2003年10月31日

■性別不問。(岩村匠)

iwamura.jpg
  人生何でもやってみるもんだよ。だろっ!

性別不問。】  「性同一性障害」という人生

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   |著者:岩村匠
   |成甲書房|2003年 10月
   |ISBN:4880861545|1,400円|
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 今日は、大ピンチ。人様の力を借りちゃおう。
 和田清華さんの了解を得て、ここにある本をご紹介したい。
 
 > ====私には夢がある「起業奮闘記」:和田清華 ~より引用。====
 >
 > 『男に生まれたかった女』
 >
 > 男と女で、どっちが得かといわれれば、私は女だと思う。
 > 子供も産めるし、気楽なことが多いから。
 > でも、その女を捨てたいと、心から思っている「夢ある」のスタッ
 > フがいる。その名も、岩村 匠。
 > 戸籍上や体の性別は女。自分で感じる心の性別は男。
 >
 > 確かに。
 > でも社会的に見るとおかしい。
 > 私たちは普段感じないが、性別に関していろいろな規制があるのだ。
 > 結婚にしろ、女性ナントカ法にしろ・・・。
 > とにかく、いろいろ葛藤して、自分とも社会とも戦っていたらしい。
 >
 > そんな葛藤からまだ抜けていないときだったと思う。
 > 「夢ある」的新年会ということで、スタッフがそれぞれ講演をする
 > という、自分講演会を開催した。今年のはじめだった。
 >
 > そこで彼はこう語った。
 > 「オレは、今年中に本を1冊出す。10年後にはハリウッドの脚本家に
 > なっている」と。
 > 誰もが、「は?」と言いたくなるような高いハードルに見えた。
 > 質問も出た。
 > 「今、ライターとしてやってるくらいで、希望の光は見えない。
 > なのになんでそんなに高い目標を10年間もかかげられるのか」と。
 >
 > 彼は答えた。
 > 「10年間、本気でやってダメだったらあきらめる。
 > でも10年間、本気でやってできないことはないと思う」と。
 >
 > 明言どおり、頼まれてもいない原稿をひたすら書き続ける毎日。
 > 出版社に原稿を持ち込んでも、断られることも多かっただろう。
 > しかし、1社、「オモシロイねー」と目をつけてくれる出版社が現れ
 > なんと本を出版することになった。
 > そして、10月20日、本が発売された。
 > 「性別不問。」
 >
 > 「枠にとらわれず、自分らしく生きよう!」というメッセージが、
 > 「性別」という枠をテーマに、書かれている。
 > 言ったことは実現する。 
 > それをまざまざと私も感じた。

 うーむ。夢はやっぱり実現するもんだね・・なんて思えたらいいね。
 夢を実現するためには、とりあえず動いてみることだね。

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   ★☆★☆★+不問!

 
   ・規格外の人生を楽しみたいという方
   ・行動力をつけたい方
   ・履歴書に性別欄があることを、一度でもギモンに思った方

Posted by webook at 21:42

2003年10月30日

■自分づくりの文章術(清水良典)

jibundukuri.jpg書くことは楽しい!   

自分づくりの文章術
 
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   |著者:清水良典
   |筑摩書房|2003年 08月
   |ISBN:4480061282|700円|219P
   =========================================

 文章を書くのはどうもしんどい・・・。僕は子供のころからずっとそう思っ
 てきた。大人になってもそれは同じ・・・。

 書くことは楽しいなんて・・・思えるようになったのはつい最近のことだ。
 誤字脱字ばかり、主語述語のねじれ・・・くどい表現・・まだまだいろいろ
 改善点はあるけれど、最近の最も大きな変化は、「楽しい!」っていうこと
 を「実感」していることだ。
 出せば楽しい!(おっと、勘違いしないでね:笑)

 清水さんもこう言っている。「いろんな約束ごとがうるさいし、自分の内面
 や教養までがもろに評価されかねないのは相当の重圧だ。…それでも、迷っ
 たり悩んだりしながら、結果的に書けたときの歓びは格別である。」

 なぜか?

 「それは、文章を書くことがとりもなおさず「自分」をつくることだから」
 だという。窮屈観を感じないで楽しみながら書くためのコツを伝授する。

 いくつかユニークな分析がある。例えば・・
 文章を書くという行為は、圧倒的に外部から強いられて書くことが多い。
 学校の感想文しかり。会社のレポートしかり。これらを「奴隷の作文」と著
 者は言う。
 また、現代は活字離れだ・・というが、実は「活字まみれ」だともいう。
 そういえば、漫画だって、活字がなければ通じない、TVは画面にテロップ
 が出ることが多い・・などなど。たしかに「まみれ」といってもいいかもし
 れない。携帯メールもそうだね。

 書いて出す(発信・発表する)ことは、自分を見つめる作業になる。そして
 書くことが楽しい・・そんなふうになったらいいね。
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   ★★★★+奴隷の作文から脱出

 
   ・書くのって面倒くさいっていう方
   ・書きまくっている方
   ・清水良典ファンの方

Posted by webook at 18:52

2003年10月29日

■百式ナイトフルスロットル(百式管理人)

100logo.gif
百式ナイト! 発想が弾けまくるぜぃ!
百式ナイトフルスロットル】セミナーレポート
          海外サイトから学ぶ発送の数々
 
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   |著者:百式管理人(田口元)
   |発行:100式ドットコム
   |2003.10.24|3000円|82P
   =========================================

 今日は特別だよ!。とっても弾ける内容があるレポートをご紹介。
 田口元さんのセミナーを活字で再現したレポートだ。いや、これがなんだか
 ほんとに臨場感タップリですごいんだわぁ。

 2003.8.15に東京で行なわれた「百式ナイトフルスロットル」セミナーを実
 況中継風にまとめた異色のレポート。百式ナイトに行ったことない人もすん
 ごく臨場感をもって読める。だから楽しい。そして刺激が弾ける。
 
 出来事やモノゴトに意識的に対峙することを薦めている。行動につなげるた
 めだ。毎日利用する同じエレベーターにしても、今日は違うことを起こすぞ
 って意識は、(大げさに言えば)人生を変える。そんなトレーニングもしな
 がらこのセミナーは進む。

 中身?

 うん、ちょっとご紹介しちゃおう。田口さんがこれまで紹介してきたサイト
 の中で「これは!」という発想刺激サイトを6つ紹介。そして、関連サイト
 にも刺激を広げ、最後にちょんと「やってみない?」と背中を押す。
 「このサイトから得られる発想」「関連サイト」「クリエイティブ・エクサ
 サイズ」という3段構成のスタイルだ。

 例えば、BananaSLUGという検索サイト。検索語にランダムな言葉
 を付け加えて、自分の気付かなかった発想を広げてくれる検索機能だ。
 あるいは、運のいい人悪い人の違いを研究した書籍のサイトで、Luckー
 Factor.co.uk
というのもある。

 みんな、ちょっとした「へぇ」の驚きがあるのだが、さらに田口さんらしい
 楽しい発想が波紋のようい広がるのが魅力。最後にちょっと僕も・・と思え
 るのがいい。刺激、発想、行動、実感・・そんなレポートだね。

 「今までと何か違う」ものを得るために、是非読んでみたい。
 (あ、言っとくけど、3000円は安いよ!)
 ホウセンカみたいにポンと弾ける音がするから・・。  
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   ★★★★★+今までと違う!☆

 
   ・百式メルマガを読んでるっていう方
   ・発想法とかに興味ある方
   ・ここらで人生を考えてみたい方

Posted by webook at 22:42

2003年10月28日

■サービス哲学(窪山哲雄)

service=philosophy.jpg
 キーワードは、「は」と「ほ」  

サービス哲学

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   |著者:窪山哲雄
   |オーエス出版|2003年 07月
   |ISBN:4757301804|1,500円|247P
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 石ノ森章太郎の漫画『ホテル』を読まれた方は、その中に登場する東堂マネ
 ージャーをご存知のはず。テレビ(TBS)でもドラマ化された。

 その東堂マネージャーのモデルとなったのが本書の著者、窪山哲雄さん。
 東京ベイヒルトン、ハウステンボスホテル事業部などを経て、現在は、奇跡
 の復活をとげているザ・ウィンザーホテル洞爺で活躍中だ。
 日本のホテル業界で、この方の名前を知らない人はいない。そんな伝説のホ
 テルマンが語るサービスの哲学である。

 常にお客様と社員に視点を置いたサービスの極意は「愛情」だという。
 どこまで、その人(お客様、従業員)の気持ちになりきれるか・・・それが
 心のこもったサービスになるか、ならないか・・・を決める。
 これまで著者が経験してきた、感動や苦労(それもやがて感動や共感に変化
 するのだが)のエピソードがいい。

