2004年02月29日

■いつもだれかが…(ユッタ・バウアー)

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 そう、いつもだれかが・・・ね

いつもだれかが…
        
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   |著者:ユッタ・バウアー/上田真而子
   |徳間書店|2002年 12月
   |ISBN:4198616264|1,700円
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 しっとりとした大人の絵本。
 もちろんこどもが読んでもいい。大人になり年をとったときに、そういえ
 ばあんな本読んだっけ・・・って思い出せたらいいねぇ。
 
 おじいちゃんがベッドに横になっている。ベッドの下には尿瓶がある。
 孫がやってきて、おじいちゃんの話を聞く。
 おじいちゃんである「わし」の一人語りだ。
 こどものころ、いろいろ危ない目にあったけど助かった話。
 大人になり戦争やいろんなことで苦労があった話。
 その後結婚もし、パパになり、おじいちゃんになり・・・
 いろんなことがあった。
 いつも、どこかでだれかが見守ってくれてたんじゃ・・・

 そんなお話がシンプルな挿絵で展開する。
 絵本の中の天使は、いつも「わし」のことを見守ってくれ、危ない場面や
 ここぞという場面で助けてくれる。
 しかも、ちょっとユーモラスな天使として描かれている。
 見えない存在を見えるようにして描いたところが素敵だ。

 人は、自分ひとりで生きてこられたんじゃないと思うときがある。気がつ
 かず、意識もしない「その存在」は、人によって違うのだろうけれど、ふ
 と、自分の人生を思い起してみるのもいいかもしれないね。
 そうすると、どこかで宇宙につながる自分が見えてくるかもね。
 そのつながりは、過去から今にそしてずっと先の未来にもつながっている
 んだろうな。

 ヨーロッパの人たちを感動の渦にまきこんだという絵本。民俗や宗教観を
 超えた静かな感動がある。ウルっとしてみたい人、ぜひ。

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   ★★★★☆+しらないところで・・

 
   ・生きている幸せをかみしめたい方
   ・新しい人生を考えている方
   ・季節の風を感じた方

Posted by webook at 13:31

2004年02月28日

■パンツマンたんじょうのひみつ(デーヴ・ピルキー)

pantsman1.JPG
そういうことだったのか!

パンツマンたんじょうのひみつ
        
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   |著者:デーヴ・ピルキー/木坂涼
   |出版社:徳間書店|2003年 10月
   |ISBN:4198617546|952円
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 アメリカでは、現在このパンツマン・シリーズが5冊出版されており、子
 供達から絶大な人気を博している。シリーズで2600万部突破というか
 ら、すごい。日本の子供達にもきっと大人気になることだろう。

 この本は、パンツマンの第一巻。その誕生の秘密がかかれている。

 パンツマンとは、小学4年生のジョージとハロルドが、いたずらで描いて
 いたマンガの主人公だ。

 ところが、ひょんなことから学校の校長先生(意地悪)が彼らの描いたパ
 ンツマンに変身してしまうというお話。
 その秘密は、催眠術の指輪にあった。
 (どうも欧米の人は、催眠術が好きらしい。モリームーンもそうだったね)

 それ以来、誰かが指をパチンとならすたびに、校長先生は「パンツまるみ
 え、パンツマーン」と変身してしまうようになる。

 原作者のデーヴ・ピルキーは、ジョージとハロルドそのもののような子供
 だったようで、先生にいつも怒られていたという。

 「いいかげんにしなさい! バカバカしいマンガばかり描いていると
  ろくな大人になれませんよ!」

 といわれたそうだ。ろくな大人にはなれなかったが、とんでもなく素晴ら
 しい人にはなれたようだ。

 大人もいっしょに楽しめる内容だ。次のいたずらを考えておこう。
 
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   ★★★★+必殺パーンツ!

 
   ・変身したい方
   ・催眠術を使いたい方
   ・怒りっぽい人がちかくにいる方

Posted by webook at 15:05

2004年02月27日

■ユダヤ人成功者たちに秘かに伝わる魔法のコトバ(スティーブ・モリヤマ)

moriyama=yuda.JPGさすがユダヤの知恵!

ユダヤ人成功者たちに秘かに伝わる魔法のコトバ
        
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   |著者:スティーブ・モリヤマ
   |ソフトバンクパブリッシング|2004年 03月
   |ISBN:4797325992|1,300円 |
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 ベルギーを本拠地に活躍中のコンサルタント、スティーブ・モリヤマさん
 が、ユダヤ人による名言を厳選して紹介した格言集である。過去十余年の
 間に集めた世界中のユダヤ人による名言は、1万を超えるというから、そ
 れはすごい知恵のかたまりである。

 なんでも鵜呑みにするな、口は一つに耳二つ、何もしないことこそ最大の
 リスクなどユダヤ流成功法則は、なかなか奥が深い。それぞれ、誰が言っ
 たかと英語と日本語訳が書かれており、いろんな意味で勉強になる。
 へぇー、あの人もユダヤ人なの・・という驚きもある。アインシュタイン
 がユダヤ人であることは知っていたが、マイケル・デル、ジョン・コッタ
 ー、ニールス・ボーアなどは「へぇ」の部類かも。

 印象的な格言を・・・

 There are three kinds of lies: lies, damned lies and statistics.

   嘘には3つの種類がある。
   ウソ、
   真っ赤なウソ、
   そして統計である。

   Benjamin Disraeli (ベンジャミン ディズレイリ)
   英国初のユダヤ人宰相


 A child becomes an adult when he realizes that he has a right
not only to be right but also to be wrong.

   ヒトには正しいことだけでなく、
   間違ったことをする権利もあることに気付いた時
   子供は大人になる。

   Thomas Szasz(トマス・サズ) ハンガリー生れの米国精神科医
 

 An expert is a man who has made all the mistakes that can be
made, in very narrow field.

   専門家とは、
   非常に狭い分野で、
   ありとあらゆる失敗を重ねてきた人間のことである。

   Niels Bohr (ニールボーア) ノーベル賞受賞の物理学者

 ユダヤの格言を楽しんでみよう。

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   ★★★★☆+魔法のことば

 
   ・格言大好きという方
   ・ユダヤ人の成功法則を考えている方
   ・格言収集している方

Posted by webook at 23:33

2004年02月26日

■齋藤孝のアイデア革命(斎藤孝)

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 アイデアは、いくらでも生み出せる! ただし・・・

齋藤孝のアイデア革命
         アイデア連発の人はここが違う!         
   =========================================
   |著者:斎藤孝
   |ダイヤモンド社|2004年 02月
   |ISBN:4478750076|1,280円 |
    =========================================

 以前、加藤昌治さんが書かれた【考具】を紹介したことがあった。非常に
 面白ろかった。考えるツールを思わず使ってみたくなったからだ。
 
 本書も、アイデアを考えるのが楽しくなる本だ。

 アイデアは、誰でもいくらでも出せるという。ただし簡単ではない。それ
 なりの意識改革とトレーニングが必要だという。

 アイデアは、まったくの無から生み出すものではなく、何かと何かを加え
 たり、掛けたり、視点を変えたり・・そんなプロセスで生れる。

 斎藤さんも基本は「ずらす」「つなげる」だという。ふむふむ。
 数式で書くと y=f(x)となる。xという既成の商品に「ずらす」「
 つなげる」という関数fを掛け合わせるのだ。

 世の中にはカラオケボックスは常識のようにある。ところが最近その稼動
 率が下がっているという。そこで、○○ボックスを考えてみる。すると、
 シネマボックス、キッチンボクス、睡眠ボックスなど様々なアイデアが出
 てくる。そんな過程を非常に面白く展開している。

 ○○ボックスとか、健康○○ などを考える「空欄を埋めよ」方式も、豊
 富な事例で思わず引き込まれる。

 あらゆる仕事は、アイデアをだすことだ。
 しがたって、リーダーの役割は、アイデアを出させることだ、という。
 どんな思考様式をとればアイデアが出るのか、本書できっかけをつかんで
 みたい。

 面白いことに対して「へぇ」で終わらず、その次を考えるために・・。

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   ★★★★★+身体感覚

 
   ・アイデアをたくさん出したい方
   ・新しい構想を考えている方
   ・ブレークスルーしたい方

Posted by webook at 23:18

2004年02月25日

■戦略「脳」を鍛える(御立尚資)

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 “ポーター”を読んだだけでは勝てる戦略はつくれない!

