2008年08月25日

問題は「数字センス」で8割解決する ~ 望月実 + これでいいのだ。

問題は「数字センス」で8割解決する ~ 望月実 + これでいいのだ。

読む+考える+伝える ための数字

書籍情報

問題は「数字センス」で8割解決する
望月 実
技術評論社
売り上げランキング: 3918

本のひらめき

人の気持ちは顔に出る。
ビジネスの実態は数字に出る。

と言えば、かっこいいのだが、数字をうのみにすると勘違いすることもある。
意図的なマーケティングの数字や、本質的な問題が背後に隠れているオモテの
数字などがあるからだ。

数字センスを磨いて、問題解決力を高めようというのが本書のネライだ。

ビジネスで直面する問題は、多くの要素が複雑に絡み合っている。それを解決
するには、数字を使って問題をシンプルにとらえるのが効果的だと、望月さん
はいう。さらに

  問題解決力 = 問題点の把握力 x 解決策の提案力 x 解決策の実行力

とし、3つの要素を向上させるための数字力を解説するのが本書の内容だ。

問題の把握力には「数字を読む力」が、
解決策の提案には「数字で考える力」が、さらに
解決策の実行には「数字で伝える力」が必要になる。

3つのパートには、伊勢丹と三越、トヨタと三菱自動車、ドリームジャンボ宝
くじなどリアルな世界と結びつけながらの解説があり、楽しく読める。

僕的にほぉ~と思ったのは、数字で考える・・のところで登場するケーススタ
ディである。「外資系の紳士服販売の企業が、この1年で利益を二倍にしない
と日本市場から撤退する、さてどうする?」というもの。

いきなり2倍の利益に・・といわれても大きすぎるし漠然としているから、そ
れは難しい・・・と直感的に思ってしまう。そこで、目標をプロセスに分解し
それぞれに数値を割り当てる・・・と、光が見えてくる。例えば

  集客数 x 利益率 x 販売率  = 全社の利益
  1.3倍 x1.3倍 x1.3倍  = 2.20倍

となり、「とにかく利益を2倍に、ではなく、それぞれ30%アップを目指す
のだ」となって、なんとなく具体的な実現性が見えてきたりする。

ハサミと数字は、使いよう・・・かもしれないね。
本書を読んで、数字を使えるビジネスパーソンへの一歩を踏み出すのもいいか
もしれない。

僕の思いつき

そういわれると、なんだかスッキリする・・・ってことはよくある。

数字力をつけるいくつかの方法は

 表と裏  (ビジネスチャンスは裏にある)
 因数分解 (要素に分ける)
 割り算  (絶対額より比率で)
 置換え  (分かりやすいものに例える)

 
などいくつかあると思う。本書にも登場する。
そういうものを、自分なりにまとめてみるのもいいね。たとえば・・

 数字力の7つの法則 とか
 発想力の5つのヒントとか
 会議運営の4つの原則とか
 議事録の3つのルールとか
 早起きするための8つの習慣とか
 頼られる人になる4つのルールとか・・

日々の仕事の中でふと感じたことをまとめてみる。どこかで聞いたことがある
なぁ・・・・という感覚は、まったく問題なし。世の中にあるほとんどのこと
は、すでに誰かがいっていることだったりするから、心配無用。

ブログなどでじゃんじゃか発表しちゃおう。
そのうち、「本を書きませんか?」なんてオファーがくる・・・かも。笑



オススメ度

★★★★★+使える数字

読んで欲しい方

・数字で説得したい方
・数字を解説する立場の方
・分かりやすい数字を感じたい方

Posted by webook at 08:18 | Comments (0) | TrackBack

2008年08月19日

The Five Secrets You Must Discover Before You Die ~ John Izzo + 毎日がギフト

実して生き、幸せに死ぬために・・・

書籍情報

The Five Secrets You Must Discover Before You Die (BK Life)
John, Ph.d. Izzo
Berrett-Koehler Pub
売り上げランキング: 107315

本のひらめき

日本へ出張の折、一冊の本を読んだ。久々の英語の本。LAX空港の本屋さん
でたまたまみつけた本だが、なかなか深いメッセージがあった。

人生、誰にも共通する2つの原則(=悩み)があるという。それは・・・

 *私たちの人生には限りがあり、かつそれがどのくらいの長さかわからない。

 *その限られた時間の中での選択は、ほとんど無限に近い選択肢がある。
 
こんなわからないことだらけの人生を、充実して生き、幸福に死ぬためにはど
うしたらよいか? それが本書の「問い」である。

著者は、私たちが最も必要とすることは

  幸せに生き ( to find happiness )
  人生の意味を知ることである ( to find meaning )

という。

私たち人間は、幸せに生きるだけではまだ不十分で、どうやら、何のために生
きるのか(生きてきたのか)という「人生の意味」を知りたがる動物らしい。

著者は、この二つの特徴をこんなふうに表現している。

 Happiness is about the moment of our lives;

Meaning is about our sense of connection.

人生の意味は、人との関係性の中にある・・というところに深く共感を覚える。

本書では、fulfilling and purposeful life を生きている人たち1000人
以上から235人を選び(59歳から105歳)、彼らにインタビューして、
そこから答えを見つけようとしている。

また、第二次大戦の過酷な状況を生き抜いたヴィクトール・フランクルの話や
、ジョセフ・キャンベル(米の神学者)、ユング(心理学者)などをひもとき
ながら幸福と人生の意味を探っている。


本書のエッセンスである5つの秘密を明かしておこう。笑

 1)己に忠実であれ、そして意志(志)をもって生きよ。
   The first secret is to be true to you, to your self,
and live with intention.

