2006年05月31日

戦略ビジネスライティング ~ 藤井正嗣/テリー・サイモンズ

   KISSだ!

書籍情報

戦略ビジネスライティング
藤井 正嗣 テリー サイモンズ Terry Symonds
DHC (2006/05)


本のひらめき

NHKの英語番組はなかなか優れものだ。以前「実践ビジネス英会話」とか「英語ビジネスワールド」などビジネスと直結した内容の番組があった。(2003年)。藤井正嗣さんが先生だった。そのテキストに連載された記事をもとに纏められたのが本書だ。

インターネット時代、電子メールでのやりとりなどますます英語がビジネスの中に入ってくるようになった。話すことも重要だが、書くことも大切。

本書は、実践的にライティングの力をつけてくれる。読むだけではなく、考えたり試したり、楽しいしかけもうれしい。

英語を漫然といくら書き続けても上達しない。海図なしで海に出るようなものだ。そこでまず、ビジネス・ライティングを戦略的にとらえることが大切だという。本書には14の戦略がある。頭の中がスッキリするので心地よい。

 Be Concise (簡潔に)
 Use the Active Voive (能動態を使おう)
 Use Simple Wording(シンプルに書こう)
 Get the Point(核心に触れよう)

などのレッスンがある。

家具メーカーの鈴木さんがPCを注文するといったビジネスシーンで、いくつかの実践的な例文が解説される。悪い例を添削するところは、実にリアルだ。

いくつか印象的なものがある。例えば:
戦略の二番目にオーガナイズしよう!というのがある。

Tell them what you are going to say; sa it; then tel them what you said.
(何を伝えようとしているかを言い、それを伝え、何を伝えたかを言います)

また簡潔な文章を書くコツはKISSだ。
 keep It Short & Simple.

非常に頭がスッキリするのと、実践で使いたくなる作戦や表現がある。
 

僕の思いつき

いくつかクイズが埋め込まれているが、その極めつけは Business Writing Mind Web だ。

効果的なビジネスライティングをマインドマップにするもの。この本を使いこ
なすとき、頼りになる海図だ。

マインドマップはここでも活躍。



オススメ度

★★★★★+ライティング

読んで欲しい方

・書く英語の力をつけたい方
・英語のメールをかっこよく書きたい方
・自身をもって英文レターを出したい方

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2006年05月30日

サービスの教科書 ~ 窪山哲雄 + 志の吉さん独演会

CSR=ISR !?

書籍情報

図解 クボヤマ流あなたのファンをつくる サービスの教科書
窪山 哲雄
インデックスコミュニケーションズ (2006/02)


本のひらめき

CSR(起業の社会的責任)=ISR(個人の社会的責任)だという。つまり、「自分は仕事を通じて、社会にどんな貢献ができるのか」というのを考えようということだ。お金を稼ぐための仕事だけでは、つまらない。仕事を通じ、本業を通じて、社会にお役立ちをすることが意識できれば素晴しい。

ホテルなどのサービス業では、社会(目の前のお客様)に何ができるか・・・そういうことを真剣に考え行動する「場」がある。では、どう考えたらいいのか・・・そんなところを図解と解説で分り易く説いたのが本書。教科書である。

「お客様と一人の人間として向き合う」「サービスには、“は”と“ほ”が不可欠。“は”は、はっとするサプライス。“ほ”はほっとする和み」「あなたの存在こそがブランド」など、サービスの要諦がたくさん。

なかでもイチバン印象的なものは:

 サービスはバトン・リレーのように有機的につながっている。バトンを
 落とした瞬間が、サービスの評価となる。
 バトンとは・・・お客様の感情なのかもしれない。

万人に同じものを提供し常にかわらない「サービス」の時代から、個人に合わせたオーダーメイドの「ホスピタリティ」の時代になったようだ。

「ザ・ホテル」に登場する藤堂さんのモデルになったという著者の、サービスの極意を学んでみよう。


僕の思いつき

お客様をひきつける「ばびぶべぼ」というのがある。
 ば: 場の空気
 び: 美があること
 ぶ: 文武両道
 ベ: ベストをつくす
 ぼ: 母性をもつ

サービスの現場でも、製造の現場でも、あるいはスタッフ部門でも、こうした仕事の要諦をなにかのゴロにあわせてまとめるのは楽しい。

あなたの仕事にまつわる「極意」をまとめてみよう。楽しいかも・・・。



オススメ度

★★★★+ホスピタリティの時代

読んで欲しい方

・サービスで感動を生み出したい方
・ファン作りに興味ある方
・会社を元気にしたい方

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2006年05月29日

本気で言いたいことがある ~ さだまさし + 秋にBSCツアー?

   この人、マジで生きている。

書籍情報

本気で言いたいことがある
さだ まさし
新潮社 (2006/04/15)


本のひらめき

「あー、この人、本気で生きているなぁ」って思う方は、なんだか心から尊敬したくなる。言葉に覇気とオーラがある。

今日の本の著者、さだまさしさんもそんな一人。グレープというユニットで歌っていたころから知っているので、最近はおじさんっぽくなったなぁ(笑)って思うけれど、相変わらず魅力的。その言葉には、純粋でしかも深い洞察がある。

本書は、今の日本なんかヘンだ、本来はこうあるべきじゃないのか・・・という著者の本気をまとめたものだ。

家庭の中の父母のあり方、子育て、教育の仕方にはじまり、靖国問題や自衛隊問題まで幅広く語っている。

すべてのステージは一回しかない・・・という真剣勝負を続けてきた著者だからこそ言えるとぎすまされた感性があるのだろう・・。

さださんは、「一生懸命生きろ!」と訴えている。


僕の思いつき

後半に、加山雄三さんが毎年長崎のコンサートにボアンティアで来てくれるエピソードがかかれている。Mosoだった夢が現実になったさださんは、何十年か前の自分自身にこういう言葉を送る。

 とにかく一所件名頑張れ。なんだか分からなくてもいいから、がんばってみろ。 
 そうしたら、将来、おまえの憧れの、あの、大好きな加山雄三が、お前のために
 わざわざ長崎までしかも只で歌いにきてくれる日が必ず来るぞ。

その信じられないことは、現実に起きている。だから、未来は無限の可能性があるということだ。「未来」というのは、「今、とても想像もできないような“素敵なこと”が起きる可能性のある時空間」だという。

だから…僕は言いたい。Mosoしてもいいのだと。
   


オススメ度

★★★★☆+本気

読んで欲しい方

・さだまさしのファンの方
・本気に生きてみたい方
・目の前のことに真剣に取組みたい方

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2006年05月28日

新入社員「こんな時どうする?」 ~ 定成寛 + パラパラマンガ

   新入社員さん向けです。

書籍情報

新入社員「こんな時どうする?」
定成 寛 布施 直春
日労研 (2006/04)


本のひらめき

社会人になりたての頃は、どう振舞えばいいのか・・わからないことが多い。失礼にあたるのか、あたらないのか・・・困ったことがおきたらどうしたらいいのかなど新入社員の心得をまとめた本である。

例えば

 初めて報告書や議事録を作れといわれた。どうしよう・・・
 デキルと思わせる名刺交換の極意は?
 飲み会の初幹事。成功のポイントは?

などなど。

新人君は読んでおくといいかも。


僕の思いつき

新人を迎え入れるとき、職場でどんなふうにできるか、あるいはやったら楽しいか・・・考えておくのも楽しいね。

先日あるMosoを膨らませて、新人君を泣かそうプロジェクトをやってみた。職場の全員が、二人の新人君にメッセージカードを作って贈るもの。歓迎会のあとで、新人君が家に帰り、メッセージカードの入った袋をあけ、それを読んで、ジンとくる・・・なんてのをMosoしたのだけれど・・・果たして結果は・・???。

すべってもいいので「で、本当にやってみました」というのをいろいろトライしてみよう。



オススメ度

★★★☆+新人さんいらっしゃい

読んで欲しい方

・新人として頑張ってる方
・デキル新人に興味ある方
・楽しい仕事人になりたい方

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2006年05月27日

失礼ながら、その売り方ではモノは売れません ~ 林文子 + 講演会余韻

   まっすぐ見つめる先に愛も成功もある。

書籍情報

失礼ながら、その売り方ではモノは売れません
林 文子
亜紀書房 (2005/07/01)
売り上げランキング: 642


本のひらめき

林さんの本を読むのは、これで3冊目(岩崎由美さんが書かれた本が最初で、今日はその岩崎さんにもお会いできた。♪)

今日、参加した林さんの講演会で買い求めた。ナマのお声で聞いたエピソードがいくつか登場し、あーあのことだなぁと思い出しながら読めたのも嬉しい。また、講演には入りきれない数々のエピソードに、様々なヒントももらえた。

心に響いたメッセージを書きとめておこう。

  迷って選択したときに「それでいい」といってくれる相手に、信頼感を
  持つ。(お客様が競合先の車を買っても、それはよい選択でしたと言え
  る心が大切)

  失礼にならないと判断したら、ちょっと踏み込んで営業をする。
  (あー、これ実践してた人がいたなぁ、今日のサイン会でも)
 
  ニーズは日常の中に眠っている、と気付くことが大事。

  仕事は平々凡々と過ぎていくのが普通で、ルーティンが8割、流動的な
  部分が2割。大事なのはその平々凡々の時に3K(感謝、感動、感激)
  をもって仕事ができるかどうかということです。

  上司と部下の関係では、どんな人柄がよい上司でも、そこには権威が
  生まれます。部下からこころを開いて接するのは難しい。上司から、自分
  がどんな人間かを裸になって部下と向き合う必要があります。

  CSからES、そしてFS。
  FS=famillie's satisfaction

講演を聞いた後は、ぜったいその人の本をその場でゲットして、帰りの電車で読むのがいい。得られるものが3倍になるから。

うーん、今日は、めちゃめちゃいい日だった。


僕の思いつき

「私は素直だったから」という講演でのコトバがとても印象的。先輩でも本でも、あっ、これいいね、そうなの・・・ということを素直に受け入れやってしまう・・・そんな素直さは、ひとつの強み。林さんもこれまでの経歴の中でそんなことが何度かあったようだ。

いいことを発見→素直に受け入れる→そして「で、本当にやってみた」というのがいい。

タモリのトリビアでも、そういう場面がある。面白い。マジでやったのか!という驚きは、番組の世界だけに置いておく必要はない。営業でもマネジメントでも教育でも使える。

「で、本当にやってみた!」プロジェクトをさっそく立ち上げてみよう。本書にもその候補(ヒント)が書かれている。

  *ミニ石庭を町中のビルに造る。竜安寺の石庭を模してもいい。そこに
   いけば精神の集中ができるような・・・

  *リクルートがやっているように誕生日の社員の名前をアナウンス。
   → 社員全員が自分の誕生日を書き込んでおけるでっかいカレンダー
     を今年の年末につくってお配りしよう。いいないいな、これいいな。

