2005年01月31日

「のび太」という生きかた ~ 横山泰行

のび太ですら、めげない!

書籍情報

「のび太」という生きかた―頑張らない。無理しない。
横山 泰行
アスコム (2004/12)
売り上げランキング: 8,501
在庫切れ

本のひらめき

このメルマガの読者の方の95%↑の方はドラえもんを見たことがあると思う。来年度からドラえもんの声優が変わる。大山のぶ代さんのあの声は独特の色があっていいんだけどね・・・。変わるのもわるくない。

本書は、富山大学で「ドラえもん学」という変わった講座をもっている横山さんの本だ。全作品を50回以上読みこなし、データベースを作り、ストーリーに潜むメッセージを楽しくまとめるという「異業」をされている。

ドラえもんという漫画に登場するのび太くんは、間抜けで、すぐ泣いて、甘えん坊で・・・といいところなしのようなキャラだが、それでもドラえもんに助けられながら、けっこう一生懸命頑張る。そんなところに共感を覚えたりする。

ドラえもんは、のび太くんの願いの多くに応えるが、なんでもかんでもではない。無謀な欲に駆られた話は、たいてい「こんなことしなきゃよかった」という結末になる。のび太には、コツコツと地道に努力することや、正義をまげていけないことや、ときには身をすてて悪(ジャイアン)に立ち向かうことの大切さや・・・いろんなことを投げかける役回りがある。

本書では、物語のあらすじもいくつか紹介されており、あ、これ見たなぁ・・なんて思いながら読むのも楽しい。

ドラえもんは、子供に見せたいすばらしいマンガだし、そこからマジメにメッセージを読み取ろうとするこの著者の姿勢もすばらしい。

のび太くんは大きくなって、マドンナのしずかちゃんと結婚する。のび太という生き方も悪くない。


僕の思いつき

僕は、ドラエモン、ちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんが大好きだ。クレヨンしんちゃんは、おケツを出して「おらおらぁ」なんてやることもあるが、結構、心にジンとくることも。(剣道の話のときは、泣けたなぁ。笑)

今日の本は、ドラエモンを超まじめに研究し、学問にまでしちゃうという面白い先生の本だ。

世の中で長く支持されているものや、爆発的にうけた映画のようなものには、ビジネスとか人生とかに敷衍できるような「真理」を包含していることが多い。

子供のころから親しんできた漫画とかを、そういう目で分析してみるのも楽しいかもしれない。分析したら、すかさず・・・・そう、ブログとかメルマガで「出しちゃう」といいねぇ。そこから初めて、何かが動きだす。

クレヨンしんちゃんの漫画を30回くらい見て、そこに隠されたメッセージを解説する「しんのすけはなぜおシリを出すか」なんて講座を、慶応大学で講義してみたいねぇ・・。(おらぁ、かぁちゃんにしかられるぞぉ~)



オススメ度

★★★★+しずかちゃんと結婚

読んで欲しい方

・ドラエモンが好きな方
・ジャイアンみたいな方
・のび太と同じことをしたことがある方

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2005年01月30日

ベンチャーに生きる ~ 今野由梨

草分け女性起業家は、今度は銀の卵を育てる

書籍情報

ベンチャーに生きる―私のチャレンジ半生記
今野 由梨
日本経済新聞社 (2004/12)
売り上げランキング: 58,457
通常24時間以内に発送

本のひらめき

著者がダイアルサービスという電話情報サービス会社を立ち上げたのは、まだNTTが日本電電公社と呼ばれ、ダイアルQ2のような二重課金制度のカケラもなかった時代。

その画期的なサービスは、電電公社の鬼と著者が呼ぶ故・遠藤正介氏(故・遠藤周作氏の実兄)との格闘から始まる。公社の鬼から発せられた最初の罵声は、

 「どこの馬の骨ともわからん、そういういかがわしい女どもの会社の
  料金回収の代行を、畏れ多くも日本電信電話公社にやらせる気か!」

だったという。今ならセクハラ訴訟ものだが、それでも怯まない著者は何度も何度もダイアルサービスの将来性を訴え続けた。そしてついに「鬼」は、心を開く。

 「おぬしの要望は国会マターだから、おれが頑張っても二年はかかる。
  それまでこの公社からは一銭たりともやらん。それでもちゃんと生き残れ
  るか?」
 「生き延びて見せます!」

といったやりとりの後、鬼は猛烈に応援してくれるようになったという。(二重課金の制度は、このあと20年の歳月をかけ、1988年に法的に認められることにある)

その後の山あり谷ありの展開は、ほんとうに波乱万丈という感じ。日本の女性ベンチャーの草分けともいえる著者の半世紀は、とても元気がでる。

人は、覚悟があれば何でもできる・・・そんな勇気をもらえる本である。

ちなみにダイアルサービスはこちら:
http://www.dsn.co.jp/company/index.html


僕の思いつき

草分けベンチャーの著者は現在60代。超高齢者社会の日本で、高齢者を「銀の卵」と呼んで『生涯現役カリスマ高齢者』が輝く社会を作ろうとしている。

著者が地方で講演をしたりすると、講演後、30代の若者から
 「母から聞きました。エンゼル110番に相談しながら僕を育ててくれた
  そうです」
といった話をきくという。

時代がまわり、世の中を変える若者が、女性草分けベンチャーと交流する時代になってきた。循環型ベンチャーリンクとでもいおうか。

世の中に素晴しい影響を与えている人の話はたくさん聞いておきたい。

さて、誰のところへいくか・・・考えてみよう。


オススメ度

★★★★★+草分け

読んで欲しい方

・起業家を目指している方
・ベンチャー志向の方
・女性の方

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2005年01月29日

ウンチとオシッコはどこへ行く ~ 上幸雄

出るものは出すしかない・・・

書籍情報

ウンチとオシッコはどこへ行く―水洗トイレの深~い落とし穴
上 幸雄
不空社 (2004/12)
売り上げランキング: 6,974
通常3~4日以内に発送

本のひらめき

今までの人生で野外でウンチをした記憶は2度ある。小学2年くらいのとき学校の帰りにどうしてもガマンできず畑でウンチ・・・というのが最初の記憶。そして大学生のとき北海道の山でキジ撃ち(ウンチ)したのが二度目。
いきなりウンチくのある話で恐縮だが、ウンチは世界中の60億以上の人間が毎日生み出しているものだ。オシッコもそう。

今日は良い子のみんなが大好きな(?)ウンコとオシッコの本だ。

私たちは今では水洗トイレでジャーっと流すのが日常になってしまったが、世界の中では24億人ものひとがトイレすらないという。

本書は、トイレの衛生、環境、資源の問題から今後のトイレやし尿処理システムを考える本だ。たくさんのウンチクもちりばめられて(臭いかも;笑)面白い。

トイレの南北問題、石油の時代から水の時代への変化、神戸や中越地震のときのトイレ問題などさまざまな点からトイレの考察が進められる。

未来に目をむけると、ウンコは建設資材としての使い道が開けつつあるというし、またオシッコも脳血栓や脳梗塞の薬品の開発に使うことが期待されているという。地球という生命体の上で日々生み出されるウンチとオシッコが循環型のシステムにのってうまく処理できることが期待されている。

本書は、ちょいと臭いものから環境問題を捕らえる本である。いいテーマと題材を提供してくれる。


僕の思いつき

宮本亜門演出の「ユーリタウン」(おしっこの町)というミュージカルがあるそうだ。悪徳企業が公衆トイレを独占管理権を行使してトイレを有料化して庶民を苦しめるというストーリー。
実際にJRなどには有料トイレもある。将来的にはユーリタウンみたいな話がでてくるかもしれない。『すみませーん、このパンをあげるからウンチをさせてくださいませ・・・』なんてね。

ゴミ、包み紙、水、冷暖房・・・文明の発展は、同時に影も作り出す。

当たり前に使ったりできることが、地球を苦しめていたり、将来の自分たちの生活を脅かすようなものは他にもある。どんなものがあるか、考えてみよう。



オススメ度

★★★★☆+ウンチク

読んで欲しい方

・世界のトイレ事情に興味ある方
・ウンチの話がすきな方
・地球にいいことしたい方

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2005年01月28日

高校を変えたい! ~ 大島謙

異界を変える。

書籍情報

高校を変えたい!―民間人校長奮戦記
大島 謙
草思社 (2004/11)
売り上げランキング: 2,741
通常24時間以内に発送


本のひらめき

民間人校長先生は、現在80人以上が全国で活躍しているという。藤原和博さんもそうだし、百マス計算の蔭山英男さんもそうだ。
本書は、東芝のエンジニアから三重県の白子高校に赴任した著者の奮戦記である。生々しい教育現場の様子と孤軍奮闘の熱いヒストリーが描かれている。

企業では人が財産だといわれる。人材育成はBSCでも最初にくる基本的重要要素だ。目を世の中に移せば、人材育成とは子供の教育。世の中株式会社の人材育成は、先生(教師)というプロにゆだねられてきたが、どこの世界にも「よどみ」はつき物である。

よどみの世界に身を投じた著者は、その奇妙ぶりに驚愕しつつも孤軍奮闘、ひとつひとつ地道な改革を進めていく。一般企業ではごく普通のことが、学校という聖域では、非常識だったりする。

他人事ではなく自分達の子供達にも係わってくる問題として読んでおくべき一冊だね。

きっと熱い思いに共感を覚えながら読むことができる。


僕の思いつき

今日の日経新聞に「創業50年記念Benesse賞」の発表がのっていた。ベネッセコーポレーションが募集した新しい教育のビジョンを描く企画だ。その最優秀論文2つのうちひとつに藤原和博さんの「公立校の未来を拓く」がある。