 6名様ほどの高齢のグループ客が、レストランでの対応にクレームをつけ、
 先の日程をキャンセルしたいと言い出した。それをエレベーターで聞きつけ
 た窪山さん。さっそく「トップが腕をまくり」「事実を確認し」「心をこめ
 」「組織で対応」したことが、そのお客様に感動を呼ぶことになった。
 クレーマーがファンに変わる瞬間だ。そんな様子もビビッドに活写されてい
 る。

 お客様が「はっ」としたり「ほっ」としたりするサービスは、コトつくりの
 時代には欠かせない要素。窪山さんは、このふたつが口癖だという。

 窪山さんのサービスに対する考え方、人との係わり、そして生き方を纏めた
 本である。知り合いの奥さんは、以前窪山さんと働いたことがあったといっ
 ていた。やはり、存在感があったらしいねぇ。
 サービス業の成功は99.9%人であるという。確かに。今は、人を育てる
 ことで恩返しをしたいという窪山さん、ホテル学校まで作ってしまった。
 「企業に愛された人は、お客様を愛することができる」というのは人を育て
 る窪山さんの哲学だ。
 まだまだ目がはなせない方である。 

 ウィンザーホテル洞爺に、この冬行ってみようか・・・。
 東堂さんに会うために。
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   ★★★★+三福

 
   ・この冬どこへ行こうか迷っている方
   ・サービス業に興味ある方
   ・サービスの極意を覗いてみたい方

Posted by webook at 12:27

2003年10月27日

■本田宗一郎に学んだホンダのヒトづくり・モノづくり(亀山清隆)

honda=kameyama.jpgバイク、自動車、ロボット、ジェット機・・・

本田宗一郎に学んだホンダのヒトづくり・モノづくり

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   |著者:亀山清隆
   |出版社:実業之日本社|2003年 08月
   |ISBN:4408105481|1,600円 |
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 しかし、ホンダってほんまに面白い会社である。先月10日、長野県で開
 かれた飛行機シンポジウムでは、かなり衝撃的なプレゼンを目にした。
 ホンダはビジネスジェット機を開発中で、まもなくテストフライトを実施
 するという。現在進行形の開発物語をそのプロジェクトリーダーである藤
 野さんが発表したのである。すげぇー!というのが率直な感想。
 活き活きとそのプロジェクトに取り組んでいる人たちに、モノづくり、ヒ
 トづくりのホンダを見た思いがする。

 本書は、ホンダ元ホンダマンが語るホンダDNAの物語だ。
 創業者の本田宗一郎のエピソード、本田氏と二人三脚だった藤澤武夫のエ
 ピソードを中心に、ホンダという「情熱」企業の源をたどっている。

 破天荒で天真爛漫でそれでいて人間をとことん追及する技術屋を貫いた本
 田宗一郎という人間は、いまなおその魅力に陰りがない。
 この本は、そんな創業者に間接的に会える本である。

 「お客さんに迷惑をかけるようなものをつくるんじゃねぇ!」と怒鳴って
 いたという本田宗一郎は顧客満足などという言葉が流行るはるか以前から
 ユーザーに親切なモノヅクリを考えていたようだ。次の言葉は、宗一郎ら
 しい肉声か感じられる。

    モノをつくるときには、それといちばん長いことつきあわなきゃ
    ならねぇヒトのことを考えろ。いちばん長いのはお客さんだろ。
    その次は売った店の修理工だろ。その次はウチの工場の人間だ。
    作り出した本人のくせして、いちばん短いのは設計者だ、ずっと
    使う人のみになって、考えたら不親切なモノなぞ設計できねぇは
    ずだ!
 
 常にお客様と世界を目線の向こうにおいていた創業者。本田宗一郎という
 ヒトはすごいおっちゃんだった。そこに育った人たちもはやり原点は本田
 宗一郎という人間ということだ。

 「オレはオートバイやクルマをやったが、本当にやりたかったのは飛行機
 なんだよ」といった本人がかなえられなかった夢は、後継者達が着実にそ
 の夢の実現を推し進めている。
 この会社、「情熱」っていう言葉がほんとに似合う。

 バイク、自動車、ロボット、ジェット機・・・とモノづくりのメーカーは
 同時にヒトづくりの会社でもある。底流にあるものは、本田宗一郎の情熱
 =DNAだろうか。

 ちなみに僕は、ホンダCRVに乗っている。
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   ★★★★☆+ホンダらしさ

 
   ・ホンダが好きだっていう方
   ・アシモに興味ある方
   ・ホンダのジェット機に乗りたいという方

Posted by webook at 07:39

2003年10月26日

■免疫革命(安保徹)

meneki=kakumei.jpg
  世界にひろめたい医療革命書

免疫革命

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   |著者:安保徹
   |講談社インターナショナル|2003年 07月
   |ISBN:4770025173|1,600円|286P
   =========================================

 この書はまさに医療革命の本である。
 抗生物質が出たとき結核や肺炎は不治の病から治る病になった。ジェンナー
 が免疫システムを明らかにし種痘が発明されたこともすばらしい貢献だ。そ
 して、それらに匹敵する医療の革新の書が本書である。
 (ちょっと大げさか・・)

 ガン、心臓病、脳卒中などを予防し、時にはこれらから治癒、生還する新た
 な医術と自己管理法が紹介されている。もし、これで多くの人が不治病から
 生還したら、10年後くらいにこの著者はノーベル医学賞?を受賞している
 かもね。

 免疫力が上がると、病気が治癒に向かうのはなぜか?免疫学者の著者が解き
 明かすそのメカニズムは、ナルホドと分りやすい。
 赤血球、白血球までは知っていても「顆粒球」というものについては知らな
 いのが普通ではないだろうか。顆粒球とは白血球の中の1種で、体の中に侵
 入した細菌や異物をたべて体を護る大切な役割をもつ。
 人に対するストレスが大きいと交感神経が活発になり、顆粒球が増加し粘膜
 破壊や病気の原因になるというのである。「病は気から」は経験的に納得の
 いく言葉だが、その仕組みを明らかにしたのがこの本だ。

 人は自分で病を治す力(自然治癒力)がありこれを科学的計測でフォローす
 る方法が示されているところに説得力があるね。

 本書の方法を100%活用する治療は保険の点数を上げないので、医師の了
 解はすぐには得られないかもしれない。とすれば患者の側で勉強し、この新
 しい免疫療法を活用してみるしかないか・・。本当に医療革命を起こすため
 にも、医学関係者の方もぜひ読んでおいてほしい一冊。
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   ★★★★★+顆粒球

 
   ・ガンにはなりたくないねぇって方
   ・身内や友人にガン、アトピーなどを抱えた人がある方
   ・医師、医学生の方

Posted by webook at 10:30

2003年10月25日

■「感性の扉」をひらく秘密の法則(尾坂昇治)

kansei.jpg感性ってデータ処理能力だったのか。
「感性の扉」をひらく秘密の法則
トップクリエイターが明かす!

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   |著者:尾坂昇治
   |PHP研究所|2003年 09月
   |ISBN:456962894X|1,300円 |182P
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 著者は、Loft・無印良品、浅草ROXなどの業態開発プロジェクトや商品
 開発、コンテンツ開発など多くにかかわってきた人である。
 本書は、そんなトップクリエーターが「感性」「発想力」「時代感覚」と
 いう3つの感性をひらく鍵を指南しようという本である。

 さて、感性とは何だろう・・・。ふつうは「あいまいなもの」「つかみど
 ころのないもの」といった印象があるが、著者は、感性の正体は実は「デ
 ータ処理能力」だという。ということは、つまり磨けるということだ。
 
 本書では、感性やセンスを磨く基本的なやりかたを指南する。次のような
 基本法則をまもればたいていの分野での感性やセンスはよくなるという。
  1)ジャンルを決める(ターゲットを絞る)
  2)データを取り込む環境を作る
  3)データを処理し、整理する。
  4)体感する。(データを身体にしみこませる)

 発想力のところでは、「パーツの組み合わせで発想量が飛躍的に伸びる」
 「逆から考えよー見えないものが見えてくる」「無駄と思える作業をくり
 かえせーひとつくらいはいいものがある」など、なるほどーというものが 
 ある。ただし、このあたりは「考具」(加藤昌治著)のほうが面白いね。

 感性(センス)って、みがけるもんなんだぁーというのが本書のキモであ
 る。さて、どんなジャンルで磨こうか・・・。
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   ★★★+データ処理能力

 
   ・センスがいいねぇっていう方
   ・感性に興味ある方
   ・創造力を高めたいと考えてる方

Posted by webook at 17:08

2003年10月24日

■星野仙一の「GM型」常勝革命(豊田泰光)

hoshino=GM.jpgこの人も「人たらし」らしいね。

星野仙一の「GM型」常勝革命

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   |著者:豊田泰光
   |出版社:講談社|発行年月:2003年 08月
   |ISBN:4062120739|本体価格:1,500円
   =========================================

