2003年08月28日

■あらすじで読む日本の名著(小川義男)

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あぁー、あれはそういう話だったんだぁ!

あらすじで読む日本の名著

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  著者:小川義男
  樂書舘/中経出版|2003年 07月
  SBN:4806118206|1,000円|173P
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 樋口一様=たけくらべ、金色夜叉=尾崎紅葉、浮雲=二葉亭四迷・・・
 僕たちは入試勉強でこんな結び付けを覚えた。
 浮雲ってどんなストーリーなんだろう? 
 たけくらべってどんなこどもがでてくるのかなぁ・・
 なんて思ったが、それを実際に読むゆとりはまったくなかった。

 ところがである。この本、それらのあらすじを現代文で、しかもとても
 わかり易く読ませてくれるのだ。これはもう「福音」ですね。
 そうだったんだぁー・・・がいっぱいである。
 100年くらい前の作品が、こんな形で読めるというのは、ほんとうに
 素晴らしいことである。この本の企画に(100ブラボー)。

 さて、印象的な作品。
 泉鏡花の「高野聖」・・・妖女の色香に負けた人間(男)がカエルや馬
 にされて登場する。うーん、こういう内容だったのぉー!と正直驚いた。
 なかなか面白い作品である。水木シゲル氏も読んでるだろうな・・。
 もうひとつは「蟹工船」。時代背景を映した状況が非常によくわかる。
 生きのこるためのエネルギーが雄叫びのように聞こえそうだ。
 宮さんの金色夜叉も、菊池寛の恩讐の彼方にもおぼろげにしか知らなか
 ったストーリーだが、あらすじがよ~くわかったねぇ。

 『浮雲』二葉亭四迷/『金色夜叉』尾崎紅葉/『五重塔』幸田露伴/
 『たけくらべ』樋口一葉/『高野聖』泉鏡花/『不如帰』徳富蘆花/
 『高瀬舟』森鴎外/『彼岸過迄』夏目漱石/『蒲団』田山花袋/など
 28の作品は、明治から昭和にかけてのどれも歴史的な文学作品。
 はずかしながら僕は、一冊も読んだことがなかった。そして、こんな
 風に味わえるとは思いもよらなかった・・・。

 あらすじを纏められた山田君代、大坂豊子先生に心から感謝!。
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   ★★★★★+時を越えて甦る

 
   ・受験勉強がなつかしい方
   ・歴史的文学作品にふれてみたいとずっと思ってた方
   ・ポケットに教養をいれたい方

Posted by webook at 2003年08月28日 13:29