藤原さんは以前から中学でのユニークな授業を展開されており、その経験も活かしながら現在は杉並区の公立中学で教育改革を進めている。熱い方である。藤原さんもこうした論文や本で、自身の経験や主張をどんどん世に送り出している。すばらしいことだ。百マス計算の蔭山さんも同じ。

変えたいことがあったら、どんどん世に出して、主張を問うことがいいようだ。

考えがある、実績をつくる、世に出す、反響(共感)がある、変化の速度があがる・・・こんな循環がうまれるようだ。

世に出すものを考えてみよう。案外、身近にあったりする。



オススメ度

★★★★★+異界に変化を

読んで欲しい方

・校長先生になりたい方
・人を育てることがすきな方
・変化をもたらしたい方

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2005年01月27日

「老いるショック」は3度来る! ~ 江見康一

老いてますます・・・・

書籍情報

「老いるショック」は3度来る!―人生90年の時代
江見 康一
かんき出版 (2005/01)
売り上げランキング: 1,160
通常3~4日以内に発送

本のひらめき

高齢化社会とはどんな様子か、人生90年時代とは具体的にはどんな雰囲気か、著者の江見さんは、それをこんな面白いエピソードで紹介している。

 白寿のお祝いに恩師のお宅を訪問したときのこと・・・
 その恩師の先生に「娘がお茶を入れますから」といわれ、ついついある種の
 期待感をもって待っていると・・・
 出てこられたのは品のいい白髪のおばあさん。娘さんというのはピチピチの
 お嬢さんを想像してしまったのだが実は御年76歳のおばあさんだった。
 その後、お孫さんがお茶菓子をもってこられたが、お孫さんは48歳の奥様
 だった。「目に入れてもいたくない」という孫のイメージからはずいぶんと
 かけ離れていて驚いた。

というもの。娘、孫という言葉の響きが人生90年時代には、もはや全く異なるイメージとなるのだ。

さて、この本、オイルショックと老いるショックをかけてある。老いるショックには第一次老いるショック、第二次老いるショック、第三次老いるショックがある。最初は40代後半から50前後にやってくる。しわが増える、小さい字が見えないなどなど。第二次は、がんや前立腺肥大などの病気が発生しやすい時期だ。第3次は、入れ歯、補聴器などのお世話になるとき。

こんな風に三度にわたる老いるショックを乗り切るには、老後への持参金として3つのKがいるという。健康(K)、経済(K)、心(K)の張り。それぞれどうしたらいいかを著者の経験も踏まえて説明されている。

著者は3つの老いるショックを乗り越えて今なお元気いっぱい。なんと81歳のとき(2002年)、東京から赤穂まで680Kmを自転車で走破したという。すごい!
面白いことに著者は18歳のときにも同じく東京ー赤穂間の自転車冒険をしており、63年の時を経て再度挑戦したという。そのわけと冒険の様子は本書を読んでいただこう。

とても読みやすく、かつ、老後を自分のこととして考えるきっかけが持てる。まだ50代以後の方だけでなく、40代の方も老いるショックを乗り切るために、本書をぜひ手にして欲しい。

自分自身の老後を考えるとき、最初に読んでおきたい超おすすめ本。


僕の思いつき

著者は、老いることを果敢に楽しみ、シニア文化の創造をめざすという。
孫が45歳だったり、親の面倒をみる息子が75歳だったりするこのごろ、年齢にたいする認識も改めないといけないようだ。

老後に備えた長期計画もそろそろ・・・つくっておくかな?さて、何歳まで線をひいておこうか。



オススメ度

★★★★★+老いるショック

読んで欲しい方

・楽しい老後を迎えたい方
・社会に働きかけるのがすきな方
・50,60,70代の方

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2005年01月26日

人の値段 考え方と計算 ~ 西村肇

対価の配分をロジカルに考える

書籍情報

人の値段 考え方と計算
西村 肇
講談社 (2004/10/24)
売り上げランキング: 7,778
通常24時間以内に発送


本のひらめき

タイトルから想像すると人事部の人むけに賃金体系を解説する本かな・・?と思ってしまったが、実はもっと面白く奥深い話が展開する。

本書は、中村修二氏(元日亜化学、現サンタバーバラ大学教授)の青色発行ダイオードに対価をどうみるべきか・・・というのがテーマである。青い炉発行ダイオードは、200億円支払い命令の判決のあと、上告の末、先日、2億円の和解決着をみた。中村氏は「完全に負けた」とインタビューで憤
慨してみせた。

中村氏の発明に対する対価はどう考えればいいのか・・・さまざまな報道や意見などを引用しながら面白く展開する。

中村氏勝訴、200億円の記事のあと、産業界や多くのマスコミは批判記事を書いたという。その状況にたいし判決を支持したのは、著者ともう一人だけだったという。

  議論には議論をもって対抗すべきなのに、利害調整だけで運営される日本
  の風土、そんな利害調整人だけが出生する日本の風土を鋭く批判した・・

という。このあたりの表現には、発明の対価に対する日本での議論の仕方からビジネス一般にまで敷衍して著者の憤りが現れている。断片的な情報だけで中村氏が起こした発明論争をみてはいけないようだ。本書は、そういう意味で多くの論点を整理している。

指揮者小澤征爾のギャラは700万円くらいだそうな。そして一般の指揮者は50万円程度。この差は妥当なのか・・・そんな検証もある。

僕の一番興味を引いたのは、実は本文である青色ダイオードの発明ではなく、おまけにあった「バカの壁」の編集者に対する報酬の話。定価680円のこの本は370万部も売れた。この本は、養老孟司氏と親交のある編集者の企画だったという。口述筆記のこの本は、企画および編集というかなり重要な部分を編集者の仕事に負っている。著者は、この編集者がもらうべき対価として、1億5千万円をはじき出している。ここも面白い。


僕の思いつき

バーディーン、ブラッテン、ショックレー・・・この名前に見覚えのある人は工学部出の人だろう。トランジスタの発明といえば納得のはずだ。著者経歴をみるとなるほど工学部の教授。話の展開がなかなか理路整然としていて気持ちいい。

大成功したプロジェクトの利益にたいして、主に関わった人はどのくらい対価をもらうのがいいか、ロジカルに考えて計算してみるのも面白い。


オススメ度

★★★★★+対価

読んで欲しい方

・会社に貢献する発明をした方
・ものの価値を考えるのがすきな方
・すごいの発明するぞって方

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2005年01月25日

自治体破産 ~ 白川一郎

国も危ないけれど、自治体もさらに・・・

書籍情報

自治体破産―再生の鍵は何か
白川 一郎
日本放送出版協会 (2004/11)
売り上げランキング: 32,323
通常2~3日以内に発送

本のひらめき

現在、日本各地で自治体の合併が進んでいる。その理由はこうだ。
「合併後10年間は、国からの地方交付税を減らしません。さらに新たな地方債を発行してもいいですよ」という合併特例法の改正(99年)があるからだ。この特例が2005年3月までに期限がきられているため、全国でこぞって合併騒ぎがあるというわけだ。

地方自治体の財政破綻にはふたつの地雷が用意されているという。ひとつは、2005年以後10年ものの地方債の償還がピークを迎える。もうひとつは職員の大量退職(段階の世代の退職)が2007年にピークを迎えるということだという。これは2007年問題といわれているようだ。

病院事業の赤字の状況、哲学にかけるNPM(ニューパブリックマネジメント)など日本の実態のほか、アメリカでの自治体経営の様子、自治体レイティングなども紹介している。

最後に提言されているのは、自治体の破産も認める法律の整備である。アメリカではチャプター9というらしい。(チャプター11は企業再建、チャプター7は企業清算)

自治体の実態の整理、これから向かうべき方向などがとてもよく整理されている。自治体経営にかかわる人は、世の中を広く知る意味でぜひ読んでおきたい。

僕の思いつき

先日訪れた我孫子市(千葉県)の市長さんは40代の若い方で、とても物腰の低い方だった。横浜市など若い世代の首長があちこちに生まれている。いいことだ。

アメリカなどでも自治体の首長さんはかなりフットワークのよい仕事振りの人が多いようだし、そういう時代になったんだねぇ。

僕も以前、地元の市長さんにあと10年したら僕に代わってねって言ったことがあるが、10年後にはお呼び出ない年になっている。若い世代の人が、自分が市長なら、村長なら・・・って考えてモノをいえる時代だね、きっと。

さて、あなたの町は・・・どんな問題があるだろうか・・・。町長さんになれたら何をするだろうか・・・。考えてみると案外、面白いかもしれない。



オススメ度

★★★★☆+やばぁ

読んで欲しい方

・市長さんをめざしている方
・自治体改革に燃えている方
・住んでるところをよくしせたい方

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2005年01月24日

40歳からの自分年金づくり ~ 戸田昭直

自分でやるしかないか・・・

書籍情報

40歳からの自分年金づくり―公的年金はあてにできない!
戸田 昭直
中経出版 (2004/12)
売り上げランキング: 73,959
通常24時間以内に発送

本のひらめき

先日は国家破綻の本を読んだ。いよいよ怪しい雲行き。となると、公的年金にたよってばかりもいられない。自分の老後は自分で面倒をみるくらいでないとやっていけないかも。

そんな危惧をもってる方は、この本で準備をスタートしたい。

2007年から団塊世代の年金需給時代がはじまる。つまり出るお金が増えるということだ。さらに人口も減るのだから支えるほうも減少となる。分子と分母が同時に悪い方向へ向かうことになる。

やはり自分年金を準備しておいたほうがよさそうだ。
(以前、トヨタの株で自分年金を・・という本があったが、あの本も参考にしたい)