 タイガースの優勝マジックが点灯したころから、星野監督関連の本がワサ
 ワサと出版された。アマゾンで検索すると37も出てくる。

 本書もその一つ。今は解説者の豊田泰光さんが星野監督インタビューや、
 野球評論家としての考えなどをもとに、星野阪神の変貌ぶりを語った本で
 ある。巨人批判や、原、長島、野村、松井などについても毒舌(&饒舌)
 を向けている。

 喧嘩っ早い星野監督、ぶちきれてベンチを蹴飛ばす監督、など直情表現型
 というイメージが強いが、意外に「気配り」「思いやり」などがあり、へ
 ぇと思う面も多い。こういうのは、TVではなかなか表現できないところ
 だ。往年のMVP選手でもある豊田さんの言葉からは、それがいきいきと
 伝わる。「人たらし」という表現がよく似合うエピソードがいくつか紹介
 されている。

 星野監督をGM型だという所以は、開幕前からチームのリストラや選手獲
 得に主導的な働きをしたことのほか、こんなエピソードもあるという。
 雨で試合が中止になったら選手を出口に並ばせ「また来てください」と声
 をかけさせる。あるいは、3塁側のオレンジシートの入りが悪いと見るや
 オペラグラスを配らせたりと・・・お客様の視点もしっかりマネージして
 いたようだ。(これ、BSCセミナーで使えそう・・・笑)

 タイトルからは、かなりマネジメント的な分析や知見を期待させるが、
 星野監督の人となりや、エピソードを楽しんだほうがいい本だね。
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   ★★★+予言どおりだ!

 
   ・タイガースファンの方
   ・日本シリーズに熱い応援を送っている方
   ・阪神の来年を考えたい方

Posted by webook at 23:49

2003年10月23日

■君はやり手だ!(ピーター+アラン)

yarite.jpg

水鳥は、水面下で必死に足をかいていた・・・。

君はやり手だ!

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   |著者:ピーター・B.カイン/アラン・アクセルロッド
   |出版社:幻冬舎|発行年月:2003年 09月
   |ISBN:4344003985|本体価格:1,048円 |150P
   =========================================

 「ガルシアへの手紙」と言う本があった。あのノリに近い本である。
 とにかくやり遂げます!という部下のがんばり力を鼓舞する内容だ。

 僕は、いまいちこういうノリが肌にあわない。

 むしろ、上に立つひとが模範や雰囲気を作り、「頑張ってみようか!」
 っていう気持ちが職場の仲間に湧き上がるほうがいいんだけど・・・。
 
  「おい、見ろ!、あいつはこんなスバラシイ業績を出している。」
  「みんなもマネしてみたらどうなんだ!」

 みたいな、高みからのモノを言う姿勢は、どうも・・・

 物語は、1921のサンフランシスコ。木材卸と海運業で成功を収めたキ
 ャッピー・リックス名誉会長と、それらの事業を任されている社長、そし
 て、そこに現れた退役軍人ペックのお話だ。 ペックは、やり手のセール
 スマンで、まず自分を雇ってくれと売り込み、キャッピー会長に認められ
 て職を得ることになる。クズモノの木材を売り歩くことになるが、みごと
 立派な業績をあげてみせる。
 こいつは、たいしたやり手だ(ゴーゲッター)ということになり、青い壺
 のテストをされることに・・・・。ペックはさんざんな思いをしながらも
 なんとかその奇妙な課題を成し遂げる・・・。
 そんなストーリーだ。

 少々時代がかった舞台装置と、やらせてやろう・・という高みからの視点
 がちょっと鼻にかかるなぁ・・。
 でもまぁ、物語としては面白い。
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   ★★★+青い壺

 
   ・やり手だと言われてる方
   ・セールス担当の方
   ・人材養成を考えたい方

Posted by webook at 09:18

2003年10月22日

■日本列島快走論(山崎養世)

nihonnretto.jpg
 この本、歴史に残る一冊になるか!?

日本列島快走論
    高速道路を無料にして日本再生へ
   =========================================
   |著者:山崎養世(やまざき・やすよ)
   |日本放送出版協会|2003年 09月
   |ISBN:4140808160|1,400円|249P
   =========================================
 
 「日本列島改造論」を著したのは、いまは亡き田中角栄。日本が経済的に
 豊かになるグッドタイミングに出た本である。明暗さまざまなものを残し
 た田中角栄だが、今もその行動力や功績を評価する人は多い。

 さて本書。カイゾウロンから濁点をとっってカイソウロンとしゃれている
 が、中身は目からうろこの日本再生論である。
 ゴールドマン・サックスのトッププレイヤーとして活躍した金融マンが、
 高速道路を無料にすることが停滞する日本をゲンキにする妙薬だと力説す
 る。

 東京湾横断道路、明石大橋など一見便利になったように見える高速道路の
 インフラ整備は、高い利用料が災いして十分に生かしきれていない。
 本来、無料にすることを目論んでいた高速道路(実は、法律にもそう書い
 てある!へぇー)は、未来永劫・・タダにはなりそうもない。
 そんな中、世界に目を転じれば、米国のフリーウエィ、英国、ドイツなど
 の高速道路など基本的に無料であり、そのインフラ整備が経済や社会の発
 展に生かされていることに気がつく。無料は世界の常識だったか・・・。

 本書は、日本の高速道路整備のあり方を見直し、無料の高速道路実現が、
 経済や生活スタイルに好影響を与えるはずだと主張する。そして、その実
 現のための具体的施策を提示している。ポイントは、道路4公団が抱える
 40兆円の借金を世直し国債で肩代わりすること、そして、出入り口を大 
 幅増設することだ。

 今般の衆議院選挙では、高速道路を3年以内に無料にします!とマニフェ
 ストに謳った政党がある(民主党)。この本はそのマニフェストの原点だ。

 この本の著者は、自身のビジョンを実現するために、徳島県知事選挙に出
 馬するなど、政策実現の具体的なアクションも起こしている。みずから体
 を張って臨んでいる。その気概がスバラシイ。
 ちょっと応援してみたいねぇ。

 日本列島改造論とは別の意味で、日本の歴史に残る一冊になるかも・・
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   ★★★★★+高速無料

 
   ・高速道路は高いぜっていう方
   ・選挙マニフェストに興味ある方
   ・道路公団について一家言ある方

Posted by webook at 20:18

2003年10月21日

■償却済社員、頑張る(安土敏)

shoukyakuzumi.jpg
  人間にも原価償却があるの?
【償却済社員、頑張る】

   =========================================
   |著者:安土敏(あづち・さとし)
   |講談社|2003年 07月
   |ISBN:4062119285|1,800円| 349P
   =========================================

 企業にお勤めでそろそろ定年・・・
 ついこの前、定年を迎え今は自由の身さ・・・
 そんな方、この本を是非お読みいただきたい。もちろん、若い方もとても
 興味深く読める。(なにせ、やがては自分のことかもしれないから)

 本書は、ある商社(大日本物産)を定年退職した元総務部長、出雲修平を
 主人公に、企業を卒業したいわゆる「償却済み」社員の夢と挑戦を描いた
 物語である。

 修平は、定年後は濡れ落ち葉的なおじさん。家の中では居心地が悪い。
 運転免許を持たなかった修平は、ある日ゴルフの帰りに悔しい思いをする。
 会社時代からの腐れ縁が続く近藤悠太郎にそそのかされ、運転免許をとろ
 うと決意する。元経理部長だった近藤悠太郎は、悠悠自適でいつも修平を
 ひやかしては面白がっている。

 近藤のほか、大日本物産の水があわず、半ばイジメにあって早期退職をし
 た「教授」こと鷲津、退職後に惣菜屋チェーンで成功している「ヒトマロ
 」こと財前、修平がむかし愛情を抱きながら悲運の別れをした里実、など
 が登場し、償却済み社員の人生模様を彩っていく。
 元総務部長だった修平が、惣菜屋チェーンの社長をしているヒトマロに、
 自分を総務部長として雇ってくれまいか・・・と頼み、一蹴されるシーン
 は悲哀を感じさせる。

 たくみに張られた伏線や時を経て再燃する恋心などが織り込まれ、どこに
 でもありそうなストーリーでありながら、ワクワクさせてくれる。そして
 、どこか自分のことのような錯覚を誘うところがこの物語の秀逸なところ
 だ。思わずクスリとしてしまうところがなんともいえない。

 定年後の人間達が、俺たち原価償却済みだけどわずかながら残存簿価があ
 る。したがって、それをたてに会社のフリンジベネフィットを利用しても
 いいんじゃないか(これを社価という)。役職定年をした人にありがちな
 おしゃぶり精神をちょこっと揶揄する。一方で価値ある人材をまるでモノ
 のように償却あるいは除却してしまう企業のありかたもチクリと批判する。
 
 そして、なにより人生にチャレンジして生きていく楽しさや喜びをそこは
 かとなく表現しているところに爽快さを感じる。自分自身や家族とも向き
 合う発見もいいねぇ。映画やドラマにしてみたい作品である。

 本書はスーパー・サミットの元会長の作品。BOOKS GORO店長の
 今さんのオススメで買った。いや、すんごく面白かった!

