2009年11月16日

「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい! ~ 高田靖久 + なりたい自分

これは、ちょっと試してみたいよね。

書籍情報

1回きりのお客様を100回客に育てなさい (DO BOOKS)
高田 靖久
同文館出版
売り上げランキング: 1819


本のひらめき

私達は普段の生活で、看板を目にし、チラシをもらい、中づり広告を眺め、T
Vコマーシャルを見ている。さらにメール広告やウエブ広告ときりがない。
そんな中で、本書は、目からウロコの販促術を紹介している。
とってもアナログなのだが、なるほどと思わせてくれるのがうれしい。

どんな業態の商売でもリピーターほどありがたいお客様はいない。だから多く
のビジネスは、一回きりの新規顧客を集めるより、固定客を増やすことに力を
入れようとしている。

著者の経験知から、ほとんどのお店の場合、「一回きりのお客様」の比率はな
んと70%を超えているという。売上を上げるために、その一回客の比率をほ
んの10%程度下げる(つまりリピーターをふやす)だけで、いいという。

手書きのサンクスメール、口コミ、顧客情報の管理など・・・様々な方法がこ
の分野(販売促進)には、世の中で推奨されているが、本書には、とても興味
深く、かつ試してみたくなる方法が紹介されている。

中でも非常に面白いと思ったのは、店員さんスター戦略(アナログブログの活
用)だ。お店の前に黒板を立てて、働く店員の人がその黒板に日常のエピソー
ドを書いておくのだ。まさにアナログブログ。

なーんだ・・・なんだけれど、これが非常に効果的らしい。結果的に、商品を
売る前に、人をアピールする、気持ちを伝える、という人間的な営みが生まれ
るというわけである。ここで生まれる心のケミストリーは、安売りのチラシの
ように一回きりのお客さんを呼びこむものではなく、もっと深いものらしい。

価値観、物語、感情、人のぬくもり・・・こういうものが、これからのキーワ
ードなのだ。

不況の時代にも、売り方はまだまだこんなにもあったのか・・・と思える楽し
さと驚きのある本だ。


<僕の思いつき>

実は著者は、顧客管理のITツールを販売するのが本職。美容院や飲食系が顧
客という。そこにITのツールだけを売っていてもおそらくあまり商売繁盛と
はいかなかったかもしれない。

著者は、ITツールを売るときに(あるいは前に)、そのお店の売上がどうし
たら上がるかというソフトな部分(提案)をお勧めしたことであろう。
ITソフトを売る前に、商売繁盛のノウハウを提供する。うまくいったお客様
は、虜になっちゃう・・きっと。(これは僕の想像だけど)

本書は、その余禄の作品・・ということなのかもしれないが、それ自体素晴ら
しいことだと思う。

わが社の商品をどうしたら買ってもらうかに腐心する前に、お客様の立場にた
ってほんとうに考えるところから、ビジネスは回り出すのかもしれない。

今日の本は、そんなこともふと考えさせてくれた本である。



オススメ度

★★★★★+100回客

読んで欲しい方

・売り方を変えたい方

書籍情報

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・営業不振を脱却したい方
・売り方の面白さを感じたい方

Posted by webook at 10:49 | Comments (0) | TrackBack

2009年11月02日

稼げる人、稼げない人 ~ 高城幸司 + 測れば分かる?

   働き方の提案・・・・

書籍情報

稼げる人、稼げない人 (PHPビジネス新書)
高城 幸司
PHP研究所
売り上げランキング: 5814


本のひらめき

本書は、会社の都合で振り回されない働き方の提案書である。普通の社員に安
住していては危ない、「稼げる社員」にならない限り、地位も報酬も地盤沈下
してしまう時代だというわけだ。

「稼げる社員」とは、営業職のように利益や売上に直結する社員だけでなく、
経理や総務、あるいは技術などどんな職種にもあてはまる「できる社員」のこ
とである。

面白い問いが冒頭に登場する。あなたが上司から次のような指示をされたらど
うするか?というもの。

 「20代女性向けの新商品サンプルを宣伝のために街で2箱分配布してくれ」

それに対して2つの対応事例が登場する。
 
 Aさん:通行者全員に配布を試みる→30分で終了
 Bさん:20代女性だけに絞って配る→2時間かかった

Aさんは、単純作業として「こなした」だけ。
Bさんは、一見合格だがまだ不十分だという。稼げる人なら、配ることに加え
さらに「ひとひねり」加えるのだ。

 *商品の魅力を伝えるチラシをつくって一緒に配る
 *新商品がどこで買えるか配布するときに伝える
 *配布時の街の声から今後の宣伝プランを提案する

このほんのわずかな差が、実は将来大きな差を生み出す。そこには、仕事に対
する姿勢の違いがある。

その差を生み出す心がけを様々な切り口で説いている本書は、若いビジネスマ
ンにぜひ読んでほしい。

 上司は、指示通りやることを本当は期待していない。

だから、単にコピーをとるにしてもそこに何かを加える智恵がいる。その智恵
は、営業力だったり、想像力だったり、斬新力や再現力や削減力だったりする。

もう一つ面白い会社と社員の関係を拾っておこう。

 会社は業績を報酬で返すが、仕事は期待値で配分する。

期待値(あいつならできるかも)は、様々な場面であげるのがいい。そのチャ
ンスは、宴会の手配でも、ボランティアを集めるときでも、挨拶にもある。

自分を磨くきっかけにおすすめの本である。


<僕の思いつき>

本書は、実は著者から送られてきた。それには一通の手紙が添えられていた。
筆文字で。しかも見事な達筆。よくある印刷ではない、直筆である。
まず、それに感動した。そうでなければ、もしかすると積読書にまぎれてしま
ったかもしれない。

その手紙には、僕を行動させる何かがあった。

芸は人を助ける・・・まさにその言葉通り、達筆の筆はすばらしい力があった。

こどものころからやってきた習い事がもしあるのなら(なければ今から始める
のもいい)、それはぜひ続けておきたいもの・・・。

いつかわが身を救ったり、素敵な機会に巡り合う宝物になるから・・・



オススメ度

★★★★★+ひとひねり

読んで欲しい方

・社内での自分の価値を冷静に考えたい方
・評価される立場の方
・仕事のやりがいを感じたい方

Posted by webook at 10:52 | Comments (0) | TrackBack

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