本書は、将来必要な資金の計算からはじまり、どのように資産を増やしておくかのアドバイスがある。ざっくりとした計算(65歳以後の収支)では

 夫婦の支出額  ▲8300万円
 夫婦の年金   +5000万円
 退職金     +1500万円
 --------------------------
         ▲1800万円 の不足

となる。つまり1800万円くらいを自分でなんとかしないといけないわけだ。物価上昇を加味するとこの数値は、2600万円(2%上昇)、3100万円(3%上昇)くらいになる。

さて、どうするか・・・

株式投資や、サイドビジネスなどでお金を生み出す必要がある。それらの始めの一歩が紹介されている。


僕の思いつき

現状の家計のPL,BSや、将来の必要資金などを計算してみたい。夫婦でやるときっと面白い。(面白くもないか)笑



オススメ度

★★★★+自分年金

読んで欲しい方

・将来設計をしたい方
・40代の方
・将来の生活を覗いてみたい方

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2005年01月23日

堂々と「鬼」社員で生きぬけ! ~ 染谷和巳

鬼は外で・・・

書籍情報

堂々と「鬼」社員で生きぬけ!―勝たねばならぬが会社のオキテ
染谷 和巳
中経出版 (2004/12)
売り上げランキング: 13,539
通常24時間以内に発送

本のひらめき

鬼社員とは、どんな人だろう? この本のタイトルから浮かぶ最初の疑問。
本書ではこんな定義になる。

 環境に甘えることなく自分を律することができ
 仕事ができると認められる人

鬼社員というと、すぐ厳しい上司を想像してしまうが、本書では上司というより自分自身のこととして書かれている。たとえば、自分の目標を具体的にかつイメージできるほどに持っているとか鬼社員は段取りが違うとか、地位は社員でも気構えは社長の意識をもっているとか、会社にしがみつかないとか・・・である。

取引先の社長に懇願されて引き抜かれた社員の話とか、思いをイメージとしてみんなに話ているうちに現実になった話とか・・・多くの具体的なエピソードがある。だからとてもお題目だけに終わらずリアルに感じる。

鬼社員をめざそう。


僕の思いつき

鬼社員の心得に「毎朝、今日一日の具体的な成果を宣言する」というのがある。
お正月にたてる今年の目標(立てなかった人も実は多いのだけど・・汗)は、本気だし、マジなんだけど、会社の仕事が始まって忙しくなってくると「えーっと今年の目標ってなんだっけ? あ、これかぁ、なつかしいなぁ」みたいになってくる。だから月の目標、週の目標、1日の目標を立てることが大事だという。(うんうん)特に大事なのがその日の目標というわけだ。

目標のないところに進歩はない。

さて、今日の成果はと・・・。
(来週のシナリオを描くこと+文化フォーラムの成功)かな。



オススメ度

★★★★+鬼社員は外から認められる

読んで欲しい方

・鬼社員を持ちたい方
・できる社員になりたい方
・20代、30代の社員の方

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2005年01月22日

幸せを呼ぶ快眠ヒーリング ~ 三橋美穂

食う、寝る、出す。

書籍情報

<幸せを呼ぶ>快眠ヒーリング
三橋 美穂
日本実業出版社 (2005/01/12)
売り上げランキング: 35,074
通常24時間以内に発送

本のひらめき

眠れない・・・という悩みに陥ったことはないのだが、もしそういう状態になったら大変だと思う。健康のことや仕事、人間関係など快眠を邪魔する悩みはけっこうったりする。そういうときは、「生活を変えてみる」ことがいい。

本書は、こころとからだが元気になる快眠セラピーの本。入浴や布団干しなど具体的な快眠の工夫のほかに、「よかったことを日記につける」「テレビ休暇をつくる」「トイレ掃除をする」など生活を変える工夫もある。

一番心に響いたのはお母さんから大切なことを教えてもらった話。

 著者が引越したとき、お母さんが手伝いにきてくれて窓拭きや、草取りなど とても助かったという。その気持ちをお母さんに何度も伝えたという。

 「お母さんが来れたおかげで、こんなに早く片付いたわ。
  ありがとう。本当にお母さんのおかげよ」

 するとお母さんからは思いもよらない言葉が戻ってきたという。

 「私のほうこそありがとう。ふつう、子供が親のありがたみを 
  わかるのは親が死んでからだけど、私は生きているうちに子供に
  感謝してもらえてうれしい。ありがとう。」

 著者は、その言葉に感動して涙をこらえるの必死だったという。

勉強ができることでもなく、ビジネスで成功することでもなく人の言葉を素直に受け取り、自分の気持ちをそのまま素直に伝えられることだという大切なことをそのとき教えてもらったと著者はいう。素敵な話だ。この話だけでも今夜はいい眠りにつけそうだ。

食う、寝るは生きる基本。そして、いいオーラ(気持ち)を外に出すのは、食うや寝るを快適にしてくれるようだ。


僕の思いつき

昨年、岡田さんに教えてもらった「きっぱり」という本で僕はちょっと人生がかわった。「靴をそろえる」という単純な行為にとてもいい癒し系の楽しさを覚えたからだ。今日の本でも「トイレをきれいにしてみよう」という提案がある。

何気ない小さな行為でもそこに前向きな意図がちょっとだけあると、気分が変わる。そういう「プチアクション」を考えてみよう。

寝る前に、ストレッチを2分。
ふとんにはいったら、今日あったいいことを3つ思い出す。
朝、会社にいったらいつも挨拶しない人におはようって言ってみる。



オススメ度

★★★★+ぐっすり

読んで欲しい方

・素敵な眠りが欲しい方
・健康な眠りを探している方
・癒しの欲しい方

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2005年01月21日

国家破産以後の世界 ~ 藤井厳喜

破産てことは、えーっと・・・あのね・・・

書籍情報

「国家破産」以後の世界
藤井 厳喜
光文社 (2004/12/15)
売り上げランキング: 968
通常24時間以内に発送

本のひらめき

有名な企業が債務超過に陥ったり、再生機構の下におかれたり、銀行が国の管理下におかれたり・・・従来は考えられなかったことがちょくちょく起きている。さらに国の財政もどうもあやしいらしい。しかし、それを自分の生活と直結して考えることはあまりやらない。けっこうのん気というかのう天気というか、僕たちはたいへん平和な生き方をしている。

ところが、このごろマスコミもさかんに国家財政の破綻を正面からとらえて報道するようになってきた。

それでも、国家財政がどんな状況なのかは身近なものにたとえてもらわないとピンとこない。そこで、2005年度予算に関する読売新聞の記事を見ると、

『一般会計の総額は前年度(2004)当初予算とほぼ同じ82.1兆円
 だが、借金の償還、利払い分である国債費17.6兆円を除いた支出は
 64.5兆円もあった。
 これに対して、税収など借金以外の収入は45.5兆円しかない。
 財政赤字は36.6兆円でこれを埋め合わせるために、新たに国債を
 発行して帳尻を合わせた。』

これを家計にたとえると
 
『月の給与収入が45万円なのに家庭が買い物や教育レジャーなど生活費に
 64万円を使い、17万円のローンの返済分も含めて新たに36万円を
 借金した。 』

となるという。(比喩から逆に考えると最初の解説はいかにも分かり難い)

本書はこうした日本の実態の解説に加え、国家破産の処理シナリオ、破産国家の事例(アルゼンチンなど)、破産後の世界などを展望する。ほとんど、かわぐちかいじの漫画みたいになってくる。

かなり衝撃的な本だが、じっくり読んでおく価値はある。

僕の思いつき

ビッグコミックの中にかわぐちかいじ氏の描く「太陽の黙示録」という漫画がある。大地震が日本列島を襲い、日本がふたつに割れてしまう。そして南北に分断された日本は復興の過程でアメリカと中国の統治下に置かれる。そんな話である。この漫画では地震がきっかけだが、財政破綻も地震と同じような危機の要因だ。

そのとき何が起きるのか・・冷静にシミュレーションすることは大事だ。一人でするのは結構難しいが、3人くらい集まってマジで議論するといろいろ分かることもある。

国レベルが難しくても、自社レベルならもっと具体的に想像できる。あぶない会社(しかも老舗の大手)は結構ある。

いざという時のことを考えてみることは、無駄にはならない。さてと・・・・。うーむ。

オススメ度

★★★★★+Default

読んで欲しい方

・危機管理をがっちりやりたい方
・シミュレーションがすきな方
・備えあれば憂いなしの方

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2005年01月20日

日本電産永守イズムの挑戦 ~ 日本経済新聞社

出来るまでやる!