 今度、安土さんに会いに行こう!(今さん安土さんによろしく)
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   ★★★★★+償却済み!?

 
   ・そろそろ後定年を迎えるっていう方
   ・悠悠自適な生活の方
   ・初老の人生を見つめてみたい方

Posted by webook at 12:24

2003年10月20日

■社長をだせ!実録クレームとの死闘(川田茂雄)

shachowodase=claim.jpgおりゃぁ、社長ださんかい!  

社長をだせ!実録クレームとの死闘

   =========================================
   |著者:川田茂雄
   |宝島社|2003年 08月
   |ISBN:4796634746|1,400円|239P
   =========================================

 クレームを言いたくなる時は、どちらかといえば感情的になっているから
 それを受けるほうは大変だ。冷静に、クールに、ときには強気に、時には
 寝技で・・・と苦労が絶えない。
 本書は、カメラメーカーのサービスセンターで日夜クレームと向き合って
 きた著者が書き起こしたまさに死闘の記録である。
 社会や人間性がクレームを通じて見えてくる。

 世の中いろんな人がいる。著者の川田さんが長らくクレーム処理に係わる
 ことになったのは、あるヤクザまがいのお客様に対応したことがきっかけ
 だった。身も凍りつくような場面を誠心誠意で切り抜けた川田さんは、以
 後「川田はクレーム処理がうまい」という評判が立ち、この世界に長く留
 まることになる。

 本書にはクレーム形態と人間のタイプが類別され、臨場感をもって紹介さ
 れている。読者も胃がいたくなるほどだ・・・。まさにクレームと格闘し
 たきた記録である。

   金品の要求(拡大損害賠償請求)・・・・・・ごね得型
   自身のプライド復活(謝罪要求)・・・・・・プライド復活型
   上位者と話をしたい、特別扱いを要求・・・ 特待要求型
   小さな問題でも徹底的な事故解析を要求・・・真理追求型
   理想実現のために企業を動かしたい・・・・・自己実現型

 などなど様々だ。冒頭にあるゴネ型クレームなど、読んでいると対応する
 側に同情したくなってしまう。

 常識的な世界なら顧客満足は大いに推奨すべき事だが、そこに人間の欲や
 異様な感情が混ざるとややこしくなる。しかし、製品やサービス提供側は
 とことん誠実な対応が必要になる。本書には、かなり極端なケースも紹介
 されているが、クレームを言う側といわれる側のホンネのぶつかり合いは
 生活者主体の世の中で何が起こっているかが見えてくる。
 クレームから世の中を覗いてみよう・・・。
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   ★★★★+実録

 
   ・クレーム処理部門にいるっていう方
   ・他社のお客様苦情対応に興味ある方
   ・人間について考えたい方

Posted by webook at 18:27

2003年10月19日

■「人望」とはスキルである。(伊東明)

jinbo=skill.jpgスキルと思えばがんばれるかも・・
「人望」とはスキルである。
      惹きつけ、動かし、成功を収める5大心理技術

   =========================================
   |著者:伊東明
   |光文社|2003年 07月
   |ISBN:4334007562|848円 |284P
   =========================================

 『人望』といえば、なんとなくその人の全人格的なもので、大切なことだ
 けど、生まれつきとか性格だとか、自分には縁遠いものだという印象がつ
 よい。あの人みたいに人望があって信頼される人になりたいけど、そう簡
 単じゃないよなー・・・と思ってしまったり・・・。

 本書は、人望とはスキルだという発想の転換を図ろうというのがポイント
 である。
 リーダーシップ、信頼、説得力、コーチング・・・などなど構えることは
 ないのだという。つまり、
   人望とはスキルであり、いくらでも学び、伸ばせる
   人望の習得は英語のレッスンと同じ
 というわけだ。
 定義だなんだではなく、簡単なところから始めてみましょうよということ
 なのだ。

 ほめる、しかる、動かす、励ます、目標となる・・そんなテーマで、具体
 的なダイアログ(対話)を紹介しながら人望レッスンが展開する。

 コーチングやリーダー論を、「気楽にやってみる」という切り口で書いた
 本である。

 書き留めておきたい実践のヒント(ほめる:から)
   ほめるということを大げさに捉えてしまう方には
   『君は、先週、出張で札幌へ行ってきたんだったよな』
   という簡単な対話も十分「ほめる」ことになるという認識を
   もってもらいたい。
   ほめる=相手をきちんと見ている という発想の転換だ。

 人望強化トレーニングを始めてみよう・・・。
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   ★★★★+スキルと思えば

 
   ・あたしゃ人望がほしいっていう方
   ・コーチングに興味ある方
   ・人を伸ばすことを考えたい方

Posted by webook at 09:43

2003年10月18日

■江戸時代新聞(大石学)

edo=shinbun.jpg『新聞』という表現方法があったか!

江戸時代新聞

   =========================================
   |著者:大石学
   |小学館|2003年 09月
   |ISBN:4096261297|2,200円| 223P
   =========================================

 ものごとは、見せ方や表現方法を変えると急に面白くなったりする。
 企画書もメモも教科書も・・・。
 本書は、江戸時代を「新聞」の形式を借りて同時代的に捉えてみようとい
 う試みである。新聞という形をとっただけで生き生きとしてくるから不思
 議である。

 徳川氏が関が原の合戦に勝利した慶長5年(1600年)から、明治元年
 (1868年)までの269年間を新聞で振り返るものだ。

 第一号の一面は『東軍、関が原で大勝利』とある。戦いの布陣や合戦の模
 様を描いた屏風絵などが写真代わりに掲載されている。
 石田光成のインタビュー記事、慶長大判小判鋳造の経済ニュースや、小早
 川秀秋の<おくやみ>記事もある。
 なかなか面白い記事編集になっていて、歴史を楽しむことができる。
 ただし、さすがに広告記事はない。笑

 田沼意次失脚(1784-86年の記事)では、田沼意次解任のニュース
 は江戸市中を駆け抜けた。・・とある。なんか雰囲気がつたわるねー。
 今なら道路公団の藤井総裁更迭の記事だけど、あの雰囲気では歴史の教科
 書には残れないか・・・・。

 編集方針は、1)正確な記述、2)日常的変化への目配り、3)地域の視
 点を大切に、というもの。

 覚える対象だった歴史が、へぇーの楽しみを抱えたエンターテインメント
 に変身している。学校の教科書もこんなんだったらなー。 

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   ★★★★+同時代的

 
   ・歴史大好きっていう方
   ・江戸時代に興味ある方
   ・表現方法を考えたい方

Posted by webook at 14:15

2003年10月17日

■「ない」といわれたところに市場はあった!(川北義則)

kawakita=nai.jpg

そおかぁ、ないところにはあるもんだぁ!

「ない」といわれたところに市場はあった!
   なぜ売れるのか?気がつかなかったこの着眼点
   =========================================
   |著者:川北義則
   |PHP研究所|2003年 10月
   |ISBN:4569630898|1,200円 |242P
   =========================================
 
 世の中不思議なものだ。デフレだ、不況だといっても売れるものは売れる。
 「博多から3時間半もかかる不便な黒川温泉に、なぜ客が足を運ぶのか?」
 「雑貨屋さんのような書店らしくない書店がうける理由はなぜか?」
 などなど時代の波の行方を分析。とっても楽しいトレンディが詰まっている。

 時代のキーワードがいくつか見えてくる。たとえば、

  「ゆったり、のんびり、贅沢に」 ~黒川温泉@熊本県阿蘇郡
  「ごく普通の人がハマるこだわりの高額消費」~フジイの鞄
  「ニッチ・少量・高付加価値・高価格」~アレッシーのやかん(ケトル)
  「希少性の演出」~IBIZA/吉田オリジナル
  「切り口を買えた和系の潜在需要」~茶通人自然の問屋/流木
  「ワンラックアップの懐かしさ」~ライカM7
  「中高年市場は、懐古、愉楽、求知、抗齢、リセット」
  「私だけのモノやコト」~常陸野ネスト(木内酒造)

 綾小路きみまろのブーム、サウスウエスト航空のユニークなサービス、
 遊べる本屋ヴィレッジバンガード(名古屋)など、トレンディなものを著
 者の分析で面白く紹介している。

 読んでてふと思った・・・。TV東京のトレタマ・・・みんな見てるよね。
 あれをただぼーっと見てるんじゃなくて真剣に掘り下げて1年見つづけた
 ら一冊本が書けるなぁー。どー、あなたやってみない?
 ・・・なんてことをふと思わせてくれた本である。

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   ★★★★★+あるねぇ~

 
   ・今起きている未来を覗きたい方
   ・ビジネストレンドの1/4歩先に関心ある方
   ・ニッチを探してるっていう方

Posted by webook at 08:21

2003年10月16日

■日本が100人の村だったら(水野かおる)

