2004年01月23日

■心臓外科医(南淵明宏)

sinzogekai.jpg
 ブラックジャックが・・いたぞ!

心臓外科医
   僕が医療現場をあえて世間にさらけ出す理由
   =========================================
   |著者:南淵明宏
   |講談社|2003年 12月
   |ISBN:4062118904|1,600円 |229P
    =========================================

 著者の南淵さんは、3年間に行った心臓手術の総数が422件にものぼる
 バリバリの外科医だ。漫画『ブラックジャックによろしく』のモデルとし
 ても知られる大和成和病院の心臓外科医である。


 世の中には、心臓外科部長とか、心臓手術が専門の教授とかたくさんいる
 らしい。だが、実はそんな人達の多くがよってたつものは、学位とか医局
 の権威体質だったりするから、世の中恐ろしい。
 
 そういう医学部の権威体質(まさに白い巨塔の構図)にいやけがさし、自
 らオーストラリアやシンガポールのレベルの高い現場に身をおき、厳しい
 試練に耐え、ホンモノの心臓外科医の道を歩んだ人だ。

 そんな人だからこそ、「おまえの働ける病院は日本にひとつもなくなるぞ」
 などといった脅しにも負けず、敢然と白い巨塔に挑戦できるのだ。
 
 本書を読むと、医学界の実に隠然とした体質にヘドをはきたくなるのだが
 そこにメスを入れようとする著者らの行動や情報発信に、痛快な風を感じ
 ることができる。

 組織や権威にしがみつく旧体質の医学部や医療体制に、まさにメスを入れ
 ようという著者は、異端児である。しかし、患者にとってはまさにブラッ
 ク・ジャック的な存在である。

 メスだけでなく筆も振るう著者に、大いに注目!

 ====================================================================
 

   ★★★★★+医学界にメス!

 
   ・心臓手術をうけるかお悩みの方
   ・医学部に在籍中のたまごの方
   ・日本の医療をよくしたいと考えている方

Posted by webook at 2004年01月23日 22:09