書籍情報

日本電産永守イズムの挑戦―すぐやる 必ずやる 出来るまでやる
日本経済新聞社
日本経済新聞社 (2004/12)
売り上げランキング: 157
在庫切れ


本のひらめき

日本電産の永守重信氏は、そのすばらしい経営で各界から注目の人である。現在、日本電産グループ直系18社や関連会社を束ねる名経営者である。カルロスゴーンのほかにもこんな経営者魂をもった人がいるのを知るのは楽しい。

昨日は「不思議な会社」(名南製作所)の本だった。今日の日本電産も不思議な会社の仲間だろう。モーターを中心にしたメーカーだ。

この会社の経営哲学はこんな言葉に集約されている。

「情熱、熱意、執念」
「知的ハードワーキング」
「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」

執念というのがすごい。出来るまでやる、ってのもビビるねぇ。日本電産の創業物語というのが本書のメーンストーリーだが、永守イズムと呼ぶにふさわしい企業経営の精神は、とても刺激的。ある意味、ごくあたり前のことなのだが、それを徹底的にやるとろころが凄いところだ。

三協精機のM&Aのニュースは記憶にある。そのプロセスも詳細に説明されている。僕が一番心にヒットしたのは、合併後の永守氏の行動だ。約12ヶ月の間に一般社員や主任クラス1056人と昼食懇談会を持ち、管理職とは327人と25回にわたる夕食をとったという。ポケットマネー2000万円を使ったらしい。もちろん食事をするのが目的ではなく、自身の経営哲学を広めることと腹をわった話を聞くためだ。自分ちの会社の社長はこんなことをしてくれるだろうか・・・。

また三協精機のコスト改革にあたっては、1円以上の支出はトップの決済が必要だと宣言し、すべての稟議を見たという。数秒とはいえめくら判ではなく、的確な指示が飛ぶから、経費はめちゃくちゃ締まったものになったようだ。

人材に対する考え方も名南製作所とも通じる。
人の能力の差は5倍程度しかないという。5倍もあるのか!と驚くが、もっと大事なのは意識、やる気の差だ。それは100倍以上へたをすると1000倍以上あるという。だから頭のいい人ではなく意識の高い人を採ることにしているという。

本の最後に永守語録が載っている。お気に入りは

「智恵を出すというのはそんなに難しいことではない。
 今自らがやっている仕事を1秒でも早く楽にできる方法を
 考えればよいのである」

などなど、この企業グループで行なわれている「不思議なやり式」は、我が身に照らして大いに勉強になる。


僕の思いつき

整理整頓は、永守イズムの大事な要素の一つ。
理由は・・・廊下を歩くのも100円、資料を探すのも100円、身の回りが乱れていると、ちょっとしたことにも時間がかかる。つまりコストがかかるのだ。ABC(Activity Based Costing )という管理手法があるが、そういう意識で日々の仕事を見直すとトヨタみたいに強力な仕事環境ができてくる。

そもそも自社のコスト構造も意識しないような企業があったら、早晩消え行く運命かもしれない。我が社は大丈夫だろうか・・・

自分の行動(例えば、資料探しに10分かかるとして)が、いくらかを計算してみておくのも面白いね。

東レシステムの高村社長は言った(プロジェクトX風)。

     「測れば変わる!」



オススメ度

★★★★★+出来るまでやる!

読んで欲しい方

・優良企業のベンチマーキングをしたい方
・不思議な会社がすきな方
・いい会社に変身させたい方

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2005年01月19日

不思議な会社 ~ 鎌田勝

不思議って数の単位だって知ってた?

書籍情報

不思議な会社
不思議な会社
posted with amazlet at 05.01.29
鎌田 勝
三笠書房 (1988/07)
在庫切れ


本のひらめき

本書の一番最後にこう書いてある。
「本書は1975年刊行されたものを文庫収録にあたりか改筆した」
なんと、この本は30年も前に書かれたものだった!

不思議な会社について初めて知ったのは田口さんの「東京ブック」だった。会議のテーブルが黒板になっているという紹介にこれは!と思って探したのだがどこにも在庫はなし。絶版になっているらしい。現在、入手可能なサイトはここだけらしい。
  :http://www.techno-con.co.jp/item/2508.html

ただし8000円もするので、図書館にリクエストしてみるのもいいね。でも、読んだ後に8000円してもいいから購入したいと思う・・多分。(僕は買っちゃった!笑)

前置きが長くなった。この本、何かといえば木工機会メーカーの名南製作所という中小企業の物語である。おそらくとんでもなくユニーク会社である。
→ http://www.meinan.co.jp/topics.htm

どんな風に変わってるかといえば
 社是 :  F=Mα (ニュートンの第二法則)
 入試 : 物理の問題(これ、めちゃ根本的で難しい!)
      試験をするのは、人事部ではなく俺が立ち会わなければ誰がする
      と手を上げた社員。
 会議室: テーブルが黒板になっている(多分今はホワイトボードか)
      話をしながら机にアイデアを書いていくのだ。
 物理学: 月曜日の午前は全員が物理学の勉強。仕事はしない!
 
ほかにもいっぱい不思議なところがある会社である。ユニークなんていう形容詞では説明できないから「不思議な会社」なのだ。

モチベーションとは何かをもう一度見直してみたい経営者の人は、一度は読んでおきたいスーパービジネス書。


僕の思いつき

この本30年も前の初版だから、書いてあることは時代がかっていることもある。創業10年目ころの当時はまだ中卒の人がたくさんいて夜学に通って勉強をしていたらしい。(今では東大卒でも試験に落ちる)そのときのエピソードは感動する。

当時、そうした社員は夜学の補助くらい出してくれと会社に要請したという。しかし社長は、ぜったいにNOといって、鉛筆一本分も出さない。4年の定時制高校を無事卒業したあかつきには、お祝いにスーツをプレゼントしたそうだ。しかし、そんなものでは満足しない社員にとびっきりのプレゼントを社長がする。それは・・・・
人の自律と自立を促すものすごいプレゼントである。それが何だか想像できるだろうか。僕は感動して涙がでた・・・・

で、何よそれ?

って方は、日記をみてね。(ヒント: お金をとるか、無形なものをとるか)
この会社みたいに人の心を突き動かすようなことを考えてみたいねー。

ところで不思議というのは元は数の単位らしい。1、十、百、千、万、億、兆、京・・・・・、不可思議、無量大数 だとか。知らなかった。逆に小さいほうは 塵、埃、・・・刹那というのがある。



オススメ度

★★★★★+人は成長したい★生き物

読んで欲しい方

・会社を生まれ変わらせたい方
・人を生かすことがすきな方
・社長にあこがれる方

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2005年01月18日

大人の超メール術 ~ 石原壮一郎

心を込めてあざとさを消す

書籍情報

大人の超メール術―本家直伝
石原 壮一郎
青春出版社 (2004/11)
売り上げランキング: 2,963
通常24時間以内に発送

本のひらめき

メールはデジタルな雰囲気で、気持ちが伝わりにくい・・・なんて思っている方がいるかもしれない。しかし、、メールには結構気持ちや人柄が表れる。このあたりのことは久米さんの「メール道」を読むとすっきり納得がいく。

僕も、時々このメールは永久保存したい!なんて素敵なメッセージをいただく。いいなぁと思えるメールにこころがほっこり・・・そんな経験は多くの人が持っていると思う。

本書は、そうした気の利いたメール、心のこもったメールのフレーズを集めた本だ。たとえば、取引先からもらう資料が、パソコンが壊れて予定より大幅に遅れてきたときの返信メールでは

  きっと、あなたの働きぶりにパソコンがついてこれなかったんですね。

みたいなフレーズを書く。パソコンが壊れてというのは口実かもしれない。しかしそれを疑っても仕方がない。相手がトラブルに見舞われたという「チャンス」を逃さず、ことさら暖かい言葉をかけて、ハートをわしづかみ。これを大人の付込み力と著者は名づけている。

恋愛編では

  前回のメールは、パソコンのハードディスクと私の心に永久保存
  いたしました。今度会えるときは・・・

上記は告白メールに対して感謝の気持ちを示すメールの例だ。

少々あざとい技もいくつかあるが、心を込めて使えば生きてくる、かも。

僕の思いつき

メールでも手紙でも、あるいは会議の席でも伝えたいものはふたつある。
   コンテンツ(内容)とエモーション(気持ち)である。
それに必要なエネルギーは
   ロジック(分かりやすさ)とパッション(情熱)である。

・・・てなことを、PACHSのセミナー(デモセッション)でやろうと思っています。21日(金)の夜1900から。本番は3月かな・・・。よかったら無料デモセッションに来てね。


オススメ度

★★★★+大人のメール

読んで欲しい方

・メールで気持ちを持ちたい方
・文章を工夫するのがすきな方
・メール道にあこがれる方

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2005年01月17日

「企業理念」開発プロジェクト ~ 足立光正

理念は重たい。

書籍情報

「企業理念」開発プロジェクト―意識改革を実現する7つのステップ
足立 光正
ダイヤモンド社 (2004/12)
売り上げランキング: 31,671
通常24時間以内に発送

本のひらめき

最近、有名な大手企業で「うっそー」というような不祥事が続いている。大きくブランドを傷つけたり、社会的信用を失ったり・・。そういう企業にも「理念」や「社是」はある。きっと素晴らしいことが謳ってあるに違いない。なのになぜ・・・

理念が現場の活動にまで浸透するにはそれなりの「汗」が必要である。
最初の汗は、作る汗。
次は浸透する汗。
その次は、時代や環境に合わせて変える汗。
なにごとも楽(ラク)して実るものはないらしい。

本書は、CI(コーポレイトアイデンティティ)の開発に力を注いできた著者が企業理念の作り方を指南する本である。

担当者や外部コンサルにまかせてちょいちょい・・と作ることもできるが、企業理念はそんな簡単に作ってはいけない。トップを始めとした志と汗が必要なのだ。

理念を見直すタイミングはいくつかある。
 1)トップの交代
 2)企業合併などで企業文化や風土が異なる組織が一緒になるとき
 3)新事業進出などで企業内環境が大きくかわるとき
 4)外部環境変化に、従来からの価値観が対応できないとき
 5)経営意志として自ら大転換を決意したとき
などである。2)に該当する企業は最近多い。

我が社の理念を作ろう、企業理念を見直そう・・・という会社にとっては、とてもガイドになる本である。


僕の思いつき

企業理念があるように、個人にも人生の軸となる考え方がある。ゆずれない一本がある。普段はあまり意識していなくても、ここは譲れないな・・みたいなところだ。

自分の生き方をステートメントとしてまとめておくのもいいかもね。


オススメ度

★★★★+理念開発

読んで欲しい方

・企業理念を持ちたい方
・社是、理念、方針ってどうちがうのって方
・企業理念を見直したい方

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2005年01月16日

3分間社長塾 ~ 高井伸夫

巧遅は拙速に如かず。(孫子)