戦略「脳」を鍛える
        BCG流戦略発想の技術        
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   |著者:御立尚資(みたち・たかし)
   |東洋経済新報社|2003年 11月
   |ISBN:4492554955|1,600円|192P
    =========================================
 
 マイケル・ポーターの競争戦略論をいくら勉強したといっても、それだけで
 勝てる戦略ができるわけではない。確かに! 
 じゃぁ、いったいどうすればいいの?という問いに見事に答えてくれる本だ。

 何事も基本や定石は必須だ。それなしにイチローや羽生は生れていない。
 一方で基本や定石を知っているだけでは勝てないということも事実。その先
 にどうしたら行けるか・・
 著者の御立さんは、それを「インサイト」と読んでいる。定石を超えたイノ
 ベーションを生みだす発想法を、とても分かりやすく解説している。
 加えて、いくつかの課題をいっしょに考えるケースもあるのもいい。

 BCG(ボストンコンサルティンググループ)のノウハウを惜しげもなく開
 示し、とても面白い展開になっている。そして、火星探査機パスファインダ
 ーや大森焼きそばなど面白い事例も盛り込まれており、とても読みやすい。

 戦略は人マネしていては、戦略にならない。「ユニーク」であることが必要
 だ。そのためには・・・と本書は語りかける。
 考える方法を構造的に展開しているのでとても分かりやすい。構造的という
 のは、こういう具合に因数分解する方法である。

   ユニークな戦略 = 定石+インサイト
           = 定石+(スピード+レンズ)
           = 戦略ノエッセンス+(パタン認識+グラフ発想)x
            シャドウボクシング+ ・・・・
 という具合である。
 とくに、「拡散、フォーカス、ひねりというレンズの三要素」が僕はお気に
 入りだ。いいねぇ。

 ちなみに、御立さんは、もと同じ職場にいた仲間。超キレ頭(あ、これ怒り
 っぽいという意味じゃないよ)だった彼ならではの味がある。
 Insightをここまで噛み砕いて語ってくれたこの本は歴史的なポジシ
 ョンを得るかもね・・。
 (元同僚のよしみという要素を100%排除してもなお、すばらしい!。)

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   ★★★★★+インサイト

 
   ・ユニークな戦略を考えたい方
   ・考える方法論を考えている方
   ・人と違ったことをしたい方

Posted by webook at 17:42

2004年02月24日

■100億稼ぐ仕事術(堀江貴文)

1000oku.jpg
 うん、メールだね!

100億稼ぐ仕事術
        
   =========================================
   |著者:堀江貴文
   |ソフトバンクパブリッシング|2003年 12月
   |ISBN:4797325402|1,500円
    =========================================

  堀江貴文さんといえば、「サイバークリック」「melma!」、リナックス
  ベースのOS「Lindows OS日本語版」の独占販売、などなじみのあるサー
  ビスを展開するオン・ザ・エッヂ(現在、エッジ)の社長さんだ。
  その堀江さんが、自らの仕事術を大胆に公開した内容である。
  7年半で年商100億の会社をつくっちゃったこの方、いったいどんな仕事
  しているのか・・・興味深々。

  「ヒト」「ジカン」「ジョウホウ」「カネ」「ツール」について、自身
  の考え方、仕事の仕方が語られている。

  営業トークや話題づくりの名刺などなど、いろんなことが書かれているが
  一番の驚きは、メールの使い方。堀江さんの武器は、メールのようだ。
  一日5000通も読むと聞けばゲゲゲっと驚く。
  すべての「仕事」はメールにして自分に送るなんてのは、面白いね。僕も
  ときどき備忘録的にやるけど、それが徹底している。

  情報収集の手段の一つだというBuklnews ( http://bulknews.net/ )もさ
  っそくマネして使ってみよう。

  堀江さんに関心ある方、ぜひ!

  社長日記がライブドアのBLOGに公開されている。
   http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/

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   ★★★★+仕事術

 
   ・かっこいい仕事したい方
   ・でっかいこと考えている方
   ・メールでばんばん仕事したい方

Posted by webook at 22:14

2004年02月23日

■福祉を変える経営(小倉昌男)

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特別視することがいけません・・・

【福祉を変える経営】
         障害者の月給一万円からの脱出         
   =========================================
   |著者:小倉昌男
   |日経BP社/日経BP出版センター|2003年 10月
   |ISBN:4822243648|1,300円
    =========================================

 クロネコヤマトを今ではなくてはならない社会インフラにまで成長させた
 戦後の日本経済史に残る人、小倉昌男氏の新たなチャレンジの本である。
 今度は、福祉の常識を変えようというものだ。

 小倉昌男さんは、小口宅配という誰もがそんなの儲かるはずがないと決め
 つけていた事業を、すばらしい事業分野(宅急便)にしてしまった。
 その物語は別の本があるが、本書は小倉さんの第二章。福祉改革である。

 なぜ、改革か。福祉は現在、さまざまな取組みがなされてきてはいるが、
 障害者の給料はなんと月給1万円というのが普通らしい。「共同作業所」
 という障害者の方々が働く場所が全国にあるという。そこでは儲かる仕事
 というコンセプトはない。空き缶つぶし、牛乳パックつぶし、そして天ぷ
 ら油にカセイソーダをまぜて石鹸をつくる・・・などなど。共同作業所を
 見学した小倉さん「市場価値がない・・経営という概念がない・・」と驚
 くことに。

 そこで「市場経済の中できちんと働ける仕組みをつくり、健常者となるべ
 く同じようなかたちで自活できるようにする」ことが小倉さんの新たなミ
 ッションになったのだ。本書は現在進行形の取組みを語りおこしたものだ。
 様々な「常識(=非常識)」や「行政の壁」などもあり、そこで戦ってい
 る小倉さんの姿がある。

 すでにいくつか成功事例もあり(ベーカリー事業など)、これからの発展
 が期待される。こうした取組みもクロネコヤマトで築かれた財力やネット
 ワーク、信頼などがおおきなバックアップになっている。

 がんばれ!クロネコ!

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   ★★★★☆+ノーマライゼーション

 
   ・福祉事業を営む方
   ・福祉の改善を考えている方
   ・社会に貢献したい方

Posted by webook at 08:35

2004年02月22日

■瞬間をとらえる(ガリレオ工房/伊知地国夫)

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  時間を止めてみる・・?
瞬間をとらえる】  びっくり、ふしぎ写真で科学(5)
   =========================================
   |著者:ガリレオ工房/伊知地国夫
   |大月書店|2004年 02月
   |ISBN:4272404350|1,800円|35P
    =========================================
 
 本書は、肉眼ではみえない一瞬を見て、「へぇ」と「なるほど」を感じる
 ことができる本(写真集)だ。

 ミルククラウン。
    牛乳と自然が作り出す見事な瞬間技。見たことがある人
    は多いはず。肉眼では見えない不思議な画像は、美しい。

 マッチをすった瞬間の炎。
    まるでロケットエンジンの噴射のようだ。

 無重力状態で燃えるろうそくの炎
    無重力では、炎は丸くなる!。

 蛇口からたれる水のしずく。
    うっ、なんてうつくしい!

 ドライバーが当たった瞬間のゴルフボール。
    ゲゲゲ・・。

 面が決まった瞬間の竹刀のたわみ。
    おみごと!というくらい曲がる。

 本書の最後には、ミルククラウンの撮影方法や、蛇口から落ちる水玉が静
 止してみえるストロボライトの作り方などが紹介されている。
 水玉は、一度静止させてみたいねー。

 もし、時間をとめてみたい・・という一瞬があったら、どうしたらそれを
 止められるかを考えてみるのも楽しい。
 明日のビジネス場面にもそういう瞬間があるかもね。

 補足: (のりも先生の一言: ストロボやってみた~い )

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   ★★★☆+瞬間の美

 
   ・こどもの科学の目を養いたいおとうさん
   ・楽しいことを考えている方
   ・時間をとめてみたい方

Posted by webook at 19:07

2004年02月21日

■百万分の一の歯車!(松浦元男)

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世の中にはやっていい競争と、やってはいけない競争がある。

百万分の一の歯車!
世界一の超極小部品をつくる樹研工業の技と哲学         
   =========================================
   |著者:松浦元男
   |出版社:中経出版|2003年 07月
   |ISBN:4806118419|1,400円|223P
    =========================================

 まず扉を開けて見開きの写真に驚く!
 米粒の上にちらばった百万分の1、10万分の1、1万分の1の歯車の写真
 である。人間の感覚は、100万分の一と言われてもすぐにはイメージで
 きないが、こうして写真をみると「へぇ」である。しかも単にギザギザが
 ある歯車ではない。ちゃんとサイクロイドカーブを描いている歯車なのだ。
 そんな小さいものがどんな製品に利用されるか・・・・実はまだ用途がな
 い! なんと!。

 しかも、その開発に投入した2億円もかけたという。年商28億円の規模
 の会社にしては、大胆な投資である。では、なぜそんなことを・・・。
 そこには、ダントツ世界一になるという「先回り戦略」があったのだ。

 しかし、それだけで終わらないのがこの本のすごいところだ。
 世界一の技以上に感動的なストーリーがこの本にある。

 社員には元ヤンキーや元暴走族がいる。何しろ、採用は先着順なのだ。
 しかし、かれらは一流だ。ドイツ語だって話す。かれらに教えを請いにく
 るのは大学教授だったり工学博士だったりするのだ。彼らがなぜ能力を伸
 ばせたか・・その秘密がある。「動機と機会を与えれば数倍の能力を発揮
 する」というものだ。

 著者の経営理念がしびれる。「世の中にはやっていい競争とやってはいけ
 ない競争がある」・・・品質と技術と財務の競争はやるべきだが、価格、
 規模、品揃えでは競争してはいけないということだ。なるほど・・。
 
 涙がでるくらい感動するエピソードがいっぱいある。

 写真はこちら:
  http://j=net21.jasmec.go.jp/info/excellent/02list/02_13.html

 のりも先生のひとこと: 「うっそ!」
   (歯車が載っている白いものがお米だと分かったとき、あげた声)

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   ★★★★★+百万分の5じゃない!