うー、Mosoモードに入ってきたぞ。笑 今日は、このへんで。



オススメ度

★★★★★+個売業

読んで欲しい方

・元気な営業をしたいと考えてる方
・楽しい仕事に目覚めた方
・組織と仲間を元気にしたい方

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2006年05月26日

成功を加速する「そうじ力」 ~ 舛田光洋

   おそうじ、おそうじ。

書籍情報

成功を加速する「そうじ力」
舛田 光洋
ソフトバンククリエイティブ (2006/04/26)


本のひらめき

先日の阪本啓一さんのセミナー(ジョイカレッジ)でも、冒頭に「そうじ」の話が登場した。ちょうどこの本を読み始めたころで、なんと偶然なことかと驚いた。いやいやこれは必然だったのかもしれない。阪本さんの紹介された本は、<子どもが輝く「魔法の掃除」>という本。そうじという単純で、内心ちょっと腰を引きたくなる作業に不思議な力が宿っている。

イエローハットの社長さんも、このそうじというルーチンを通して、社員を、そして世の中の多くの人の心を変えてきた。その様子は、鍵山秀三郎さんの著書「掃除道」に詳しい。← http://webook.tv/archives/000883.html

本書も、この「そうじ」というごくありふれた、しかし、ちょっと心にカベがある行為の不思議なパワーに迫る。

そうじは、マイナスを取り除き、プラスのエネルギーを引き寄せるという。確かに、デスクの上でも部屋でも、ちらかった状態を掃除するとなんだかスッキリ気分がいい。

その効果を増強するのは「感謝」と「祝福」というエネルギーの元である。そういう心をもってそうじをすると、知(アイデア)や意(楽しい)や意(意欲)を生み出す「磁場」が構成されるらしい。そうじというのは、こうした磁場形成の「触媒」のような働きをするような気がする。

そうじが楽しく見えてくるのが不思議だ。土日はおうちの掃除に勤しもう。


僕の思いつき

掃除をすると気持ちがいい。
靴をそろえると気持ちがいい。
誰かに何かいいことをしてあげられてときは気持ちがいい。

仕事も人生も「気持ちいい」ことをやりたいねー。

阪本啓一さんも言っていた。

 正しいか正しくないか ではなく
 気持ちいいかそうでないか、あるいは、好きか嫌いか・・・で行こうと。

そうじが輝く土日にしよう。


オススメ度

★★★★☆+そうじ力

読んで欲しい方

・心を入れ替えたいと考えてる方
・掃除力に興味ある方
・部屋や机の上を整理したい方

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2006年05月25日

志は起業を呼ぶ ~ 玉置浩伸 + 人間やるの初めて?

   挑戦あるのみ。

書籍情報

志は起業を呼ぶ
志は起業を呼ぶ
posted with amazlet on 06.06.04
玉置 浩伸
ファーストプレス (2006/05/30)


本のひらめき

三井物産、ハーバードMBA、AOLジャパン社長、ゴルフダイジェスト・オンラインの立ち上げ、ケーキショップチェーンの起業・・と挑戦につぐ挑戦の物語。

本書は、2005年にブログ上で公開された内容を編集したものだ。著者の半生記。

ネットの黎明期の様相などを思い起こしながら、インターネットに興味があった方は、面白く読めるのではないだろうか。

また、事業を起こし、継続する上で、あきらめずに突き進む勇気がとても大切だということを感じさえてくれる。

三木谷さんや南場さんらもチラリと登場する。そして殿村先生(金沢工業大学教授)も登場したりして、おぉーなんて驚いたりした。

会社に就職した方で、これからMBAを目指そう・・なんて方、読んでおくと楽しいかも。


僕の思いつき

著者が現在取り組んでいるケーキのチェーン店は、日本の文化(味)を世界に広めようというもくろみがある。

そう、いまや日本文化は世界から高い注目を集めている。

そういうビジネスを何か考えてみたいね。



オススメ度

★★★★+アントレプレナー

読んで欲しい方

・起業家を目指している方
・ベンチャーに興味ある方
・日本を元気にしたい方

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2006年05月24日

ハイ・コンセプト ~ ダニエル・H.ピンク/大前研一 +トリンプ吉越社長

   左脳(ロジック)+右脳(感性)の時代だ。

書籍情報

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代
ダニエル・ピンク 大前 研一
三笠書房 (2006/05/08)


本のひらめき

大前さんは、この本を翻訳するにあたりタイトルを「第四の波」としたかったのだという。第三の波の著者アルビントフラーにそのことを相談すべく電話し侃侃諤諤のギロンの末、トフラー夫妻の将来の可能性を考慮して、止めにしたという。

つまり、この本は第4の波の本である。

波はこれまでどうなってきていたか・・・農耕社会(第一の波)、産業社会(第二の波)に続き、情報化社会(第三の波)が注目された。そして今、第四の波というべき「コンセプチュアルな社会」が到来している。原作は”The Whole New Mind"。2005年の全米ベストセラーだ。

コンセプチュアルとは何か。

これまで先進社会のコアは、ロジカルにモノゴトを考え、論理的に考察した結果をもとにビジネスも経営も社会も進化してきた。いわゆる科学は素晴らしいという思想だ。もちろんそれは当たっている。しかし、それだけでは足りない社会に入りつつあるというのが、この本の心。つまり、それは論理だけでなく、感性やセンス、直感といった右脳的能力を使うコンセプトやデザインやフィーリングの世界である。

なぜ、こんなことが注目されるようになったか。

その原因は、豊かさ(なんでも手に入る時代になっちゃった)、アジア(低いコストのアジアへ仕事がシフト)、そしてオートメーション(会計士や弁護士業務でさえソフトで代用される時代)の3つがあるという。

その変化に対応する大切なセンスは
  「機能」ではなく「デザイン」
  「論議」よりは「物語」
  「個別」よりも「全体の調和」
  「論理」ではなく「共感」
  「まじめ」だけではなく「遊び心」
  「モノ」より「生きがい」
こうした6つのセンスが大事な時代になったという。ふむふむ。

右脳的な思考やセンスは東洋人の得意とするところ。いよいよ「奇跡の日本」が注目される時代かもねー。

分厚い本だけれど、それを感じさず、サクサク読みやすいところがいい。


僕の思いつき

きのうは、奇しくも藤原正彦さんの講演会に行ってきた。文京学院大学の講堂に約500人の受講者がそろい、独特の視点とユーモアに溢れた講演を堪能した。藤原さんが講演や著書で主張していることに、これまであまりにロジックや論理に偏重だった・・・というのがある。(ご自身が数学者という論理の世界にいながら・・である)

そして、これからの日本は、かつてあった「情緒、惻隠の情、矜持」といった武士道にも通じるものを再興させ、論理の世界(左脳)と感性の世界(右脳)をバランスさせることが大事だと説いている。

今日の本とも平仄(ひょうそく)を一にして面白い。

本書にはいくつかの右脳を愉快にする(鍛えるのではない)日常のヒントが書かれている。
例えば
  マンガの噴出しのセリフを考える
  いい喩え話は書きとめておく( 話の腰をもんじゃった など)
  五筆書きに挑戦(似顔絵を5筆で書く)
  自分オリジナルを作る(ワッペンとかロゴとか)
  ハイタッチな物語を書く(200字程度)
     ~ これ携帯メルマガにしたらイケルかも。
  笑いクラブに入る http://www.laughteryoga.org/

時代は、ロジカルシンキングだけではなく、感性やハイタッチ、デザインやコンセプトの時代である。いいかげんな僕にはいい風だにゃぁ。



オススメ度

★★★★★+アート&ハート

読んで欲しい方

・いい学校を出ていい会社に入った方
・ロジカルシンキング菌に侵されてきた方
・感性豊かな人生を送りたい方

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2006年05月23日

通勤電車で寝てはいけない! ~ 久恒啓一 + 和田さんセミナー

   そうそう、あれはゼッタイにモッタイナイ!

書籍情報


本のひらめき

楽天ブックスで、本の検索をしてみた。キーワードは「通勤時間」。すると、なんと53冊もの本が検索されて出てきた。通勤時間は、多くの人にとって寝る、食うに次ぐ、「まったくもって日常的なシーン」である。その時間をどう活用するかについて、こんなにも多くの本が出ていることに改めて驚く。

さて、今日の本は、久恒さんの通勤電車成功法則の本である。久恒さんは、会社勤めをしていた30歳のころから「電車に座って通勤すること」に相当のコダワリをもっていたという。なぜか・・・

それは、通勤時間をコストやガマンの時間ではなく、有意義な意識時間、あるいは貴重な資源と認識していたからだ。

久恒さんの「遠くに住むという独自の哲学」は、すなわち「最低でも1時間以上の通勤時間を確保し、座って通勤する」ことであり「その時間に様々な知的活動をする」習慣でもある。

久恒さんは、通勤時間にその日の仕事のシミュレーションをしたり、本を読んだりと有効活用してきた。また会社に早く着くからそれを利用して「前業」をしたり、新聞その他の情報を整理したり・・・朝時間をフルに活用してきた方だ。こうなると、朝だけではなく、人生スパンの計画のたてかたや仕事への取り組み姿勢も変わってくる
から不思議だ。

通勤時間。年間約500時間(往復2時間x250)を無意識に流れる時間にするか、未来を切り開く意識時間(コンシャスタイム)にするか。どちらを選ぶのも自由だがその先の人生が大きく異なることだけは、確かだ。

久恒さんの実体験に基づく知的ビジネスマンの生活習慣、そこから大いなるひらめきをもらっちゃおう。

いつも通勤時間に寝ているアナタ、ギュウギュウ詰の通勤様式を疑問に思わないアナタ、この本で、人生変えてみよう。


僕の思いつき

今年、会社に入社した新人の皆さん。もしこのメルマガを読み、この本を読んだら、ぜひ実行してほしい。

 「朝一番に会社にくること。しかも誰よりも早く。」

そのためには、「9時以後の付き合い酒は飲まない」などのルールも必要になるが、やがて「あいつは朝早いから・・」ということで許してもらえるようになる。

「ゼッタイに」いいことがある。また、10年後に、きっと感謝したくなる。

この、ごくごく単純な習慣をするか、しないか・・・。神様は、すました顔でただ見ているだけ。選ぶのはあなた。

あー、人生ってなんて単純なんだろう!(笑)