書籍情報

3分間社長塾―スピード判断力をつける
高井 伸夫
かんき出版 (2004/12)
売り上げランキング: 437
通常24時間以内に発送

本のひらめき

弁護士暦40年。弁護士という立場から様々な企業の改革や再建に立ち会ってきた著者が「デキる社長」のエッセンスをまとめた本である。

リーダーシップ、カリスマ性、人材育成、事業戦略など様々なことが取り上げられている。中でも重点が置かれているのは「スピード」ということである。

「情報の取捨選択も3分間、考えるのも3分間、モノゴトを判断決定するのも3分間」を意識しようという。本書のタイトルが3分間となっているのはそんなことろからきている。

先日紹介した「楽天の研究」でも三木谷さんがとても挑戦的なスピード経営に力を入れているのが見えた。他企業が1年でやるならうちは1ヶ月で・・・そんなイメージだ。

もし、赤字会社を3年で黒字化しようなどという計画があったら、それははじめから気合が入っていない。ゴーン改革ではないが1年で黒字化するくらいの気迫が必要だという。

早朝会議を開く企業事例も紹介されている。キャノンでは、朝8時からの早朝役員会を60年以上も続けているという。またトリンプ・インターナショナルの吉越社長は毎朝8:30から1時間のマーケティング&セールス会議で約40件の議題を社長自身が次々に決断を下していく。1件3分弱、見事な即断即決の様子はTVなどでも報道された。

社長業は会社にスピード感をかもし出すこと・・・と見た。

ところで我社では・・・・・うーむ。

僕の思いつき

社長のコーチング会話があった。

  「○○君が今一番気がかりなことは何ですか?」

45分くらいかけてじっくり話しをする。そして腹の内を見せてくれたら

  「次の一手はどうすべきだと思う?」

と聴く。これでのびない社員はいないという。
コーチング会話のシナリオをいろいろ準備しておくのもいいねぇ。



オススメ度

★★★★+半歩先

読んで欲しい方

・社長を目指す方
・できる社長の方
・経営に一言いいたい方

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2005年01月15日

マインドマップ読書術 ~ 松山真之助 + 2.24セミナー

3つの仮説を検証する人、よっといで~。

書籍情報

マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ
松山 真之助
ダイヤモンド社 (2005/01)
売り上げランキング: 41
通常24時間以内に発送

本のひらめき

この本は読んだ方に「書いてもらうため」に、「閃いてもらうため」に、そして読書というありふれた「経験」を智恵という「経験価値」に高めていただくために書きました。

マインドマップの素晴しいところは「思考を広げながら構造的かつ体系的に整理できる」ところです。これを読書にも適用して、読みっぱなしの読書経験を価値あるものにしよう・・・というのが本書のコンセプトです。

本に書いてあることを図解する「著者モード」だけでなく、閃いたこと、思い出したこと、関連することなどを「自分モード」で書くところがマインドマップ読書術の醍醐味です。

そしてせっかく書いたものは外に出そうという「発信モード」になると、さらに面白いことがおきるという仮説も入れ込みました。

もともとは「バランススコアカードの使い方がよくわかる本」におまけとしてつけていた読書マップがきっかけです。
中島さんやKNさん、川名さんほかをたくさんの方が感動的な読書マップをおくってくださいました。本書にも紹介してあります。そのときの感動をエネルギーにしてこの本はできました。
またこの本の企画段階で募集した読書マップもいくつか掲載してあります。

本書の一番の自慢は、世界初(?)の読書マップ&しおりを入れたことです。この本を読んでいただきながら読書マップも体験していただこうという趣向です。手を使いながら読む・・・そんな本です。
さっそく川名さんと上田さんからこの本の読書マップを送っていただきました。(早い!)

あなたも是非、お試しください。


僕の思いつき

恥ずかしながら自分の本をあらためて読んでみました。ちょっと気恥ずかしいような気もしたのですが案外面白いく読めました。笑

誰かにあげられるからとできるだけ汚さないように読んでいたのですが、途中でガマンできなくなって・・・折り目をつけた。線も引いた。シオリの読書マップをひっぺがして、マップを作り始めた。
うー、なんてこった!状態になりました。汗
(おいおい、これは自分で書いた本じゃないのか!?)

笑える話ですが、そんな感じで読みました。(バカみたいでしょ!)

なかなかいいことが書いてあるじゃん。(ゲゲ、自分で言うか)


本を書いたら、その次のテーマを埋め込んでおくのが密かな楽しみです。実はこれ、藤原和博さんの真似なんですけどね。案外それが実現できたりするから面白いのです。
言ってみるもんだ、出してみるもんだ、の検証ということですね。

今回も本文99ページに次の企画をそっと忍ばせてみました。「知的備蓄辞書の本」です。すでにだいぶコンテンツがたまり、企画書もできた、3人の執筆者のキックオフ会議も間近である・・・という情況になりました。

すべての行為(経験)は、その次に繋げるステップとして意識しておくと、楽しいことが起きる。そして、その意識は、「書く」ことで更にエネルギーが高まる。・・・なーんて、この本を読みながら改めて思いました。

読書マップでヒラメキを!・・・。 ビビビ。



オススメ度

   ☆☆☆☆☆+心のケミストリー
    ↑
   (謙虚に白抜きの☆にしときました)笑


読んで欲しい方

・マインドマップってなあに?っていう方
・読書という経験を智恵という経験価値に高めたい方
・人生をちょっと変えてみたい方

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2005年01月14日

金なし・コネなし・経験なし社長の超・経営術 ~ 臼井由妃

この人間力はどこからくるのか・・・


書籍情報


金なしコネなし経験なし社長の超・経営術
臼井 由妃
すばる舎 (2004/11)
売り上げランキング: 18,131
通常24時間以内に発送

    

本のひらめき

昨年、小石さんが主宰する知研の会合で著者にお会いした。社長で博士で自社ビルまであってセミナーをやりTV(マネーの虎)に出て・・・となんだかすごい方と紹介された。とってもひとなつっこい物腰とパワフルな経歴を結びつけるのにはちょっと時間がかかった。

本書は、その臼井さんが自身の社長業の経験とそこから得られた中小企業経営術をまとめたものだ。

フリーター経験しかなかった著者は、夫の病気で急遽社長をやることに・・。しかし、社員の目は冷たい。イスに画鋲をまかれたりといったイジメに始まり社員が次々に退職するなど波乱のスタートだったという。

金なしコネなし経験なしで始まった社長業はとんでもない情況だったようだ。その情況に開き直ったところから波乱万丈の成功物語が始まる。

MBA的知識でもない、戦略やビジョンでもない、もっと根源の「人間力」みたいなものが著者をドライブした要因のようだ。

社長は3つの顔を持っているという。将軍、戦略家、母親。3つめの母親というのが著者らしい。母親の顔というのは優しいという意味よりも、命に変えて子供(社員)を守る覚悟をもつということだ。大企業の社長にはできない覚悟がある!と著者は胸をはる。

著者の会社(健康プラザコーワ)は、ちょっとかわった商品(1919、4○4○、パワーリング・・・)などを扱っているが、そこからうけるかもしれない偏見は捨てて、経営の心意気を学びたい。


僕の思いつき

できる社員をつくる魔法の言葉はこれだという。

 いやぁ、いい仕事してるね

うーむ確かに。がんばってね、でもない。しっかりやれ、でもない。とても、心に響くいい言葉だ。

どんな言葉をかけられたらやる気がおきるか・・・来週は毎日考えてみよう。



オススメ度

★★★★+社長のイス

読んで欲しい方

・社長を目指す方
・強い会社を作りたい方
・自社ビルにあこがれる方

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2005年01月13日

運が開ける勉強法 ~ 中谷彰宏 + 読書マップセミナー!

勉強は楽しい!

書籍情報

運が開ける勉強法―勉強脳が目覚める50の具体例
中谷 彰宏
ダイヤモンド社 (2005/01)
売り上げランキング: 56,595
通常24時間以内に発送

本のひらめき

大人の勉強方は、学生時代とちょっと違う。どう違うかというと、何かをするために勉強するところ。
経理部に配属された新人さんは、簿記を勉強しないといけない。知的財産部に配属された人は、特許や法律を・・・という具合に、何かをやるために(出力Yのために)勉強(入力X)をする。

先日(1.3 新春号)の日経ビジネスに金沢工業大学の記事があった。泉屋理事長の嫌いな言葉が載っていた。「学生時代は勉強しておけ。いつか役にたつ」というものだ。いつか・・・というのはインプットXをやみくもにやるということで身につかない・・というのが泉屋さんの意図だろう。同感。

中谷さんも似たようなコンセプトを書いている。
スタンフォード大学の地震研究の最終試験の例が載っている。
「この知識を使って新しいビジネスを考えなさい」というのが問題だ。学問のための学問ではなく、実学(Y)のための学問というわけだ。

内輪の世界(つまり自分の会社の中)だけで通じる勉強の仕方もよろしくないという。内輪の世界は、先輩や従来からのやりかたという見えないガラスの天井がある。いつも、外で通用するような勉強の仕方をしていきたい。

Yは、できるだけ外に向かったラージYを目指したい。

僕の思いつき

勉強したくなるときは2つあると中谷さんはいう。
 1)自分の中に勉強したい気持ちが起きる
 2)教えてくれる先生とめぐりあう

中谷さんは先生を探すのがうまい。年は関係ないという。
世の中には先生にしたい人がいっぱいいる。もし、いたら即、弟子にしてくださいって言っちゃうのも手だね。いいなと思ったらすぐ連絡してみる。ネット時代はいい時代ですなぁ。