 
   ・フレークスルーしたい方
   ・人を育てたいと考えている方
   ・世界一になるんだと思い直した方

Posted by webook at 21:01

2004年02月20日

■GE式ワークアウト(デーブ・ウルリヒ/スティーブ・カー)

warkout.JPG
官僚主義は、まるで庭の雑草のようにいつでも戻ってくる。

GE式ワークアウト
        
   =========================================
   |著者:デーブ・ウルリヒ/スティーブ・カー
   |出版社:日経BP社|2003年 04月
   |ISBN:4822243370|3,200円
    =========================================

 GEは、おそらく世界の企業の中でもっとも強靭な企業パワーを持ってい
 る会社の一つだ。トヨタやIBMもそのひとつだろう。
 いずれも共通する要素があるとすれば、「変化・変革」というのが、日常
 的なことになっていることではないか。そのための仕組みが常識のように
 存在するところである。
 GEの場合は、シックスシグマであったり、本書で取り上げているワーク
 アウトであったりする。

 「GEが今日なお、官僚主義を排除し、社員に権限を与え、より効果的な
  ビジネスのやりかたを絶え間なく発見し続けることを可能しているもの」

 それがワークアウトだ。

 ワークアウトやタウンミーティングといった言葉を聞いた方もあるだろう。
 それが、実際にどのような仕組みで、どう運用されたらGEのような強靭
 な組織になれるか・・・そんなヒントが具体的に書かれている。

 ワークアウトとは、次のようなプロセスを踏む。

 1)デザイン段階
   組織(関連組織も含め)が抱える問題をピックアップし、何を解決し
   なければいけないかというテーマを決める。
   組織長がリーダーシップをもって行う仕事だ。日本企業でよくあるよ
   うに、下からあげてもらってコメントするのではない。
   そして、チーム(クロスファンクションチーム)を組織し、そこで、
   問題分析、アイデア創出、改善提案の策定を行う。

 2)ワークアウトセッションの実施段階
   ここでの一番のキモは、タウンミィーティングというものだ。
   スポンサー(役員など)に提案をプレゼンし、その場で「是か非か」
   を決断しなければならない。上にとってはものすごいプレッシャーの
   場面であるいいかげんな対応をすると、バカにされる・・・。
   (そういう緊張の場面は、日本企業ではあまりない)

 3)遂行段階
   承認された実行案を提案のオーナーが責任をもって実施する。12週
   間以内。終了時には、当然レビューを行う。


 組織は、いつでも問題や課題を抱えている。これは99%以上真実だと思
 う。そして、それを放置するか、なんとかするか・・でその後が分かれる。
 ワークアウトは、まさに「なんとかする」仕組みだ。
 ワークアウトは、実は日本のQCサークルにヒントを得ているという。違
 いは、トップダウンのベクトルがあるかないか・・のようだ。

 かなり大部な本だが、厚さと価格を裏切らない内容がある。
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   ★★★★★+壁を破る

 
   ・組織の壁を破りたい方
   ・GEのワークアウトを検討している方
   ・組織変革を進めたい方

Posted by webook at 14:11

2004年02月19日

■大相撲の経済学(中島隆信)

oozumou.JPG
力士も会社人間だった!?

大相撲の経済学
        
   =========================================
   |著者:中島隆信
   |出版社:東洋経済新報社|2003年 10月
   |ISBN:4492313303|1,600円| 204P
    =========================================

 相撲は日本の国技である。野球やサッカーのようにプロスポーツであると
 同時に文化的な要素も持っている。
 そして、伝統や文化というベールのもとに日本相撲協会の内部は、一般に
 は知られていない。
 本書は、大相撲(相撲協会)を経済学の視点から分析した本である。

 横綱の給料がいくらかといったものではなく、角界のなかでの経済的イン
 センティブや組織的なモチベーションの仕組み、モラル維持の努力などの
 分析である。なかなか面白い。
 力士総当たり制がないこと、外国人力士が増えたこと、八百長問題がいつ
 も噂されること・・など「??」な現象には、実はそれなりの合理的な理
 由があったのだ。

 力士の給与体系は、収入の安定性や年功賃金的要素がある。また曙がK1
 に転出してしまった遠因ともいわれる年寄株は年金証書みたいなものであ
 る。また、番付は人事表である。大相撲は現役力士と年寄という「社員」
 を有する会社である、八百長は、社内協調ともいえる。
 などなど、われわれの知る会社の生業と比較しながら展開する。

 相撲も今は一時の人気が低迷し、他のスポーツ(サッカーや野球など)と
 の競争にさらされている。また人材確保という点では、リソースを外国人
 に求めなければならない情況に拍車もかかっている。そして年寄株という
 年金問題にも苦しんでいる。

 著者は「だから大相撲は大胆な構造改革が必要である」と言っているわけ
 ではない。
 なぜなら、相撲協会はオープンなスポーツの側面と、閉鎖的な文化的側面
 があり、すべてをグローバルスタンダードや経済学的な見地から批判を加
 える必要はない、からだ。
 伝統の継承というのは、長い時間軸で物事を考える必要がありそうだ。 

 サッカーの経済学とか、競馬の経済学とかも読んでみたいねぇ。

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   ★★★☆+はっきよい

 
   ・相撲がお好きな方
   ・相撲協会の不思議を考えている方
   ・角界を覗きたい方

Posted by webook at 09:36

2004年02月18日

■日経で鍛える「儲け」のチカラ(森英樹)

morihideki1.jpg
鍛えるか、流すか。・・・朝の15分が人生を分ける。

日経で鍛える「儲け」のチカラ
           朝15分の経営戦略考
   =========================================
   |著者:森英樹( http://www.mori=office.com/
   |青春出版社|2004年 02月
   |ISBN:4413034511|1,400円 |239P
    =========================================
 
 森さんは、「経営戦略考」というビジネス系メルマガを発行し、独自のポ
 ジションを持つコンサルタントだ。僕も購読しているが、とても面白い発
 見や発想が楽しめる。本書は、そのメルマガが本になったものだ。

 森さんは、日経記事から「なぜ?」を拾い出し、そこにある企業の取組み
 や創造的アイデアを原理原則化して、広く他の企業にも適用できるような
 「発見」を毎日行なっているのだ。
 本書は、その発見を改めて認識できる。ほぉーだったり、へぇーだったり
 とても面白い。「さて、あなたの企業ではどうだろうか?」という教訓が
 最後にあって、わが身に置き換えるきっかけも提供している。

 たとえば、
 「工場オフィスの蛍光灯、切れたら無料交換ー松下電器
 という日経新聞の記事は僕も記憶にある。面白いなーと思ってコラムにも
 書いた。森さんは、その記事をさらに追求し、このビジネスは「顧客と売
 り手の利害が一致するビジネスモデルの転換」であるというように一般化
 している。医療ビジネスなどにも敷衍できる。こういう“考察”こそが、
 頭をいつも柔く保てる。
 
 また、「JTB 旅行積み立て金利を上乗せ~SARSでの自粛客取り込
 み(日経新聞)」の記事は、顧客の買い控え対策の話だ。
 これは、他業種による「代替品(消費)」を競争相手/脅威と認識したこ
 とになる。旅行意外の代替品で消費者の欲求が満たされるのを防ぐ「手付
 け戦略」である。なーるぅほどー!。
 