100nin.gif
把握しやすい大きさってあるねー。

日本が100人の村だったら
今の日本昔の日本
   =========================================
   |著者:水野かおる
   |データハウス|2002年 03月
   |ISBN:4887186568|780円 |
   =========================================
 
 もしも○○がxxだったら・・という本は、いろんな種類の本が出た。
 この本は日本が100人の村だったらということで、時間軸上で日本社会
 の変化を捉えてみようという本だ。
 産業人口、車やテレビなど耐久消費財、寿命、教育、出産・・・様々な事
 象を100年ほど前と現在を比較する。
 わずか100年ほどの間に社会は大きく変わった。

 100年ほど前は日本人の平均寿命は男44歳、女45歳。平均寿命が5
 0歳を超えたのは第二次大戦後1974年になってからだという。
 昔の死亡原因の一番は結核。いま、結核でなくなるのは100人に0.2
 人。医学も進歩した。
 しかし、亡くなる100人のうち3人が自殺者。二十世紀初めにはわずか
 0.6人だったのに・・・。
 
 へぇー。

 もしもシリーズはこんなのがあった・・・

    世界がもし100人の村だったら
    世界がもし100人の村だったら 2 100人の村の現状報告
    日本村100人の仲間たち

 それから、こんなのもあったね。
    1秒の世界 GLOBAL CHANGE in ONE SECOND

 いろんなものを単純な数字におきかえるというのは面白い。  
 人が意識しやすい大きさってあるもんだね。

 へぇーの旅に行ってみよう。
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   ★★★☆+100人

 
   ・単純が好きな方
   ・日本の歴史に興味ある方
   ・もしもを考えたい方

Posted by webook at 21:01

2003年10月15日

■ブサイク犬のなやみ(山村アンジー)

busaikuken.jpg

誰にも悩みはある・・・

ブサイク犬のなやみ

   =========================================
   |著者:山村アンジー
   |新風舎|2003年 04月
   |ISBN:4797425873|1,400円 |
   =========================================

 絵本である。ちょっと元気のない人に、そっと元気をつけてくれる絵本だ。
 子供むけだけど、大人もちょっといけるよ。

 ストーリーは、簡単。

 ブサイク犬というそれこそブサイクな犬がいる。彼は自分がやせっぽちで
 ブサイクでよわよわしいのが悩みのタネ。なんとか変身したいと願う。

 ライオンのようにたてがみをはやしたら強くみえるだろうかと、育毛剤で
 髪を伸ばそうとするが、生えてきた髪は7:3に分かれたサラリーマンヘ
 アになってしまう。大きくなろうといっぱい食べてみると、ただのデブの
 おじさんみたいになったり・・・よけいに落ち込む。
 ますますブサイクになっていく自分にとうとうショックで寝込んでしまう。

 またもとのやせてブサイクな犬にもどり、散歩にでかける。
 いつも通る散歩道には、でっかい犬がいて、そいつとは目をあわせたくな
 いのだが、なんと、そいつに声をかけられてしまう・・・

 そんなストーリー。

 今日は「トリビアの泉」(フジテレビ)がある日。
 だからというわけでもないのだが、終わりはトリビア風にいっとこう。
 
   おびえるブサイク犬にその犬は
   ささやきました。
   「おまえ・・・」

 さてこの後どうなるのだろうか・・。結末は絵本をみてのお楽しみ。ワン。
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   ★★★★+おまえ・・

 
   ・自信なくなっちゃったぁっていう方
   ・コンプレックスがある方
   ・変身願望があった方

Posted by webook at 07:18

2003年10月14日

■バランス・スコアカード導入ハンドブック(ベリングポイント+吉川武男)

BSC=bering.jpg
悩んだときは、開いてみよう・・。

バランス・スコアカード導入ハンドブック
        戦略立案からシステム化まで
   =========================================
   |著者:吉川武男/ベリングポイント株式会社
   |東洋経済新報社|2003年 10月
   |ISBN:4492554912|2,800円| 225P
   =========================================

 ベリングポイント?の戦略コンサルタントが吉川武男教授との共著で、ま
 とめあげたバランス・スコアカードの導入実務書である。

 最近、またバランス・スコアカードの本はいくつか発行されているが、本
 書は、実務の本としていい線(わかりやすく、実用的)を行っている。

 バランス・スコアカードは、業績を評価する仕組みにとどまらず、戦略を
 展開し、実行するための枠組みとして、今、多くの企業・組織から注目を
 あびている。
 バランススコアカードの考え方、その成功と失敗のカギ、導入方法、情報
 システムの具体例など充実した内容が本書にはある。
 
 そして本書の特徴は、なんといっても豊富なKPIライブラリーであろう。
 KPIとはKey Performance Indicator といって、戦略目標の具体的な指
 標である。バランス・スコアカードを導入しようとしたとき結構悩むもの
 だ。基本的には自分で考えればいいのだが、なにか参考があれば助かるな
 ぁ~というのが人情。これからBSCを導入しようと検討中の方にとって
 も参考になるねぇ。

 ちなみに秦さんは、セミナーでご一緒したことがあり、明快な説明がすば
 らしい戦略コンサルタントの方。吉川教授は、日本におけるバランス・ス
 コアカードの第一人者の方だ。とても気さくな方だ。

 さて、この本、本屋さんで手にしてみる気になった?
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   ★★★★☆+KPIだぜぃ

 
   ・BSC導入検討中の方
   ・バランス・・なんとかに興味ある方
   ・自社のBSCをマジで考えたい方

Posted by webook at 08:37

2003年10月13日

■カルロス・ゴーン経営を語る(カルロス・ゴーン+フィリップ・エリス)

gohn=kataru.jpg人も組織も変革エネルギーを内包している。

カルロス・ゴーン経営を語る

   =========================================
  |著者:カルロス・ゴーン/フィリップ・リエス
  |日本経済新聞社|2003年 09月
  |ISBN:4532310857|1,600円|434P
   =========================================

 表紙には和服を着たカルロス・ゴーン。実に様になっている。日産の経営
 をここまでドラスティックに回復させ、失われた10年などとのんきなこ
 とを言っている日本にクールな刺激を与え続けているこの人。日本にとけ
 こもうという経営姿勢があるからよけいに似合う。

 本書の表紙につられて買った人も、その期待を裏切らない内容に満足した
 人が多いことだろう。いろいろと考えたり気づいたりすることが多いから。

 ゴーン自身の著作となる本書は、「ルネッサンス」「カルロス・ゴーンの
 『答えは会社のなかにある』
」に続く3作目だ。他にも多くの人がゴーン
 をルポした本を書いており、重なる部分は多いが、本書は自身がインタビ
 ューに答えて語った言葉が載っており、ゴーンの肉声が伝わるのがいい。

 日産リバイバルプラン、CFTなど独特の言葉は、もはや賞賛の意を込め
 て語られることが多いが、ゴーン着任当初は、コストカッターだの、きっ
 と失敗するだろう・・などといわれていたものだ。

 本書を読むと、ゴーンが、実にいい耳をもっていることに気づく。現場の
 声をよく聞き届け、そして問題点をズバっと整理し、その解決に向けたビ
 ジョンと戦略を示す。そしてもっとも大切な点は、それをコミットメント
 としてガンガン実行するところだ。コミットも実行も縁遠いユデガエルな
 企業にとっては実に颯爽として感じられる。

 カルロス・ゴーンの経営に対する姿勢、考え方、さまざまなものが自らの
 言葉で語られているところが魅力だね。ゴーンがどのようにしてゴーンと
 なったのか、とくと分る本である。経営者必読の本だ。
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   ★★★★★+コミットメント

 
   ・ゴーンさんに興味ありという方
   ・うちにもゴーンに来てほしいという方
   ・おれがゴーンだという方

Posted by webook at 08:41

2003年10月12日

■カラスの早起き、すずめの寝坊(柴田敏隆)

karasu=susume.jpg
人も鳥もいろいろありますなぁー。
カラスの早起き、すずめの寝坊
        文化鳥類学のおもしろさ
  =========================================
  |著者:柴田敏隆
  |新潮社|2002年7月
  |ISBN:4106035154|1,100円| 238P
  =========================================

 これは面白い本である! これまで科学をエンタテーメントにした人は
 動物心理学の竹内久美子女史、歌う大学教授の本川達雄氏のお二人だと
 思っていたが、もうひとりいた。柴田敏隆さんである。
 本書の著者、「文化鳥類学」なる面白いものを見せてくれた方である。

 本書は、鳥達の面白い日常生活を人間さまと対比して、まさに文化鳥類
 学の世界を繰り広げている。

 タイトルをみて、おもわず「へぇー」となって、手にしたのだが、80
 へぇはあるねぇ。

 たとえば、日本人は群れたがりだし、欧米人はオフィスでも個室という
 ように群れるのは嫌いだ。鳥も同じように向触型と離間型がいる。
 ツバメやムクドリが電線にとまると見事なまでに等間隔に並ぶ。つまり
 距離を保つ。一方、ジュウシマツやメジロは、見事に身体を寄せ合わせ
 るという。さて、このごろの電車の中は、ツバメが多くなってきた?