オススメ度

★★★★+勉強脳

読んで欲しい方

・大人になって勉強したくなった方
・勉強が行き詰まった方
・勉強を成功に結び付けたい方

オマケ

読書マップセミナーはこちら: → http://tinyurl.com/4hkck
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2005年01月12日

人を動かす50の物語 ~ M・パーキン

物語の背後にあるもの    

書籍情報

人を動かす50の物語 コーチング選書 03
M.パーキン コーチ・エィ
ディスカヴァートゥエンティワン (2004/11/18)
売り上げランキング: 3,486
通常24時間以内に発送

本のひらめき

本書は気づきの物語がいっぱいつまった本である。

ソースは神話の世界だったり、著者の体験だったり、イソップ物語だったり、あるいはスティーブン・コビーの7つの習慣などビジネス書で引用されたビジネス・ストーリーだったする。

本書はコーチングの本であり、物語をどう生かすかという質問がキーポイントだ。物語、教訓、質問という構成で50の物語が集められている。

物語の効用は5つあるという。
1.物語は学習効果を高める
2.物語は理解を助けるパターンを提供できる。
3.物語は好奇心を刺激する
4.物語は感情をゆさぶる
5.物語はユーモアとともに情報を伝える

メタファー(比喩)は、人の心にすんなり納得を生むことがある。納得とは人から何かされるのではなく、自らの心の能動によって生まれるものだからだ。ストレートな答えではなく、なんとなく示唆してくれる物語の中から「気づく」ほうが、行動につながりやすい。

自分が語れる物語をどれだけもっているか・・・こういうのもこれからのビジネスパーソンの武器といえるのではないだろうか。
たくさん持つ必要はない。自分が伝えたいと強く思う物語を、自分のものにしていつでも語れるようにしておくのがいい。


僕の思いつき

金言格言も楽しいが、ちょっと人に話せる物語を収集しておくのもいい。
集めただけでなく、そこから得られる教訓、他のことに利用できないかを考える質問を考える・・・そんな工程が、物語を自分化できるのではないだろうか。

モノも何でも集めただけではなく、そこから何かに転用することを考えるところに価値は生まれる・・・。つまり、アウトプット・モードだねえ。


オススメ度

★★★★☆+物語

読んで欲しい方

・物語が好きな方
・メタファーが得意な方
・コーチングを勉強している方

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2005年01月11日

楽天の研究 ~ 山口敦雄

舞台裏へようこそ!

書籍情報

楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか
山口 敦雄
毎日新聞社 (2004/12)
売り上げランキング: 6,441
通常4~6週間以内に発送

本のひらめき

楽天と僕はとても近い距離にいる。楽天日記やってるし、楽天ブックスでもお店開いてるし・・。ってちょっと違うんじゃないかと言われそうだが、楽天とはなんだか妙に親しみを感じるのである。

三木谷さんの友達の友達が友達だし、今度楽天イーグルスの社長になる吉田敬さんとは食事したことがあるし、などと勝手にファンになっている僕である。

さて本書は、昨年プロ野球参入で一挙に全国区になった楽天の成功の舞台裏を覗くドキュメンタリーだ。楽天創業者達へのインタビューを交えて、とてもリアルにその成功の軌跡を映し出している。

冒頭に紹介されている戦略共有を目的にした「朝会」の模様が新鮮だ。毎週開かれるその会議は、社長三木谷さんの話のあと、書く事業部の責任者が事業報告をする。最大90秒という短さ。時間が測られてオーバーするとチンと鳴るらしい。

「世界一のインターネットサービス企業」をビジョンに掲げる楽天は、そのカリスマリーダー三木谷さんに負うところが多いが、決してそれだけではない。本書には創業時代からの多くの役員インタビューが掲載されており、生の声がとても興味深い。

楽天の成功の軌跡は

 起業家魂+ITスキル+M&Aスキル+スピード!+時の運= 楽 天

といったところだろうか。

利益が44億円のときに利益目標を1000億円に置くといった三木谷流の目標設定の仕方や、とにかく「徹底してやる」ことや「スピード!」が多くの企業が<我が社ではちょっと・・>と思うところではないだろうか。

本城さんと三木谷さんが楽天を構想するとき考えたアイデアは実は3つあったという。
 1.地ビールレストランのフランチャイズ展開
 2.天然酵母のパン屋の全国展開
 3.インターネットモール

当時インターネットモールは大手企業が手がけて失敗し撤退していたところだ自分なら出来ると思い、誰もやらない分野・・・・そこが狙い目だねぇ。


僕の思いつき

もし、自分の目標がぼんやりとでもあるようだったら、ちょっと大胆な目標に変えてみるのも面白いかもしれない。ターゲットの設定の仕方で、物事の枠組みが変わったり、新しいコンセプトが生まれてきたりする。

三木谷さんは利益が44億円のとき1000億円の目標をぶち上げた。
孫さんはミカン箱の上で(つまりまだなんにもないとき)に1兆2兆と吠えた。

僕は、気が小さいので・・・3倍・・・と言ってみた。笑


オススメ度

★★★★☆+スピード!

読んで欲しい方

・楽天でお店を持ちたい方
・ネットショッピングがすきな方
・起業家にあこがれる方

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2005年01月10日

ブログではじめる!ノーリスク起業法のすべて ~ 丸山学

ブログ起業?!

書籍情報

ブログではじめる!ノーリスク起業法のすべて―あなたの日記をお金に換える法
丸山 学
同文舘出版 (2004/12)
売り上げランキング: 301
通常24時間以内に発送

本のひらめき

本書は、いまホットなブログ(Weblog)を利用して起業しようという本である。著者はノーリスク起業法のノウハウを広めている丸山さんだ。民間企業の経理総務課長を経て行政書士事務所を開設した人だ。ただ事務所を開設しただけではなく、ネットを通じた情報発信活動で成功したきた方である。

本書は小資本起業で成功する3つの武器について解説されている。3つとは、ブログ、言葉力、個人ブランドだ。

個人の小資本起業においては、営業にお金をかけるわけにはいかない。そこでお客様に口コミや情報でファンになっていただく方法が、ブログだ。

ブログは「ファンを観客席に座らせるのではなく、ベンチ裏や楽屋裏へご招待するお客様身内化の方法」だという。なるほど。

ブログは、せいぜい10分もすれば無料サイトですぐできる。

やりたいことをみつけたらブログを使って営業する・・・そんな起業のステップを踏んでみても面白い。

「やりたいこと」は何か・・・という自問の答えが見つかったら、本書を参考にしてノーリスク起業してみよう。

本書と連動したメルマガも発行されている。 → http://www.marujimu.com/

僕の思いつき

自分は何をやりたいか。なにが得意か。どんなチャンスがあるか。どんなお客様を想定できるか。競合はあるか。・・・そんな思考プロセスは、なかなか自分だけでは難しい。

そういう時の触媒(キャタリストコーチ)がいたらいいねぇ。
もし、ご入用なら夢工房しんのすけで・・・。


オススメ度

★★★★+ノーリスク起業

読んで欲しい方

・ブログでもやるかって思った方
・起業モードにいる方
・社長になった方

Posted by webook at 21:34 | TrackBack

2005年01月09日

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと ~ 林田正光

絶対にノーとは言わない・・・

書籍情報

リッツ・カールトンで学んだ仕事でいちばん大事なこと
林田 正光
あさ出版 (2004/12)
売り上げランキング: 785
通常2~3週間以内に発送

本のひらめき

リッツカールトンホテルに関する情報は、本や雑誌などで多く取り上げられている。本書は、50歳でリッツカールトン大阪の営業支配人として入社した著者が、そこで見つけた「お客様が喜ぶ秘密の仕組み」をまとめた本である。

リッツカールトン大阪の売上高は、約百数十億円。通常のホテルのサービス料は10%だが、ここは13%だという。つまり3%=数億円は純利益というわけだ。お客様へのパーソナルなサービスによってお客様はその3%を当然だと思う。最高のサービスを提供するということは、財務の視点にそういうメリッ
トを生みだすわけだ。

また「ES+CS=利益」というのが著者の言うリッツの公式。リッツの社員は成長の喜びがESの大きなファクターになっているような気がする。

著者は個人のクレドも必要と説く。『漠然とした目標しかもっていない人と、強い目標を明確にしている人とでは成功への距離が違うのです』という。

クレドでもBSCでも今年の抱負でもいいのだが、目標のないプロジェクトや目標のない人生は、曖昧な霧のなかにあるモヤットボールを生産し続ける。

この3連休、ちょっと立ち止まる時間を持ちたい。

僕の思いつき

リッツカールトンといえばクレド(Credo)である。信条、哲学という意味だ。
「お客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命と心得ています・・・」ではじまる一文から始まる。
ああしろ、こうしろと事細かには書かれていない。この基本をいかに自分なりに智恵を絞り、考え、毎日の仕事に応用していくか・・・それが大切であり、そういう仕組みや風土こそがリッツカールトンの強みだ。

著者は初めてこれを聞かされたときは、「あぁ、お題目だわい」と思ったそうである。しかし、実際に行動に移さざるを得ない環境で、その真価を見つけていったという。

社是、ミッション、企業理念・・・などほとんどの企業で掲げられているが、それを「社員が自ら考え、行動する」ようにするしかけは持っていないのではないだろうか。

リッツと同じようにタリーズコーヒーのホームページにはそんな仕掛けに似たものがある。行動規範の一つがブランク(自分で考えよ!)なのだ。

余地を残す・・・これも大事なことかもねぇ。
(かといって余地を残してあるといって、そのまんまではいただけない)

