司など、恐らくいないのではないだろうか。

本書は、上司の方、必読の書。読めば、きっと救われる思いを感じるはず。
僕は、本書を読みながら、「そう思えばよかったんだ・・」といういくつかの
気づきとともに、心がとても癒された。

自分のそばにいて、悩みをじっと聴いてくれる。
本書は、そんな深い香りをもっている。ですます調で書かれた本書は、そばに
寄り添って静かに語ってくれるような雰囲気で、とても心地よい。悩める時は
こんな人に話を聞いてもらえたら・・・と思う。

僕の心を深くとらえたのはこんなメッセージ:

 強さとは「固い」ことではなく、右に左に揺れる「しなやかさ」。
 しなやかでいることは「矛盾」を受け入れるということです。
 だから、上司は、少しぐらい矛盾する発言をしたっていいのです。
 部下から何を言われようと、ひるまないでください。
 合理的に、論理的に、という言葉が重宝がられる職場では
 「矛盾とは力である」ことが忘れ去られています。

 「矛盾」を引受け、大胆に生きることは、なんといっても「徳」を積む
 ことになります。

また、カリスマ性なんていらない、むしろ部下の力を解放することが大事であ
るというのも、多くの上司、マネジャーの心を元気にするのではないだろうか。

だれもが、カルロスゴーンにはなれないし、ジャックウエルチのマネはできな
いのである。しかし、上司として人を生かし、組織を前に進ませる必要がある
とき、この考えは、多くの上司の背中をおしてくれる。

 「どう見られるか」ではなく
 「どうあるか」です。

とは、上司の生き方を映す鏡のことではないだろうか。

また、

 嫌いな部下がいることは、普通です。

 リーダーシップとは、「人間的な魅力」で人を動かすこと
 マネジメントとは、会社の「ルール」に則って人を動かすこと

 部下に本心を伝えることは、二つの相反する結果をもたらします。
 部下のやる気を二倍にし、失敗への恐れを半分にします。

など、素敵なメッセージが、心を啓かせてくれる。

いつも負の要素をやっきになって消そうとしているマネジャーの人がいたなら
ぜひ、読んでほしい。
反発ばかりする部下に心をいためる上司の方がいるのなら、ぜひ本書に触れて
ほしい。

本書は、とても深いところから、上司としての思想を見つめる機会をあたえ、
そして静かに元気を与えてくれる。

出版記念パーティで、この本の著者、松山淳さんにお会いできたことに心から
感謝したい。


僕の思いつき

矛盾、孤独、トラブル、困った部下、心の闇・・・・職場には様々な問題がい
つでもたくさんある。それらから逃げるのではなく、それを引受け、受容した
とき、新たな展開ができる。

そのことに気が付くとき、悩み多い日々もがんばって職場に向かうことができ
るのではないだろうか。

今の僕によい言葉を発見した。孤独の力、孤独の効用だ。

  孤独からは「独創」が生まれます。
  一人になって、人に囲まれている感謝の念を回復させたとき
  孤独感は癒されるのです。

心を開き、人と向かい合うとき、次の展開がひらけてくる。

光があれば影があり、影の中で光は輝く。
陰陽を対立するのではなく、受け入れるときに、きっとよいことが待っている。

本書がかもしだす不思議な香りは、あなたの(私の)心をしなやかにしてくれ
るだろう。



オススメ度

★★★★★+静かなる応援

読んで欲しい方

・上司の立場に悩んでいる方
・部下を束ねる立場の方
・上司としての幸せを感じたい方

Posted by webook at 2008年09月29日 08:02 | TrackBack
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