オススメ度

★★★★☆+Zzzはいけない。

読んで欲しい方

・通勤時間を有効に使いたい方
・時間管理に興味ある方
・自分を元気にしたい方

Posted by webook at 11:49 | TrackBack

2006年05月22日

ストレスフリーの仕事術 ~ デビッド・アレン/田口元 + せんせい

   うまくいく「考え方」

書籍情報

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
デビッド アレン David Allen 田口 元
二見書房 (2006/05)

本のひらめき

ハウ・ツー・ドゥの本ではない。むしろハウ・ツー・シンクの本である。GTD(Getting things done)の生みの親、デビッド・アレン氏の Readyfor Anythingの邦訳である。監訳者は、百式の田口さん。

GTDといえば、ToDoListや手帳、スケジュール管理のツールなど、その方法論につい目が行きがちである。しかし、最も大せつなことは、「ようするに考え方の問題」であるということだ。方法は、いろんなものがあり、気に入ったものを試してみればいい・・・。

さて、考え方。 まず大事なことは、「仕事術とはタスクを片付けること」ではなく「新しいアイデアや創造を生み出すこと」であるという点だ。仕事に対して、どういう姿勢で取組むか・・・そこにまず分岐点がある。別の言い方をすれば、マネジメントの対象は、作業や時間ばかりではなく、アイデアやエネルギー(やるき)にも向けるべきということだ。

ではそのためにどうすればいいか。やり方は別として、まず考え方としてこういうことが言えるという。

 やるべきことを洗いざらい、ずべて、とことん出し切ること。
 
やりかけの仕事がいっぱい増えて困る毎日、それを吐き出して「心の空きスペース」を生み出すところから「創造の芽」が出るというわけだ。もちろん書き出せばそれでいいというわけではない。GTDのワークローなるものも提示している。しかし、人生のことも日々の仕事のことも「全て」書き出すところに意義あり!というのは非常に面白い。

また、大きな目標(今年中に新規事業の計画を立てる、など)は、大きすぎたり、あるいは納期がずっと先だったりして(重要であるが、緊急でない)、ついつい先のばしになる。こういうときは、

 「次に起こすべき具体的行動」を定義することが重要だ

という。例えば、○○さんに相談する。企画書のサンプルを見る・・・など。

どうやったら、創造的な仕事に集中できるか、どうしたら面白く仕事ができるか・・
そのための「自分のやり方」を見つけるヒントがいっぱいありそうだ。

ToDo List の奴隷になるか、DoDo list で自由の身になるか・・・。ねっこに持つべき考え方が大切だ。


僕の思いつき

監訳者の田口さんが、あとがきで書いているように、

 GTDのいいところは「うまくいく考え方」であって「ツールは何でもいい」

ところである。田口さん自身も、バブルマップとか、CHEK*PADとか、3色フォルダーとかオリジナルモードのアイデアを試している。

この土日、うちのかみさんが、「すごい!スケジュール管理方法」を編み出した!(ひさびさに、かみさんはエライ!と思い直した瞬間だった:笑)いつか、こういうのをGTDツールの一つとして世に問うてみたいものですねぇ。これは、そのうち紹介しましょうねっ。

いろんなツールを日々、考えてみよう!



オススメ度

★★★★★+ライフ・ハック

読んで欲しい方

・仕事をスイスイ進めたいと考えてる方
・GTDに興味ある方
・もっと仕事したい方
 

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2006年05月21日

スープで、いきます ~ 遠山正道 + 青色申告ソフトの悩み

   社員でもあり社長でもあるという働き方。

書籍情報

本のひらめき

スープストック東京(Soup Stock Tokyo)を、最近よく見かける。
  http://www.soup-stock-tokyo.com/popup/book.html

こってりとして具沢山。食事になるスープのお店である。現在34店舗を数え、なかなか人気らしい。先日の「すごい!ランチ会議」でも、テイクアウトをもってきた方がいた。

本書は、そのスープストック東京の起業物語である。著者は、今も現役の商社マン(三菱商事のビジネスマンである)であり、そしてスープストックの創業者でもある。だから正確には社内企業物語である。

著者は、「人生で配られる勝負カード」が2枚あったという。
「三菱商事の社員であることと、アートワーク(タイルに抽象画を描き個展を開いている)」この2枚である。しかし、なかなか個人性と企業性は一致しない。そこで、著者は情報産業グループから小売や食の世界へベクトルを向ける。

ケンタッキーフライドチキンへの出向し経験をつむ中で、ある日「女性が一人でも入れるスープのお店」をひらめく。本書は、その後の企画、立ち上げ、苦労、そして成功の軌跡を、著者自身の言葉で綴ったものだ。

企画書がものすごく楽しい。「スープのある日」という物語形式の企画書だ。97年に書かれたその企画書が、そのまま掲載されている! 空想で書かれたその「未来予想図」は、なかなかリアリティがある。Mosoもこういう風にリアルにいけたら面白い。

瀬戸際のピンチや、スマイルズ(著者の会社)のユニークなオペレーション(ファミリー制度など)は、本書で読んでいただくとしよう。

社員旅行で著者が仲間に伝えたコトバが素晴しい。一人一人に心をこめたメッセージを読み上げ(朗読し)たあと、最後に締めくくった言葉だ。

  私自身は、父から夢を、母から優しさを、三菱商事から信用と誠実さを
  もらいました。そしてスマイルズの仲間たちには、友情と信頼と能力と
  努力があります。スマイルズの仲間たちが一つになって、これからも
  世の中に新たな提案をドンドン行い、そして世の中の体温を少しでも
  上げるお手伝いをしていこう。われわれには必ずそれができると信じて
  います。

いわゆるサラリーマンとして働いている多くの方も、この物語を読んで元気をもらってみよう。


僕の思いつき

本書のもっとも興味深いとろこは、新規ビジネスの企画書である。なんと、物語風になっている。(いいねぇーこういうノリ)
そのフルバージョンも本書には掲載されている。

こういうユニークな企画書には実は伏線がある。著者の遠山さんは93年ごろ電子メールの効果と普及をねらったある物語を書いた。

「二村課長の電子メールのある一日」と題されたものだ。電子メールやインターネットで生活や仕事の仕方がこんなにかわるよというもの。宛先が楽しい。
 <このタイトルに興味のない全ての人々へ>

これはかなり好評となり、当時の三菱商事の槙原社長にも読まれたらしい。

何か企画を考えているなら、物語という手法をちょっと試してみたいね。



オススメ度

★★★★★+熱病

読んで欲しい方

・社内で新規ビジネスを立ち上げたいと考えてる方
・ベンチャーに興味ある方
・会社や組織を元気にしたい方

Posted by webook at 18:58 | TrackBack

スープで、いきます ~ 遠山正道 + 青色申告ソフトの悩み

書籍情報


本のひらめき

スープストック東京(Soup Stock Tokyo)を、最近よく見かける。
  http://www.soup-stock-tokyo.com/popup/book.html

こってりとして具沢山。食事になるスープのお店である。現在34店舗を数え、なかなか人気らしい。先日の「すごい!ランチ会議」でも、テイクアウトをもってきた方がいた。

本書は、そのスープストック東京の起業物語である。著者は、今も現役の商社マン(三菱商事のビジネスマンである)であり、そしてスープストックの創業者でもある。だから正確には社内企業物語である。

著者は、「人生で配られる勝負カード」が2枚あったという。「三菱商事の社員であることと、アートワーク(タイルに抽象画を描き個展を開いている)」この2枚である。しかし、なかなか個人性と企業性は一致しない。そこで、著者は情報産業グループから小売や食の世界へベクトルを向ける。

ケンタッキーフライドチキンへの出向し経験をつむ中で、ある日「女性が一人でも入れるスープのお店」をひらめく。本書は、その後の企画、立ち上げ、苦労、そして成功の軌跡を、著者自身の言葉で綴ったものだ。

企画書がものすごく楽しい。「スープのある日」という物語形式の企画書だ。97年に書かれたその企画書が、そのまま掲載されている! 空想で書かれたその「未来予想図」は、なかなかリアリティがある。Mosoもこういう風にリアルにいけたら面白い。

瀬戸際のピンチや、スマイルズ(著者の会社)のユニークなオペレーション(ファミリー制度など)は、本書で読んでいただくとしよう。

社員旅行で著者が仲間に伝えたコトバが素晴しい。一人一人に心をこめたメッセージを読み上げ(朗読し)たあと、最後に締めくくった言葉だ。

  私自身は、父から夢を、母から優しさを、三菱商事から信用と誠実さを
  もらいました。そしてスマイルズの仲間たちには、友情と信頼と能力と
  努力があります。スマイルズの仲間たちが一つになって、これからも
  世の中に新たな提案をドンドン行い、そして世の中の体温を少しでも
  上げるお手伝いをしていこう。われわれには必ずそれができると信じて
  います。

いわゆるサラリーマンとして働いている多くの方も、この物語を読んで元気をもらってみよう。


僕の思いつき

本書のもっとも興味深いとろこは、新規ビジネスの企画書である。なんと、物語風になっている。(いいねぇーこういうノリ)そのフルバージョンも本書には掲載されている。

こういうユニークな企画書には実は伏線がある。著者の遠山さんは93年ごろ電子メールの効果と普及をねらったある物語を書いた。

「二村課長の電子メールのある一日」と題されたものだ。電子メールやインターネットで生活や仕事の仕方がこんなにかわるよというもの。宛先が楽しい。
 <このタイトルに興味のない全ての人々へ>

これはかなり好評となり、当時の三菱商事の槙原社長にも読まれたらしい。

何か企画を考えているなら、物語という手法をちょっと試してみたいね。



オススメ度

★★★★★+熱病

読んで欲しい方

・社内で新規ビジネスを立ち上げたいと考えてる方
・ベンチャーに興味ある方
・会社や組織を元気にしたい方

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2006年05月20日

招客招福の法則 ~ 小阪裕司 + 注目の6/29!

ひらめきの嵐! 仕事を楽しみたい方必見!