 本書は、毎日あたりまえのように入ってくる情報や体験にどんなスタンス
 で向かえばいいか・・という問いかけにもなっている。

 日経新聞を読んでいる人は2百万人以上いるわけで、TVのニュースを見
 ている人はさらに多い。ところが、そこから何かを考え、それを発信しよ
 うとするか、しないか・・・それで、まったく異なる情況が生まれる。
 鍛えるか、流すかの積み重ねの先にあるものだ。
 つまり、知りえた情報をただ、「へぇ」とか「面白い」ですませるか、そ
 の先を考えるかの違いは大きいということだ。

 日経新聞を読んだ「その先」を、森さんは3つのポイントで表現する。
   1)なぜ、そうなっているかを考える
   2)次はどうなるかを考える
   3)わが身に置き換えて考える

 そして、もっと重要なことは、「さらにその次」。考えたことを外に出し
 てみるという行為である。深く考えるために、それを続けるために、外へ
 発信するということは非常に大きな意味をもつ。
 その結果として、森さんのように、押しも押されぬカリスマ的存在になれ
 るわけだ。4年間「経営戦略考」というメルマガを出し続けてきた森さん
 が、情報発信によって得たものは計り知れないものがあると思う。
 もちろん、コンサルタントの森さんと僕は違うし・・・という言い訳をし
 たくなるが、本書を読よんで「そうそう!」という共感を得たのなら、そ
 れは僕も(私も)できる・・という可能性の証だ。

 森さんは、メルマガのことを「受け手ではなく送り手のニーズを満たす存
 在である」と言っている。至言ではないだろうか。出すという行為を無料
 でできるすばらしい環境が今はあるのだ。
  
 日経の記事をただ読み過ごすだけで終わるのか、その先を掘ってみるかで
 大いに違った世界がまっている。環境はすでに存在する。あとはやるだけ。

 さて、どうしますか? 
 
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   ★★★★★+発見!を自分のものに

 
   ・新聞の読み方を変えたい方
   ・メルマガ発行を考えている方
   ・ビジネスネタが欲しい方

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2004年02月17日

■自分ブランドで勝負しろ!(藤巻幸夫)

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自分ブランドの名刺を作るために・・・

自分ブランドで勝負しろ!
        
   =========================================
   |著者:藤巻幸夫
   |オーエス出版|2004年 01月
   |ISBN:4757302088|1,300円
    =========================================
 
 杉並区立の公立中学で校長先生をしている元リクルートフェローの藤原和
 博さんは、子供の頃面白い遊びをしたという。どんなものかというと、親
 の名刺をもってきて、せーので出して、誰が一番エライか勝負するという
 ものだ。ずいぶんオマセな(?)遊びではあるけれど、大人の世界を実に
 リアルに遊んだことになる。
 しばらく前は(今もそうかも)、会社の(名前)名刺が自分のステータス
 を表していた。「へぇー、○○にお勤めなんですかぁ!」といった具合に。

 しかし、だんだんそれだけでは「So Whtat?」 の世界に変わってきた。
 今は、会社ブランドが価値基準だった時代と、個人の自分ブランドが価値
 基準になる時代の端境期かもしれない。

 そんな時代の先端で風をきっている男の1人、それが本書の著者、藤巻さ
 んだ。

 本書を読むとこれからのビジネスマンが何を価値基準にして、どんな生き
 方をしたらいいか、いいヒントを拾うことができる。

 たとえば・・

   あなたは「いつ辞めてもいい!」という覚悟で、いまの会社で自分の
   好きなようにやってみたのか!?

   会社に飼われたままではいけない。
   会社をあなたのやりたいことを実現するためのパートナーにするのだ。

   会社にあてがわれた部署のメンバーだけで、ただなんとなく固まって
   いるなどというのではなく、それぞれに武器をもった個人が自発的に
   群れを組む戦略集団になれ!

   大切なのは自分がどう見られているかではなく、自分がどうありたい
   かだ。

 などなど。きっと人によって心に響く言葉は違うだろう。しかし、本書で
 藤巻さんが訴えていることに多くの人が共感を覚える要因は、次のような
 点だ。
 つまり、今ではカリスマ・バイヤーなどと呼ばれる藤巻さんもはじめは伊
 勢丹の「一社員にすぎなかった」という事実だ。

 チャップリンのエピソードもいいねぇ。
 往年のチャップリンにどの作品が一番好きですかと尋ねると
 「次の作品です」と答えたという。今まで築いてきた自分ブランドにおも
 ねることなく挑戦しつづけようという藤巻さんの気持ちが出ている。

 自分ブランドがある人も、その芽が育ちつつある人も、これからの人も勇
 気がわいてくるね、この本。自分ブランドで勝負だね。

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   ★★★★★+自分ブランドだ

 
   ・自分ブランドを構築したい方
   ・転職を考えている方
   ・自立したい方

Posted by webook at 12:11

2004年02月16日

■ロジカル問題解決(津田久資)

logical=tsuda.jpg
思考停止をSTOP!

ロジカル問題解決】 超MBA式
        
   =========================================
   |著者:津田久資
   |PHP研究所|2003年 11月
   |ISBN:4569628133|1,500円|285P
    =========================================

 私達のビジネスシーンでは、ときどき(ちょくちょくか)【思考停止】の
 場面に行き当たる。それは、問題に直面して「分からないことがいっぱい
 あるから」とか「不確定要素がありすぎるから」という理由で、とりあえ
 ず様子を見ようとそのまま結論を先送りするような場面である。

 本書では、まず「限られた情報と時間の中で、いかに事態を分析し、判断
 を下すか」が重要であるという『マインド』の大切さを説く。
 つまり「結論志向」というやつだ。
 <モンゴルの人口はどのくらい?>という質問や、<新しいウィスキーの
 値段はいくらがいいか?>など、なんだか当てのない問題にどう対処した
 らいいかという具体例を示しながら、なるほど「結論志向」とはそういう
 ことかを示してくれるのがいい。

 その上で、問題解決のためのツールを紹介する。
 MECE(ミッシー)やロジックツリーなどだ。これらは「拡散と収束の
 思考」を進めるためのものである。

 ロジカルシンキング(論理的な思考)をすれば望ましい解が出るかといえ
 ばかならずしもそうではない。かといって、創造的に考えようとむやみに
 ひらめきやアイデアを出していってもこれまた収集がつかない。
 著者は、そのバランスを実にうまく表現する。僕はこのくだりが大好きだ。

  仮説を得るためには、論理的思考と創造的発想が必要で、そのバランス
  が大事。川の向こう岸にたどり着くために、完全な橋(論理思考)だけ
  では届かないし、ジャンプ(創造的発想)だけでは確率が低い。
  (ましてや川を前に、おろおろするだけでは話にならない)

       __@  
        δ .. 
                 _________
    ━━┓      ┏━━━━
    ////┃      ┃////////
    ////┃      ┃////////
    ////┃~~~~~~┃////////


 モノゴトを考え抜け・・なんていろんなところで言われているが、それは
 実際どういうことなんですか?という点を説明するのはなかなか難しい。
 本書の最後には、東京=大阪を走るスーパーエキスプレスで社内販売の業
 績をどう上げるかというビジネスストーリーが紹介されている。著者が言
 う「マインド」「ツール」「情報」が大切というのは、なるほどそういう
 ことね・・と分かる。

 中身が濃いけど、楽しい本だ。

 さて、この本の著者津田さんのトークライブが予定されている。
 詳しくは、●本日のおまけに。

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   ★★★★★+

 
   ・ロジカルシンキングをしたい方
   ・MBA的思考ってどんなんかなって考えている方
   ・思考停止に陥っている職場をもっとよくしたい方

Posted by webook at 07:59

2004年02月15日

■パンツマンvsおもらし教授あんたのお名前なんてーの?(デイブ・ピルキー)

underpants.bmp
あなたの中に眠る子供心を揺り起す~・・・?。

パンツマンvsおもらし教授あんたのお名前なんてーの?
        