 2)何事も後悔するな。
   We must embrace the second secret ;leave no regrets.
   
 3)愛に生きよ。愛とは選択のことである。
   The third secret we must discover before we die is to become love.
(not feeling love, but choosing love )

 4)今を生きよ! 毎日が贈り物。
   The forth secret is to live the moment. Every day is a gift.

 5)自分が得た以上に与えよ!
   The final secret is to give more than you take.

どれも、どこかで聞いたことがある内容かもしれない。しかし、改めて聞くと
なるほどと思えるメッセージだと思う。

幸せに生き、幸福に死ぬための知恵をもらえる本だ。英語でも読みやすいとこ
ころがお勧め。


僕の思いつき

著者は、8歳のとき父(36歳)を亡くしている。
奥さんのLeslieさんは、これまで何度か死にかけている。生まれつき心
臓に異常があり何度も手術を受けているのだ。
生と死が、隣り合わせであることを日常的に経験してきた著者だからこそ、生
きる意味、幸せとは何かという問いに、敏感であったようだ。

人は、年を重ねるにつれ、失われるものがあるけれど、それと反対に深まるも
のがある。

幸せの意味、人生の価値を感じるセンスは、いろんな出来事で磨かれるように
思える。だから、すべてのことに意味があり、無駄なできごとはひとつもない
のではないか・・・と思う。

今日の一日に感謝。



オススメ度

★★★★★+人生の意味

読んで欲しい方

・人生の意味を考えたい方
・幸せについて考えたい方
・幸福感を感じたい方

Posted by webook at 13:35 | Comments (0) | TrackBack

2008年08月11日

大喜利式発想脳トレーニング ~ 吉岡英幸 + Playback Theatre in NAPA

山田くん、座布団一枚やっとくれ~!

書籍情報

本のひらめき

笑点という番組を見始めたのはいつのころだろうか・・・。司会者が何人も変
わったからずいぶん前からになる。現在の司会者は、桂歌丸師匠。
その歌丸師匠が本書の帯でニッコリ。山田君、座布団1枚・・・と笑っている。

本書は、ビジネスフィールドの笑点ブックだ。笑いながら、かつ、ためになる。

プロフェッショナル・ファシリテーターの吉岡さんが、渾身の発想力をしぼり
きってできたのが本書。先日、受信した吉岡さんからのメールには

 >私の発想の仕方を全部出し切りました。
 >もう、しばらく何もでてきません。

とあった。うむ、確かに本書には、そんな熱気が感じられる。

発想力とかクリエイティブとか想像力とか・・・ロジカルシンキングの世界と
はまた違う脳みその使い方が、このごろ注目されている。
左脳と右脳、論理とひらめき・・・そんな対比の中で、発想力は、左脳と右脳
の化学変化の中で鍛えられる。スポーツと同じで知ることも大事だが、鍛える
ことも大切だ。

本書は、発想力の鍛え方を知ると同時に、いっしょにエクササイズをするよう
な楽しさがある。その方法がつまり「大喜利」というわけだ。

第1章から第5章まで、いろんな切り口の大喜利が用意されている。

 論理的思考力を鍛える大喜利、
 直感的発想力を鍛える大喜利、
 瞬発的発想力を鍛える大喜利、
 解決思考発想力を鍛える大喜利、
 表現力を鍛える大喜利  

僕が一番面白いと思ったのは、瞬発力を鍛える大喜利コーナー。いままでにな
い4字熟語を創ろうというお題。大喜利マスターの回答例は

 不正不出 : 企業の不祥事を決して表にださず、企業内で隠ぺいすること

時節柄、世相にマッチした楽しい作品だ。こういう面白いのに触れるとがぜん
血が騒ぐ(笑)

 情恩動物 :常に情に厚く、恩義を大事にする温かい人柄を表現する言葉
 冷決上司 :理屈だけを冷たく言い放つ上司
 熱決会議 :ノリで大事なことをきめちゃうミーティング
 軽営目標 :すぐに達成できるデキレース的経営目標
 厄員会議 :あの人がくるとめちゃめちゃになる・・という役員会議
 眼鏡徘徊 :頭の上に乗せたメガネを探すおやじ。因みに環境破壊とは無縁。

ぁぁぁ・・知恵熱が出そう。このへんでお後がよろしいようで・・・。笑

皆さんも、この本読んで、知恵熱出してみよう。


僕の思いつき

本書のできるもとネタはブログ。吉岡さんがはじめた「ブログde大喜利」だ。
 http://blog.livedoor.jp/ogiri/

毎回、お題を出して読書も投稿できるもので、とても深い味わいがあった。

論理思考力を鍛える大喜利のところで登場するのが「並べて言い換えましょ
う」のコーナー。

 <ビジョン>とは、ワクワクすることば
 <経営目標>とは、はらはらすることば

といった感じだ。ブログの投稿の中にも、いくつか秀作がある。

 <出資>とは、相手と一緒に頑張ること
 <投資>とは、相手に頑張ってもらうこと

なるほどって感じだね。

言葉を遊ぶ、言葉で遊ぶ、言葉に託す・・・そんなブログを紡いでいくと、い
つか本ができるかもね。ひすいこたろうさんのように・・・、橘川幸夫さんの
ように、そして、吉岡さんのように。

次はあなたの出番。♪(出囃子)



オススメ度

★★★★★+座布団5枚

読んで欲しい方

・発想力を鍛えたい方
・笑点が好きな方
・発想する楽しさを感じたい方

Posted by webook at 06:04 | Comments (0) | TrackBack

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