書籍情報

招客招福の法則―儲けの王道がみえる88の話
小阪 裕司
日本経済新聞社 (2006/03)

本のひらめき

本書は、日経Marketing Journalで人気のコラムが本になったもの。

なるほどぉ!と思ったり、ちょっと心がホッコリしたり・・・好評を博すそのわけがよ~く分かる。登場するのは全国の魚屋さんだったり、レストランだったり、コンビニだったり、歯医者さんだったり・・・。いろんな業種の素敵な取り組みは、お客様を感動させ、ファンにさせる。そしてサービスや商品を提供する側もお客様も幸せになれる。招客招福の様々な物語の後ろに、なにか感じられるもの・・・それが商売の王道だ。

たとえばこんな物語がある。

 あるお店の話。絵とかクラフトなどの趣味を持っているお客様に、自分の
 お店で個展をやらないかとお話する。お客様は大喜び。そこで店主は更に
 こういう。「もしよかったら、お友達に出す個展の招待状もうちで作って
 送ってあげましょう。でも100人までですよ。」
 へぇーとお客様はさらに大喜び。受け取った方は、この個展(お店)に足
 を運ぶことになる。
 これで、既存顧客から新たな新規顧客が生まれる。一挙に100人(笑)

あるいは、

 あるゴルフ場。お客様との対話を大切にする。会員向けの会報誌には、ゴ
 ルフ以外にちょっといい話を混ぜる。また、雨にもかかわらず来てくれた
 お客様だけに出す「雨の日通信」(雨にもめげずラウンドされた真のゴル
 ファーの皆さんへ、で始まる)、お客様の忘物を届けるときに同封する「
 忘物通信」などなど。あらゆる機会に対話しようという心意気がいい。

また、耳を「ケガ」したネコの話は不思議に心に残る。

 ある雑貨店の話。陶器でできた猫の貯金箱ひとつが破損。耳が欠けてしま
 った。接着剤で修理しても傷物と分かる。捨てるか・・・。
 その店の店主は、こんなPOP(店頭広告)を作った。
   「私はネコです。3月3日のひな祭りに交通事故で怪我をしてしまい
    ました。おかげさまで元気になりました。こんな私ですが、かわい
    がってくれる飼い主さんを探しています。」
 店主の心根がわかる素敵なPOP。
 感じるお客様がちゃんといて、そのネコは買われていった。

ほかにも、お客様からワインをプレゼントされる酒屋さん、カブトムシパーティを開く歯医者さん、駅で傘を貸し出すテニススクールなど・・・なるほど!と素敵だなぁ!がいっぱい。


僕の思いつき

商売(ビジネス)は、物やサービスを売ってお金を儲けることだと思っていると、なんだかつまらない。人と人との関わりの中に生まれる共感の場だと思うと楽しい。

人間関係をはぐくむ取り組みをしたり、なんとなく好きになってもらっておく工夫が、何かの折に素敵な共鳴を生み、商売につながる。
そんな工夫を考える瞬間は、さぞや楽しいことだろう。そういう状況を「Moso冥利に尽きる」と表現しておこう。

さて、どうしてもこの部分はコピーペーストしておきたい!というものがある。

 毎月、経営会議などで前月の決算数値を吟味する会社は多いはず。そのとき
 ちょっとした工夫をする会社がある。経理部門から出る試算表(決算表)が
 「笑う試算表」になっているのだ。資料にいちいち絵文字がついている。
 達成度合いで「ニコニコ」だったり、「がっかり」だったり。読み手の感情
 にあった顔マークがついているという。そんなふざけたことをするのはいか
 がなものか・・ではなく、逆に大好評だという。

いろんな「病気」や「壁」がいっぱいの会社で、試してみてはどうだろう。



オススメ度

★★★★★+儲けの王道

読んで欲しい方

・心温まる話を聞きたい方
・楽しい商売に興味ある方
・自社のビジネスに活気をもちこみたい方

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2006年05月19日

成功者に学ぶ時間術 ~ 夏川賀央 + CHEK*PAD 2万人

いいものはいただきっ、と。

書籍情報

成功者に学ぶ時間術
成功者に学ぶ時間術
posted with amazlet on 06.05.21
夏川 賀央
成美堂出版 (2006/03)


本のひらめき

本書は、成功した人から「タイムマネジメント」の方法を手っ取り早くいただいちゃおう・・という本である。

時間管理といっても、つきつめれば仕事の仕方であり、仕事に取り組む姿勢であり、頭の使い方でもある。本書には、「無駄トリ」の大野耐一さん、「自分時間にこだわる」竹内均さん、朝早くから活動したカルロス・ゴーンさん、整理術の大家、野口悠紀雄さんなどが登場する。

変わったところでは、ドリフターズのいかりや長介さん、まるかんの斉藤一人さんなども出てくる。

いろんな本で紹介される時間管理術を、コンパクトにぎゅっと凝縮し、著者のコメントもいれて紹介されている。自分のセンスにあったものを試してみるのもいいねー。

 どんな仕事も小さな仕事の積み重ねである。(小倉昌男)

 電車の中には小さな宇宙がある (通勤時間を有効活用した竹内均さん)

 断ることで仕事を選ぶ (五十棲剛史さん)

など、仕事のやり方のコツが印象的だ。


 

僕の思いつき

著者は、多くの本を読んでいる。そして、そこから大事なものを取り出し、自分なりのテイストで編集して読者に提示している。

入力、編集、発信・・という一連のプロセスは、やるときはこの順番だが、やろうと思うときはこの順番ではなく逆の発想がいい。

発信するために、何か気に入ったことを編集する、そのためにまた何かを入力する・・・という具合に。

出すようになるとまた楽しくなる。時間も延びるし、生きてくる。



オススメ度

★★★★+人に学ぶ

読んで欲しい方

・時間を効率的に使いたい方
・タイムマネジメントに興味ある方
・毎日を元気に仕事したい方

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2006年05月18日

がばいばあちゃんの幸せのトランク ~ 島田洋七 + キングコング

がばいばあちゃーん

書籍情報

がばいばあちゃんの幸せのトランク
島田 洋七
徳間書店 (2006/01)


本のひらめき

がばいばぁちゃんシリーズ第三弾。今回は、りっちゃんとの駆け落ちや、漫才での修行の話などが語られている。

毎回、泣けるシーンがちゃんと用意されている。今回は、自暴自棄になって、ばあちゃんに八つ当たりする昭広にばあちゃんがあちゃんが手紙で諭すシーンがなんとも心を打つ。

漫才が軌道にのりかけた折、合い方の失踪などでまた振り出しにもどる昭広(洋七の本名)。彼は、電話でばあちゃんに八つ当たりする。

 なんで、俺だけ。
 野球も怪我で諦めるし、漫才も合い方を失い、そういえば俺は 小さいころから母ちゃんを離され、貧しい生活をしてきた・・・
 なんで俺だけ・・・

電話のむこうでばあちゃんは、それを聞いていたが途中でガチャンと電話をきってしまう。数日して手紙がとどく。この手紙は泣ける・・・

 人間には偉い人なんかいません。
 けれど努力すれば、すごい人にはなれます。
 どうか二人で差さえあって頑張ってください。

 ・・・・中略・・・

 コツコツやってもなあと思う前にコツコツやれ!!
 コツコツの先に成功がある。     ばあちゃんより

りっちゃんとの約束のこと、子どもをあずけた母親がもっと辛かったことなどが書かれたばあちゃんからの手紙を読み、昭広は、号泣する。

そのほか、東京で入院したときの看護婦さんの心遣いなど、人情の機微にジンとくるエピソードがいっぱい。


僕の思いつき

映画「がばいばぁちゃん」を見なくては・・・。
  http://www.gabai-baachan.com/

今度、家族でいかんね。

最近、みたい映画のバックログがたまってきた。

  三丁目の夕日
  がばいばあちゃん
  ダビンチコード
  ハリーポッター最新作


オススメ度

★★★★☆+がばい3

読んで欲しい方

・心の洗濯をしたい方
・佐賀に興味ある方
・元気な自分をとりもどしたい方

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2006年05月17日

必ず売れる!ゲリラ・マーケティングin 30 days ~ J・C・レヴィンソン + 帰国

マーケティングのABC

書籍情報

必ず売れる!ゲリラ・マーケティングin30days
ジェイ・C・レビンソン アル・ローテンスレーガー ゲリラ・マーケティングジャパン 掛橋 柚木
フォレスト出版 (2006/02/10)


本のひらめき

マーケティングに関しては様々な本が出ている。本書は、タイトルに「ゲリラ」とついているから、さぞかし奇想天外な・・・と思うかもしれないが、ごくまっとうないくつかの方法を紹介している。30日間のレッスンという形式をとっている。

楽しみながらマーケティングをする、全社員を巻き込む、マーケティングのゴールを明確に持つ・・などの心得にはじまり、ターゲティング、ポジショニングなど基本的なことからニューズレターなどの実践編まで網羅されている。

ゲリラに遭遇したほどの驚きはないが、勉強になる。

ちなみにゲリラマーケティングジャパンはこちら:
  http://gmarketing.jp/


僕の思いつき

マーケティングは基本的に、いかに「売っていくか」という“こちら側”の視点で考えられてきた。顧客満足やお客様視点などの言葉とともに、だんだんとお客様のほうに視点がシフトしたとはいえ、最後は「こちら側」の意図が色濃く反映されることになる。

お客さんに選んでいただく・・・という“あちら側”の気持で考えることが大事・・なんてことを、つい先日、高萩徳宗さんに教わった。

 損か徳かをわかりやすく提示して、こちらが徳だからきてもらう

んじゃなくって

 好きか嫌いかで判断してもらう

お客さんに好き嫌いで判断されるようになるには・・・と考えるのは楽しい。

ポイントカードやマイレージ、その他囲い込みの努力をいろんな企業がしているけれど、そういうのはもう差別化が難しくなってきた。だから囲いこもうなんて思うのはもはや時代おくれになってきたかも・・。

そうではなくて・・・

うちで買わなくってもいいんですよ、あちらの製品もよくできてます、あそこの会社もオススメですよ・・。でも、もし、うちを「気に入っていただけたら」こちらで買ってくださいね。
こんなスタンスこそ真にお客様視点に立った態度ではないだろうか・。

これはもう方法論やノウハウの段階ではなく、思想や理念の問題。

さて、うちの会社は、どうだろうか・・・・。



オススメ度

★★★☆+30日レッスン

読んで欲しい方

・マーケティング担当の方
・商売上手に興味ある方
・面白く仕事をしたい方

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2006年05月16日

トップ営業マンとして大切なことはみんなリクルートで教わった ~ 江草三四郎 + お知らせ

リクルート人材輩出学校、卒業生の言葉。パワーがある。

書籍情報


本のひらめき

先日、田坂広志さんの講演で、仕事とは何か?というお話を聞いた。仕事を通じて自分が磨ける喜び、誰かのお役にたてる喜び、自らの成長を感じる喜び・・・そうしたものが得られるのが仕事をする場であるというお話に、身が引き締まる思いがした。

さて、本書は、リクルートのブライダル情報誌「ゼクシィ」の企画営業職の著者が仕事を通じて学んだ大切なことを「等身大」の目線で語った本だ。
若いビジネスマン向けの営業マン心得帳である。

舞台は、静岡支社の「ゼクシィ静岡編集部」だ。こういう現場からの「学びと気づきの書」は、読んでいて清々しい。日々の仕事の中で、何をどう磨けばいいのかという具体的なところが、リアルな場面の中で語られている。決して、上からこうすべきだという目線でないところがいい。

たとえば:

 営業活動以外のものでもいいので「自分の自信となっているもの」「失敗し
 たときのメモ」などをファイリングしておく。

 顧客先の社外の「外部スタッフ」とも積極的に接点を作ることで、コミュニ
 ケーション力を鍛える。(著者の場合は、結婚式の会場で掃除をしている方、
 駐車場で誘導をしている方などにも声をかけ、企画書にも反映していた)

 メンバーにメールでアドバイスを受けたいときは「○/○までに返事を頂け
 ると助かります」とタイトルに締め切りを書き、重要性をアピール。

 アポイントのフローチャートを作る。

など。アポイントオリジナルフローチャートは、サンプルが紹介されている。じっくり見ると、なるほどと思える工夫が随所に。企画営業という仕事には、いろんな場面がある。そしてあらゆるシーンで様々な学びと成長があるんだなということが、本書から生き生きと伝わってくる。

もし、あなたが今年新入営業マンとして社会人デビューされた方なら、この本を真っ先に読むといい。お勧め!