 タイトルにあるようにやはりカラスは早起きでスズメは寝坊のようだ。
 といっても人間ほどではない。確かにカラスは、僕が家を出る頃(4時
 45分頃)にはもう飛び回っている。だいたい夜明け前40分くらいか
 ら活動するらしい。一方寝坊だというスズメはというと夜明け前の5分
 くらい前からうごめくらしい。どっちにしても人間にくらべたら早起き
 だね。

 人間と鳥の間にある機微を描く面白エッセイ。いけてる!
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   ★★★★☆+文化鳥類学

 
   ・バードウォッチング好きな方
   ・鳥に興味ある方
   ・鳥の目線でモノを考えたい方

Posted by webook at 15:22

2003年10月11日

■あの世心得。(永六輔)

anoyo.jpgあの世に行くにも心の準備を!

あの世心得。

   =========================================
  |著者:永六輔
  |出版社:文春ネスコ/文藝春秋|2003年 09月
  |ISBN:4890361855|1,400円 |230P
   =========================================

 永六輔らしい生死観をにじませた人の死に関するエッセイだ。本書には、
 『文芸春秋』連載20年のコラム「蓋棺録(がいかんろく)」から49本
 が収録されている。

 いろいろと面白い内容がある。

 たとえば、お通夜。お通夜で近所の人たちがワイワイやるのは、生き返っ
 てきたら「おぉお帰り」とそおまま宴会に突入するための準備だそうな。
 だから、お通夜に喪服を着ていったり、香典を出すというのは本当は間違
 いらしい。お通夜とは死んだと決め付けちゃいけないアヤフヤな夜だとい
 う。

 戒名。格によって値段が違うらしいのだが、あれは閻魔さまを欺くための
 ものとか。閻魔さまも忙しいから、いちいち「お前はシャバで立派にいき
 てきたか?」なんて聞くのも面倒だ。そこで名前で判断しちゃうというこ
 とになり、名前が立派なら極楽行きのハンコをくれるというわけだ。
 だから、普通に生きた人なら本名でいいと・・・。
 ちなみに永さんは、本名で勝負するから戒名はいらないんだと・・。笑

 新潟の十日町の隣にある「はち」という山間の集落がある。そこの花火
 は、面白いらしい。打ち上げる前に、町内放送が流れるそうだ。
 「次の花火は、xxの亡くなったおばあさんのために、お孫さん一同か
 らです」とか・・・。粋だねぇ。

 横井庄一(グアムに28年潜んでいた元日本兵)、三波春夫(演歌歌手)、
 井深大(ソニー創業者)など多くの蓋棺録は、その人と時代を思い起こさ
 せる。
 そろそろ自分の葬式、お墓、遺言、そして蓋棺録でも準備しますか?
 ・・・まだ早い?・・・備えあれば・・・というじゃない。
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   ★★★★★+あのよぉ

 
   ・そろそろ呼んでるっていう方
   ・お墓に興味ある方
   ・人の生死観を考えたい方

Posted by webook at 08:50

2003年10月10日

■交渉力(HBSP+マイケル・ワトキンズ)

koushou=HBR.jpg
交渉に臨む前に勝負は決まる?

交渉力
  =========================================
  |著者:HBSP/マイケル・ワトキンズ
  |講談社|2003年 09月
  |ISBN:4062120240|1,700円|
  =========================================

 しつこいぞ!といわれそうだが、本日もハーバードの“風”をお届け。
 3冊までにしとくから・・・ガマン、がまん。(笑)

 交渉というと日中交渉とか、企業の契約交渉とかイメージするが、会社で
 も家庭でも日常的に交渉ごとはある。
 それらを体系的に整理し、より戦略的な交渉を進めようというのが本書の
 ねらいだ。

 物事を体系的に理解しておくことは、いざというときに非常に役に立つ。
 アメリカ人は、体系化するのがお得意だ。
 交渉。ネゴシエーションについて、本書はなかなかいいセンスでまとめて
 いる。やはり・・というか「教科書的」ではあるが、うーん、なるほど、
 へぇーという気づきがある。先日来の3冊の中では、僕はこの本が一番面
 白ろかった。
 
 交渉を始めるまえの4つのコンセプトというのが面白い。
   ・BATNA(合意に至らない場合の最善の代替案)
   ・留保価格(当事者が取引に応じる最低価格、条件)
   ・ZOPA(交渉が妥結するゾーン)
   ・利益の交換により創造する新たな価値
 というものだ。雰囲気は、なんとなくイメージできるが、実際に交渉に臨
 むにあたってそれらを心の中であらかじめ整理しておくことが大切だ。や
 みくもにあたって砕けろではなく、こういう準備をしておけば、自信をも
 って交渉に臨めようというものだ。

 本書の巻頭に慶応大学教授印南一路さんの言葉がある。
 そこには、自身がアメリカで研究生活をしていたとき、小学校の娘の演習
 課目に「Negotiation 」があるのを見て驚いたと書かれている。それくら
い米国では、ビジネスのみならず生きるための基本能力として重要視され
ているということらしい。うーむ、恐るべし・・・。

 さーて、今日はかあちゃんに「連休の過ごし方交渉」に臨むか。
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   ★★★★+体系化


 
   ・これからややこしい交渉を控えている方
   ・家庭内交渉をたまには成功させたい方
   ・今度の大型契約を成功裏に進めたい方

Posted by webook at 05:08

2003年10月09日

■創造力(HBRP+ラルフ・カッツ)

souzouryoku=HBR.jpg
クリエイティビティ+リーダーシップ=!!!

創造力
  =========================================
  |著者:HBSプレス/ラルフ・カッツ
  |出版社:講談社|発行年月:2003年 09月
  |ISBN:4062120259|本体価格:1,700円 |
  =========================================

 きのうに続き、今日もハーバードの香りをお届け・・・。
 ハーバード・ビジネス・エッセンシャルズとして出された6冊のビジネス
 スキル本の中から今日は、創造力の本だ。といっても原書のほうは、
 Managing Creativity and Innovation ということで、組織ベースの創造
 力という意味あいが強い。

 ネタ本の原書リストはこちら
  http://www.entinst.ca/HBS=Harvard%20Business%20Essentials.htm

 「ハーバード・ビジネス・スクールは、ビジネスに一番大切なことはクリ
  エイティビティであり、二番目がリーダーシップであるということをい
  いちはやく喝破していた」さらに「こうした教育しにくい分野に堂々と
  取り組んでいた」。エライじゃあ~りませんか・・・
 と巻頭の言葉をのべているのは、自身もハーバードで学んだ堀紘一氏だ。
 この本は、6冊の中で、多分最もハーバードらしい内容かもしれない。

 当然ながら(?)かなり教科書的でかたい雰囲気がある。また、他のシリ
 -ズと同じように事例も登場する。
 よく知られている3Mの15%ルールという不文律(本来業務に関係ない
 ことを仕事時間に行える制度)や、イーストマン・コダックが大衆むけの
 カメラを発明したきっかけなどいつくかの事例があるのも、またハーバー
 ドらしいところ。

 創造や発明、アイデアといったものは、まったく新しいものを捻り出すこ
 とのように思われがちだが、多くはインクリメンタル・イノベーションで
 あることが多い。もちろんラディカル・イノベーションという突然変異的
 なものもある(たとえば真空管じゃなくてトランジスタとか)。
 いずれにしても無からではなく、その前に何かがあってジャンプが大きい
 か小さいかだとすれば、創造とは、やはり既存のものの組合せ、統合、視
 点を変えた応用などで作り出されるともいえる。
 
 組織がイノベーティブになるための工夫、リーダーシップなどマネジメン
 トのための教科書である。 --------------------------------
 

   ★★★☆+創造性

 
   ・クリシン読んだ方 (クリシンてわかる?)
   ・企業幹部(だと思ってる)の方
   ・なんとかこの停滞を打開したいが・・という方

Posted by webook at 08:02

2003年10月08日

■対話力(HBSP+メアリー・ムンター)

taiwa=HBR.jpg

対話力=相手を思う力・・だね!

対話力】ハーバード・ビジネス・エッセンシャルズ

   =========================================
  |著者:HBSP/メアリー・ムンター
  |出版社:講談社|発行年月:2003年 09月
  |ISBN:4062120232|1,700円|186P
   =========================================

 ハーバード・ビジネス・エッセンシャルズとして出された6冊のビジネス
 スキル本の1冊。対話力(Business Communication) の本だ。
 ネタ本の原書はこちら
  http://www.entinst.ca/HBS=Harvard%20Business%20Essentials.htm
 日本語の本はこちら
  http://tinyurl.com/pr9h (楽天ブックス6冊)

 対話力というと、顔と顔をつきあわせた対話をイメージするが、本書では
 多くが文章やプレゼン資料による意思伝達(コミュニケーション)につい
 て書かれており、会話による対話(Dialogue)はちょこっとだけ・・。

 文章によるコミュニケーションでもプレゼンでも、あるいは対話において
 も共通している大切なことがある。
 「目的をはっきりさせること」と「相手の立場をよく思いやること」であ
 る。目的を・・は当然誰でも考えることであるが、相手を思いやるという
 のはなかなかできていないのが現実ではないだろうか?

