2007年04月16日

食い逃げされてもバイトは雇うな 上 ~ 山田真哉 + 一新塾、第20期募集中

   数字が語りだす・・・


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●今日の一冊:【食い逃げされてもバイトは雇うな 上】

   使うべき数字、禁じられた数字

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   |山田真哉/著
   |光文社|2007年04月
   |ISBN:4334034004|700円|219P
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<本のひらめき>

山田さんといえば「さおだけ屋の・・」というくらい、ミリオンセラーの影響
力はすごい。その会計士、山田真哉さんの作品、第2弾段がこれ。上下巻の上
の巻である。

本書では、数字に注目している。
会計の世界の数字は、「使うべき数字」と「禁じられた数字」があり、上巻で
は「使うべき数字」にフォーカス。

まずは数字の4つのルールを押さえるところからスタートする。
4つのルールがあるという。
聞きたい? いいよー、山田さんに代わって教えちゃうとね・・

 1)順序がある
 2)単位をつけて意味を固定する
 3)価値を表現できる
 4)変化しない

のたった4つしかない、という。1)の順序があるとは、例えばWEB2.0
、この絶妙な表現にはなかなか深い意図があった。今が2.0ということは、
かつては1.0だったんだを暗示させる。そして、2.0ということはまだこ
の先3.0、4.0とあるんだな・・と未来をも見事に表現している、という
ことだ。2.0という数字だけで、過去現在未来を表現している。なーるほど。

宮崎吾朗さんのケド戦記も、“処女作”とか“はじめての作品”とかでなく、
「第一回監督作品」と表現されている。これも、はじめての作品というプレミ
アム価値と、さらに第二作第三作とつづく未来をも表現しているのだった。
うーむ、数字は語るである。

数字が語りだす楽しさをさながら面白いマーケティングの本のように解説して
いる。

後半、「収入を増やして費用を減らす」といったビジネスの王道や、会計の要
諦=「数字は読むのではなく、探す」・・といった山田さんならではの解説が
うれしい。

使うべき数字を見つけ出す方法には、割り算が強力だという。単位あたりの量
を出すことで見えなかったものが見えたりする。事例に塾のPRコピーの話が
あるが、なかなか愉しい。(さっそく研修でライブで使わせていただいた)

クイズなどで、どきどきしながら愉しく数字を掘り下げられるすばらしい本で
ある。久々の第二作も山田さんカラー満載で、すばらしい。下巻が待ち遠しい。


<僕の思いつき>

さおだけ屋にしても、今回のラーメン屋(食い逃げ)にしても、日常の何気な
い出来事に、ふと素朴な疑問をいだき、そこから大切なものを導き出す・・と
いうそんな展開は、心をぐっとつかんでくれる。

ひとつの事象だけからだと難しいかもしれないが、何かにふとひっかかるもの
があったら、「まてよ、これって他の分野ではどうだろう?」とか「昔はどう
だったんだろう」とか、類似展開、比喩展開、などしてみるのも愉しい。

広げると見えるもの。
深く探るとみえるもの。
比べてみると見えるもの。

って、ことで、自分が取り組んでいる仕事や業界の目線で、日常を再度眺めて
みるのもいいね。


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<オススメ度>

   ★★★★★+語るべき数字

<読んで欲しい方>

   ・会計の数字に親しみたい方
   ・数字で語りたい方
   ・数字の面白さを感じたい方

Posted by webook at 2007年04月16日 14:26