僕の思いつき

本書のタイトルは、香取貴信さんの「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」をもじっている。よいことである。
学びはまねるからきているし、決して恥ずかしいことではない。

私たちは、様々な仕事の場面で日々経験と学びを繰り返している。そのときにどんな姿勢で取り組むかというのが、後に(自分に)残せるものを大きく分ける。私たちも、百人百様の「○○として大切なことはみんなxxxから学んだ」という本が書けるはず。

今からでも遅くない。ぜひ、こういう本をいっぱい世に送り出したいね~。



オススメ度

★★★★☆+等身大の先輩

読んで欲しい方

・営業の職場に配属された方
・営業の新人を鍛えたい方
・仕事を通して自分を磨きたい方

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2006年05月15日

グーグル完全活用本 ~ 創藝舎 + デザインの失敗?

実は、2割も使っていないかも・・

書籍情報

グーグル完全活用本
グーグル完全活用本
posted with amazlet on 06.05.21
創藝舎
三笠書房 (2006/02)


本のひらめき

最近の僕は、ネット検索といえばグーグルだ。早い、便利、そして面白い。
グーグルアースとか、グーグルローカルなど航空写真や衛星写真などとの組みあわせもすごい。

検索でよく使っている・・・といっても、実はいろんな機能を知らなかったりする。電卓機能なんてのは、便利だ。電卓計算を「検索」してくれるところがいい。たとえば
 
 一年は何秒? なんて検索すると

 一年 = 31 556 926 秒 なんて答えてくれる。

ほかにも一ポンドは何キロ?、1光年は何キロ?、アボガドロ定数、一升は何リットル・・・などと入れると答えが返ってくる。単位換算や計算もできる。

本書を読んでこれいいなと思ったのは、パソコンの中の画像(デジカメなど)をライブラリ管理してくれるソフトPicasaである。グーグルが無料提供している。 http://picasa.google.co.jp/ で手に入る。(さっそくインストールした。なんかものすごく快適!!)

またブログより簡単に情報発信できるグーグルベースも面白い。
 http://base.google.com/base/

ちょっと知的な(素敵な)検索技を知るために、おすすめの本。


僕の思いつき

5/12の日経新聞には、また新たなグーグルサービスが紹介されていた。

 コープ、 ノートブック、 ガジェッツ、 トレンズ

実物は→ : http://www.google.com/intl/en/options/

なかなか目が離せないですなー。

ほかに、こんなサービスや機能があったらいいな・・・なんてMosoするのも悪くない。

ン本のグーグルでは、2006年内に書籍の内容をネット検索できるようにするという。いよいよグーグルゾンに近づいているようだ。


オススメ度

★★★★+すごい検索

読んで欲しい方

・ネット検索をカッコよくやりたい方
・グーグルに興味ある方
・ネット情報を知的に活用したい方

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2006年05月14日

ズッコケ三人組の卒業式 ~ 那須正幹 + 中学生日記

   まっすぐのびる時間軸・・・

書籍情報

ズッコケ三人組の卒業式
那須 正幹 高橋 信也 前川 かずお
ポプラ社 (2005/03)
売り上げランキング: 165,695


本のひらめき

ズッコケ三人組のシリーズは、27年間という長い間、多くのファンを魅了してきた。Webookでもいくつかの作品を紹介してきた。

いよいよこの巻が最後である。2004年12月に最終巻(50巻)が出されたときは大きな反響があったという。(ちなみにこの本は、その文庫版である)

なにしろ27年といえば、はじめのころに生まれた子供がもう社会人。小学生だった人は30代後半から40代になる。2100万人(万部)に愛されたこの作品の最終は、どんなストーリーか・・・

 瀬戸内海に面したミドリ市、花山第二小学校の6年1組が舞台。卒業をひか
 えて、クラスでタイムカプセルを埋めることになっている。
 いたずらずきなハチベエ(八谷良平)、モーちゃん(奥田三吉)、ハカセ(
 山中正太郎)の3人組は、自分たちだけのタイムカプセルを埋めようと考え
 た。人がきそうにない体育館の南側のはしで、地面を掘り起こした彼らは、
 不思議なCDのはいったハコを発見する・・・。
 ネット時代の情報漏えい問題などをからませ、どたばた劇が展開する。

3人のキャラに加え、今回は担任の宅和先生(通称タクワン)の帰趨も気にかかるところ。先生の管理職試験、教育委員会といったところも登場する。ずっと、どういうものかなぁと思っていた大人の世界のことがわかったりする。笑

次の世代にも読みつがれていくことだろう・・・。


僕の思いつき

タイムカプセル。僕の小学校のころはそういうものがなかった。甥たちが、そういうイベントをやるのを聞いてうらやましく思った。

あれは学校だからできる・・・というのは、固定観念。誰がやってもいいし、いつやってもいい。

新入社員が、同期でなにかをタイムカプセルに入れても楽しい。ネット上でもそういうサービスがあるのだろうか・・・。20年後じゃないとオープンできないしかけつきで・・・

会社の庭に穴を掘って埋めるのも楽しい。その中には、20年後の私。なんてのをマンダラートに書いたものとか、今一番気にいっているものとか・・いれると面白い。途中で退社する人も、いろんな人がいるだろうけれど、なんだか面白い。時間軸をうーんと未来に伸ばした遊びは楽しいね。

卒業後の3人の様子はこちらで: 「ズッコケ中年三人組」
    → http://webook.tv/archives/000936.html


オススメ度

★★★★+ずっこけ完了

読んで欲しい方

・長い時間軸で考えてる方
・ズッコケに興味ある方
・自分を元気にしたい方

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2006年05月13日

The Giving Tree ~ Shel Silverstein + 高萩徳宗さんセミナー


書籍情報

The Giving Tree (Bilingual edition)
シェル シルヴァスタイン Shel Silverstein
篠崎書林 (1998/11)
売り上げランキング: 2,334


本のひらめき

今日はとっても素敵な絵本の紹介。アマゾン(洋書)でゲットした。1964年に書かれたこの絵本は、何十年も読み次がれて、人々に感動を与えてきた。

   Once there was a tree...

   And she loved a little boy.

   And every day the boy would come
   and he would gather her leaves
   and make them into crowns and play king of the forest.

に始まる、シンプルな絵と文。淡々と流れる物語に深い思想を感じる。


少年は、その木に登ったり、リンゴの実を食べたり、かくれんぼをしたりして遊ぶ。少年はその木が大好き。木も幸せだった。

やがて少年は大きくなり、木に向かってお金がほしいだけど・・・というと、木はリンゴの実を売ればいいよという。

さらに年が経ち、大人になった少年が家がほしいというと、僕の枝を切って使えばいいという。

さらに年が経ち、おじさんになった少年がボートを作りたいといえば、幹を切って作りなさいとその木はいう。切り株だけになった木は、それでも幸せに思う。

年取った少年が切り株のところにやってくる。
もう何もあげられないんだと木。
いやもう何もいらないと少年。
ただ静かに座って休みたいだけさというと切り株にお座りなさいと木がいう。
年とった少年が座り、その木は幸せに思う。

そんなストーリー。たくさんの感じるものがある素敵な絵本だ。


僕の思いつき

この本を紹介して下さった方は、SIC(相模原インキュベーションセンター)の長塚さんという素敵な女性。桜美林大学の堀先生のご縁で知り合えた方である。
 http://www.sssc.co.jp/entre/entre.html

なぜか僕は、この本のお話を紹介されただけで涙が出そうになった。(ヤバいっす・・・という感じだった)
それは、すごい!ランチ会議で、オススメの本を紹介しあったときのこと。

人はときどきエゴになる。もっとほしい、僕だけほしい、人にはあげたくない・・・そんな気持ちが知らず知らずのうちに湧いてくる。人はときどき素敵なことをする。どうぞお先に、これを差し上げましょう、お譲りしますよ・・・そんなとき、不思議に爽やかな自分を発見する。

「与える」ということの素晴しさ、崇高さ。

これまで親や先輩やいろんな方から与えられ続けてきた自分の幸せ。いろんなものが渦巻いて、この本は大の男を泣かせてくれる。

すごい!会議によく参加してくださるパジさん(菅さん)が貸してくれたビデオにあった言葉が連想される。

 人が死ぬとき後に残るのは
 それまで集めてきたものでありません。
 与えてきたものだけが残るのです。   (林覚乗さん)

与える喜びに目覚めた人たちが、きっと荒れた社会を癒してくれる。

僕たちも Giving Tree になりたいね。
ほんの少しの勇気と気付き、そしてそれを話せる仲間がいればいい。


オススメ度

★★★★★+与えあう社会

読んで欲しい方

・人のお役にたちたいと考えてる方
・誰かを喜ばせたい方
・喜ばれる楽しみを知っている方

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2006年05月12日

Web 2.0 book ~ 小川浩/後藤康成 + Moso仕事術 6/2,6/9

そういうことだったのか!