 話すときも、書くときも独り善がりに進めることがよくある。
   もっと大きい字で書いてくれればいいのに
   もっとわが社の事情を踏まえて話してくれればいいのに
   もっと短く挨拶してほしいのに
 など読む側/聞く側の思いと発信する側の意図はすれ違ったりすることが
 ある。

 組織をまたがる会議案内のEメール、ヘンリー五世が戦場で兵士に語った
 演説などいくつかのケースがあるのは、いかにもハーバードらしいところ。
 やや固め。学校っぽい雰囲気。

 とにかくコミュニケーションは相手のことをどれだけ理解し、真剣に思い
 やっているか・・・そこだけ押させておけばいいねぇ。
 =================================================================

 
   ★★★+相手を思う

 
   ・ハーバードの雰囲気を味わいたい方
   ・コミュニケーションをよくしたい方
   ・伝えたいことがいっぱいある方

Posted by webook at 07:53

2003年10月07日

■デフレに負けないマーケティング (田中洋)

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 何はともあれ、セグメンテーションだ!!

デフレに負けないマーケティング 】14社の成功事例

   =========================================
  |著者:田中洋(たなか・ひろし)法政大教授
  |ダイヤモンド社|2003年 09月
  |ISBN:4478530297|1,600円|277P
   =========================================

 デフレ時代の成功企業(商品)は、何をやってきたのか?についてマーケ
 ティグの観点から迫る。本書は、「売れ続ける仕組み」としてのマーケテ
 ィングは何かを、豊富な事例を取り上げながら掘り下げる本だ。

 上向き経済であれ、デフレ経済であれ、やはり基本が大事だという。マー
 ケティングの基本とは、
   1)セグメンテーション
   2)ブランディング
   3)デリバリー
 である。
 セグメンテーションとは、市場細分化のことで、たとえば「30代主婦」
 ではなく、「30代で子供が小学生以下でかつ社会へのアクティブな働き
 かけを望む主婦」といった捉え方をすることだ。
 ブランディングとは明確なポジショニングともいえる。顧客とのコミュニ
 ケーションでブランドを創りあげる努力のことだ。
 デリバリーは、製品やサービスを届ける過程。
 なかでも著者の主張は、セグメンテーションという基本の基本に重きを置
 いているようにみえる。

 さて、そんな教科書的なことはさておき、本書の面白さはなんといっても
 事例の身近さ、面白さだ。

 誰も売れるはずないと思っていた百科事典(ポプラディア)で大成功した
 ポプラ社、顧客の声を聴き実行に移したはとバスの復活、○△をしてはい
 けないとう禁止戦略でブランド・マネジメントを行っているポルシェ、シ
 ニア層を更にセグメント化して成功したJTB、ヘビーユーザーに的をし
 ぼったBOSS(サントリー)など豊富なケースがある。

 徳島県上勝町の?いろどりが事例として一番楽しい。山で取れる葉っぱを
 ビジネスにして町興し&老人興しをやってしまったユニークな事例だ。
   http://www.joho=kochi.or.jp/johosi/0208/irodori.html

 この本は、マーケティングに触れる楽しい内容がある。
 著者の田中さんはこんな人:
  → http://www.bbt757.com/servlet/ShowLecturer?lecid=0136
 ====================================================================
 

   ★★★★+ケース

 
   ・マーケティングの楽しさを知りたい方
   ・マーケティング部つくるぞっていう方
   ・事例大好きっていう方

Posted by webook at 17:56

2003年10月06日

■商売魂(高塚猛)

shoubaidamashii.jpg
なるほど、商売ってのはこんなに楽しいのか!

商売魂

   =========================================
  |著者:高塚猛(こうつか・たけし)
  |サンマーク出版|2003年 09月
  |ISBN:4763195379|1,600円|206P
   =========================================

 高塚さんの最新刊である。数えて10冊目。

 サンマークの人が高塚さんに迫ったのはこんなことだったようだ。
  「高塚さんは、リクルートでの就職情報誌創刊、盛岡のホテル再建、
   そして福岡3点セットの再建と花を咲かせたが、その土壌に迫り
   たい。つまり高塚さんが少年時代から培ってきた商売魂、商売の
   哲学を語ってほしい」
 というものだ。本書は、まさにそのとおり、高塚さんの商売魂が赤裸々に
 語られている。この本は、今まで読んだ高塚さんの本の中でもとくに感銘
 を受けた。

 10冊の本には同じエピソードも登場するが、何度読んでも気持ちがいい
 のはなぜだろう? 心に清々しいことは何度聴いてもいいからか・・。

 高塚さんの商売魂は、中学のころに体験したアルバイトにまで遡る。お客
 さんに喜んでもらいたいという正直な発想が原点だったのだ。なるほど。

 ・やらなければならない仕事よりも、やったらうれしい仕事をしよう。
 ・商売とは、「勝売」、相手にメリットを与えることだ。
 ・利益は、会社の「きれいごと」の精神を守るための手段である。
 ・社員をできる、できないで区別しない。昨日の自分よりよくなった人は
  みんないい営業マンではないか。
 ・「失敗」ではない、あるのは思い通りにいかなかったという「経験」だけ。

 などなど心にビンビン響く高塚さんの商売魂が、エピソードとともに繰り
 広げられている。お客様、職場の仲間、地域のみなさん・・・人と係わる
 ときの心得は、すべて相手の立場にたって考えるところだ。

 うーん、この方のそばで同じ空気を吸いたいものだ!。
 この本、とても読みやすくてためになる。
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   ★★★★★+勝売商売

 
   ・商いの原点を見てみたいっていう方
   ・ビジネスに元気を呼びたい方
   ・高塚さんファンの方

Posted by webook at 07:47

2003年10月05日

■ひとりのはらに(若林浩樹+斉藤そよ)

hitorinoharani.jpg

こんな暮らしをしてみたい・・・ふとそう思った。

ひとりのはらに

   =========================================
  |著者:若林浩樹/斉藤そよ
  |アルファポリス/星雲社|2003年 08月
  |ISBN:4434034391|1,400円 |69P
   =========================================

 北海道ニセコ。厳しい自然とやさしい自然が織り成す大地の美しさがある。
 本書は、ニセコ在住の写真家若林浩樹さんと詩人斉藤そよさんが奏でるフ
 ォト・ポエムだ。可憐な野の花が、そよさんの詩で語りかけてくる。

 この本のような目線と心で自然と対話できたら・・・いいなぁー。


    ひとりのはらにいるような

    ひとりだけではないような

    すてきなときがここにある

    はじめてひらくこのほんに

    すっかりぼくはみせられて

    しばしたたずむののこみち


 うーん、恋人がいたら絶対贈っちゃうな、このフォトポエム。

 本の世界をネットでちょっと垣間見てみよう。
 こちらは斉藤そよさんの世界:素敵な詩の散歩道がある。
   http://www003.upp.so=net.ne.jp/capverses/

 こちらあ若林浩樹さんの世界:わぁー写真家になりたい!って思うね。
   http://www.woodnote.jp/menu/frame_gallery.html

 秋の日曜日、ちょっと心を空色にしてみようね。
 素敵な世界をありがとう! そよさん!
 ====================================================================
 
   ★★★★★+のはらに

 
   ・詩的な時をもちたいという方
   ・誰かが恋しくなった方
   ・ニセコののはらに行きたい方

Posted by webook at 10:19

2003年10月04日

■バニの家族(石黒謙吾+ロケット+Aridome)

bani.jpg
「犬と組んで仕上げた初めての本です」

バニの家族】 Bani and kids

   =========================================
  |著者:石黒謙吾/Aridome Yasuko
  |学習研究社|2003年 10月
  |ISBN:4052019172|1,200円|79P
  =========================================


 「盲導犬クイールの一生」の著者である石黒さんからきた手紙には、
 「犬と組んで仕上げた初めての本です」とあった。なんだろう・・・?

