2008年09月22日

君を幸せにする会社 ~ 天野敦之 + ティーチャーズ

君を幸せにする会社 ~ 天野敦之 + ティーチャーズ

働くことのほんとうの意味とは・・・

書籍情報

君を幸せにする会社
君を幸せにする会社
posted with amazlet at 08.11.02
天野 敦之
日本実業出版社
売り上げランキング: 1798

本のひらめき

天野さんとは、数年前、まだ証券会社にお勤めのころに丸の内のカフェでお会
いした。「会計のことが面白いほどわかる本」(中経出版)を読んで、どうし
てもお会いしたくなったのだ・・・・。

その後も素晴らしい本を出されているのだが、本書は、なんと物語仕立て。

父親からリゾートホテルの経営を引き継ぐことになったクマ太郎が主人公。
クマ太郎が引き継いだのは「クマの湯ホテル&リゾート」。倒産の危機に瀕し
ながら、経営において大切なことに気づくプロセスがとても素敵だ。
やがて、業績も改善、さらに社員もお客様も自分自身も「深い幸せ」を感じる
ことができる・・・というストリーだ。

MBA仕込みのクマ太郎、ビジネススクールで学んだことを次々と取り入れて
みた。理念の浸透のためにカードを社員に持たせたりもした・・・。

しかし、社員は疲弊、業績は悪化。。。 なぜだ? 

悩むクマ太郎は、福岡に出張したとき泊まったホテルで素敵なサービスに触れ
、ある大切なことに気が付く。お客様の幸せにするからこそ利益を得られるの
だ、そして、お客様の幸せの前に社員の幸せを考えるべきだ・・・そんなこと
に徐々に気づいていく。

聞き覚えのある経営のツボが、ちりばめられている・・・だけなら、この物語
はさして面白くないだろう。しかし、そこに本質をつく社員の言葉があったり
、出来事があったりするところが本書を深い物語にしている。 
たとえば、コン吉のこんな言葉・・・。

 お客様の幸せといっても、自社の利益のためにお客様を利用している
 だけじゃないですか。偽善ですよ。

あまり書くとネタばれになっちゃうので、このへんで。

クマ太郎が、最後にいきつくのは、感謝や愛という深い思想のところ。ここが
本書のもっとも素敵なところだ。

いくつもの大切なことを気づかせてくれる、素晴らしい物語。
経営者の方も、マネジャーの方も、そしてスタッフの方にも読んでほしい一冊。


僕の思いつき

星野リゾートにしても、リッツカールトンにしても、成功企業の記事などを読
むとやってることはだいたい分かる。しかし、その奥にある思想にまでいきつ
かないと、方法だけ真似てみても失敗する。

ビジネスの方法論と仕事の思想が、紆余曲折を経てリンクしていく過程が、実
にみごとに描かれている。僕にとって、大いに気づきをもたらしてくれる本だ
った。

今、ある雑誌の記事を書いているのだけれど、本書を読んで、その最後のしめ
くくり内容を書き直すことにした。汗;

仕事をハウツーやハックスでうまくやるのもいいけれど、その先にある思想や
愛にまでいけたら人生も仕事も素晴らしい。

感謝、愛・・・その意味をこの物語から感じとってみたい。

Every Day is a GIFT とつぶやいたロサンゼルスの消防士さんは、やはり本物
だ、・・・・本書を読んでふとそんなことを思い出した。

ちなみに、この本、星野佳路さん、久米信行さん、福島正伸さん、岡崎充さん
、山田真哉さん、望月実さんといった素晴らしい方たちの「愛」と「応援」で
生まれてきた。素敵な香りのある物語である。



オススメ度

★★★★★+働ける幸せ

読んで欲しい方

・仕事の意味を考えたい方
・社員の幸せを考える立場の方
・働く幸せを感じたい方

Posted by webook at 2008年09月22日 08:04 | TrackBack
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