書籍情報

Web2.0 BOOK
Web2.0 BOOK
posted with amazlet on 06.05.14
小川 浩(サイボウズ株式会社) 後藤 康成(株式会社ネットエイジ)
インプレス (2006/03/01)


本のひらめき

このところウエブ2.0という言葉をよく聞く。なんだかまた新しいサービスが始まったの?・・・というわけではない。本書によればWeb2.0というのはこういうこと:

  インターネット上でこの数年間に発生したWebの環境変化と
  その方向性(トレンド)をまとめたもの

要するに、Webも第一世代から第二世代に進化してきた。その全般的な様相を指す言葉というわけだ。

でも、もちょっと具体的に行ってほしいなーという方には・・

  Webのネットワーク化、構造化が進むことだ

となる。XMLとかXHTMLとかCSSとか・・の技術で、ネット上に無造作にころがっていたコンテンツが、構造化し、データベース化されやすくなってきたということだ。

Web1.0とWeb2.0を感覚的に理解するにはこんな比較もいい。

  広告   : DoubleClick → Google アドセンス
  個人ページ: ホームページ → ブログ
  百科事典 : britannica.com → Wikipedia
  
といった具合。

ウエブの歴史やWeb2.0を取り巻くテクノロジーなどが紹介され、初心者にもわかりやすい解説がいい。結構ネットおたくな方も、なるほど!と思える考察があるのではないだろうか。


僕の思いつき

Web2.0を語るとき、やはりグーグルは欠かせない。その技術やアイデアの斬新さは群を抜いている。グーグルローカルなんかは典型だね。またAmazonの中見!検索なんかもいいね。

いくつか面白いのをメモっておこう。

 http://maps.google.co.jp/
 http://www.technorati.jp/
 http://booklog.jp/

ブロードバンド化、新しい技術などが進み、ロングテールの法則なんていう状況も生み出している。

ちょっと気が早いけど、Web3.0ってどうなるんだろう。今のうちから、世の中の様子をMosoして、ウエブに書いておくと、歴史に残るかも・・・笑



オススメ度

★★★★★+2.0

読んで欲しい方

・Web2.0 ってなんだっけという方
・ブログやってる方
・RSS使ってる方

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2006年05月11日

オンリーワン ~ 野口聡一 + PodCasting セミナー@ヒルズ

   9年間待った甲斐あり・・・

書籍情報


本のひらめき

現在、すでに宇宙に行った方も、これからの方もいれ、日本人宇宙飛行士は8人いる。http://iss.sfo.jaxa.jp/kids/astro/noguchi.htmlちなみに、著者の野口さんは、倍率572倍の難関を突破して、宇宙開発事業団の宇宙飛行士候補に選抜された。

ノグチ・ソウイチさん。5人目の日本人宇宙飛行士である野口さんは、高校3年生のときに出あったある本(宇宙からの帰還)で、宇宙飛行士への夢を膨らませる。

ソウイチさんは、宇宙空間で何を見たのか、それまでの訓練や試験はどんなものだったのか・・・本書を読むとよくわかる。SMAPとの交流なども楽しい。

NASAでは、チャレンジャーやコロンビア号などの事故があり、野口さんの宇宙への旅は、なかなかめぐってこなかった。待つこと9年、念願かなって2005年にスペースシャトル、ディスカバリー号で宇宙の人となる。3回にわたる船外活動を無事に果たしてきた。

宇宙空間は、宇宙服という境界で生と死を分けている。そんな空間に身をおいた人間は、やはり普通の人では感じられないものを感じるようだ。「語らずにはいられない」というソウイチさんの言葉に、本書のエネルギーを感じる。

宇宙への夢をもっている方、おすすめ。


僕の思いつき

自分が生きている間に、宇宙旅行はできるだろうか? なんて思う。宇宙飛行士になるには、もう賞味期限切れらしいので、せめて宇宙旅行者にはなってみたい。

それも無理なら、せめて無重力空間は味わっておきたいね~。

 http://www.jtb.co.jp/space/  いくつか面白い動画あり。
 http://www.spacefuturejapan.com/   
 http://www.virgingalactic.com/jp/Default.asp  ヴァージン航空の挑戦



オススメ度

★★★★+生と死の境界線

読んで欲しい方

・宇宙に関心のある方
・スペースシャトルにのってみたい方
・地球を外から見てみたい方

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2006年05月10日

鏡の法則 ~ 野口嘉則 + にんげんだもの

   人生の現実は、自分の心を映し出した鏡?

書籍情報


本のひらめき

本書には、短い物語がかかれている。泣けるから電車では読まないほうがよい。このストーリーは、登場人物の名前と職業の設定を変えてあるが、実話だという。

  41歳の主婦栄子、トラック運転手の夫、小学5年生の優太、そして経営コン
  サルタントで心理カウンセラーでもある矢口氏が登場する。

  優太は、運動神経が少しにぶく、学校でいじめにあう。親にも心を閉ざす子ど
  もの姿に栄子は心を痛める。矢口氏が夫の剣道の先輩だったこともあり、思い
  悩んで相談をしてみる栄子・・・・

  自らの心の中を映し出すために、まず自分の父親に対する感情を吐露すること
  を薦める矢口氏。切羽詰った栄子はすがる思いでそのアドバイスに従ってみる。

  そして・・・

ハンカチを用意して読んでほしいという前フリに、ちょっと構えるところもあったけれど、いざ読んでみると、涙がこぼれてしまった。ありがとう・・とか、すまなかった・・・という言葉を、いろんな人にかけたくなった。


「人生で起きるどんな問題も、何か大切なことを気付かせてくれるために起こる」「自分に解決できない問題は決しえ起こらない」

など、「原因と結果の法則」や「生きがいの創造」などで心に残ったメッセージが心にしみる物語を通して伝わってくる。

ゆるせない奴がいたり、いつもバカにしたり軽蔑したりしている人がちかくにいたら、読んでみよう。心のモヤが晴れるかも。

すべては、自分の心を写す鏡だった・・・なんて・・・。


僕の思いつき

あの人は、どうしてもゆるせない。あいつは、ガマンがならない。なんでこんな小さなことでクヨクヨするんだろう。いろんなネガティブ感情が、日々の生活の中では心の中に浮かんでくる。

僕の心の師、伝ちゃんは、こういった。

 どうでもいいことに心を痛めるのは、もったいない。人生はもっと
 楽しく、明るく、いいことで満たしたい。

そして、許せない相手にどう対処したらいいかも教えてくれた。同じことが本書にもあった。

 「私がそうであるように、○○さんも喜びを味わいたかったんだ。」
 「私がそうであるように、○○さんも苦痛を避けたかったんだ。」

私もそうであるように・・・だよね。やっぱり。ゆるす・・・という行為は、人を一段高みに連れて行ってくれる。

許している自分を鏡の中に発見してみよう。



オススメ度

★★★★★+かがみ|みがか

読んで欲しい方

・新たな自分を発見したいと考えてる方
・心の鏡に興味ある方
・まわりの人を元気にしたい方

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2006年05月09日

祖国とは国語 ~ 藤原正彦 + ココデシカ・セミナー5/18

   祖国という見方

書籍情報

祖国とは国語
祖国とは国語
posted with amazlet on 06.05.14
藤原 正彦
新潮社 (2005/12)

本のひらめき

藤原さん、「国家の品格」が大ブレークして、あちこちのセミナーでひっぱりだこ状態である。

今日の本は、「国家の品格」の前、2003年に講談社から出された単子本を文庫化した本である。中身は、国語こそすべての知的活動の基礎だという「国語教育絶対論」のほか、ほのぼの系の家族エッセイなどが収められている。

エッセイは、家族のことなどがかかれているが、さすが数学者の家族といった雰囲気で、ユーモアにも知性がつまっている。

国語は、論理を育み、情緒を培い、すべての知的活動の支えとなる、だから、国語こそが国家の根幹にかかわる大事な教育だとする、国語教育絶対論は、著者の魂をかけた叫びとなっている。 大いに共感するところ大である。

このごろ、小学校から英語を教えよう・・という動きがあり、英語くらできなくっちゃいけないし・・・と、僕も賛同したかったのだが、この本を読んで、いや待てよ・・と思うようになった。

ロジックや理論は、ある前提の上にたってモノゴトを理路整然と考える方法論である。しかし、ある前提を決めるポイントは、情緒だったり感性だったりする。だから、スタートポイントがずれたら理論は整然としていても、トンチンカンな結果になる。だから、情緒や感性をはぐくむことが大事。それには国語が大切だ・・というのが主張の内容。

国家の品格にも同様の主張があり、大いに共感したものだ。頭と心。頭を磨くのは、いろんなものがあるけれど、心を磨くのは、はやり国語の世界かもね。

ズバズバと明快に主張する著者は、きっとお話も面白いのだろうねぇ。


僕の思いつき

今後の計画やプロジェクト、企画、戦略を練るような会社の会議がある。そんなとき、最初にどういう枠組みを想定するか・・というところが非常に重要だ。

えてして、過去はどういうやり方をしたのか・・といった発想で、それをベースに物事を進めがちである。この時点。この時点こそが、藤原さんのいう情緒だったり、感性の啓く「重要なスタートポイント」になる。

だから、安易に、この前はこういうスタイルだったから、今回も、このスケジュールで・・・なんてやってはいけない。

こういうやりかたは、お役所にも企業にも実に多い。エスタブリッシュ企業ななんかは特にそうなりがち。

「企業の品格」を決めるのは、MBAスタイルのロジカルなモノゴトの整理の仕方だけではなく、はじめの一歩を踏み出すとき、どのような全体像を想定し何を解決するのかという課題の捉え方にかかってくる。そういう瞬間があったら、ぜひ、深呼吸して考えてみたい。



オススメ度

★★★★☆+祖国

読んで欲しい方

・日本の文化を大切にしたい方
・国語がすきな方
・日本を復活させたい方

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2006年05月08日

コトづくりのちから ~ 常盤文克 + 9マス手帳 DN-Ⅱ

   コトづくりとは、Mosoプロジェクトのことだった。

書籍情報

コトづくりのちから
コトづくりのちから
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常盤 文克
日経BP社 (2006/03/02)


本のひらめき

花王の社長などを務めた常盤さん。「モノづくりのこころ」につづき、コトづくりについて語った本である。

コトづくりとは、つまり組織をリードしてひとつのモノゴトを達成するプロジェクトづくりのことだ。組織にビジョンや夢を与え、みんなが智恵と汗を出し力を合わせていく容器、それがコトである。マネジメント力の話である。

本書には、著者が企業経営で体験したできごと(たとえば、花王のアタックの開発)や、ホンダやトヨタ、あるいはオンリーワン企業の中小企業などの事例を紹介しながら、コトつくりがいかに大切かを説いている。

人は、理屈と感情で動く不思議な動物。しかし、そのどちらが大きいかと言えば「感情」のほうが大きいように思える。好き、嫌い、得意、不得意、カッコいいにはじまり、これはあの人のために、これはよのなかのために・・という矜持・・・そういうものが理屈をこえて人を動かす。

コトつくりにおいても、古今東西のリーダーは、情動の部分をうまく活用してきたようだ。NASAのアポロ計画、トヨタのプリウス開発、ホンダのCVCC開発、百万分の1の歯車で有名な樹研工業、ipod などが登場する。

後半は、こうしたコトつくりにかかわる経営思想の話になる。

「きらめく旗を立て、活き活きと働ける仕組みをつくって集団を高い軌道に導く」ことが、コトづくりの「りから」だと締めくくる。リーダーの方必読。


僕の思いつき

組織をまとめてある方向に導くには、やはり旗がいる。

 何のために?
 誰のために?
 俺達はどんな瞬間をめざしているの?
 いつまでにやるの?
 さぁ、垣根を越えていっしょにやろうじゃないか!
 責任? あー、俺が取るから存分にやりなさい!