著者がリッツで学んだという「仕事で一番大事なこと」とは、一人一人が考えて行動する仕組みと風土とマネジメント、じゃないかなぁ・・・と僕は思う。


オススメ度

★★★★★+日々考える仕組み

読んで欲しい方

・ホテルマンの方
・いいホテルに泊まりたい方
・伝説や感動が好きな方

Posted by webook at 23:20 | TrackBack

2005年01月08日

虚妄の成果主義虚妄の成果主義 ~ 高橋伸夫

人はお金だけによって動くものではない。

書籍情報

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ
高橋 伸夫
日経BP社 (2004/01)
売り上げランキング: 2,213
通常24時間以内に発送


本のひらめき

年功序列、終身雇用・・といった言葉は、もはや過去の遺物・・・なんて思ってる方も多いことだろう。「成果」や「実績」こそがホンモノだという成果主義が広く採用されてきた。

年が経てば賃金もランクも自動的に上がる年功序列型の賃金体系は、コスト効率も悪くモチベーションも上がらない・・・というのが成果主義を導入する会社の仮説である。

しかし、鳴り物入りで導入した成果主義がうまく機能していない企業も多く、元富士通の城繁幸さんが書いた『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』、や溝上憲文さんの『隣りの成果主義』などで成果主義の運用の難しさが解説されている。

本書は日本型の年功制の復活を勧める本である。なかなか理にかなったロジック展開が痛快である。

年功序例といっても年代が上がるにしたがって全ての人が給与やランクが上がっていたわけでもなく、それなりに評価がされていたという。エース級の人は社内評価も一致していただし、橋にも棒にもかからない人も明白だった。そして、グレーゾーンの人はそもそも細かく差をつける必要もないという。確かに。年功だから差がつかない・・というのは誤解だったのだ。

著者は、従来の年功制でも成果主義よりはましだと思うが、改善の余地もあるとしている。

本書の一番のポイントは「人はお金だけで動くものではない」という点だ。成果主義のロジックのポイントは成果の評価結果をすべてお金で決着させようとしている(ように見える)ところだ。あるいは多くの人がそう誤解してしまっているからだ。

人のモチベーションは、『お金』ではなく『次の仕事』であるという。確かにあなたの前期の成績はAAだといわれてもその瞬間ちょっといい気分になるだけのような気もする。

本書には、いろいろと本質を考えるヒントが隠されている。


僕の思いつき

人は何で動くか。どんなときモチベーションが上がるか。そんなことを考えてみると面白い。

褒められたとき、認められたとき、聞いてもらったとき、やいり甲斐のある仕事をもらえたとき、お客さんに感謝されたとき、成長を実感できるとき・・・

部下を持つ人はいろいろ考えてみよう。


オススメ度

★★★★★+虚妄の妄想

読んで欲しい方

・成果主義を導入中の方
・年功序列制度の会社にいる方
・マネジャーになった方

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2005年01月07日

4行日記成功ノート ~ 小林恵智

今年の目標を醸成するための方法

書籍情報

4行日記成功ノート―夢を実現するための科学的な日記術
小林 惠智
インデックス・コミュニケーションズ (2004/11)
売り上げランキング: 7,265
通常24時間以内に発送

本のひらめき

今年の抱負はなぁに?と聞いても、なかなかスッキリしたものを答えられる人は少ない。僕のまわりの仲間に聞いてもほとんどは、モヤっと状態のままお正月が終わり、新年の仕事の急がしさにまぎれてしまいそうだ。
今年の抱負?どうでもいいや状態に入りつつある。
あなたはどうですか?

多分、このまま一年は忙しく過ぎ行き、自分は何をしたかったのかも不分明のまま12月になる。そして「あー時のたつのはやいねぇ」・・・なんて年末を迎えるのである。また今年は1週間しかたってないのに、なんだか寂しい年末が想像できたりする。オヨヨ。

だってさ、目標とか抱負といったってなかなか浮かばないよ・・・という方に今日の本はオススメだ。自分のターゲットを見つけるための日記の話だ。

4行日記とは、■事実、◆発見、●教訓、★宣言の4つの項目で毎日自分と対話してみる日記だ。4行だからなんとか続くような気になれるのが最初のミソである。
例えば: ■事実  派遣元に帰社。事例発表会を聴講。
     ◆発見  発表者は仕事に誇りを持ち、活き活きしていた。
     ●教訓  仕事に誇りを持っている人は魅力的。
  ★宣言  私は、仕事に誇りを持っている人間です。
といった感じである。上記は、あるSEの日記の事例。
4つめの宣言に、自分のなりたい姿を未来形ではなく現在形で書くのがポイントだ。

50日間つづけると、それなりに自分や自分のやりたいことが浮き彫りになってくる。それを、50Boxという升目のフレームで分析する。そうすると、自分の夢や目標が明確になる・・・そんな仕掛けが4行日記だ。

事例編で何人かの方の日記が紹介されている。50日に達するまでの軌跡がなかなか面白い。


僕の思いつき

「目標は、確実にあなたの毎日を刺激に充ちたものにしてくれます」というのが本書の底流にある。そうなのだ

新年にまだ今年の目標が定まらない人も心配せず、50日かけて熟成するという方法を利用するのもいいねぇ。

始めることに遅すぎることはない。



オススメ度

★★★★☆+50日の継続

読んで欲しい方

・今年は何か目標をもちたい方
・頑張る自分を感じたい方
・3日ボウズになった方

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2005年01月06日

ニッポン型上司が会社を滅ぼす! ~ 宋文洲

会社動物園を歩く。

書籍情報

ニッポン型上司が会社を滅ぼす!
宋 文洲
サンマーク出版 (2004/11)
売り上げランキング: 337
通常24時間以内に発送

本のひらめき

宋さんが日本にきたのは22歳のとき。85年、人民服姿の青年がそこにあった。国費留学で北大大学院の土木に籍を置いていたが、天安門事件のため、修了後、帰国しないで日本で就職することに。その後の歩みは多くの経営者が注目するように素晴らしい起業家ぶりを発揮され、情報発信も多い。
http://www.softbrain.co.jp/documents/sou.html

本書は、宋さんの日本におけるビジネス体験の中で観察したニッポン型上司を解剖しようという本である。

ニッポン型上司?

それはこんな感じ:
 ハンコ押しと会議で忙しい上司
 取引先との仕事より、社内調整に情熱を注ぐ上司
 総論に強いが、各論が何もわからない上司
 責任は絶対にとらないが、部下の功績には必ず一枚かむ上司
とかだ。

いろんな組織でみられるニッポン型上司のもっとも特徴的なものは、「曖昧」というキーワードだ。コミットもせず、リスクも負わず、責任もない上司は、曖昧という言葉が無敵の武器になっている。

そういう風に観察してみると面白いかも。おっと、そんなふうに観察されてるほうかもしれないから気をつけよっと。


僕の思いつき

xx型上司、xx型役員、xx型先輩・・・とかいろいろ考えて、その特徴を表現してみるといいかも。
人を見る目を鍛えながら、人を表現する腕も磨きたい。



オススメ度

★★★★+あいまい

読んで欲しい方

・わが上司を語りたい方
・見られている自分を感じた方
・マネジメントを勉強してる方

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2005年01月05日

脳はなぜ「心」を作ったのか ~ 前野隆司

心をもったロボットは簡単につくれる。(えっ?)

書籍情報

脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説
前野 隆司
筑摩書房 (2004/11)
売り上げランキング: 838
通常24時間以内に発送

本のひらめき

本書は、科学と哲学の間にあって未来社会をリアルな世界としてイメージさせてくれる「不思議な」本だ。

今は不思議かもしれないし、うーむ・・・ほんとかなぁ・・・という疑問符がつくかもしれない。しかし、マジメな内容の本だ。

なにしろ本書の内容は、日本ロボット学会の学会誌に載る予定(2005年)の論文「ロボットの心の作り方(受動意識仮説に基づく基本概念の提案)」をわかりやすく一般向けに書いた本なのだ。

心というのは、「知」「意」「情」「記憶と学習」「意識」の5つから成るという。この中で最初の4つは今のコンピュータやロボットは少なくともちょっとくらいはできるという。それはわかる。そして「意識」は、今のコンピュータはまったく持っていないという。

知情意や意識は主体的であり、人間だけができる高等な精神活動だと誰もが(たぶん)思っているが、本書では、それらですら受動的なものだと論を展開している。このあたりは本書を読んでいただくほかない。(僕の力ではまとめることが難しい・・)

本書は、こうした心の活動は分析でき、だからこそそれを作り出すことも可能だ、さらにいえば心をもったロボットも作れる・・・という展開になっている。

未来社会を想像するのは簡単だが、それをうらづける論を展開するのは難しい。本書はそれを行っているところがスゴイ。

とっても深くて面白い。

僕の思いつき

ロボットが心をもった世界。ちょっと想像すると怖いねぇ。でも30年後はありうるかも。

30年前にはなくて今は当たり前になっているもの。携帯、GPS、インターネット・・・などなどいろいろありそう。(携帯はあったかな・・?)

過去を見て、未来を伺う。そんなゲームをしてみるのも楽しい。


オススメ度

★★★★★+心の本質

読んで欲しい方

・未来社会を話したい方
・工学系の方
・ロボットが好きな方

Posted by webook at 22:37 | TrackBack

2005年01月04日

経営者、15歳に仕事を教える ~ 北城恪太郎

人に教えるって素晴らしい!