   =========================================
   |著者:デイブ・ピルキー/木坂涼
   |徳間書店|2004年 02月
   |ISBN:4198618208|952円| 149P
    =========================================
 
 今日もお子さんといっしょに楽しめる本をご紹介。
 この本は、「小学低中学年から」とあるが「大人若中年から」でも十分い
 ける本である。ゲラゲラ笑いながら、楽しめる。

 アメリカでシリーズ2600万部のメガヒット作品だというが、それが誇
 張ではないことはすぐにわかる。翻訳もすばらしい

 登場するのは、いたずら好きなジョージとハロルド。小学3年生くらいだ。
 そして、いじわるなクラップ校長先生。ところが、クラップ校長は、誰か
 が指パッチンをすると「パンツマン」に変身するのだった。パンツマンと
 は、パンツいっちょうにカーテンをはおったおかしなスーパー・ヒーロー
 なのだ。

 本書では、ニュースイスランドの「鼻くそほじほじ大学」をトップの成績
 で卒業した天才科学者「ピ-ピー・おもらしチビルレロ」教授が巻き起こ
 す騒動のお話。

 いたずらや珍騒動で息もつかせない展開、そしてこどもの絵本なのに微妙
 なところに張られた伏線、おもわずクスっと笑うネーミングなど、実に多
 彩な楽しみがある。ページの端をもってパタパタやると動く画像が見える
 楽しいしかけもある。

 ジョージの名前はジョージ・アビード、ハロルドは、ハロルド・ハッチン
 ス。あれれ・・・どこかで聞いたことがあるような・・笑

 翻訳も日本人にあった絶妙の訳があり、楽しい。
 
 本書はシリーズ4作品目だが、第一作からぜんぶオーダーしてしまった。
 こどもにおねだりされたからではない。お父さんが読みたいから・・。笑

 原作者のホームページはこちら。→ http://www.pilkey.com/index.php
 著者は子供のころはAD/HD(注意欠陥他動性障害)だったと自ら語っている。
 ジョージとハロルドには著者ピルキー氏自身が投影されているようだ。
 パンツマンは、英語ではCAPTAIN UNDERPANS である。

 補足:(のりも先生の一言: おとうさん勝手に読んじゃだめだよ! )
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   ★★★★★+パンツまるみぇ~

 
   ・愉快な想像を膨らませたい方
   ・イタズラしてみるかなって考えている方
   ・こどもといっしょに素敵な土日を過ごしたい方

Posted by webook at 09:59

2004年02月14日

■うきうきしたら(ジェズ・オールバラ)

ukiuki.JPG

 この本を読んで空をとべなかったら5歳未満てこと・・だね。 

うきうきしたら
        
   =========================================
   |著者:ジェズ・オールバラ/たがきょうこ
   |徳間書店|2004年 02月
   |ISBN:4198618224|1,500円
    =========================================
 
 この絵本の対象は「5さい~」となっている。僕も対象にはいる。(笑)
 冗談はさておき、大人も読みたくなる絵本だ。表紙からそそられる。いぬ
 のシドがふわっとそらを飛んでいる姿はほんとに楽しそうだ。

   こいぬのシドは、あるあさ学校へいくとき、うきうきしてくる。
   どんどんうきうきしてくると、ふわっと空に浮いてしまう。
   わぁーぃ、ぼくうかんでる。そらは広いな。
 
   学校についてみんなに「そらをとんできたんだ」といっても
   誰も信じてくれはしない。ついには先生にまで注意されてしまう。

   おちこんで家に帰ったシド。
   木の株にしょんぼり座っているととうさんがやってきて・・・
   ちょっと素敵なことが!

 そんなお話。

 登場するいぬの表情が実にほのぼのとしていて楽しい。こんなに表情豊か
 ないぬは見たことがない。すばらしい絵本だ。
 
 最後におとうさんとシドがふんわりそらをとんでいる姿は、ものすごく心
 を刺激する。いいなぁーーって。僕は、シドのおとうさんになって空を飛
 んだね。さわやかな元気がもらえるよ。サイコウ!

 こどもがいる友達がいたら、ぜったいプレゼントしたい一冊。
 そうだ。ニュヨークの坂之上洋子さん(犬も歩けば英語にあたる)にプレ
 ゼントしちゃおう! (まっててねー)

 原作は「Some Dogs Do」。同じくジェズの書いた「ぎゅっ」っていう絵本
 も読みたくなった・・・。あー、こころがホンワカしたな。


 補足: (のりも先生の一言: 絵がとってもかわいかったよ~ )

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   ★★★★★+飛べるよ

 
   ・ウキウキしたい方
   ・楽しいことないかなって考えている方
   ・お子さんと素敵な土日を過ごしたい方

Posted by webook at 20:27

2004年02月13日

■稼ぐチームのレシピ(キャメル・ヤマモト)

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 素材も料理次第。いやホント、まったく・・

稼ぐチームのレシピ
        
   =========================================
   |著者:キャメル・ヤマモト
   |日本経済新聞社|2004年 01月
   |ISBN:4532311160|1,400円|
    =========================================
 
 日本はかつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と脅威に思われた時期が
 あった。最近では「失われた10年」などと自ら萎縮モードに落ち込んで
 いるが、日本がふたたび勝ちつづけるためには何が必要だろうか?
 日本や日本人の強みとは何だろうか?

 本書は、その疑問を解くカギとして「チームワーク」に注目し、それを更
 にバージョンアップする方法について考察する。

 日本における長屋的な土壌は、自然に仲間を助けたり、教えたりする「和」
 の世界を築いてきた。それは「空気のようにそこにある」が、「そこで働
 いてみないと分からない」「時間と場を共有した人だけわかる」もののよ
 うだ。著者は、それをグローバルに応用できるものにしようと試みる。
 「説明可能で、多様で、オープンな」チームワークへのバージョンアップ
 だ。
 
 なぜチームワークに注目し期待するかといえば、「変革パワーをもったト
 ップがあまりにも少ないこと」+「ボトムアップの群集革命はつぶされ易
 いこと」から、チームを基点とした変革アプローチが有効であろうと考え
 たからだ。(ふむふむ)

 さて、本書ではチームを4つの種別に分類する。
 1「和・仲間チーム」~日本にもっとも多い。大きな変化には弱い。
 2「仕組み・軍隊チーム」~ファーストフードの味。急な変化に弱い。
 3「精鋭・開発チーム」~ハイテクの開発チームのような感じ。
 4「変幻・アメーバチーム」~自由と自己責任。

 料理に例えれば、和洋中華エスニックみたいな分類だ。大切なことは、そ
 れらをいかに美味しくするかである。

 人を集めてつくるチームを、料理の素材をあつめて作る料理にたとえ、そ
 のレシピを提示しようというのが本書である。

 レシピ(強いチームをつくる工夫)として3つのAを説く。
 「Aspiration」(志・価値感の共有)
 「Aset」(人材の組み合わせ)
 「Action」(行動のためのプロセス)

 コンサルタントの著者は、勤務先のワトソンワイアットでのエピソードや
 様々なケ-ス紹介で、多様な料理(チーム・パワーアップのレシピ)を提
 示している。

 個人が自立(自律)し、メンバーが気持ちよく働けるチームつくりのため
 ヒントをみんなで話すきっかけにしたい本である。

 ====================================================================
 

   ★★★★+4チーム

 
   ・人財活用だぁ!って方
   ・チームパフォーマンス向上を考えている方
   ・マネジャーの方

Posted by webook at 08:57

2004年02月12日

■気絶するほど儲かる絶対法則(石原明)

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この本を読んで気絶しちゃおう!(笑)

気絶するほど儲かる絶対法則】 
     
   =========================================
   |著者:石原明
   |サンマーク出版|2004/02/07
   |ISBN: 4763195220 |1400円 |
    =========================================
 
 本書の著者は、ご存知「営業マンは断ることを覚えなさい」というメルマ
 ガ発行者の石原明さんである。モノでもサービスでもお客様に売るために
 は、買う人の心理を理解し、売れるための仕掛けを持つことが必要である。
 営業マンは断ることを・・という逆説的でインパクトのある営業指南は多
 くの人に「!」をもって受け入れられた。うっそー!という声が一杯だっ
 たはずだ。

 本書は、その石原さんがマーケティングについて語り起こした本だ。

 「ら・さんたを中心に多くの人の物語をつくる」というキーメッセージで
 社員を燃えさせた福島のパン屋さん「ら・さんた」や、仕事=親切を実践
 して大成功している新卒採用コンサルタントのワイキューブなど、多くの
 成功例は、身近な雰囲気の中に<なるほど>がある。

  *行き詰まっている業界こそ、他業種からヒントをもらう
  *買ってもらったら、「電話をしてもいい」という権利が発生する
  *教育とは、同じ人間に同じ話を400回言えるかどうか

 など、儲かるための商売・ビジネスのキモが分かりやすく語られている。

 セミナーに参加しているような雰囲気で、とても読みやすい。
 「売れるしかけ」と「勝てるしくみ」のためのヒントを本書から得たい。

 ====================================================================
 

   ★★★★★+気絶!