なんていう瞬間が、ある企業、組織は、強いかも。なければ、自分でつくっちゃおう。誰もやってはくれないから。

いまやってる仕事にはためく旗はあるだろうか・・。


オススメ度

★★★★★+コトづくり力

読んで欲しい方

・強靭でワクワクする組織にしたい方
・世の中のユニーク企業に興味ある方
・会社を元気にしたい方

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2006年05月07日

自分らしく稼ぐ。 ~ 小阪裕司 + BSCの本、増刷

   自分らしく生きるために・・・

書籍情報

自分らしく稼ぐ。
自分らしく稼ぐ。
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小阪 裕司
フォレスト出版 (2006/03/14)


本のひらめき

本書は、ビジネスでの儲け方や、、こういうスタイルじゃないと儲からないよといった内容ではない。ビジネス道とでも表現したほうがいい内容がある。著者は、本書をひとつの「道」の提示だという。

なぜ、このビジネスを続けるのか、どこにこのビジネスの矜持を求めるのか、そんな意味を問う内容がある。

もちろん、今ある成功ビジネスを否定するものではなく、それも一つの道であり、人が選べばよいという。資本主義もアングロサクソン型もあれば、ライン型・日本型もあるという。

少なくとも

 仕事を通じて、よりよく行き、勝ちある人生を刻むこと を成功と捉え
 自分ができることをすることで、それが誰かの役にたつことに 

価値観をおくことで、自分らしく稼ぐ方法が見つかるという。

ビジネスの四原則が印象的。
 第一原則 絆をつくる
 第二原則 世界を売る
 第三原則 伝道する
 第四原則 コミュニティを育む

絆を創るとは、お客さんとの絆、働く仲間との絆、売っているものとの絆を大切にすることだという。

普通、コンビニは、顧客との絆といった類は無縁だ。便利で商品があって買ってくれればそれでいい・・・これがコンビニの常識である。方や、ビールを定価で売っている酒屋さんは、顧客との絆で頑張っている。(福島さんの講演にも登場した酒屋さんだ)

素敵なエピソードとともに語られるビジネスの「道」は、心の奥深くから湧いてくる仕事へのエネルギーを感じさせてくれる。


僕の思いつき

自分の取り組んでいる仕事は、何を提供しているのか、何のためか・・・じっくり考えてみる機会を持ちたいね。小阪さんの本はそういう機会を与えてくれるきっかけづくりに適している。

ブランドとは約束である。とはよく言われることである。しかし、人間はミスをする。大切なことは、ミスをしないことではなく「裏切るまい」と思い、常にそうしようと努めることだという。なるほど。約束の本当の意味がわかったような気がする。安全が大切だという企業のトップに達人は、このことを社員に伝えなくてはならない・・・。

いろんな気付きがある本だなぁー。



オススメ度

★★★★★+生き方の形

読んで欲しい方

・仕事の意味を考えたい方
・自分を再定義したい方
・会社を元気にしたい方

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2006年05月06日

会社とことん活用術 ~ 大和賢一郎/ターレス今井 + 高萩徳宗さんセミナー

  視点をかえたらこんなに面白いんだぁ!

書籍情報

会社とことん活用術
会社とことん活用術
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大和 賢一郎 ターレス 今井
大和書房 (2006/02/21)


本のひらめき

GWもあと二日。そろそろ会社に行きたくてムズムズしている方もいるのではないだろうか。あるいは、もう2日しかGWがなくなっちゃった・・と暗い気持ちの方も・・・。

会社っていったいなんだろう? 行きたくないところだけど、給料をもらうためには仕方なく通うところ?もしそうなら苦痛の場所だね。ところが、本書にあるように視点の切換えをするとなんだかとっても「おいしい場所」になってくる。

 「社員は会社から使われる身である」という考え方を捨て
 「社員は会社を使って幸せになる」と考える。

給料やお金のためんではない、自分の能力を“社会”に役立てるため、そして一人でも多くのお客様に喜んでもらうために、会社を使うのだ。ゼロから、ビジネス基盤をつくるよりも、「すでにある基盤を活用」するほうがずっといいという。(そう、そう! 普段何気なく使っている会議室、コピーマシンなど自前でそろえたら大変なことになるもんね))

会社には3つの大きな価値があるという。
 1)会社にいる「人」の価値 ~ 教える教えられる、巻き込む
 2)会社にある「技術」の価値 ~ 専門技術+一般技術
 3)会社が提供する「環境」の価値 ~ 会議室、パソコン、ネットワーク

これらを活用しない手はない。たとえば、社内勉強会を催す、誰から何を学ぶかリストを作っておく、日常業務を効率化する方法を商品化して売る、などなど。さらに、自腹を切って自分に投資する、ショートカットキーを使ってデキる社員になる等、目からウロコの秘策がいっぱいだ。

もし、あなたが今年、社会人になった方なら、絶対読んでおいたほうがいい。もし、あなたが、その1年先輩なら、後輩が読む前に読むべき。(今すぐ本屋に走るべきだ。GW明けでは遅い!)今更そんな歳じゃないという方も、まだまだ大丈夫。いまからでもできることがいっぱいある。

全国のビジネスパーソンに読んで欲しい一冊。仕事の仕方、生き方を変えるいいきっかけになる。


僕の思いつき

ターレス今井さんは、藤井孝一さんの集まりでお会いしたのが最初。こんなメルマガ始めました・・・というのがはじめての会話だったような。その後、今井さんはどんどん自分のやりたいことを進め、独立開業。本も書きコンサルもやり、講演もやり・・・素晴しい活躍ぶりがまぶしい。
  http://www.carriageway.jp/

そんな今井さんが、現役サラリーマン大和賢一郎さんと書いたのが本書だ。
  http://www.1mouke.com/index.html

お二人とも情報発信力がすごい。 メルマガは、それぞれとても有益だ。「ビジネスブレーンストーミング」(まぐまぐID:83803) 「幸せなサラリーマンになる方法-気づきの視点と発想力」 (ID:127191)

出せばなる!の典型。逆にいうこと、出さなければ、どんな素晴しい能力の人も、ただのサラリーマンで終わっちゃうよということか・・・。それでは、あまりにもったいない。

いい意味で、会社をとことん使いこなすくらいの気持ちで、会社へいってみようねー。



オススメ度

★★★★★+使えるものは活用しよう

読んで欲しい方

・仕事と人生をハッピィにしたいと考えてる方
・楽しい仕事のやり方に興味ある方
・会社を使いこなしたい方

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2006年05月05日

藤村流売れる!コトバ ~ 藤村正宏 + 名刺の工夫

   体験を伝えるには、コトバがいちばん!

書籍情報

藤村流売れる!コトバ
藤村流売れる!コトバ
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藤村 正宏 橋本 亨
インデックスコミュニケーションズ (2006/02)


本のひらめき

あるカメラ専門店での話。チラシにひとこと付け加えただけで、年間100億円の売上アップに繋がったことがあるという。何だと思われるだろうか? 答えは:

  「そうか! デジカメがこんなに安く買えるんだ!」

と大きく書き、その後にどうして安く買えるのか、理由を書いただけという。

チラシ、メルマガ、DMなどいろんなもので商品やサービスをPRする。しかし、案外忘れているものもある。著者は、こう問う。

  あなたの会社の会社案内は、販促物になっていますか?
  あなたの名刺は、販促物になっていますか?
  あなたの会社の領収書は、販促物になっていますか?

「モノよりコトが大切」「モノより意味が大切」「伝わるコトバはわかりやすい」「個人の顔を出し、パーソナリティを表現する」など、なるほどというポイントと実際の事例が、強烈な印象でせまってくる。

一番面白いと思ったのは、「面白くてストーリーのあるファックスDM」の事例だ。自動車整備業のロータス同友会が主宰した講演会(例会)の案内。

都合5回の案内がとどく。しかも、毎回、面白くて謎の多い内容が書かれているのだ。この会の担当をした福田裕明社長のアイデアだという。その内容は、実際に本で味わってほしい。すぐにマネできるから。

いっぺんに藤村さん(著者)のファンになっちゃったぜい、と。


僕の思いつき

エクスペリエンスマーケティングというのは、モノより体験を売ろうというコンセプトだ。 著者のサイトがある。メルマガもあるから、覗いてみよう。

   http://www.ex-ma.com/

そこには、「常に体験を提供するという視点をもて」とあった。これだこれ、これ。僕はそう思った。今、進めている秘密のプロジェクト(スカイタイムで遊ぼう)は、まさにこれだ・・と思った。

反響が楽しみだ。うしうし。



オススメ度

★★★★★+モノよりコト

読んで欲しい方

・PRをもっと効果的にしたいと考えてる方
・コトバに興味ある方
・気の利いたPOPを作りたい方

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2006年05月04日

世界で一番おもしろい地図帳 ~ おもしろ地理学会

   こんなに面白いことを知らなかったなんて・・・

書籍情報

世界で一番おもしろい地図帳
おもしろ地理学会
青春出版社 (2005/06/24)
売り上げランキング: 5,365


本のひらめき

たとえば、こんな疑問はどうだろう?

 ヨーロッパの国旗に三色旗が多いのはどうして?
 なぜ、オランダには風車がいっぱいあるの?
 宇宙から見える国境線がある?

 小さな川まで「一級河川」になっているのはなぜ?
 東京で環7や環8はあるのに、環1-6を聞かないのは?