 本書は、ジャックラッセル・テリア犬バニとその家族の写真絵本である。

 オーストラリアに生まれたバニが日本にやってきた。やがて二匹の子供が
 生まれる。ドナとロケットだ。そして、さらにその二匹にも子供が生まれ
 家族が増えていく。そんなお話。
 家族の暖かさ、子供の愛くるしさ、・・・そんなものが素敵な写真と文か
 らにじみ出てくる。

 実は、この本に出てくるロケットという犬は、石黒さんが子供のころに飼
 っていた犬(ロック)とうりふたつ。はじめて会ったときは思わず声がで
 たという。石黒さんが10歳のころから17年もいっしょに過ごした家族
 同然のテリア犬だ。そんな出会いから生まれたこの本は、石黒さんの暖か
 いまなざしと犬の愛らしさがあいまって素敵な写真絵本になっている。

 愛くるしい子犬の写真は、犬好きの方ならほんとに、あぁーって声が出る
 だろう。恋人が犬がほしい・・・なんてつぶやいたら、まよわずこの本を
 あげてみたい。

 この本は、石黒さんとロケットとAridomeさんの共同作品、だね。
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   ★★★★☆+家族だわん

 
   ・犬が好きな方
   ・人が好きな方
   ・家族が好きな方

Posted by webook at 11:22

2003年10月03日

■大感動(近藤勝重)

daikandou.jpg 
   感動は人を変える!動かす!幸せにする!

大感動!】

   =========================================
  |著者:近藤勝重(こんどう・かつしげ)
  |新潮社|2003年 07月
  |ISBN:4103669020|1,300円 |269P
   =========================================

 しばらく前、100式の田口さんが感動プロジェクトをやっていた。感動
 するって、いいよね。感動の涙は、気持ちいい心のアセみたいな気がする。
 「体内から排泄しても汚物に変じないものが一つだけあって、それは涙だ」
 (山折哲雄氏)という一文もいい。

 小泉総理も、TVのCMも、サッカーも野球も映画も本も、そして企業の
 お客様満足の取組みも・・みな「感動」を求めて動いているように思える。
 本書では、さまざまな形を見せてくれる「感動」とは何かに迫る。

 高倉健さんとまだ一介のエキストラでしかなかった小林念持さんとの心震
 えるエピソードが感動的だ。(P48)・・・僕は泣けたねぇー。うるっ。

 本書を読んで、僕も感動を共有したいと思ったのは

   映画:ビルマの竪琴(市川昆監督)
   童話:ビルマの竪琴(竹山道雄)新潮文庫
   会いたい人:お客様に感動を与えるサービスを!をモットーにして
      いるアートコーポレーション社長の寺田千代乃さん
   ドラマ:北の国から  あ~ああ~
   コンサート:加藤登紀子さんの詩
   場所:ムツばあさんが守っている埼玉県吉田町の山(プロジェクトX)
      
 本書にはたくさん涙をさそう感動場面の切り抜きがある。そして、感動と
 は何かを考えさせてくれるステキな時間をくれる。

 時ならぬ花粉症を装うには少々困った通勤電車であった。
 今日の本は、「へぇ」ではなく、「ぁあー」の本である。
 ====================================================================
 

   ★★★★★+89あぁ・・

 
   ・心が乾いたかなーっていう方
   ・感動体験を語りたい方
   ・あーきのゆうひぃーに寂寥の思いをかみしめてる方

Posted by webook at 21:16

2003年10月02日

■仕事力がダントツに伸びる7つの冴えた方法(ダニー・コックス他)

sigotoryoku=7.jpg

仕事力の高い人にとって“いつか”とは“今”のことである。

仕事力がダントツに伸びる7つの冴えた方法

  =========================================
  |著者:ダニー・コックス/ジョン・フーバー
  |出版社:PHP研究所|発行年月:2003年 03月
  |ISBN:4569627307|本体価格:1,400円|252P
  =========================================

 1年前、シンシナティで元空軍パイロットという方からシックスシグマ
 の訓練を受けた。声を背筋もロジックもビシーっという感じで、久々に
 脳天からつま先までシャキっとした2週間だった。

 今日の本は、その時の雰囲気を彷彿とさせる本だ。
 元米空軍ジェット戦闘機のパイロットが書いた本。軍隊の本ではない。
 目標を持って、自分の能力を引き上げていく生き方の本である。

 著者は、空軍を辞めたあと販売会社に入り、5年で第一副社長に昇進、
 自ら開発したモチベーションアップとリーダーシップの技術で、自分の
 部署の売上を5年で8倍にしている。数字だけみれば、モーレツなオヤ
 ジである。しかし、そこには様々な事柄に通じる能力開発の秘訣があっ
 たのだ。

 本書は、生かしきれていない能力をガンガン使えるようになろうじゃな
 いかと、厳しい教官からお尻を叩かれる本である。

 まず厳しい質問が飛ぶ。
   昨日を繰り返していないか?
   一日に何度も自問しよう。私は今、どこかを目指しているだろうか?
   それともただ動いているだけだろうか? と。

 さらに眠れない夜の質問というがイケテる。(今夜はこれで眠れなくな
 るだろう)例えば、「自分自身を3行で表現しろといわれたら、どう答
 るか?」「過去24時間に達成した業績で最も誇れることは何か?」な
 ど15の質問だ。

 漫然として毎日を過ごしているのではないのか!?という教官の厳しい
 問いに、最初はウームとうなることになる。

 うなった後は、どうすればいいのかが7つのステップで進む。
 決意、能力を開発する、計画を練る、実行する、予期せぬ事態に備える
 意欲を保つ、成長のための取り組みの7つだ。

 よくある人生の啓蒙書と違い、著者の戦闘機乗りという特殊な経験や、
 セールスマン時代の仲間の経験談、エジソンなどの格言などがほどよく
 織り交ぜられ、なかなか読みやすい。全米講演家協会に属しているだけ
 あって、なかなか話の流れがいい。

 共著になっているが、ほぼダニーコックスの本だね、これは。
 「今を生きる」ヒントがこの本にはある。
 ==============================================================

 
   ★★★★+眠れない質問

 
   ・現状に満足できないヤルキのある方
   ・今日も昨日と同じように一日が過ぎそうな方
   ・今の仕事が昨年と変わらない方

Posted by webook at 08:02

2003年10月01日

■ソニーのDNAを受けついだ11人(加藤良平)

SONY=DNA.jpg
SONYブランドを超えて輝いた人たち・・

ソニーのDNAを受けついだ11人

   =========================================
  |著者:加藤良平
  |集英社インターナショナル/集英社|2003年 07月
  |ISBN:4797670878|1,500円|237P
   =========================================
 ソニー、ホンダ・・・不況の中にも元気印の大企業として注目の会社だ。
 注目したいのは、企業という組織体ではない、そこにいる「人」である。
 SONYブランドは、世界的な価値を持ち、経済の波や技術革新の波を超
 えて伸び続けてきた。SONYを語る本は数多い。井深、盛田両氏の経営
 や創業魂にまつわる本など枚挙に暇がないほどだ。
 しかし、それだけがソニーではない。ソニーで働いたことを誇りに思い、
 そこで学んだことを活かして次のステップに進んだ数多くのビジネスマン
 がいる。彼らが、ソニーという会社を「人生の乗り物」として語るとき、
 ほんとうの意味で企業価値が浮かび上がってくる。

 リクルートもそうなんだが、ソニーも基本的な考え方はこうだ。
 「企業は人のためにある。入社したからには一生懸命働いていい製品を生
  み出して欲しいが、自分に会わなきゃいつまでも居る必要はない。転出
  は大いに支援する」といったところか。
 定年でも定年前でも、ソニーを卒業する人、した人を応援する企業姿勢は
 大いにマネしたいところだ。

 本書は、11人の元ソニーマンが語る、ソニー創造性の秘密・・といった
 趣向の本だ。著者の加藤さんも実は元ソニーマン。11人は先輩にあたる
 人たちで、多くがその後独自の企業の社長などを勤めている戦士たちだ。

 中井純さん/分担をおとなしく守る技術者なんてソニーにはいない
  http://www.mainichi.co.jp/eye/murata/200109/06=2.html
 横野滋さん/―役員も平社員もない、良い技術はみんなで認め合う/
 吉田博文さん―失敗した分野も含めとにかく試してみる労を惜しまない/

 などそれぞれの人生が面白い。いずれもソニーというブランドに支えられ
 たのではなく、ソニーという乗り物を楽しく乗り回した・・という雰囲気
 がスバラシイ。

 曰く、ソニーは、どの担当の人が何を言ってもOK
 曰く、手を上げた人には、とにかくチャンスをあげる
 曰く、失敗を恐れる意識が、非常に薄い
 曰く、圧倒的多数が反対しているがゆえにプロジェクトを中止させる
    ということはない。8mビデオ、プレステを見よ!
 曰く、社員の「ワルノリ」が許されてしまう会社・・

 といったことが、その人の体験談としてさりげなく語られるところに本書
 の魅力がある。いよいよ、「人」が企業を語る時代になってきた。

 著者が語るソニーの公式: ものつくり魂+マネジメント=創造性
 うーん、ソニーか。新しいクリオ、ぽちぃにゃぁー。
 ===================================================================
 

   ★★★★☆+乗り物

 
   ・企業と人との係わりを考えている杉山さん
   ・自己実現に邁進中の方
   ・ソニーっていいよなぁという方

Posted by webook at 08:19

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