2004年04月30日

■教え力(斎藤孝)

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 1ミリでも伸びれば、そりゃぁ楽しい。

教え力
        齋藤孝の相手を伸ばす!
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   |著者:斎藤孝
   |宝島社|2004年 04月
   |ISBN:4796640584|1,200円|222P
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 「教え力」とは、相手を伸ばす力、相手が伸びているという充実感を持て
 るようにする力のことである。教えるほうも教わるほうもそんな素敵なこ
 とはない。

 人に教えることは、自らが学ぶ最大の機会だ、というのは多くの人が言っ
 ている。同感だ。教えるためには、相当の準備と自分の学習が必要だし、
 教える場面での気付きも多い。

 本書は、教える(=相手を伸ばす)喜びを得るためのノウハウが書かれて
 いる。斎藤さんの20年にわたる教育者教育の開示である。

 教えるということの構図をこんな風に捉えている。

 ▼まず教える物事の対象への憧れを持つ。(つまらないと思うことは、
  人に教えても仕方がない)

 ▼技術としては コメント力、テキスト力、ライブ力が大事。
   コメント力(評価力)=相手に必要な能力を見抜く
   テキスト力(素材力)=練習メニューに使える題材を揃える
   ライブ力(発問力) =退屈させない工夫と、考えさせる発問をする

 ▼そして、教わる方が、自分自身で考え、自ら練習する力をつけたときが
  「自立」の時だという。

 僕は、テキスト力(素材力)というのが気に入った。教え、学ぶときの
 題材をどう選ぶかという力(工夫)だ。

 例えば:
   子供に相談をもちかける。(家庭内でのテキスト力)
   子供は、親が悩んでいる、自分も力になれると感じると心地よい。

   部下に相談を持ちかける。(職場でのテキスト力)
   自分はいまここで行き詰まっているんだけど・・ともちかける。

 こうした素材力(テキスト力)は、日々の営みの中で活かせる。

 教える、教わる、学ぶ、自信を持つ・・・これらのプロセスは、学校、家
 庭、職場・・・いろんな場面で行なわれている。それらを体系化し、構造
 化したところに本書の価値と面白さがある。

 他の事象でも、同じコトができそうだね。<問題解決力>とか<受容力>
 とか<変革力>とか<伝達力>とか・・・・ぁあー、世の中楽しそう!
 
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   ★★★★☆+伸ばすと伸びる

 
   ・教えることに興味ある方
   ・学ぶことに興味ある方
   ・伸びることに興味ある方

Posted by webook at 2004年04月30日 08:30