 
   ・商売のコツをつかみたい方
   ・ビジネスの転換を考えている方
   ・営業・マーケティング担当の方

Posted by webook at 20:07

2004年02月11日

■池上彰の情報力(池上彰)

ikegami.JPGこどもはいつも「どうして?」って聞く。
池上彰の情報力
        
   =========================================
   |著者:池上彰
   |ダイヤモンド社|2004年 01月
   |ISBN:4478740321|1,400円| 253P
    =========================================
 
 NHK週刊こどもニュースをごらんになった方、多いでしょう。
 あの番組のお父さん役とキャスターを務めているのが本書の著者、池上さ
 んだ。番組では一週間のニュースをこどもにも分りやすく解説する。 
   http://www.nhk.or.jp/kdns/
 意外なことに(というか当然というか)見ている半数以上は大人だという。
 それだけに大人も耐えうる番組だ。

 大変失礼な話だが、僕は、あの子供ニュースにでてくるNHKのおじさん
 (池上さんのこと)を窓際族の方かと思ったことがある。それは大間違い
 であったことがあらためて本書で分った。(池上さん、ゴメンナサイ)

 本書は、その池上さんが自身の経験をふんだんに盛り込み、情報収集や情
 報の扱い方、情報整理、情報発信など「情報力」を高めるノウハウが書か
 れている。
 入っていくる情報にどういうスタンスで臨むかという点等、いくつか示唆
 を受けた。たとえば・・

 @ニュースの疑問ノートをつけてみよう

  ノートの左側   道路公団の藤井治芳総裁解任問題 
             解任手続きと聴聞

  ノートの右側   なぜ解任することにしたのか?
             どうして聴聞という制度があるのか?
              そもそも道路公団って何をするところ?
 
 みたいに疑問と気づいたことを書いていくのだ。
 このニュースを見聞きするために、気づいたことや考えたことを書き加え
 ていけば、いつのまにかこの問題に極めて詳しい人になる・・ということ
 だ。

 TVでも新聞でも、情報をただ受け流すだけでなく、何かの処理を自分の
 中で続けると不思議なことが起きるようだ。

 読書術も楽しい。「通勤電車の中は理想的な図書館」「書店で時代を感じ
 とろう」などなど。またメディア・リテラシー(メディアを読み解く力)
 をつけるには健全な懐疑心が必要だとか、プリントアウトするだけで、自
 分の文章を読者の立場で読めるなど情報解釈や情報発信の心得もある。
 「なるほど」と「そうそう」が微妙にマッチするところがうれしいね。

 情報をどのように受け止め、自ら発信するときはどういうことに注意した
 らいいかなど、楽しい情報力強化術がある。

 ====================================================================
 

   ★★★★☆+こどもニュース

 
   ・情報を活用したい方
   ・情報発信を考えている方
   ・大人とこどもの方

Posted by webook at 16:57

2004年02月10日

■子どもの意欲を引き出す(チーム・ドルフィン)

NLP.jpg
どうなったらいいと思う? 

子どもの意欲を引き出す
        NLP(神経言語プログラミング)活用事例集Vol.1        
   =========================================
   |著者:チーム・ドルフィン
   |公人の友社|2004年 01月
   |ISBN:4875554370|1,500円 |178P
    =========================================

 落ち込んでいる人に「元気出せよ!」といっても、素直には聞いてもらえ
 ない。遊びに夢中になっているこどもに「いつまであそんでんのよー、っ
 たくぅ」と怒ってもすぐには勉強をはじめない。
 
 落ち込んでいる子供、元気がない生徒、意欲をなくした大人・・そんな人
 たちを元気にし、意欲的にするコミュニケーション方法として、NLPと
 いう手法がある。Neuro Linguistic Proguraming の略で、神経言語プロ
 グラミングと訳されている。

 この日本語訳はIT言語みたいでちょっとイマイチかもしれないが、本書
 の中身は「きづき」のあるとてもいい内容だ。
 流行りのコーチングにも通じる。

 簡単に言うと、「意欲を引き出すためのコミュニケーション手法」だ。

 小どもの親も学校の先生も「あれをしなさい」「それはダメ」とか命令口
 調で指示することは時には必要なのだが、一番有効なことはこんな言葉だ。

  「あなたはどうしたいの?」
  
 という問いかけである。ある絶妙のタイミングでこれを使うと、子供(人
 )は、自らの答えにはっと気付いて前向きになる。

 本書には、そんな事例がたくさん紹介されている。

 この問いかけのときにアウトカム(目的)を明確にしていく方法がある。
 8フレームのアウトカムというものだ。ちょっと気に入る。これは、やり
 たいこと、なりたいことを8つのフレームで肯定的に書くことだ。

    1.あなたはどうしたい(なりたい)の? =アウトカムは?
    2.それはどういう状態になればいいの? =エビデンスは?
    3.そうするとどんな影響があるの?   =効果は?
    4.今、あなたが持っているものはなに? =リソースは?
    5.何がさらに必要か?         =必要なものは?
    6.止めているものは何?        =障害は?
    7.アウトカムを手に入れることの意味は?=意義や価値は?
    8.具体的な行動ステップは?      =行動計画は?

 意欲のわくコミュニケーションは、大人も子供も同じだねぇ。

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   ★★★★+アウトカム

 
   ・何かを引き出す対話をしたい方
   ・こどもをお持ちの親御さんの方
   ・学校の先生

Posted by webook at 13:30

2004年02月09日

■情報起業(藤井孝一)

johokigyou.jpg
自分の経験は売れる? ほんまかいな・・

情報起業
        
   =========================================
   |著者:藤井孝一
   |フォレスト出版|2004年 02月
   |ISBN:4894511614|1,400円
    =========================================
 
 藤井さんの「週末起業」はベストセラーになった。
 その要因は何だろうか・・。世の中のビジネスマンは、多かれ少なかれ自
 分自身を自立した存在にしたい、自分ブランドを構築したい・・・そんな
 思いにかられているからかもしれない。
 
 隣の席の仲間が本を書いた、みじかな友人が雑誌に載った、あいつは副業
 で楽しくやってるらしい・・・そんなことが起きるとちょっと焦る。
 俺もこのままサラリーマンをしてていいんだろうか・・と。
 会社で立派に仕事をこなし、それなりの処遇とポジションを得ているにも
 かかわらず・・・である。
 そうした多くのビジネスパーソンの思いは、「オンリーワン」という自分
 のポジションを確保したいということではないだろうか・・。

 その夢をかなえる秘密がこの本にある。
 オンリーワンだけでなく、それがビジネスに繋がる小資本起業のノウハウ
 である。

 オンリーワンなんてそう簡単になれるものではない・・とお思いの方は、
 間違っている。案外簡単である。なぜなら個人の経験値はそれ自体がオン
 リーワンだからである。新聞を読んで考えたこと、テレビをみて自分の経
 験と重ね合わせたこと、業務のやり方の工夫・・あらゆるものが個性の反
 映であり、情報起業のもとになりうる。

 本書は、藤井さん自身の「情報起業」のプロセスを開示しながら、多くの
 サラリーマンに元気と一歩を踏み出す勇気を与えてくれる

 藤井さんの起業体験は、メルマガ発行⇒コンテンツを雑誌や書籍で展開⇒
 セミナー⇒コンサル⇒会員組織化・・・こんな流れである。
 もとサラリーマンの藤井さんが手に入れたものは「人のお役にたてるとい
 う充実感、好きな仕事を好きなときだけする自由、そしてサラリーマン時
 代を大きく上回る収入」だという。

 いいねぇ・・と思ったら、マネしちゃおう。「情報起業」のネタは、あな
 たの中に存在し、はやく世に出たいと待っているのだから・・・
 
 さて、今から「カリスマ○○」と名乗ってみよっか!

 ====================================================================
 

   ★★★★★+オンリーワン

 
   ・週末起業を狙っている方
   ・起業を考えていいる方
   ・ビジネスマンの方

Posted by webook at 14:34

2004年02月08日

■かいけつゾロリのようかい大リーグ(原ゆたか)

zorori=yakyuu.bmp
 ゾロリって知ってる?

かいけつゾロリのようかい大リーグ
        
   =========================================
   |著者:原ゆたか
   |ポプラ社|2003年 07月
   |ISBN:4591077748|900円|
    =========================================

 小学生くらいのお子さんをお持ちの方は、怪傑ゾロリというのをご存知の
 はず。僕も名前くらいは知っていたが、どんなお話かは知らなかった。
 
 「ねずみとサンタクロース」の著者“のりも先生”(笑)が、最近、ゾロ
 リにぞっこんで、次から次へとシリーズ本をおねだりされる。
 いったい、どこがそんなに面白いのか・・・とためしに読んだのがこの本
 である。

 おおかみのゾロリと子分のイノシシ(イシシとノシシ)が繰り広げる冒険
 物語は、普段の生活で見聞きした事柄が織り込んであったりして楽しい。
 今回は、3年連続最下位井をつづけるようかい大リーグチーム「リストラ
 ーズ」にやる気を起させる物語だ。登場する選手は、いちろう、首長島、
 王ダコ、のものけ、ゴジ松など名前を聞けば、うくくと笑いたくなる選手
 達。対戦相手のホラーズには、ダンディ・ジョンソンやダイ・ガップとい
 った選手がいる。

 親も一緒に笑いながら読める本だ。今度の休みには子供といっしょに、ぜ
 ひどうぞ。

 著者の原ゆたか氏は、いまや小学生の間では知る人ぞ知る!という方だ。
 TVでアニメも始まっている。ゾロリのホームページもあるので、覗いて
 みよう。 http://www.zorori.com/

 そういえば、のりも先生がメルマガを始めるとの噂が・・・

 ====================================================================
 

   ★★★★☆+イシシ

 
   ・小学生のお子さんがいる方
   ・怪傑ゾロを見たことある人
   ・やさしいパパ・ママ

Posted by webook at 21:19

2004年02月07日

■起業・企画・営業・雑談のネタは日常の諦めている不便利から(田口元)

hubenri.bmp脳みそがグリグリ動くよ!

