2004年03月10日

■モリー・ムーンが時間を止める(ジョージア・ビング/三好一美)

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 もしかして宇宙と融合できるかもしれない・・・!

モリー・ムーンが時間を止める
        
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   |著者:ジョージア・ビング/三好一美
   |早川書房|2004年 01月
   |ISBN:4152500166|1,800円|482P
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 本書は『モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語』の続編である。

 前作では、孤児院の前に捨てられていたみなしごモリーが、あるとき自分
 には催眠術の力があることに気付き、様々な冒険をする。孤児院で一緒だ
 ったロッキーは大事な友達だ。息もつかせぬ展開で、正直、子供だけに楽
 しませるのは、まったくもってもったいない!と思った作品だった。

 そして、第二弾。
 あの「ワクワク光線ぎらりモード」の第一弾でさえ、前座に過ぎなかった
 のかと思わせるほど、さらにパワーアップした物語だ。いやーまいった。
 綿矢りさ&金原ひとみの芥川賞もかすんでしまうほどのすばらしい作品だ
 と思う。

 さて、ストーリーだが・・・
 催眠術の力をさらにパワーアップさせたモリーが、今度はアメリカを舞台
 に大活躍をする。なんとモリーには、時間をとめる力がそなわったのだ。
 アメリカ大統領選挙やアカデミー賞授賞式など舞台設定も素晴らしい。プ
 リモ・セルという悪者をやっつけるというストーリーなのだが、宇宙の摂
 理や人間の優しさなど深遠なテーマも感じさせる。
 時間を重ねて止めるスリリングなシーンは、映画マトリクスより刺激的な
 展開がある。また、モリーの出生の秘密は、読者をモリーの心のなかに誘
 いこんでくれるだろう。

 さて、今日は特別編として、ある小学生の感想文をご紹介したい。

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  モリーは、催眠術を使って世の中の支配をたくらんでいるプリモ・
  セルという人がアメリカにいることを知る。そして、モリーとロッ
  キーは、そのプリモ・セルをやっつけるためにアメリカへ行く。
  そこでモリーは、自分には時間をとめる力があることに気付く。
  ロッキーはなかなか信じてくれないので、わざと時間を止め、ロッ
  キーにイタズラをするところがおもしろい。
  この話で一番ドキドキする所は、モリーとxxxが時間を何度も重
  ねて止めて戦う所。まるで自分もその場所にいるような気分になっ
  てとてもワクワクする。
  一番好きなところは、モリーがモリーの・・・(ここは言えない)
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 自分が感じたワクワク感をうまく表現しているねぇ・・。分かる分かる。

 この小学生とほとんど同じようにモリー・ムーンの世界に雄飛していた自
 分を発見し、なんだかうれしくなった。

 僕は、この本は、今年の最高傑作だと思う。
 大部な本にもかかわらず、時間と場所を忘れて読みふけってしまうちょっ
 と危険な本だ。僕は1週間をかけじっくりと味わって読んだ。
 先日講演に行った田舎の中学にも何冊か寄贈することにしよう。

 この本、ぜひ親子で読んで欲しい。ちょ、超~~~おすすめの本だから。
 (あ、前作を先に読んでおくと最高だね)

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   ★★★★★+読まずにいられない光線(☆.☆)彡

 
   ・宇宙と時間と心に興味ある方
   ・ハリーポッターに夢中だった方
   ・子供のころの純真な心のカケラが残っている方

Posted by webook at 2004年03月10日 10:16