書籍情報

経営者、15歳に仕事を教える
北城 恪太郎
丸善 (2004/12/11)
売り上げランキング: 795
通常24時間以内に発送

本のひらめき

昨年、田舎の中学で講演をさせていただいたことがある。中学生のみんなに何か参考になることを話すことができれば・・・とオセッカイモードで乗り込んだ。昨年のセミナーや講演の中でもっとも素直に反応してくれるた聴衆で、とっても楽しかった。サラリーマンの人が、母校で話をするっていうのは楽しい。

さてこの本は、元IBM社長の北城洛太郎氏が、中学生を相手に経営を語る・・という本だ。もちろん15歳相手だからやさしく語っている。しかし、内容はどれも素晴らしく経営者やビジネスパースンが心にとめておくべき心得ばかりである。

僕も以前IBM社の社風にふれたことがあり、本書の内容が現実的なものとして伝わってきた。富永さん(PM)の話や、お客様満足度向上委員会の話などがとても親しみが湧いた。

仕事とは何か、経営者は何をすべきか、これからの教育はどうあるべきか、そして中学生の君達は(実は中学生に限らないのだが)これからどう生きるべきかなどを、やさしく語りかけてくれる。

北城氏自身の経験を交えての話はとても臨場感があり、また説得力がある。中学生だけに聞かせるのは、まったくもったいない。(だから、この本があるんだけれど・・・)


僕の思いつき

母校に講演に行く・・・なんてのを今年の計画に入れてはどうだろうか。

いくと決めてから、さて何を自分は話せるのか。自分が生徒や学生に何を伝えたいか・・・などを考えるのもいい。

すべては「決めて」から始まる。決めれば、何かが生まれてくる。



オススメ度

★★★★★+中学生に

読んで欲しい方

・社会で活躍する自分の話をしてみたい方
・伝えている自分を感じた方
・プレゼンするのが好きな方

Posted by webook at 20:06 | TrackBack

2005年01月03日

その他大勢から抜け出す成功法則 ~ J・C・マクスウェル

その他大勢の99.9%は何も考えていない(J・ウェルチ)


書籍情報


   
その他大勢から抜け出す成功法則
ジョン・C.マクスウェル 斎藤 孝
三笠書房 (2004/12)
売り上げランキング: 1,012/1012
通常24時間以内に発送


本のひらめき

「成功する人」と「成功できない人」の違いはどこにあるか。それは「思考法の差、考える習慣の違い」にあるという。その違いは何か?本書には11の思考法が解説されている。

「現在のあたなは、過去の思考の産物である。
 そして明日のあなたは、今日何を考えるかできまる。」(ジェームズ・アレン)

「人は心に思い描いているとおりの人間になる」(ソロモン)

「仕事やプロジェクトで得られる成果は、リーダーが設定する
 ハードルの高さで決まる」 ハードルの法則(J・C・マクスウエル)

「その他大勢の99.9%は何も考えていないからです。」(J・ウェルチ)

「ゴルフで最も重要なことは明確な目標があることだ。」(W・モブリー)

などなど心に残る名言をちりばめながら人生の成功思考が展開される。

さて、11の思考スキルとはこれだ:

 1)大きな視点でものごとを見よ! ★
 2)エネルギーを注ぐ対象を厳選せよ★
 3)クリエイティブな自分を楽しめ ★
 4)現実を客観的にとらえよ
 5)作戦を立ててから事に当れ
 6)何事も前向きに考えよ
 7)経験から教訓を引き出せ    ★
 8)常識を疑ってかかれ
 9)人の頭を使え
 10)独りよがりを捨てよ
 11)目的と成果を明確にせよ    ★

★は僕のお気に入りフレーズだ。
今年はこんな風にものごとを考えていこう。

僕の思いつき

本書にはたくさんの名言や引用がある。そして当を得た解説に繋がっている。どうしてそんなに知っているのか?という疑問に著者はこう答えている。
「35年間、来る日も来る日も名著を読み漁り、偉大なアイデアを集め、テーマ別にファイルしてきた。おかげで本の執筆に活かせる・・・」と。

なるほど・・。

今年は、何かのテーマで集めてみませんか? 多分1年後・・すばらしいプレゼントが待っているから。


オススメ度

★★★★★+考える習慣

読んで欲しい方

・今年の抱負を誰かに話したい方
・エネルギーの高まる自分を感じた方
・集団から抜け出したいと思っている方

Posted by webook at 20:07 | TrackBack

2005年01月02日

1日3分「夢」実現ノート ~ 岡崎太郎

夢は育てるもんだ。あっ、なーんだ。

書籍情報

夢が見つからない人のためのシンプルな習慣 1日3分「夢」実現ノート
岡崎 太郎
フォレスト出版 (2004/11/10)
売り上げランキング: 220 / 220
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.86
5 お手軽だけどすごく実践的でパワフルな夢実現法です
5 人生をブレイクさせるセルフマーケティング術
5 2つの宝物が入っています。

本のひらめき

毎年、年の初めには「今年の目標を決めよう」なんて勇んで紙に向かってみたりする。途中まではいろいろ書いてみるのだが、なかなか完成形には至らない。うーん・・・と唸って、また明日。(笑)

この本は、そんな方にとってもおすすめの1冊。夢なんてそうそう簡単に見つかるもんじゃない。「夢は育てるもんだ」というメッセージが新鮮だ。

夢や目標がすぐに言えなくても大丈夫。そんなものは探し出したり、ひねり出すようなもんじゃない、と著者の岡崎さん。

じゃ、どうすりゃいいの?

日々感じたり思ったりする「願い」「憧れ」「やりたい」「欲しい」といったものをやり過ごさない。思いを垂れ流しにしないで、記録して自分の思いを強くハッキリさせよう・・というのが著者のメッセージだ。
モチベーションシートというのがあり、それにちょっとした思いを書いていく。そして、月1でマンダラート(9つのコマ)でそれらを整理すると、だんだん自分(の夢)が見えてくるという。ふむふむ。

もうひとつの大切なメッセージは、「やりたいことと満足な収入の両立はできる」ということだ。つまり、やりたいこと≠消費ではないのだ。やりたいことをしながら同時に収入を得る・・・こんな楽しいことはない。これを目指そうというのも大事なことだ。

今年もすでに(笑)2日終わろうとしている。でもあせることはない。今年1年かけて自分を見つめ、夢を見えるようにするってのも楽しいんじゃないだろ
うか。

1日3分のノートをつけてみよう。(あ、ブログ日記でもいいね)心の中のモヤットしたものが「夢」に変わる日を夢見て・・。モチベーションシート等はこちらにある。


僕の思いつき

急に気が楽になってきた。じゃぁ・・・といわず、せっかくの特別な休日だかだ、ちょっと違う思考回路を働かせてみたい。
一年のカレンダーをみて、いつ何をどうするっていうのを計画してみよう。(大前さんは毎年そうしているらしい)

さて、カレンダー・・・はと。



オススメ度

★★★★★+育てる夢

読んで欲しい方

・いつか自分の夢を語り方
・やりたいことを見つけた自分を感じた方
・夢に日付を入れたい方

Posted by webook at 22:19 | TrackBack

2005年01月01日

小出郷文化会館物語 ~ 小林真理/小出郷の記録編集委員会

最初その動きは、わずか数人の「怒り」から始まった。

書籍情報

小出郷文化会館物語―地方だからこそ文化のまちづくり
小林 真理 小出郷の記録編集委員会
水曜社 (2003/01)
売り上げランキング: 114,162/114,162
通常4~6週間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 ホールを愛する人々によるサクセス・ストーリー


本のひらめき

元旦は、感動の物語からスタート。この本、涙なしには読めない!と保障しておこう。

新潟県北魚沼郡にある小出郷文化会館。大ホールの稼働率94.6%、小ホールは81.2%(平成12年度)という稼働率を誇る。これはほとんど毎日、誰かがこの施設を利用しているということだ。

今はおそらく雪に埋もれているこの土地は、特別な人脈があったわけでも、舞台芸術が盛んであったわけでもないという。なのにこの盛んな文化活動はどのような経緯があって生まれたのか・・・。その秘密が本書に書かれている。

人のつながり、情熱、粘り強さ・・・いろんな要因があったのだろうが、その初動はなんと、わずか数人の「怒り」から始まったという。

ハコモノ行政に対する怒りである。そして、それを正しい方向に推し進めたエネルギーは、関さん、庭山さん、桜井さんといった地域の人の熱い思いと行動力だった・・・。こけらおとしの第九の合唱までの道程は、住民の人たちの汗と感激がそのまま伝わってくる。

ここでは羽田健太郎ヤング・ピプル・コンサートやドイツから招聘したルドルフ・マイスター教授のピアノレッスンなど様々な活動が開かれている。

このノンフィクションストーリーは、多くの自治体の文化活動の模範になるのではないだろうか。
小出郷文化会館はこちら: → http://www.city.uonuma.niigata.jp/bunka/

思わず涙がでる物語は、リアルな世界であるだけに素晴しい。

僕の思いつき

町の大工さん、桜井さんが館長である。この人が町田氏に言われた言葉がいい。

「ホールはね、気違いが3人いればうまくいくといわれています。桜井さん、あなたは、ぜひ気違いになってあと2人気違いをみつけてがんばって下さい。」

そう、なにかのプロジェクトを進めるには仲間がいる。それもとびきり狂ったやつが・・・。そんな仲間を集めるにはどうしたら・・・なんて考えてみるのもいいね。

ところで、今年はどんなとほうもないことをやりたいですか?



オススメ度

★★★★★+感動が響く

読んで欲しい方

・感動物語を話したい方
・頭がクルクルするほど高鳴る自分を感じた方
・地域振興を企んでいる方

Posted by webook at 23:05 | TrackBack

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