起業・企画・営業・雑談のネタは日常の諦めている不便利から
        
   =========================================
   |著者: 田口 元
   |英治出版|2004.2
   |ISBN:4901234366| 1,200円|175P
    =========================================
 
 世の中には、まだまだたくさんの不便なことがある。
 本書は、田口さんの百式メルマガに寄せられた読者の投稿をもとに、思考
 停止に陥りがちな私達の脳みそをコチョコチョっとくすぐってくれる本だ。

 ものすごく快感を感じる本だ。
 まぁ、だまされたと思ってお読みくだされ。
 読んでいると・・あ、こんなこともあるな・・とか、あんなことに応用し
 たいとか、こんな不便と同じだとか、とにかく自分の脳みそがグリグリと
 動く感覚がわかる。

 人が共感を覚えるのはどういうときだろうか?
 まったく新たなコンセプトを提示され、へぇーと関心するときもあるが、
 むしろ、いや実は僕も似たようなことを考えてたんだ!という場合のほう
 がずっと共感度は高い。
 本書にある様々な不便や工夫のアイデアは、まさにそれ。「あ、それそれ」
 というものを、田口さんの言葉で小気味よく説明されると、脳みそがうれ
 しそうな顔をする!?。

 たとえばこんなものがある:

 ▼次の列車 ~ よく使う駅と目的地をいてれおくと、携帯の待ちうけに
         次の列車の発車時刻が出てくれるとうれしい。

 こんなサービスあったらいいね。そして、これはすぐにでもビジネスにで
 きそうな気もする。全国のJR私鉄を顧客にしてお金儲けできるかもよ。
 
 ▼歯医者コミュニケーション ~ 歯医者にいくとこっちはしゃべればい
        のに「痛いですかー」「大丈夫ですかー」などと平気で聞
        いてくる。なんとかならないだろうか?

 そうそう、僕もこの前歯医者さんにいったとき思った。痛みバーが表示さ
 れる装置なんて簡単だし、つくったらめちゃ売れるかもねー。
 乾燥茶柱もいいね・・・などなど、楽しい刺激で発想豊かになってみよう。

 ====================================================================
 

   ★★★★★+不便利ドットコム

 
   ・日常の不便利を解消したい方
   ・アイデアのヒントを探している方
   ・百式に投稿したことがある方

Posted by webook at 14:27

■内定の原則(佐藤孝治)

内定の原則―就職活動で成功する人だけが持つたった一つの原則がここにある
佐藤 孝治
英治出版 (2004/01)
売り上げランキング: 74,806
通常2~3日以内に発送


キャラ立ちしてみる? 

内定の原則
     
   =========================================
   |著者:佐藤孝治
   |英治出版|2004年 01月
   |ISBN:4901234390|1,200円 |204P
    =========================================
 
 いい会社とはどんな会社ですか? と聞かれてどう答えるだろうか?
 一昔前(僕が就職したころ)は、大手企業、大企業、人気ランキングの高
 い会社・・・といったところが一般的だった。名の知れた会社に就職でも
 しようものなら、親も先生も本人も鼻高々・・だった。
 そして、何年かたって「そんなはずじゃなかった・・」と嘆く人も多い。

 著者でありジョブウエブ代表の佐藤さんは、いい会社をこう定義する。

  「自分が最も成長できる会社」

 僕もまったく同感である。最近の学生の人は、そういう考え方をする人も
 でてきたが、まだまだ「いい会社=人気ランキング上位の会社」という人
 は多い。ランキングが高いことは、ある意味自分が成長できる会社かもし
 れないが、その判断を「他人の基準」に頼ってはいけない。

 本書は、仕事とは何か、就職とはどういう意味か、人生とは何か・・とい
 ったことを考えさせてくれる本だ。就職ハウツウの本では決してない。
 学生に限らず、すでに社会人になっている人にも読んでほしい一冊だ。

 企業はどんな人材を求めているかについて、4人の達人インタビューが紹
 介されている。仕事の達人である。

 キャラが立っているかどうかが判断基準というシェイクの森田さんは、イ
 ンプット・アウトプット理論を紹介している。『学生時代は「時間」とい
 う武器をもとにインプットが大事だが、アウトプットすることも重要だ。
 なぜなら、アウトプットすることでインプットの質と量がどんどん高まっ
 てくるからだ』という。同感! 
 リクルートワークス研究所の木島洋嗣さんも同じようなことを言っている。
 『PDCAは、まずDOから始めよう』ということだ。

 就職を控えた学生の方には、非常に意味のある内容がある。それだけでな
 く、社会人のベテラン(?)の方にも刺激的な本である。

 ====================================================================
 

   ★★★★★+仕事ってなんだ?

 
   ・就職を控えている学生の方
   ・仕事について考えている方
   ・人事部の方

Posted by webook at 01:57

2004年02月05日

■英語でプレゼン(:藤井正嗣/野村るり子)

epresen.jpg
  使えるね、これ・・・

英語でプレゼン
         そのまま使える表現集
   =========================================
   |著者:藤井正嗣/野村るり子
   |日興企画|2003年 09月
   |ISBN:4888776385|本体価格:2,000円
    =========================================

 著者の藤井さんがハーバードのAMP((Advanced Management Program)
 に参加されたときのエピソードを聞いたことがある。日本人も何人か企業
 派遣されていたらしいのだが、彼らを要約すると3Sだったという。それ
 は Silent, Smile ,Sleep だ。(笑いたいけど、笑えない・・)
 口にこそ出さないが、日本にくる欧米の人たちは、日本人をそんなふうに
 思っているのかもしれない。

 藤井さんは、中東、アメリカ、インドなど世界を相手に交渉・調停・解雇
 など様々なビジネスの第一線で活躍してこられた方だけに、3Sな日本人
 をほっとけない・・・というのが心境のようだ。だからこそ、この本が生
 れたともいえる。

 本書は、英語でプレゼンをするための「すぐ使える表現」がまとめてある。
 イントロダクション、ボディー、コンクルージョン、質疑応答の流れに沿
 ってたくさんの文例が収録してある。
 最後にあるパワーポイントの良い例悪い例の対比もとても参考になる。

 ◎使われている単語はやさしいものだからすんなり理解できる。
 ◎ビジネスシーンに即した文例がいっぱい。
 ◎こういうのどういうんだっけ? に気持ちよく答えてくれる文例が豊富

 というのが特徴だ。

 ビジネスのコミュニケーションで、自分や自社製品をうまくプレゼンする
 ための力を本書から得たい。 

 これはちょっと読んでいいなと思っただけでは仕方がない。
 身に付けよう。
 で、どうする? と考えた。
 メルマガで出しちゃおう!  僕はさっそく、決意した。
 最近は、メルマガが本になることが多い。
 しかし、本をメルマガにするのは・・・・あまりない。
 というわけで、著者と出版社のご了解を得てスタートすることになった。
 ひぇー、マジかよ・・・・・・マジです。

 まぐまぐに登録申請しました。ID=126080 (承認プロセス中)
 登録は、こちらです ⇒ http://webook.tv/epresen.htm

 本書はシリーズ化される作品の第一弾で、続編はミーティング、スピーチ
 と続くらしい。こちらも楽しみだ。

 ====================================================================
 

   ★★★★★+英語で・・!