そういえば、どうしてだっけ?みたいなものがある。世界地図、日本地図にあ
る不思議発見が楽しめる本だ。

学校では教えてくれない地図の不思議「なぜ?」に答えてくれる。地図の奥深
さ、楽しさを再発見させてくれるのがいい。

子どものころからの疑問、一級河川のナゾがやっと解けた。僕の田舎は、すご
い山奥にある、そこを流れる川になんと一級河川の杭がたっている。えー、飛
騨川とか木曽川ならわかるけど、なんでこんなせせらぎの川が一級なの?と疑
問に思っていた。どうやら、一級、二級などの指定は水系ごとになされ、その
支流や源流もすべて同じになるらしい。なるほど。

ブラジルの首都ブラジリアには信号がないとか、オーストラリアの南部にある
インディアン・パシフィック鉄道には、480Kmもの直線区間があるという。
東京から京都までまーっすぐという距離だ。すげぇ。この直線区間を体験する
ために鉄道にのる旅行客も多いらしい。

なんだか楽しい本である。


僕の思いつき

ちょっとした疑問というのは、その場限りで忘れることが多い。あれ?っと思
っても、次から次へとあるべきことがあるから、かまっていられない。

でも、ふと気にかかることがあるなら、その疑問は何かにメモしておくのもい
いね。手帳とかメモ帳とか。

3ヶ月ためると結構面白いことになるかも・・・。

ふとした疑問。なんてブログもいい。



オススメ度

★★★★+意外な楽しみ

読んで欲しい方

・旅行したいと思ってる方
・クイズに興味ある方
・ちいさな疑問がきになる方

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2006年05月03日

晴れた日の散歩道 ~ 杉本久 + CSRシンポ当選

仲間の暖かい心で生まれた本

書籍情報

晴れた日の散歩道.gif

本のひらめき

僕は、実はあまりエッセイが好きではない。よほど面白ろおかしく書かないと、読んでもらえないのがエッセイだ。書いた人の自己満足にはなるが、読み手には案外どうでもいいことが多いから・・。

本書もエッセイである。ところが、とてもハマった。

心にほんわかとしたあったかいものが溢れ、ちょっとクスリと笑える。そしてもしかしたら自分もそんな場面に遭遇しているかも・・と思えるところがいい。

冒頭の「ヒロシの涙」は、不思議に心にしみるものがあった。著者が幼いころ、まだ世の中が貧しかったころの話。ヒロシという少年がピカピカのゴムぞうりを自慢げに履いてきた。ところが、ヒロシは肥えダメに落ちる。そして、片方のゾウリが肥溜めの中に消えた。這い上がったヒロシは、肥溜めにまた飛び込み必死で探すが、みつからない。ヒロシは泣く。そしてそれを見ていた僕(著者)たちも泣く・・みたいな話。なんだかジンとくる。

入れ歯の話も笑える。しかも、心がほっこりする。
地下鉄東西線での話。終電近くの電車で、酔っぱらった初老の老人がねっころがっている。そのそばには入れ歯が落ちている。その人があわてて降りる時、自分の入れ歯がないと困るだろう。ということで、その人のズボンに入れ歯をつっこむ。著者はさらに思いを馳せる。その人がポケットに入れ歯が入っているのに気がつき、親切な人がいるものだと思うだろう。そしてお礼をしたいと思うだろう。そこで連絡がとれるように名刺もつっこんでおく。そばにいた友人も「じゃぁ。俺も」と自分の名刺も挟み込む。・・・・このときの妄想がとても面白い。結局、入れ歯の主からのお礼の電話は翌日も、翌々日もなかった・・・。

文章がとてもすっきりしていて読みやすい。定年を迎え、エッセイでも書いてみるかなんてかたは、ぜひ、参考にしたい。簡潔でツボを抑えた表現は、国語の教科書で取り上げてもらってもいいくらい。

登場するエピソードに爽やかで暖かな眼差しを感じるのは、僕だけじゃなさそうだ。とってもおすすめ! 心なごむエッセイだ。


僕の思いつき

本書は、多くの仲間の方の応援でできた。自費出版というより自社出版、応援出版といった趣の本である。こういうスタイルもいいねー。

日本アイビーエムのユーザー向け月刊誌に連載された内容が好評で、いつしか全国の読者から「本にしたら?」と背中をおされる。

やがて、会社のまわりで話が盛り上がり、多くの仲間の協力でできたという素敵な本だ。発行所のアルス株式会社(児玉民行社長)というのは、出版社ではない、れっきとしたITの企業である。にもかかわらず、記念出版事業として会社をあげての応援となる。この経緯も素敵だ。

この本を紹介してくださったのはKさん。ありがとうございました。



オススメ度

★★★★☆+エッセイ

読んで欲しい方

・自分の本を出したいと考えてる方
・エッセイに興味ある方
・自分の本を書いてみたい方

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2006年05月02日

老人介護常識の誤り ~ 三好春樹 + 週刊東洋経済に記事

   病院は、治療者側の都合で作られている!

書籍情報

老人介護 常識の誤り
老人介護 常識の誤り
posted with amazlet on 06.05.14
三好 春樹
新潮社 (2000/02)
売り上げランキング: 71,771


本のひらめき

裏表紙に谷川俊太郎氏の推薦の言葉がある。

 「この本は、実用書であると同時に思想の書である。」

これ以上適切な言葉はみあたらない。まさに思想を感じさせる内容がある。呆け老人は、なぜ呆けるのか。徘徊させないために「抑制=手足を縛る」したり、睡眠薬を投与したり、介護する側の論理で施設や制度や方法など全てができている。だから、呆け老人の側からはちっとも考えられていないという現実が浮かび上がる。

著者は、介護の専門家でもあるが、いかにも専門家らしい専門家とは一線を画す。呆け老人によりそった「思想」がそこにあるからだ。

病院は、「病気の人」を「健康」にするのがミッションである。つまり、病気か健康か、その2つの状態しかない。二元論の世界だ。ところが呆け老人のケアや脳卒中後のリハビリは、それらのどちらでもない「中間」の状態である。病気という状態にフォーカスした病院は、その中間状態に対しては、無力。根本的に対応していない。中にはすばらしく対応のいい看護師さんやスタッフも稀にいたりはするが、施設も、仕組みも、システムも、みんな「業院の都合」を第一にして作られているという。
(思い当たる節がいくるもあるねー)

寝たきり老人は、どうやって寝たきりになるか・・・それは、「主体性の崩壊」という恐ろしい環境で生まれるという。そして、それは病院では当然のシステムとして組み込まれているのが実態だ。人を「人体」として扱うのか、「人間」として扱うのかという、思想の違いが、こうした現実を作り上げる。

オムツ外し学会、チューブ外し学会を主宰する著者は、本来あるべき介護やリハビリの世界をめざしている。本書には、そのための思想が著者の見てきた現実や経験をもとに書かれている。

介護をする側にいる方も、家族が介護される側にいる方も、ぜひ読んでおきたい一冊である。


僕の思いつき

僕の両親もいま、寝たきり状態に陥っている。兄や姉にたよりつつも、いっしょに最善を尽くしてきたつもりだ。それでも、本書に書かれている医療や介護の現実の前に、家族で忸怩たる思いをしたことも確かである。選択肢がない状況では、やむなしではあったけれど。

点滴を手でとりたがるという理由で、両手をベッドに縛られ(専門用語では抑制され)、かってに起き上がっては危ないという理由で、胴体を幅広の強靭なベルト(外国製だった)で固定され・・・、そんな親の姿をみて、家族は「なんてむごい!」と思う。しかし、それでもガマンしないと追い出されたり、看護師さんに冷たくされたりするので、子どもが親を説得したり、なだめたりすることになる。 矛盾を感じつつ、あきらめていた。

でも、やはりオカシイ! 本来の姿ではない。

わが親の環境は、著者がめざしている理想像とは離れていたが、いつか「よのなか」のしくみを変えていくという意味では、大いに感じるものがあった。

いずれはわが身。ベッドに「抑制」され、「自尊心や主体の崩壊」の道を当然のことのように突き進まされるのは、ゴメンである。

変えよう、変わろう・・・。医療や介護の世界にも、光を!(きっと介護の現場にいる看護師さんたちも悩んでいるに違いない)


オススメ度

★★★★★+主体性の崩壊

読んで欲しい方

・家族の介護に突入した方
・介護やリハビリに興味ある方
・こんな理不尽はゴメンだという方

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2006年05月01日

家族的経営の教え ~ 原邦生 +

   とんでもなく元気な会社!

書籍情報

家族的経営の教え
家族的経営の教え
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原 邦生 海田 悠
アートデイズ (2006/01)


本のひらめき

バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は、すでにクリスマスのプレゼントのように定着してきた。これを日本で初めてスタートさせたのが本書の著者、原社長である。

ひとつの小さな誤解から、これは生まれたという。1958年、学生だった著者は、パリ在住の商社マンの先輩からもらった寒中ハガキにあった言葉を早とちりしたのが、その始まりだという。

その年の2月12日-14日の3日間、新宿伊勢丹本店で「バレンタインチョコレート」が並ぶ。しかし結果は散々、板チョコ3枚とカード1枚が売れただけだったという。それが今では・・・

原さんは言う:

 この多数のギフトチャンスの中で「男女の想い」にコンセプトを想定し
 本命もあれば、義理もあるといった「想いの軽重」に対応できるイベント
 はバンレンタイン以外にない。

 また、本来、男女いずれからでも可だった欧米の習慣を、「女から男へ」
 と限定したことも大きな成功の要因だった。

日本のチョコレート市場は約4000億円。そのうち2割がバレンタイン商戦で売り上げられるという。ただし、このイベントだけに依存する体質は決して望ましくはないという。

メリーチョコレイトの成功は、たくみなマーケティング+ITを戦略的に使う優れたオペレーション、さらに家族的経営と著者が言う社員を大事にする社風が大きな要因になっている。

3ヶ月ごとに開かれる社員の誕生会では、社長と上司からのメッセージ(直筆)が社員に贈られるという。週刊社内報へ寄稿してくれた社員には、すべて労いの手紙を出すという。これが年間1000通余り。とことん社員を大切にする原さんは、こういうところの手を抜かない。情報もすべて公開する。社長の給与も含めぜんぶオープンにしているという。恐れ入りました・・である。

メリーチョコレイトの秘密を、写真も数多くまじえて語った本だ。オススメのチョコ、じゃなくって本。


僕の思いつき

原さんの講演をメリーチョコレイト本社で聞いたことがある。金沢工業大学大学院の授業の一環だ。当時MAPS(現在、MASCOT)というITシステムで、前日の売上から決算まで速攻で分かる様子のデモもしてもらった。

話し出すととまらない原さんの言葉は、とても熱く、エネルギーに満ちたものだった。

株式公開などしない、勲章もいらん・・・そんな原さんに、また、自らの経営の思想を語ってもらいたいねー。来年2月のジェイカレッジだね。



オススメ度

★★★★☆+メリーチョコ

読んで欲しい方

・メリーチョコレートが好きな方
・バレンタインデーにチョコもらった方
・日本の中小企業を元気にしたい方

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