 
   ・ビジネス英語を伸ばしたい方
   ・海外勤務を考えていいる方
   ・英語でプレゼンしないといけなくなった方

Posted by webook at 12:12

2004年02月04日

■図解新選組のことが面白いほどわかる本(中見利男)

shinsengumi=zukai.JPG
 青い生命と赤い情熱・・・「誠」 

図解新選組のことが面白いほどわかる本
        (2時間でわかる)
   =========================================
   |著者:中見利男
   |中経出版|2003年 12月
   |ISBN:4806119210|1,300円 |271P
    =========================================
 
 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 NHKの大河ドラマ「新撰組」は、やはりというか年代によってその評価
 が分かれているらしい。若い人たちには好感をもって受け止められている
 が、年配の方からみると軽すぎるということらしい。ともあれ、あの番組
 は歴史に名を残した新撰組がどういう組織であり、そこに生きた人たちが
 どんな思いだったのかを知る「きっかけ」として多いに歓迎したい。

 さて、本書はその新撰組を非常にわかりやすく解説した本だ。歴史の重み
 を失わずかつ現代風に紹介したところがうれしい。多分、気楽な気分でこ
 の本を手にした人がいるとすれば、その期待値を大きく上回るはずだ。

 新撰組をテロリスト集団、殺人集団だと思っている人は多い。僕もその一
 人だった。しかし、そこには幕末という激流の中で必死に生きようとした
 若い命のほとばしりがあったのだ。

 「幕末という万華鏡を凝視してみると、そこには青い生命と赤い情熱、
  さらに白銀の刀に己を託して懸命に時代を泳ぎきろうとする隊士たちの
  人間味あふれる姿がみえてくる」

 と著者が表現するように、この本は新撰組の誠のもとに生き抜こうとした
 人たちの生き様がビビッドに伝わってくる。

 今、流行の時代ものを単に図解しただけではない。その時代の雰囲気、人
 の生き様、複雑にからむ戦略や謀略などがうまく描き出されているところ
 がサイコウだ。

 幕末のころの様々な動きは「なるほど、そういうことだったのか!」と初
 めて納得できた。大河ドラマを見るならこの本は必須である。
 絶対、おすすめ。

 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

 

   ★★★★★+5つの誠

 
   ・新撰組に関心をもった方
   ・大河ドラマをみている方
   ・口に拳骨を入れることができる方

Posted by webook at 11:58

2004年02月03日

■腐った組織をどうやって救うのか(丸瀬遼)

kusatta.JPG
組織の劣化・・・実はうちでも・・

腐った組織をどうやって救うのか
        「再生の神」は現場にのみ宿る
   =========================================
   |著者:丸瀬遼
   |日本実業出版社|2004年 02月
   |ISBN:4534037015|1,500円 |284P
    =========================================
 
 長銀の最後を看取った男・・という帯からは、ダメな銀行の内幕暴露本か
 ぁ・・というイメージをもったのだが、読み進むうちに他人事ではないこ
 とに気がつき、「やばい」と思ってしまった。

 そうなのだ。いまや銀行は下手な経営の代名詞のように揶揄されるが、そ
 れは銀行にとどまらず多くの企業や官僚的組織に共通する病気だと気づく。

 組織の劣化・・まさにそのことが本当の原因なのだ。劣化とは何か・・・
 無能な経営者、責任のない企画部、責任と戦略性を薄める合議の仕組みな
 どである。これらがあいまって組織を劣化させ、ひいては日本経済の停滞
 を生んでいると分析する。
 組織の劣化は、なにも大銀行や官僚組織だけではない、身近なところにも
 密やかに進行しているとみていい。

 こんな一節を引用しておこう・・

   自分なりのビジョンや戦略とは無縁の経営者にとっては、企画部ほど
   ありがたい存在はない、自分では処理しきれない情報の波にもまれず
   とも、企画部が整理して加工した情報を提供してくれる。自分ではビ
   ジネス戦略を立案できなくても、企画部が原案を作ってくれ、それに
   対していくつか細かい点を指摘しさえすれば、経営をしているという
   幻覚を味あわせてくれるのだ。

 なんと厳しい指摘。しかし、一方でそうだそうだの声も聞こえてくる。

 本書は、そんな現状を明快に切り取るだけでなく、その処方箋も提示する。
 組織再設計のための指針として12の処方箋がある。どの視点ももっとも
 なものだ。たとえば・・
  1.稟議制合議制から個人責任体制へ
  2.網羅的・総合的アプローチからシナリオ・アプローチへ
  3.権限・責任・情報の三位一体化
 などだ。「意思決定の責任は、会議などのあやふやな存在ではなく、明確
 に個人に帰すべきだ」「体系的なシナリオのみが、環境変化への修正を可
 能にする」など、まさにその通り!だと思う。BSC(バランススコアカ
 ード)の活用に際しても、強い共感を覚える考え方だ。 

 日本の組織再生のヒントが、力強く展開されている。おすすめ!

 ====================================================================
 

   ★★★★★+組織の劣化

 
   ・組織変革を行いたい方
   ・会社をなんとかしたいと考えている方
   ・経営幹部の方

Posted by webook at 08:38

2004年02月02日

■きっと!すべてがうまくいく(ジェームズ・アレン)

kitto.JPG
人は自ら考え、その通りのものになるのです。

きっと!すべてがうまくいく

   =========================================
   |著者:ジェームズ・アレン/坂本貢一
   |PHP研究所|2003年 11月
   |ISBN:4569632181|1,200円 |127P
    =========================================
 
 ジェームズ・アレン。イギリスが生んだ偉大な哲学者である。48歳で他
 界している。すでに一世紀近く前のことだ。
 彼が残した19冊の本は、その後多くの人に影響を与え続けている。デー
 ル・カーネギー、ナポレオン・ヒルなどいわゆる自己啓発作家たちはこの
 人の本に強い影響を受けているという。
 
 本書は、どのような姿勢で人生に立ち向かえば幸せに生きることができる
 か・・・そんなテーマで書かれている。
 とてもやさしく、わかりやすい。

 僕は、めずらしく落ち込んでいた。

 そして、この本のこんな言葉に救われた。

    「悪いことは、姿を変えたよいことにほかならない。」
    「悪いことは、あなたがそれから学んだ時点で、
     悪いことではなくなってしまう」

 なるほど。これには、大いに勇気をもらうことができた。

 他にはこんな言葉も・・
    「人は、受け取ることからよりも、与えることからのほうが
     はるかに大きな喜びを手にできる。」

 なんとなく宇宙の摂理とつながることができるようなさわやかな風を、心
 の中にふかせてくれる。 

 「原因と結果の法則」に続き、感動的な本だった。おすすめ!

 ====================================================================
 

   ★★★★★+宇宙の摂理

 
   ・宇宙を味方につけたい方
   ・人生を考えている方
   ・悩みのある方

Posted by webook at 21:29

2004年02月01日

■役員室にエジソンがいたら(ジュリー・L.デービス/スーザン・S.ハリソン)

edison.JPG
中村修二に200億円!・・そういう時代なのだ。

役員室にエジソンがいたら
         知的財産で勝つ経営戦略
   =========================================
   |著者:ジュリー・L.デービス/スーザン・S.ハリソン
   |かんき出版|2003年 10月
   |ISBN:4761261307|2,200円|251P
    =========================================
 
 昨日の朝刊各誌は、日亜化学を相手取った中村修二氏の訴訟記事でにぎわ
 った。中村氏勝訴、200億円の文字が躍る。(再度、上告されることは
 まちがいないところだが・・・)
 裁判所は、600億円でもいいとの判断のようだが、原告側が200億円
 「しか」要求していないから満額の200億円になったらしい。
 中村氏も訴訟の当初は20億円、次に50億円、そして200億円と要求
 額がエスカレートさせている。日亜化学と複雑なやりとりがあったのだろ
 うか。日亜化学にしてみればもっとスマートな対処の仕方があったように
 も思えるが、結果論で語っても仕方がない。

 さて、本書は特許をめぐる知的財産経営戦略の本である。
 エジソンは「発明」の代名詞のような存在だが、実は電球の発明に関して
 面白いエピソードがある。電球の製造法(フィラメント)を特許にしたが
 ライバル会社のジョセフ・スワンに訴訟で負けてしまう。彼は、そのとき
 訴訟相手のライバル会社と共同で会社を設立し、ビジネス成功の道を選ん
 だのだという。その会社こそがGEの前身なのだ。(へぇー)

 IBMは特許のロイアルティで年間15億ドル(約1800億円)も収入
 をあげている。また、クロスライセンスという戦略も面白い。
 ゼロックス、アップル、ダウケミカルなど成功、失敗事例もいくつか紹介
 されており、知的財産について考える部署の人にはお薦めだ。

 本書は、知的財産のマネジメントについて5つのレベルを設定し、具体的
 な事例を紹介しながら解説している。見えざる資本、知的資本(インテレ
 クチュアル・キャピタル)をマネジメントできるかどうか・・そういう時
 代になってきたようだ。
 200億円という賠償額はそういう時代の象徴ともいえる。

 ====================================================================
 

   ★★★★+Edison

 
   ・知的財産を活用したい方
   ・特許戦略を考えていいる方
   ・日亜化学の経営企画室の方

Posted by webook at 11:29

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